エンドライフ④
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《53. 君が居た場所 》
「はぁっ....はぁっ.....っ」
船へと飛び乗った瞬間溢れ出る熱い雫を拭う。
拭っても拭っても止まる事なく溢れてきてしまって今すぐに船を出したいのに視界がぼやけてうずくまってしまった。
「ガープさんっっ...ごめんっ....ごめんなっ....」
自分の力が及ばなかったばかりに、あんなにも優しい人にもまで謝らせてしまった罪悪感。そして本当はエースは生きているのだと伝えたくても伝えられないもどかしさが相まって、余計に自己嫌悪が深まっていく。
過ぎてしまった事へはどれ程後悔の念を持っていようが過去は変えられない事は痛い程知っていた。
情けなくも泣いてしまった自身を叱咤して、ゆっくりと目指すのは偉大なる航路 に置いてある自身の拠点。二つの時が重なるまで、後少しである。
(帰ったら、ちょっとゆっくり休みたいな)
...一方その頃、名無しさんが目指しているはずの丘では何故か宴が始まっておりそこには初対面であるはずのハートの海賊団とマルコとエースの姿があった。
「俺達の出会いに〜〜〜??」
「「「うえーーーーーい!!」」」
肩を組んではしゃぐシャチやペンギンに混ざってエースも同様にはしゃぐ姿は、どこからどう見てもツッコミ所しか無いのだが、久しぶりの宴だしなと呆れたようにマルコは笑いその様子を見守った。
「おい、飲んでいるか」
「!あぁ、トラファルガーか。何だか悪いな、宴まで開いてもらっちまってよ」
「別に気にするな。名無しさんが世話になってたあの白ひげ海賊団の隊長、火拳屋と不死鳥屋がくるとあってな、あいつらもはしゃぎっぱなしだ」
「ははは!そいつァ名無しさんにも感謝しねェーとだなァ」
「.............」
ニッコリと笑ったマルコの顔をじっと見てお酒を煽ったローは何か言いたげで、それでも敢えて言葉にしないのは「トラファルガー・ロー」という人物が噂とは違い、優しい人物だからだと言う事は何となくマルコは察していた。
「....なァトラファルガー」
「何だ」
「名無しさんの奴は...元気だったかい?」
「.......そんなの自分の目で確かめろ」
「ははっ違いねェ」
その言葉の意味する所を知っているマルコは、それもそうだと笑って目の前で馬鹿騒ぎするエース達を眺めた。その様子を見ながら思い返すのは、数刻前に見た名無しさんが拠点を置いているのだという小屋の様子を見た時の事で。
「...っおいトラファルガー、そんな許可無しに人ん家の...ましてや女の部屋に勝手になんざ」
「許可はとっている」
「........は」
「勘違いするなよ。あくまで治療の時に必要だった着替えや諸々を同じ女共に取らせに行った時、自由に入っていいとの許可は得ているからな」
誰もその時だけとは言われてねェ、と少し悪い顔をして笑ったトラファルガーに肩を竦めて首を振ったマルコ。
悪いな名無しさん、と思いつつ扉を開ければ記憶にある懐かしい香りが鼻をくすぐってふいに胸が締め付けられる。
そこには居ないはずなのに、気配だけはそこかしこに残っていて、あぁ...ここに居たんだなと思わせる空間に震えそうになった手のひらをぎゅっと握りしめた。
「おいっ、見てみろよマルコ!おれだよおれ!」
なっ?と嬉しそうにニカッと笑った目線の先には、エースの2枚の手配書と、弟だというルフィの手配書。そしてその隣にあるテーブルには白ひげ海賊団と書かれた分厚いファイルがあって...何気なく開いてみると自分達の活躍が乗っている所だけ丁寧にスクラップされつつも名無しさんの綺麗な字も一緒に添えられていた。
「っ.....馬鹿だなァ、あいつは」
積み重ねられた辞書並みに分厚いそのファイルは、ゆうに5冊は超えていて昔のものから最近のもの。それこそ別れた後のほんの小さな記事まで切り取られ、感想が書かれていた。
こんな事をしなくても、自分達はいくらでもいつまででも側に居たいのだというのに、あの馬鹿は...とマルコは思いながらも、愛でるかのようにその文字一つ一つに触れていく。
《○月×日、ジョズの拳が火を吹く!本間にカッコいい!
○月×日、今日は雨で予定が狂ってもたけど、マルコの格好いい活躍が見られたからラッキー!
