エンドライフ④
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《55. 怖がりな君へ》
あれから宴は三日三晩程続き、眩しい程の月夜が照らす丘の上には気持ち良さそうに転がり眠るハートの海賊団。
トラファルガーに至っては随分と前に自室へと戻ってしまった。
「何だよエース、今日は珍しく起きてんのか?」
「へへっ、まァなー。何つーか、勿体無くてよ」
そう言って指をさしたのは、空に煌めく満天の星と大きな満月。
その様子を見たマルコは、そう言えば名無しさんもよくこんな夜は甲板に出ていたなと思いを馳せる。
「よく分かんねェーんだけどよ、懐かしい気がすんだよなァ」
「......そうかい」
「あっ!信じてねェーだろマルコ」
「ははは!どう思う」
「へーへー、どうせおれには似合わねェよ〜だ」
「んな事ァ言ってねェーだろうよい」
「顔が言ってんだよな〜....くっそー」
少し不貞腐れた顔をしながらも、船を出た時よりも随分と以前の表情が見られる事に笑っていれば別の意味で笑われたと勘違いをしたエースが尚も顔を顰める。
それでも眠る事をしないのは、失ってしまった記憶の端で何かが引っかかっているからなのか。
「なァマルコ、名無しさんって奴は...いい奴だな」
「...どうした、急に」
「そいつなんだろ?おれに手紙を残してたのはよ」
「......気づいてたのか」
「ははっ何となくなァ(笑)」
部屋にあったファイルの文字を見て確信したのだと笑うエースは、どこか嬉しそうで。
「記憶がねェ状態だからなのかもしんねェが、最初聞いた時は俄かに信じ難くてよ(笑)」
「ははは!そらァーそうだろうよい、普通じゃあねェ」
「...でもさ、あのファイルを見て大事そうに貼ってある手配書を見てよォ。ここに居た奴は紛れもねェおれらの仲間だったんだなって、やっとお前らの表情の意味が分かった」
「おれらのって...んな大した顔はしてねェだろい」
「あ?自覚ねェーのかよお前。みーんな揃ってそいつが好きだーっつー顔だよ(笑)」
自覚がねーのは怖いねェ〜と笑いながら茶化したエースに、そんな顔をしていたのかとマルコは少し気恥ずかしいなとは思いながらも負けじと言葉を返した。
「あァ、好きだよい」
「は、はァっ?!おまっ恥ずかし気もなく...
「好きだっつー事の何が恥ずかしいんだよい」
「いやいやいやおまっキャラが違ェーぞ!」
「まーそれも、どっかの誰かさんには負けるけどなァ(笑)」
「.................あ?」
頭に思いっきりハテナを浮かべたエースに笑いながらも、マルコは空を見上げる。
「はーーーーー...........会いてェなァ」
「お、まえ...」
笑いながらゴロンと横になったマルコを見て思わず驚くエース。
「そんなに...すき、なのかよ....そいつの事」
「......どう思う?」
「なっ...そればっかかよ!」
「はははっ!お子ちゃまにはまだ早ェーか!(笑)」
「ガキじゃねェっ!」
あーだこーだと戯れ合う2人を他所に、その様子をひっそりと眺める一つの影があった。
.................そう、名無しさんである。
(なん...で、何で、ここにっ...エースとマルコがっ...え?)
目の前に広がる光景に訳も分からず目からは涙が溢れる。
守りたかった日常を、笑い合っている2人を、この目でまた拝めるだなんて思っても見なかったからこそ理解が追いつかなくてただただ立ち尽くすことしかできない名無しさん。
...もしもこの時名無しさん自身が、能力の覚醒に至る前の状態であったのならば気配ですぐ様バレてしまい二つの運命は今この時にでも混じり合ったのかもしれない。
だが過酷な修行を乗り越えた名無しさんにとっては最早、能力発動による感情のコントロールは無意識下で行われてしまっていて...
「話を聞く限りよォ、そいつはとんだ怖がりみてェだからさ、おれの事なんて探さねェかもなァ」
「エース....」
「だったら今度は、おれがそいつを探し出してやるさ」
「.................」
「つってもまずは、一人旅が出来るようにメラメラの実も同時進行で探してからにはなるがよ(笑)」
「.................だな」
「おれ一人で生きたって、何の意味もねェ。おれが、おれでいられるように貰った命だ、無駄にはしねェさ」
笑いながらもずっと昔から変わる事のない、強い意志を宿したその言葉に我慢出来ずに思わずしゃがみ込む。ぽたぽたと、地面へは無数の水滴が落ちいくつもの模様を描いては染み込み草木へと吸い込まれていった。
(何でやっ...なんでやっ、アホちゃうかっ...なん、でやねん....)
