エンドライフ④
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《60.会いたくて、会いたくなかった人 》
「なんとなんと、勝者は......ルーシー!!」
「.....おっし!やったなルフィ」
「良かったな」
...あれからというもの、ブロック分けで見事エースとは別ブロックにはなれたものの先の言葉通りずっと後ろをついてくるエースは、それはそれはとても可愛い。まるで親鳥の後をついてくる雛のようだ。
「〜〜〜っかー!いい試合だったな!あ〜早くおれも戦いてェ〜」
「ははっ血の気が多いね、Eやとまだ先やろな」
「ちぇっ、んな事しなくてもさっさと全員でバトらしゃいいのによー」
「流石に無理やろあの広さじゃ」
エースからしたら会ってまだ数刻だと言うのにこの警戒心の無さは人誑しにも程があるなとひっそりと笑っていれば、何笑ってんだよと肩を組まれる。
「........ファイヤー、ごめんなんやけどもうちょっとボディタッチ減らされへんか?」
「んあ?ボディタッチ?.....誰へのだよ」
「自分への」
「あ?お前?何でまた」
「あー....せやなあ、その〜.....................肩コリとかそういうさ」
「嘘下手過ぎだろ」
おっもしれーなー!とより一層強まった肩への戯れつきにしまるしまる!と抗議しながら話をしていれば、次の試合の準備が整ったようで一気に騒がしくなる闘技場。
自然とそちらへ意識が移ったエースは戯れるのをやめて、嬉しそうにまた繰り広げられる戦いを見てニコニコとしていた。
「ほな、ちょっとお手洗いにいってくるから」
「おう!迷子になんなよ〜」
「はいよ、気ィつける」
目線は前に釘付けのまま片手をあげた様を見て笑い、奥へと続く広大な廊下を歩きながらも一息入れようと意識を緩めたその瞬間だった。見知った気配を感じて顔を上げれば、忘れもしない金髪の彼が数十メートル先に立っていて考えるより早く身体は走り出していた。
(.................何でここにサボが...!...って...そらそうか、メラメラの実の為か)
人目に着く場所での能力解放は、頂上戦争での件もあって良くないと分かっていたので気配が少ない場所を目指して走り続ける。
....煩くなる鼓動。目が合って眉を寄せたように歪められた眼差しと口元。その全てが、うちを否定しているように見えてしまって暑いはずなのに手の震えがおさまらない。
ぎゅっとそれを握りしめ、ようやく人がいない場所についた瞬間そっと能力を開放しようと口を開いた。
「リバース、《体 》」
「させねぇっ!!」
「!!」
「ハァッ...ハァッ、おま....逃げ足早すぎだろ......ははっ、やっと、やっとだ」
「さ.....ぼ」
「やっとお前を....捕まえられたっ...!!」
身体が消え始めた瞬間物凄い速さで手首を掴まれその驚きで能力を解いてしまったうちは、最早マントを羽織る長身の人間に手首を捕まえられていて、もうこれ以上は逃げられないのだと目の前の姿を見て悟った。
目を合わせられなくて、自然と落ちる目線が目の前の人物の靴を捉える。
(潜伏中....なんかな、隠れてたみたいやし今はまだうちは話なんて)
「名無しさん」
「!!」
優しく響く懐かしい声に、グッと力の入る身体。
殴られたって、罵倒されたって仕方のない事をエースにしてしまった自責の念が消えない。...何せ彼もあの場に居たのだ。うちの無力さは誰よりも分かっているだろうし何よりもエースは盃を交わした大切な兄弟なのだ。
名前を呼ばれていると言うのに、顔を上げる事も出来ず言葉を発する事も出来ないでいると、上からため息が聞こえてきて思わず体がびくりとしてしまう。
「はぁ.......仕方ねぇ」
「..............、!ちょっ」
「ここじゃ目立つから、ちょっと場所移動させるぞ」
「おわっ、な....離して!」
「誰が離すかよ。.........もう二度と」
所謂姫さん抱っこを無理矢理受けさせられながらボソっと呟かれた言葉。その真意が分からず横目に写ったサボの険しい横顔を見て、暴れていた体が一瞬止まる。
(..........怒ってんのか.....そら、そうか)
知りたくなかった現実を叩きつけられた気がして、ズキズキと痛む心臓。この後にくるであろう拒絶を受け取る準備だけはしておかないとと、目にも止まらぬ速さで駆け抜ける廊下を眺めながら静かに唇を噛んだ。
