《34.ご飯と本音》


あの後明日から修行だと聞いてルンルンしながら帰路を歩いていれば見知った黒髪が飛び込んでくる。



「エースー」

「...名無しさん？お前先に戻ったんじゃ」

「ちょっと道草食ってたら今になった」

「へえー、まいいか。ちょっと待つの手伝ってくれよ」



そういいながら、魚の網事渡してきたがその横にはエースの体の倍以上ある豚を見てやっぱり凄いなと関心する。



「そういや、今日は随分早いんやな」

「サボが用事があるとかで帰ったから、たまにはな」

「そっか。ほな夜になるけどご飯のリクエストとかある？」



何気なしに聞いてみれば、平然と豚を持ち上げながら話すエースの顔がちょっとだけきらめくから、いつもこの瞬間は本間に可愛いと笑顔になる。



「...あれ、食いてえ。肉の塊の丸いやつ」

「...ハンバーグ？ぺちぺちって空気抜いたお肉を焼いたやつ」

「そう！それだ！」

「んーほな、今日はお魚もあるしツミレにしてお味噌汁と畑でとったお野菜でポテトサラダとか追加してもいいな♪」

「つみれって、なんだ」

「せやなあ...簡単に言うと、お魚をすり潰したら丸ーいお団子にしてスープに入れるんよ。めっちゃ美味しいで」

「その、ぽてとさらだってのもうまいのか？」

「こないだエースが卵と一緒に混ぜてくれたやつ」

「あ、あのうまかったやつか」

「.....美味しかったんや？」

「！！違えっ言ってねえ！」



ついポロっと漏れたのか顔を赤くしながら否定してくるが、初めて聞いた美味しいについついニンマリと破顔してしまう。



「ぉっ、おい！ニヤニヤすんな！違うからな」

「はいはい美味しいご飯作ったるから待っててな〜」

「うるせえよ！」



久々に聞いたうるさいも今となっては可愛いくていつも以上に腕によりをかけて作ろうと心に思った。