エンドライフ④
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《66. お互いにとっての存在 》
「落ち着いたか?」
「...うん、ごめんサボ。ありがとう」
「気にするな、当然の反応だよ」
ルフィ達の居たあの場から離れ、今は人気の無い廊下にて会話を交わす2人。あの時サボが止めに入っていなければ、確実に状況が悪化してしまっていただろう事は冷静になった今頭が追いついて。
サボの冷静さを見るに、変装していた事もさっきの出来事と何か関係があるのかもしれないと冷静さを取り戻した名無しさんは思い至った。
「仕事の邪魔してもてごめんな」
「!...ハハっ今の所何の問題もないから気にするなよ」
「そっか。それなら良かったけど...サボはこの後どうするん」
「俺の目的はただ一つ、メラメラの実を手に入れる事...」
...確かに他の任務も請け負ってるが、と付け足しながら真っ直ぐと見据えた先には未だ歓声鳴り止まぬ闘技場。
強く輝くその瞳には、言葉には形容出来ない程の意志が宿っていて思わず見入ってしまう。
「...ん?どうした」
視線に気がついたのか、先程までの熱い意志はなりを潜めて柔らかい表情をした目と視線がかち合った。
「サボはさ、メラメラの実を手に入れたらどうするん」
「...あぁ、それはな
そこまで言いかけたと思えば、突然静かにと人差し指を立てたサボは奥にあるフロアを見つめた。
(この気配は....ルフィと、トサカくんか?)
他にも気配はするもののさっきまでの穏やかな様子とは違って瞳を揺らし唇を噛み締めるサボ。
今、何を思っているかだなんて名無しさんには痛い程その気持ちが分かるからこそ少しの間を置いてからそっと、その背中を叩いた。
「行っておいで」
「!...名無しさん、」
「...大丈夫や、サボが心配しとう事態にはならへんよ。大丈夫」
「っ.....」
なるべく優しく、伝わるようにと優しく背中を撫でる。
優し過ぎる程の目の前の人物があの日の出来事で自分を責めなかった訳がないのは先刻のやり取りで身に沁みている。
だからこそ、サボには後悔をして欲しくなかったのだろう。
「そんな顔せんくても、ここで待っとくよ(笑)」
「.................、あぁ...!」
固く拳を握りながら、何かを決めたかのように一歩一歩とルフィ達の元へ歩みを進めるサボ。過去自分は逃げてしまったのになと名無しさんは自嘲しながらも静かに事の成り行きを見守った。
しばらくもすれば、コツ...コツと、聞き慣れた足跡が響いてきて俯きながら歩いてくる姿。少しして目の前で立ち止まり、何も発する事のない様子をじっと見上げていれば、何かを確かめるかのように、静かに...静かにサボは名無しさんを抱きしめる。
「.................っ悪ィ、ちょっとだけ...こう、させてくれ」
「.....うん、分かった」
ただ一言それだけ告げて、苦しいまでの力で抱きしめてくるサボの震えた身体をそっと抱きしめ返す名無しさん。
ぽん、ぽんと祈りを込めるかのようにサボの震えが落ち着くまでずっと、心地よい一定のリズムを刻みながらその温もりは与えられていた。
それから数分か数十分経ったかは分からないが、あれ程強かった抱擁も弱まってきたので名無しさんがサボの名を呼べば、
「突然悪かったな、名無しさん」
「そんなん気にせんでいいよ。...頑張ったな」
「〜〜あー、もう....せっかく落ち着いてきたっつーのに、お前は」
「?何やねん」
「...いや、いいよ。お前はそれで」
「どういう意味や」
