エンドライフ④
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《69.紡ぐ絆 》
ータッタッタッタッ
喧騒渦巻く闘技場を抜け、ドレスローザの地を走り抜ける4人組。ドフラミンゴに踊らされ戦いを挑んでくる大群をいなしながらも、足は決して止まる事無くただ一つの目的の為走り続ける。
「それにしてもまさか、記憶を戻す方法が悪魔の実だったとはな」
すると突然後ろを着いてくる名無しさんとコアラに聞こえないように呟いたサボの言葉に、チラリと目線を送ったエースは走るスピードを緩めずに口元だけでフッと笑った。
「そいつは多分....違ェ」
「何か他に思い当たる事があったのか?」
「まァーな」
そう言って目を細めたエースの脳裏に浮かぶのは、悪魔の実の力を取り戻してから見た忘れる事はないだろう景色。
...決して自分には涙を見せなかった名無しさんが、涙を流しこちらを見上げながら微かに笑っていた...あの姿だ。
その姿を捉えた瞬間、エースの頭の中には名無しさんとの思い出が一気に駆け巡り身を焦がす程の思いが溢れ出して...
悪魔の実を食べただけでは戻らなかった名無しさんとの大切な記憶があの時初めて取り戻された瞬間だったのだ。
「...随分昔に見た、忘れたくねェ光景と被っちまったのさ」
痛みに耐えるかのようなそれでいて嬉しそうな笑顔に、サボは開きかけた口をそっと閉じる。
そして一言「そうか」とだけ告げて前を見据えた。
途中コアラは別用で別れたのもあり、今は3人仲良く走り続けているのだが、両サイドから感じる視線に名無しさんは軽くため息を吐きながら言葉を発する。
「...さっきから、何なん2人共」
「いや、別に」
「サボと同じく」
「いやいやいや嘘にも程があるわ」
「だってなァ、サボ」
「だな、エース」
顔を見合わせ無邪気に笑った2人に、ハテナを浮かべて呆れる名無しさん。教えるつもりはないのだろうなと検討をつけながら前に視線を戻せば、見知った背中が見えてきてほぼ無意識にエースへと視線を送ってしまっていた。
「大丈夫さ」
「エース...」
「ハハっ!心配性なのは変わらねェなァ名無しさん」
再度「大丈夫だ」と告げて力強く笑った姿はずっと見てきていたエースそのもので、名無しさんは思わず唇を噛み締める。
するとポンと頭に走った左側からの衝撃で思わず左を見上げると、不敵に笑ったサボが居て...その後続いた右側からの衝撃で右を見上げれば同じ笑顔を浮かべたエースの姿。
...そんな何気無いやり取りが泣きそうな程嬉しくて仕方が無い。それでも今はそんな暇は無いと弱くなりそうな心を叱咤して名無しさんは2人の背中をポンと叩いた。
「2人共、準備はいいか?」
「あぁ、始めるとするか...!」
「名無しさんっ、サボっ、油断すんじゃねェーぞ!」
「当然だ!!」「当然や!!」
その言葉を合図に、ルフィへと攻撃をしかけようとしていた海軍大将の手をエースが放った炎とサボのパイプが受け止める。
「行けよルフィ、ここは俺に任せておけ」
「!サボっ...メラメラの実、食ったんだな!」
「.....あぁ、無事取り返したよ」
「そうか、良かった...!」
「お前はお前のやりたい事をやってこい」
「分かった...!んじゃあおれ、もう行くよ!ありがとな!!」
「気にすんな」
「お前らもサボの仲間なのかーー?サボの事、頼んだぞー!」
まさか話しかけられると思っていなかったのか、ルフィの投げかけに声を発する事はなく、変装していた2人は握り拳を突き出して返事をした。
「...ったくルフィのやつ、相変わらずだな」
「やな(笑)やからこそ信じたくなる」
「あァ、あいつなら大丈夫さ」
先程の炎の出所がまさかエースからだとは気がつかずに背を向けて進んでいくルフィ。
今はまだその時じゃないと、全てが終わってから打ち明けるのだと闘技場を出る時にエース自身が立てた誓い。
早くまた、2人が笑い合う...3人で笑い合う未来が少しでも早くこればいいのにと名無しさんは思った。
ータッタッタッタッ
喧騒渦巻く闘技場を抜け、ドレスローザの地を走り抜ける4人組。ドフラミンゴに踊らされ戦いを挑んでくる大群をいなしながらも、足は決して止まる事無くただ一つの目的の為走り続ける。
「それにしてもまさか、記憶を戻す方法が悪魔の実だったとはな」
すると突然後ろを着いてくる名無しさんとコアラに聞こえないように呟いたサボの言葉に、チラリと目線を送ったエースは走るスピードを緩めずに口元だけでフッと笑った。
「そいつは多分....違ェ」
「何か他に思い当たる事があったのか?」
「まァーな」
そう言って目を細めたエースの脳裏に浮かぶのは、悪魔の実の力を取り戻してから見た忘れる事はないだろう景色。
...決して自分には涙を見せなかった名無しさんが、涙を流しこちらを見上げながら微かに笑っていた...あの姿だ。
その姿を捉えた瞬間、エースの頭の中には名無しさんとの思い出が一気に駆け巡り身を焦がす程の思いが溢れ出して...
