エンドライフ④
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《54.分かりにくい優しさ 》
「何でこんなに床の色が違ェーんだ?よく見りゃあっちこっち張り替えられてんなァ」
「おいおい...まさか、こいつァ...」
ーぽん
「不死鳥屋ついてこい」
何でだ?と首を傾げるエースを置いて、外へと連れ出したローは、小屋のすぐ後ろに映える草木がある所まで連れてくるとマルコはどこか違和感を覚えた。
よく見れば、この一帯の地面は意味もなく抉られていたり草木が生え変わろうとしている部分が余りにも多すぎて、当たってほしくない予感だけが募っていく。
「....トラファルガー、ここはまさか」
「はっ、勘のいい野郎は嫌いじゃないぜ。その、まさかさ」
「っそうか....ここであいつは」
それより先の言葉は紡がれ無かったが、握られた拳に全ての思いが宿っている事をローは知っていた。そしてそれに気がついていたからこそ、ここで見た全てを話した。
「ビブルカードを頼りにおれたちがここへ着いた時、ここは血の惨劇だった」
「!」
日差しが熱い日だというのに、マルコは冷たい汗が背中を伝っていくのを感じた。
「地面が抉れ、枯れた木々、そこかしこに掻きむしられた土と強い血の匂い。小屋に近づく度に増える血溜まりに、流石のおれも最悪の状況を覚悟した程だ」
「っ.......」
「案の定奴はいつものアホ面をしたままで無事生きてはいたが、火拳屋が言っていた床や壁に至るまでがあいつの血で溢れ返っていた」
「っ.......そうか、」
「.........聞きたくなかったか?」
「...いや、聞けて良かったよい。覚悟はしていたが、何というか、やっぱりキツイもんはあるなァ」
拳を握り呟くマルコを見やってからそのまま小さな紙を投げるロー。
「前の電伝虫で、お前に伝えようとしていた3つのうちの残り2つだ」
「お、前...これ」
「読むも捨てるも好きにしろ、おれには意味のねェ紙切れだからな。麻酔が効いてて読みにくいかもしれねェが、そこはご愛嬌だろ」
そう言ってから背中を向け小屋に居る仲間の元へと戻るトラファルガーに、言葉にならない感情を感じながらも深呼吸を一度してから、小さく畳まれた紙切れを開いていく。
《ちょくせつ話せんくてごめん。生きるってやくそく、ちゃんと守れたよ。しんぱいかけてごめん、まるこ。おこってる?あとでまた、話せたらうれしい》
《ずっとずっと、みんなのことがだいすきなのは、変えられそうにないから、それだけはゆるしてほしい。ごめんな》
いつもの丁寧で読みやすい字とは違うはずなのに、溜まらないぐらい愛しさが込み上げてきてしまって、震えながらも書いたのだろうその文字に我慢していた涙が、いくつも落ちて滲んでいった。
小屋に隠れて涙を拭い、何度も何度もその文字をなぞるマルコ。そこには名無しさんの強がりと自責、最後の最後まで自分を頼ろうとしてくれていた思いが見え隠れしていて、どうしようも出来ない思いと爆発してしまいそうな程の感情に、暫く涙は止まらなかった。
そんなマルコを知ってか知らずか、いつの間にか小屋の前で宴の準備を始めていたエース達にはマルコの涙は知られる事なく時は過ぎ、今に至っているのだった。
「マルコさーん、飲んでるー?」
「お前は確か...」
「どうもー!私はイッカクって言うんだ、よろしくね〜」
「ヘェ、ハートの海賊団にも女戦士が居たとは知らなかったよい」
「おいイッカク、お前またあいつらを置いてきたな」
「だってキャプテンあいつら全然言う事聞かないんですよ?」
呆れたように指刺した場所では、一発芸をやって盛り上がるシャチ達と、それに群がるハートの海賊団の姿。
「......まぁ、脱いでねェだけマシか」
「でっしょー?ササっ積もる話もあるだろうし、私らはこっちでパーっとやりましょー」
新たに注がれるお酒と圧倒されるような元気さにマルコは笑いながらも、目の前の女性を見つめた。
「諦めちゃだめよ」