「なんとなんと、勝者は......ルーシー!!」
「.....おっし!やったなルフィ」
「良かったな」
...あれからというもの、ブロック分けで見事エースとは別ブロックにはなれたものの先の言葉通りずっと後ろをついてくるエースは、それはそれはとても可愛い。まるで親鳥の後をついてくる雛のようだ。
「〜〜〜っかー!いい試合だったな!あ〜早くおれも戦いてェ〜」
「ははっ血の気が多いね、Eやとまだ先やろな」
「ちぇっ、んな事しなくてもさっさと全員でバトらしゃいいのによー」
「流石に無理やろあの広さじゃ」
エースからしたら会ってまだ数刻だと言うのにこの警戒心の無さは人誑しにも程があるなとひっそりと笑っていれば、何笑ってんだよと肩を組まれる。
「........ファイヤー、ごめんなんやけどもうちょっとボディタッチ減らされへんか?」
「んあ?ボディタッチ?.....誰へのだよ」
「自分への」
「あ?お前?何でまた」
「あー....せやなあ、その〜.....................肩コリとかそういうさ」
「嘘下手過ぎだろ」
おっもしれーなー!とより一層強まった肩への戯れつきにしまるしまる!と抗議しながら話をしていれば、次の試合の準備が整ったようで一気に騒がしくなる闘技場。
自然とそちらへ意識が移ったエースは戯れるのをやめて、嬉しそうにまた繰り広げられる戦いを見てニコニコとしていた。
「ほな、ちょっとお手洗いにいってくるから」
「おう!迷子になんなよ〜」
「はいよ、気ィつける」
目線は前に釘付けのまま片手をあげた様を見て笑い、奥へと続く広大な廊下を歩きながらも一息入れようと意識を緩めたその瞬間だった。見知った気配を感じて顔を上げれば、忘れもしない金髪の彼が数十メートル先に立っていて考えるより早く身体は走り出していた。
(.................何でここにサボが...!...って...そらそうか、メラメラの実の為か)
人目に着く場所での能力解放は、頂上戦争での件もあって良くないと分かっていたので気配が少ない場所を目指して走り続ける。
....煩くなる鼓動。目が合って眉を寄せたように歪められた眼差しと口元。その全てが、うちを否定しているように見えてしまって暑いはずなのに手の震えがおさまらない。
ぎゅっとそれを握りしめ、ようやく人がいない場所についた瞬間そっと能力を開放しようと口を開いた。
「リバース、《
「させねぇっ!!」
「!!」
「ハァッ...ハァッ、おま....逃げ足早すぎだろ......ははっ、やっと、やっとだ」
「さ.....ぼ」
「やっとお前を....捕まえられたっ...!!」
身体が消え始めた瞬間物凄い速さで手首を掴まれその驚きで能力を解いてしまったうちは、最早マントを羽織る長身の人間に手首を捕まえられていて、もうこれ以上は逃げられないのだと目の前の姿を見て悟った。
目を合わせられなくて、自然と落ちる目線が目の前の人物の靴を捉える。
(潜伏中....なんかな、隠れてたみたいやし今はまだうちは話なんて)
「名無しさん」
「!!」
優しく響く懐かしい声に、グッと力の入る身体。
殴られたって、罵倒されたって仕方のない事をエースにしてしまった自責の念が消えない。...何せ彼もあの場に居たのだ。うちの無力さは誰よりも分かっているだろうし何よりもエースは盃を交わした大切な兄弟なのだ。
名前を呼ばれていると言うのに、顔を上げる事も出来ず言葉を発する事も出来ないでいると、上からため息が聞こえてきて思わず体がびくりとしてしまう。
「はぁ.......仕方ねぇ」
「..............、!ちょっ」
「ここじゃ目立つから、ちょっと場所移動させるぞ」
「おわっ、な....離して!」
「誰が離すかよ。.........もう二度と」
所謂姫さん抱っこを無理矢理受けさせられながらボソっと呟かれた言葉。その真意が分からず横目に写ったサボの険しい横顔を見て、暴れていた体が一瞬止まる。
(..........怒ってんのか.....そら、そうか)
知りたくなかった現実を叩きつけられた気がして、ズキズキと痛む心臓。この後にくるであろう拒絶を受け取る準備だけはしておかないとと、目にも止まらぬ速さで駆け抜ける廊下を眺めながら静かに唇を噛んだ。