「ハハっ、そのまんまの意味だよ(笑)」
頭にポンと手を置いてからいつもよりは少しだけ力の無い笑顔で笑ったサボ。大分元気になったかなと名無しさんが笑顔を返せば、幾度となく見た何かを伝えたくても伝えようとはしない切なさを秘めた優しい顔つきでサボも笑った。
それから2人で歩き出しながら他愛のない会話は弾み先程までの空気が嘘かのような笑顔が溢れた。
「そう言えばコアラへの連絡は済んだんか?」
「あぁ、ルフィと話した後も事情は伝えてたんだが...お前が居ると知って興奮してたよ」
「ははっ相変わらず可愛いなぁ」
「全てを終えたら、会える時間ぐらいはあるんだろう?」
「...そう、やな。この2年色んな事から逃げてきちゃったからさ、うちもそろそろ腹を括らなや」
「...そうか。無理はするなよ」
「うん、改めてありがとうなサボ。サボが声を掛けてくれんかったら、きっとまだ悩んでた」
やから、ありがとうと伝えれば唇をグッと下げた後にいつもの無邪気な顔でサボは笑い、2人は拳を突き合わせる。
「負けんなよ、名無しさん」
「サボこそ」
「それで、お前はこの後どうすんだ?」
「そうやなぁ、ローくんの事もあるけどルフィがついてるなら大丈夫やろうし今回はうちが手を出すのはお門違いやからな」
「...あの野郎と随分仲がいいんだな」
「まぁ命の恩人やしね、事情もなんとなく掴めたからな」
以前ペンギンとシャチから聞いていた事と関係があるのだろうという事は、ドフラミンゴと対峙していた事で気がつけた。
だからこそ、一瞬冷静さをかいてしまった訳だが一味が同盟を組んでいるのであれば心配ないかと名無しさんが笑えば、面白くなさそうに目を細めたサボと目が合った。
「名無しさん、やっぱりお前おれと来いよ」
「へ?何でや」
「何でもだよ。あいつだからこそ俺も抑えがきくがそうじゃないとなれば話は別だ」
「.....なんの話や」
「お前には分からないかもな(笑)」
「おわっ、ちょっ....またかーー!!」
意識が向く前に抱きかかえられ、風を切るように駆け出したサボは口元に笑みを残して走り去る。
「どこ行くねんサボっ...!うちは別行動のはずじゃ
「待たせてる奴がいるんだ。なーに、悪いようにはしないさ」
それだけ言って不敵に笑うサボにはもう涙の後は見られなかった。
「落ち着いたか?」
「...うん、ごめんサボ。ありがとう」
「気にするな、当然の反応だよ」
ルフィ達の居たあの場から離れ、今は人気の無い廊下にて会話を交わす2人。あの時サボが止めに入っていなければ、確実に状況が悪化してしまっていただろう事は冷静になった今頭が追いついて。
サボの冷静さを見るに、変装していた事もさっきの出来事と何か関係があるのかもしれないと冷静さを取り戻した名無しさんは思い至った。
「仕事の邪魔してもてごめんな」
「!...ハハっ今の所何の問題もないから気にするなよ」
「そっか。それなら良かったけど...サボはこの後どうするん」
「俺の目的はただ一つ、メラメラの実を手に入れる事...」
...確かに他の任務も請け負ってるが、と付け足しながら真っ直ぐと見据えた先には未だ歓声鳴り止まぬ闘技場。
強く輝くその瞳には、言葉には形容出来ない程の意志が宿っていて思わず見入ってしまう。
「...ん?どうした」
視線に気がついたのか、先程までの熱い意志はなりを潜めて柔らかい表情をした目と視線がかち合った。
「サボはさ、メラメラの実を手に入れたらどうするん」
「...あぁ、それはな
そこまで言いかけたと思えば、突然静かにと人差し指を立てたサボは奥にあるフロアを見つめた。
(この気配は....ルフィと、トサカくんか?)