「!何がだよい」
「決まってんでしょ?名無しさんちゃんと一緒に過ごす未来よ」
嬉しそうに笑いながらもイッカクは続ける。
「前にさ、同じように私らに巻き込まれて名無しさんちゃんと宴をやった事があるんだけどね?それはも〜恋する乙女だったわよ」
「「.........はぁ?!」」
「なーにー?キャプテンまで〜。名無しさんちゃんのあの目、あの顔っ、完全にそれだったでしょう?」
「.....お前な、何でもかんでもそっち方面に結び付けんじゃねェーよったく」
「だーって、あんな馬鹿騒ぎする奴ら見て愛しいな〜って顔で見てたら、誰でもそう思うでしょうが」
「あいつはいつもそんな顔してるだろ。...特に決まった話題の時は、だが」
ニヤリと笑ったローに、本当見た目で損をしている奴だなとマルコは思う。そう、優しさが分かりにく過ぎるのだ。
「はははっ!それが、おれたち白ひげの話題っつー事かよい?」
「おお〜御名答〜!さっすが一番隊隊長さん!」
「分かりきった問題過ぎて、クイズかどうかも怪しい所だ」
口元に笑みを浮かべながらお酒を煽ったローに、本当どこまでも優しい奴らだなとマルコは感じた。それと同時に、名無しさんが世話になっていた海賊団が温かい場所で良かったとも。
「トラファルガー、イッカク、ありがとよい」
「......何だ急に、気色悪いな」
「キャプテン照れ隠し〜」
「うるせェーぞイッカク!」
「いや、ずっと言いたかったんだ。ハートの海賊団は勿論トラファルガー、お前自身にはな」
そう言って改めて頭を下げ、名無しさんを何度も救ってくれた事への礼を告げると、その真っ直ぐと告げられる感謝に慣れていないのか驚く程に眉間に皺を寄せたローは、突然立ち上がった。
「礼を言われる筋合いはねェ。たまたま目の前で救える命があっただけだ」
マルコに目線だけで話しかけた後、そんなに食事をとらないくせしておかわりを貰ってくると言って立ち去る姿に一瞬呆気に取られたマルコとイッカクだったが、数秒置いて声を上げて笑えば、キッという睨みがローからは返ってきて、その姿にまたお腹を抱えて2人は笑った。
「何でこんなに床の色が違ェーんだ?よく見りゃあっちこっち張り替えられてんなァ」
「おいおい...まさか、こいつァ...」
ーぽん
「不死鳥屋ついてこい」
何でだ?と首を傾げるエースを置いて、外へと連れ出したローは、小屋のすぐ後ろに映える草木がある所まで連れてくるとマルコはどこか違和感を覚えた。
よく見れば、この一帯の地面は意味もなく抉られていたり草木が生え変わろうとしている部分が余りにも多すぎて、当たってほしくない予感だけが募っていく。
「....トラファルガー、ここはまさか」
「はっ、勘のいい野郎は嫌いじゃないぜ。その、まさかさ」
「っそうか....ここであいつは」
それより先の言葉は紡がれ無かったが、握られた拳に全ての思いが宿っている事をローは知っていた。そしてそれに気がついていたからこそ、ここで見た全てを話した。
「ビブルカードを頼りにおれたちがここへ着いた時、ここは血の惨劇だった」
「!」
日差しが熱い日だというのに、マルコは冷たい汗が背中を伝っていくのを感じた。
「地面が抉れ、枯れた木々、そこかしこに掻きむしられた土と強い血の匂い。小屋に近づく度に増える血溜まりに、流石のおれも最悪の状況を覚悟した程だ」
「っ.......」
「案の定奴はいつものアホ面をしたままで無事生きてはいたが、火拳屋が言っていた床や壁に至るまでがあいつの血で溢れ返っていた」
「っ.......そうか、」
「.........聞きたくなかったか?」
「...いや、聞けて良かったよい。覚悟はしていたが、何というか、やっぱりキツイもんはあるなァ」
拳を握り呟くマルコを見やってからそのまま小さな紙を投げるロー。
「前の電伝虫で、お前に伝えようとしていた3つのうちの残り2つだ」
「お、前...これ」
「読むも捨てるも好きにしろ、おれには意味のねェ紙切れだからな。麻酔が効いてて読みにくいかもしれねェが、そこはご愛嬌だろ」
