エンドライフ④
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《69.流れ出す時間》
「名無しさん....なんだろ、お前」
「え....す....」
「っ............、やっぱり名無しさんじゃねェか」
消え入りそうな声を発した名無しさんに、泣きそうな顔を歪めたエースは、一歩、一歩とゆっくり名無しさんに近づいていく。
残りもう1mも無いという所まで迫ったかと思うと、何かに耐えきれなくなったのかエースは名無しさんの腕を引っ張って力強くその腕に抱き留めた。
「....お前は本当よォ....本当にっ.................」
「っ....」
「生きててくれて、ありがとなっ.................‼︎‼︎」
震える身体と、震える腕に抱きしめられて、それでも力強くじんわりと身体に馴染んでいく懐かしい体温。
その全てが名無しさんにとっては愛おしくて、溢れそうになっていた雫は泣きながら伝えられた一言で、一気に溢れ出してしまっていた。
幾度と無く伝えていたおまじないのようなあの言葉が、まさか自分に投げかけられる何て思ってもいなかったのだ。
(エースっ....エースや....)
声に出せる余裕も無く溢れ出してしまった名無しさんの涙は止まる術を持たず、ただただ強く抱きしめてくる人物の身体を濡らしていく。
与えられる温もりが未だ信じられないのか震えるような柔らかい手つきでゆっくりと抱きしめられた背中へと腕を回せば、より一層強くなった抱擁に声にならない声が聞こえた気がした。
それからしばらくお互いが言葉を交わすこともなかったが、それでも離れたくないのだという気持ちだけはどこかで互いに理解をしていて。
永遠にすら続くかと思われたその空間に、聞き馴染みのありすぎる声がこだました。
「無事、逢瀬は済んだみたいだな」
「「!!!!」」
突然響いた低音に、何故かババっと距離をとる2人。
途端に笑い声を上げながら近づいてくるサボは今日見た中で一番の笑顔を見せて笑う。
「何だ〜エース、顔真っ赤じゃねェーか」
「うっ、うるせェーな!ぶっ飛ばすぞお前」
「名無しさんも、変装取れちまってんぞ」
「!こ、れは、その...目的達成したからいいねん」
「ハハハっ!揃いも揃って不器用かよ(笑)」
「「サボ!!」」
「ハハハハハ」
笑い止まないサボの腕にパンチを仕掛ければ笑いながら受け取められて、ちょっと悔しく思っていると突然凄い勢いで近づいてきた気配。
名無しさんは静かに覚悟を決めて受け身を取っていると、想像以上の衝撃に後ろに仰け反った身体をエースが受け止めてくれる。
「っと、ごめんなエース、ありがとう」
「...何つーか、懐かしい光景だな」
「名無しさんさーーーんっ....!!!」
「おいおいコアラ、泣きすぎだぜ?」
「サボくんは、黙ってて!うわぁあーーーん」
「..............ごめんな、コアラ。ありが...っいてててて」
懐かしいまでの肋骨の痛みに、自分の為に泣いてくれる変わらない姿に、止まっていた涙は笑いながらも溢れていく。
「ありがとうな、みんなっ....」
あんな事があっても尚変わらず受け入れてくれる優しさに、温かい空間に、名無しさんは静かに泣き笑いをする。
「......................、」
...それは初めて出会った時に見た、自分の為に泣いてくれたあの姿と泣きながらも嬉しそうな笑顔が重なって、エースは一瞬見惚れてしまう。
しかしすぐ様意識を取り戻して名無しさんへと帽子を被せて笑い、サボはつられて泣きそうになりながらもグッと笑顔を作って背中を撫でる。
同じように泣き笑いをするコアラは、自分の涙を拭う事はせずに嬉しそうに笑った後、名無しさんの懐へと次は優しく抱きついた。
..........長く時を止めていた名無しさんの時間は、ようやく今、動き出したのである。
「名無しさん....なんだろ、お前」
「え....す....」
「っ............、やっぱり名無しさんじゃねェか」
消え入りそうな声を発した名無しさんに、泣きそうな顔を歪めたエースは、一歩、一歩とゆっくり名無しさんに近づいていく。
残りもう1mも無いという所まで迫ったかと思うと、何かに耐えきれなくなったのかエースは名無しさんの腕を引っ張って力強くその腕に抱き留めた。
「....お前は本当よォ....本当にっ.................」
「っ....」
「生きててくれて、ありがとなっ.................‼︎‼︎」
震える身体と、震える腕に抱きしめられて、それでも力強くじんわりと身体に馴染んでいく懐かしい体温。
その全てが名無しさんにとっては愛おしくて、溢れそうになっていた雫は泣きながら伝えられた一言で、一気に溢れ出してしまっていた。
幾度と無く伝えていたおまじないのようなあの言葉が、まさか自分に投げかけられる何て思ってもいなかったのだ。
(エースっ....エースや....)
声に出せる余裕も無く溢れ出してしまった名無しさんの涙は止まる術を持たず、ただただ強く抱きしめてくる人物の身体を濡らしていく。
与えられる温もりが未だ信じられないのか震えるような柔らかい手つきでゆっくりと抱きしめられた背中へと腕を回せば、より一層強くなった抱擁に声にならない声が聞こえた気がした。
それからしばらくお互いが言葉を交わすこともなかったが、それでも離れたくないのだという気持ちだけはどこかで互いに理解をしていて。
永遠にすら続くかと思われたその空間に、聞き馴染みのありすぎる声がこだました。
「無事、逢瀬は済んだみたいだな」
「「!!!!」」
突然響いた低音に、何故かババっと距離をとる2人。
途端に笑い声を上げながら近づいてくるサボは今日見た中で一番の笑顔を見せて笑う。
「何だ〜エース、顔真っ赤じゃねェーか」
「うっ、うるせェーな!ぶっ飛ばすぞお前」
「名無しさんも、変装取れちまってんぞ」
「!こ、れは、その...目的達成したからいいねん」
「ハハハっ!揃いも揃って不器用かよ(笑)」
「「サボ!!」」
「ハハハハハ」
笑い止まないサボの腕にパンチを仕掛ければ笑いながら受け取められて、ちょっと悔しく思っていると突然凄い勢いで近づいてきた気配。
名無しさんは静かに覚悟を決めて受け身を取っていると、想像以上の衝撃に後ろに仰け反った身体をエースが受け止めてくれる。
「っと、ごめんなエース、ありがとう」
「...何つーか、懐かしい光景だな」
「名無しさんさーーーんっ....!!!」
「おいおいコアラ、泣きすぎだぜ?」
「サボくんは、黙ってて!うわぁあーーーん」
「..............ごめんな、コアラ。ありが...っいてててて」
懐かしいまでの肋骨の痛みに、自分の為に泣いてくれる変わらない姿に、止まっていた涙は笑いながらも溢れていく。
「ありがとうな、みんなっ....」
あんな事があっても尚変わらず受け入れてくれる優しさに、温かい空間に、名無しさんは静かに泣き笑いをする。
「......................、」
...それは初めて出会った時に見た、自分の為に泣いてくれたあの姿と泣きながらも嬉しそうな笑顔が重なって、エースは一瞬見惚れてしまう。
しかしすぐ様意識を取り戻して名無しさんへと帽子を被せて笑い、サボはつられて泣きそうになりながらもグッと笑顔を作って背中を撫でる。
同じように泣き笑いをするコアラは、自分の涙を拭う事はせずに嬉しそうに笑った後、名無しさんの懐へと次は優しく抱きついた。
..........長く時を止めていた名無しさんの時間は、ようやく今、動き出したのである。