他にも気配はするもののさっきまでの穏やかな様子とは違って瞳を揺らし唇を噛み締めるサボ。
今、何を思っているかだなんて名無しさんには痛い程その気持ちが分かるからこそ少しの間を置いてからそっと、その背中を叩いた。
「行っておいで」
「!...名無しさん、」
「...大丈夫や、サボが心配しとう事態にはならへんよ。大丈夫」
「っ.....」
なるべく優しく、伝わるようにと優しく背中を撫でる。
優し過ぎる程の目の前の人物があの日の出来事で自分を責めなかった訳がないのは先刻のやり取りで身に沁みている。
だからこそ、サボには後悔をして欲しくなかったのだろう。
「そんな顔せんくても、ここで待っとくよ(笑)」
「.................、あぁ...!」
固く拳を握りながら、何かを決めたかのように一歩一歩とルフィ達の元へ歩みを進めるサボ。過去自分は逃げてしまったのになと名無しさんは自嘲しながらも静かに事の成り行きを見守った。
しばらくもすれば、コツ...コツと、聞き慣れた足跡が響いてきて俯きながら歩いてくる姿。少しして目の前で立ち止まり、何も発する事のない様子をじっと見上げていれば、何かを確かめるかのように、静かに...静かにサボは名無しさんを抱きしめる。
「.................っ悪ィ、ちょっとだけ...こう、させてくれ」
「.....うん、分かった」
ただ一言それだけ告げて、苦しいまでの力で抱きしめてくるサボの震えた身体をそっと抱きしめ返す名無しさん。
ぽん、ぽんと祈りを込めるかのようにサボの震えが落ち着くまでずっと、心地よい一定のリズムを刻みながらその温もりは与えられていた。
それから数分か数十分経ったかは分からないが、あれ程強かった抱擁も弱まってきたので名無しさんがサボの名を呼べば、
「突然悪かったな、名無しさん」
「そんなん気にせんでいいよ。...頑張ったな」
「〜〜あー、もう....せっかく落ち着いてきたっつーのに、お前は」
「?何やねん」
「...いや、いいよ。お前はそれで」
「どういう意味や」
「ハハっ、そのまんまの意味だよ(笑)」
頭にポンと手を置いてからいつもよりは少しだけ力の無い笑顔で笑ったサボ。大分元気になったかなと名無しさんが笑顔を返せば、幾度となく見た何かを伝えたくても伝えようとはしない切なさを秘めた優しい顔つきでサボも笑った。
それから2人で歩き出しながら他愛のない会話は弾み先程までの空気が嘘かのような笑顔が溢れた。
「そう言えばコアラへの連絡は済んだんか?」
「あぁ、ルフィと話した後も事情は伝えてたんだが...お前が居ると知って興奮してたよ」
「ははっ相変わらず可愛いなぁ」
「全てを終えたら、会える時間ぐらいはあるんだろう?」
「...そう、やな。この2年色んな事から逃げてきちゃったからさ、うちもそろそろ腹を括らなや」
「...そうか。無理はするなよ」
「うん、改めてありがとうなサボ。サボが声を掛けてくれんかったら、きっとまだ悩んでた」
やから、ありがとうと伝えれば唇をグッと下げた後にいつもの無邪気な顔でサボは笑い、2人は拳を突き合わせる。
「負けんなよ、名無しさん」
「サボこそ」
「それで、お前はこの後どうすんだ?」
「そうやなぁ、ローくんの事もあるけどルフィがついてるなら大丈夫やろうし今回はうちが手を出すのはお門違いやからな」
「...あの野郎と随分仲がいいんだな」
「まぁ命の恩人やしね、事情もなんとなく掴めたからな」
以前ペンギンとシャチから聞いていた事と関係があるのだろうという事は、ドフラミンゴと対峙していた事で気がつけた。
だからこそ、一瞬冷静さをかいてしまった訳だが一味が同盟を組んでいるのであれば心配ないかと名無しさんが笑えば、面白くなさそうに目を細めたサボと目が合った。
「名無しさん、やっぱりお前おれと来いよ」
「へ?何でや」
「何でもだよ。あいつだからこそ俺も抑えがきくがそうじゃないとなれば話は別だ」
「.....なんの話や」
「お前には分からないかもな(笑)」
「おわっ、ちょっ....またかーー!!」
意識が向く前に抱きかかえられ、風を切るように駆け出したサボは口元に笑みを残して走り去る。
「どこ行くねんサボっ...!うちは別行動のはずじゃ
「待たせてる奴がいるんだ。なーに、悪いようにはしないさ」
それだけ言って不敵に笑うサボにはもう涙の後は見られなかった。