《47.衝突》


ギャーギャーとやりとりするダダンさん達を見て笑いながら、果物冷やしに行かなければなとおじぎだけして通り過ぎる。



（まさか、こんな所でルフィとガープさんに会えるやなんてな、ラッキー）

「また、会えるといいな」



そんな事を思いながら、晩御飯に使う野菜を洗っていく。冷やしておいたトマトはサラダ以外にはパスタも良いしお鍋も良いなーと何を作ろうか思考を巡らせていると、ぶちぶちと文句を言いながらダダンさん達が入ってきた。



「どうしたん？えらい荒れてるね」

「荒れもするさ！本っ当ガープのヤロウうちは託児所じゃないってェーのに」

「何かあったん？」

「どうもこうもないよ！まぁたガキ預かれだのと抜かしやがってえらい迷惑だよこっちは！」

「....もしかしてさっきおった子？」

「そーだよ。あんっな10歳にもなってねェちみっこいガキ、アタシらにどうしろってんだい」



アタシゃ知らないよと不貞腐れるように寝てしまったダダンを見て周りの皆はしきりに宥めるが、聞く耳持たずに寝入ってしまった。



「まあ、ダダンさん達の家やからうちは何も言う権利は無いのやけどご飯は多めに作っておいた方がいいんかな？」

「あ、あぁ。あのガキがどのくらい食うか知らねェがエース並には食うんじゃないか？」

「オッケー。ほな今日はちょっと多めに作るわ」

「助かるよ名無しさん。説得は俺らが何とかやってみる」



苦笑いしながら去ってく皆をみて、結局ダダンさんも凄く優しいから受け入れるのは時間の問題なんだろうなとひっそり思った。

あれからひとしきり仕事を終えてご飯までゆっくりしようかなと部屋で転がっていれば無言でエースが入ってくる。まさか居ると思わなかったのか、うちの姿を見てびっくりした後そのまま背を向けて転がった。



「お帰りエース」

「...あぁ.......ただいま」



明らかに様子が違うエースにどうしたもんかと天井を見上げるが、そういやルフィの姿を見てないなと気がついた。



「そういや、あの子見てへん？今日ガープさんが連れてた

「あいつの話はするな」



言い切る前に強く突っぱねられ、これは何かあったなと背を向ける体を見つめる。



「...分かった。ま、話したくなったら話し。でもその前に、風邪引くから早めにお風呂は入りよー」

「............おう」



ぽん、と背中を軽く叩いて部屋を出た。


（もうすぐ暗くなるし家の前で待ってみるか）


靴を引っ掛けて庭に出たは良いものの人の気配は感じもしない。いよいよまずいんじゃないかと報告に行けば放っておけとの一点張りで。

怖いのが大丈夫なら問題無く探しに行けたのだが生憎それを許してくれるような優しい森でもなければお化けを克服出来た訳でもないので、今日は寝ずに部屋から外を眺めておくかと思い直した。