別れを告げてもう自分とは縁が切れたはずだった。
自分に囚われる事無く自由に生きていって貰うはずだった。
...それなのにどうだ?目の前に居る二人は、こんな身勝手で裏切り者と言われても仕方がない自分の事をまだ仲間と呼んでくれているのだ。
思われていると言うだけでこんなにも心は満たされるものなのかと、震える身体を抱きしめながら強く思う。
(きらわれてっ....無かったんやっ....そっか、....そっかぁっ)
飛び跳ねたい程に嬉しくて、幸せで、感情の整理がつかない。二人が寝てしまってからもうちはしばらくそこを動けずに居た。
あれから宴は三日三晩程続き、眩しい程の月夜が照らす丘の上には気持ち良さそうに転がり眠るハートの海賊団。
トラファルガーに至っては随分と前に自室へと戻ってしまった。
「何だよエース、今日は珍しく起きてんのか?」
「へへっ、まァなー。何つーか、勿体無くてよ」
そう言って指をさしたのは、空に煌めく満天の星と大きな満月。
その様子を見たマルコは、そう言えば名無しさんもよくこんな夜は甲板に出ていたなと思いを馳せる。
「よく分かんねェーんだけどよ、懐かしい気がすんだよなァ」
「......そうかい」
「あっ!信じてねェーだろマルコ」
「ははは!どう思う」
「へーへー、どうせおれには似合わねェよ〜だ」
「んな事ァ言ってねェーだろうよい」
「顔が言ってんだよな〜....くっそー」
少し不貞腐れた顔をしながらも、船を出た時よりも随分と以前の表情が見られる事に笑っていれば別の意味で笑われたと勘違いをしたエースが尚も顔を顰める。
それでも眠る事をしないのは、失ってしまった記憶の端で何かが引っかかっているからなのか。
「なァマルコ、名無しさんって奴は...いい奴だな」
「...どうした、急に」
「そいつなんだろ?おれに手紙を残してたのはよ」
「......気づいてたのか」
「ははっ何となくなァ(笑)」
部屋にあったファイルの文字を見て確信したのだと笑うエースは、どこか嬉しそうで。
「記憶がねェ状態だからなのかもしんねェが、最初聞いた時は俄かに信じ難くてよ(笑)」
「ははは!そらァーそうだろうよい、普通じゃあねェ」
「...でもさ、あのファイルを見て大事そうに貼ってある手配書を見てよォ。ここに居た奴は紛れもねェおれらの仲間だったんだなって、やっとお前らの表情の意味が分かった」
「おれらのって...んな大した顔はしてねェだろい」
「あ?自覚ねェーのかよお前。みーんな揃ってそいつが好きだーっつー顔だよ(笑)」
自覚がねーのは怖いねェ〜と笑いながら茶化したエースに、そんな顔をしていたのかとマルコは少し気恥ずかしいなとは思いながらも負けじと言葉を返した。
「あァ、好きだよい」
「は、はァっ?!おまっ恥ずかし気もなく...
「好きだっつー事の何が恥ずかしいんだよい」
「いやいやいやおまっキャラが違ェーぞ!」
「まーそれも、どっかの誰かさんには負けるけどなァ(笑)」
「.................あ?」
頭に思いっきりハテナを浮かべたエースに笑いながらも、マルコは空を見上げる。
「はーーーーー...........会いてェなァ」
「お、まえ...」
笑いながらゴロンと横になったマルコを見て思わず驚くエース。
「そんなに...すき、なのかよ....そいつの事」
「......どう思う?」
「なっ...そればっかかよ!」
「はははっ!お子ちゃまにはまだ早ェーか!(笑)」
「ガキじゃねェっ!」
あーだこーだと戯れ合う2人を他所に、その様子をひっそりと眺める一つの影があった。
.................そう、名無しさんである。
(なん...で、何で、ここにっ...エースとマルコがっ...え?)
目の前に広がる光景に訳も分からず目からは涙が溢れる。
守りたかった日常を、笑い合っている2人を、この目でまた拝めるだなんて思っても見なかったからこそ理解が追いつかなくてただただ立ち尽くすことしかできない名無しさん。
...もしもこの時名無しさん自身が、能力の覚醒に至る前の状態であったのならば気配ですぐ様バレてしまい二つの運命は今この時にでも混じり合ったのかもしれない。
だが過酷な修行を乗り越えた名無しさんにとっては最早、能力発動による感情のコントロールは無意識下で行われてしまっていて...
「話を聞く限りよォ、そいつはとんだ怖がりみてェだからさ、おれの事なんて探さねェかもなァ」
「エース....」
「だったら今度は、おれがそいつを探し出してやるさ」
「.................」
「つってもまずは、一人旅が出来るようにメラメラの実も同時進行で探してからにはなるがよ(笑)」
「.................だな」
「おれ一人で生きたって、何の意味もねェ。おれが、おれでいられるように貰った命だ、無駄にはしねェさ」
笑いながらもずっと昔から変わる事のない、強い意志を宿したその言葉に我慢出来ずに思わずしゃがみ込む。ぽたぽたと、地面へは無数の水滴が落ちいくつもの模様を描いては染み込み草木へと吸い込まれていった。
(何でやっ...なんでやっ、アホちゃうかっ...なん、でやねん....)
別れを告げてもう自分とは縁が切れたはずだった。
自分に囚われる事無く自由に生きていって貰うはずだった。
...それなのにどうだ?目の前に居る二人は、こんな身勝手で裏切り者と言われても仕方がない自分の事をまだ仲間と呼んでくれているのだ。
思われていると言うだけでこんなにも心は満たされるものなのかと、震える身体を抱きしめながら強く思う。
(きらわれてっ....無かったんやっ....そっか、....そっかぁっ)
飛び跳ねたい程に嬉しくて、幸せで、感情の整理がつかない。二人が寝てしまってからもうちはしばらくそこを動けずに居た。