そう言ってから背中を向け小屋に居る仲間の元へと戻るトラファルガーに、言葉にならない感情を感じながらも深呼吸を一度してから、小さく畳まれた紙切れを開いていく。
《ちょくせつ話せんくてごめん。生きるってやくそく、ちゃんと守れたよ。しんぱいかけてごめん、まるこ。おこってる?あとでまた、話せたらうれしい》
《ずっとずっと、みんなのことがだいすきなのは、変えられそうにないから、それだけはゆるしてほしい。ごめんな》
いつもの丁寧で読みやすい字とは違うはずなのに、溜まらないぐらい愛しさが込み上げてきてしまって、震えながらも書いたのだろうその文字に我慢していた涙が、いくつも落ちて滲んでいった。
小屋に隠れて涙を拭い、何度も何度もその文字をなぞるマルコ。そこには名無しさんの強がりと自責、最後の最後まで自分を頼ろうとしてくれていた思いが見え隠れしていて、どうしようも出来ない思いと爆発してしまいそうな程の感情に、暫く涙は止まらなかった。
そんなマルコを知ってか知らずか、いつの間にか小屋の前で宴の準備を始めていたエース達にはマルコの涙は知られる事なく時は過ぎ、今に至っているのだった。
「マルコさーん、飲んでるー?」
「お前は確か...」
「どうもー!私はイッカクって言うんだ、よろしくね〜」
「ヘェ、ハートの海賊団にも女戦士が居たとは知らなかったよい」
「おいイッカク、お前またあいつらを置いてきたな」
「だってキャプテンあいつら全然言う事聞かないんですよ?」
呆れたように指刺した場所では、一発芸をやって盛り上がるシャチ達と、それに群がるハートの海賊団の姿。
「......まぁ、脱いでねェだけマシか」
「でっしょー?ササっ積もる話もあるだろうし、私らはこっちでパーっとやりましょー」
新たに注がれるお酒と圧倒されるような元気さにマルコは笑いながらも、目の前の女性を見つめた。
「諦めちゃだめよ」
「!何がだよい」
「決まってんでしょ?名無しさんちゃんと一緒に過ごす未来よ」
嬉しそうに笑いながらもイッカクは続ける。
「前にさ、同じように私らに巻き込まれて名無しさんちゃんと宴をやった事があるんだけどね?それはも〜恋する乙女だったわよ」
「「.........はぁ?!」」
「なーにー?キャプテンまで〜。名無しさんちゃんのあの目、あの顔っ、完全にそれだったでしょう?」
「.....お前な、何でもかんでもそっち方面に結び付けんじゃねェーよったく」
「だーって、あんな馬鹿騒ぎする奴ら見て愛しいな〜って顔で見てたら、誰でもそう思うでしょうが」
「あいつはいつもそんな顔してるだろ。...特に決まった話題の時は、だが」
ニヤリと笑ったローに、本当見た目で損をしている奴だなとマルコは思う。そう、優しさが分かりにく過ぎるのだ。
「はははっ!それが、おれたち白ひげの話題っつー事かよい?」
「おお〜御名答〜!さっすが一番隊隊長さん!」
「分かりきった問題過ぎて、クイズかどうかも怪しい所だ」
口元に笑みを浮かべながらお酒を煽ったローに、本当どこまでも優しい奴らだなとマルコは感じた。それと同時に、名無しさんが世話になっていた海賊団が温かい場所で良かったとも。
「トラファルガー、イッカク、ありがとよい」
「......何だ急に、気色悪いな」
「キャプテン照れ隠し〜」
「うるせェーぞイッカク!」
「いや、ずっと言いたかったんだ。ハートの海賊団は勿論トラファルガー、お前自身にはな」
そう言って改めて頭を下げ、名無しさんを何度も救ってくれた事への礼を告げると、その真っ直ぐと告げられる感謝に慣れていないのか驚く程に眉間に皺を寄せたローは、突然立ち上がった。
「礼を言われる筋合いはねェ。たまたま目の前で救える命があっただけだ」
マルコに目線だけで話しかけた後、そんなに食事をとらないくせしておかわりを貰ってくると言って立ち去る姿に一瞬呆気に取られたマルコとイッカクだったが、数秒置いて声を上げて笑えば、キッという睨みがローからは返ってきて、その姿にまたお腹を抱えて2人は笑った。