悪魔の実を食べただけでは戻らなかった名無しさんとの大切な記憶があの時初めて取り戻された瞬間だったのだ。
「...随分昔に見た、忘れたくねェ光景と被っちまったのさ」
痛みに耐えるかのようなそれでいて嬉しそうな笑顔に、サボは開きかけた口をそっと閉じる。
そして一言「そうか」とだけ告げて前を見据えた。
途中コアラは別用で別れたのもあり、今は3人仲良く走り続けているのだが、両サイドから感じる視線に名無しさんは軽くため息を吐きながら言葉を発する。
「...さっきから、何なん2人共」
「いや、別に」
「サボと同じく」
「いやいやいや嘘にも程があるわ」
「だってなァ、サボ」
「だな、エース」
顔を見合わせ無邪気に笑った2人に、ハテナを浮かべて呆れる名無しさん。教えるつもりはないのだろうなと検討をつけながら前に視線を戻せば、見知った背中が見えてきてほぼ無意識にエースへと視線を送ってしまっていた。
「大丈夫さ」
「エース...」
「ハハっ!心配性なのは変わらねェなァ名無しさん」
再度「大丈夫だ」と告げて力強く笑った姿はずっと見てきていたエースそのもので、名無しさんは思わず唇を噛み締める。
するとポンと頭に走った左側からの衝撃で思わず左を見上げると、不敵に笑ったサボが居て...その後続いた右側からの衝撃で右を見上げれば同じ笑顔を浮かべたエースの姿。
...そんな何気無いやり取りが泣きそうな程嬉しくて仕方が無い。それでも今はそんな暇は無いと弱くなりそうな心を叱咤して名無しさんは2人の背中をポンと叩いた。
「2人共、準備はいいか?」
「あぁ、始めるとするか...!」
「名無しさんっ、サボっ、油断すんじゃねェーぞ!」
「当然だ!!」「当然や!!」
その言葉を合図に、ルフィへと攻撃をしかけようとしていた海軍大将の手をエースが放った炎とサボのパイプが受け止める。
「行けよルフィ、ここは俺に任せておけ」
「!サボっ...メラメラの実、食ったんだな!」
「.....あぁ、無事取り返したよ」
「そうか、良かった...!」
「お前はお前のやりたい事をやってこい」
「分かった...!んじゃあおれ、もう行くよ!ありがとな!!」
「気にすんな」
「お前らもサボの仲間なのかーー?サボの事、頼んだぞー!」
まさか話しかけられると思っていなかったのか、ルフィの投げかけに声を発する事はなく、変装していた2人は握り拳を突き出して返事をした。
「...ったくルフィのやつ、相変わらずだな」
「やな(笑)やからこそ信じたくなる」
「あァ、あいつなら大丈夫さ」
先程の炎の出所がまさかエースからだとは気がつかずに背を向けて進んでいくルフィ。
今はまだその時じゃないと、全てが終わってから打ち明けるのだと闘技場を出る時にエース自身が立てた誓い。
早くまた、2人が笑い合う...3人で笑い合う未来が少しでも早くこればいいのにと名無しさんは思った。