○月×日、はーーーー親父!!かっっっこいい!!...会いたいなあ》
まるで声が聞こえてきそうな程記憶にある名無しさんの喋り方そのままに記されたそれらは、今ここに当人が居たらさぞかし顔を真っ赤に染めながら恥ずかしがるのだろうなと、名無しさんのしそうな反応を想像してマルコは笑った。
「どうしたマルコ、何か面白ェーもんでも見つけたか?」
「...あァ、とんでもねェーぐらい面白くてあったけェもんを見つけちまったよい」
「?」
大事そうに抱えたそれに、エースはハテナを浮かべるも久しぶりに見るマルコの嬉しそうな笑顔に何だか嬉しくなって笑顔を返す。
そして何かに気がついたかのように声を上げた言葉に、とんでいた意識を戻ってこさせたマルコは瞬時にそれを理解して思わずファイルを落とす所だった。
「はぁっ....はぁっ.....っ」
船へと飛び乗った瞬間溢れ出る熱い雫を拭う。
拭っても拭っても止まる事なく溢れてきてしまって今すぐに船を出したいのに視界がぼやけてうずくまってしまった。
「ガープさんっっ...ごめんっ....ごめんなっ....」
自分の力が及ばなかったばかりに、あんなにも優しい人にもまで謝らせてしまった罪悪感。そして本当はエースは生きているのだと伝えたくても伝えられないもどかしさが相まって、余計に自己嫌悪が深まっていく。
過ぎてしまった事へはどれ程後悔の念を持っていようが過去は変えられない事は痛い程知っていた。
情けなくも泣いてしまった自身を叱咤して、ゆっくりと目指すのは
(帰ったら、ちょっとゆっくり休みたいな)
...一方その頃、名無しさんが目指しているはずの丘では何故か宴が始まっておりそこには初対面であるはずのハートの海賊団とマルコとエースの姿があった。
「俺達の出会いに〜〜〜??」
「「「うえーーーーーい!!」」」
肩を組んではしゃぐシャチやペンギンに混ざってエースも同様にはしゃぐ姿は、どこからどう見てもツッコミ所しか無いのだが、久しぶりの宴だしなと呆れたようにマルコは笑いその様子を見守った。
「おい、飲んでいるか」
「!あぁ、トラファルガーか。何だか悪いな、宴まで開いてもらっちまってよ」
「別に気にするな。名無しさんが世話になってたあの白ひげ海賊団の隊長、火拳屋と不死鳥屋がくるとあってな、あいつらもはしゃぎっぱなしだ」
「ははは!そいつァ名無しさんにも感謝しねェーとだなァ」
「.............」
ニッコリと笑ったマルコの顔をじっと見てお酒を煽ったローは何か言いたげで、それでも敢えて言葉にしないのは「トラファルガー・ロー」という人物が噂とは違い、優しい人物だからだと言う事は何となくマルコは察していた。
「....なァトラファルガー」
「何だ」
「名無しさんの奴は...元気だったかい?」
「.......そんなの自分の目で確かめろ」
「ははっ違いねェ」
その言葉の意味する所を知っているマルコは、それもそうだと笑って目の前で馬鹿騒ぎするエース達を眺めた。その様子を見ながら思い返すのは、数刻前に見た名無しさんが拠点を置いているのだという小屋の様子を見た時の事で。
「...っおいトラファルガー、そんな許可無しに人ん家の...ましてや女の部屋に勝手になんざ」
「許可はとっている」
「........は」
「勘違いするなよ。あくまで治療の時に必要だった着替えや諸々を同じ女共に取らせに行った時、自由に入っていいとの許可は得ているからな」
誰もその時だけとは言われてねェ、と少し悪い顔をして笑ったトラファルガーに肩を竦めて首を振ったマルコ。
悪いな名無しさん、と思いつつ扉を開ければ記憶にある懐かしい香りが鼻をくすぐってふいに胸が締め付けられる。
そこには居ないはずなのに、気配だけはそこかしこに残っていて、あぁ...ここに居たんだなと思わせる空間に震えそうになった手のひらをぎゅっと握りしめた。
「おいっ、見てみろよマルコ!おれだよおれ!」
なっ?と嬉しそうにニカッと笑った目線の先には、エースの2枚の手配書と、弟だというルフィの手配書。そしてその隣にあるテーブルには白ひげ海賊団と書かれた分厚いファイルがあって...何気なく開いてみると自分達の活躍が乗っている所だけ丁寧にスクラップされつつも名無しさんの綺麗な字も一緒に添えられていた。
「っ.....馬鹿だなァ、あいつは」
積み重ねられた辞書並みに分厚いそのファイルは、ゆうに5冊は超えていて昔のものから最近のもの。それこそ別れた後のほんの小さな記事まで切り取られ、感想が書かれていた。
こんな事をしなくても、自分達はいくらでもいつまででも側に居たいのだというのに、あの馬鹿は...とマルコは思いながらも、愛でるかのようにその文字一つ一つに触れていく。
《○月×日、ジョズの拳が火を吹く!本間にカッコいい!
○月×日、今日は雨で予定が狂ってもたけど、マルコの格好いい活躍が見られたからラッキー!
○月×日、はーーーー親父!!かっっっこいい!!...会いたいなあ》
まるで声が聞こえてきそうな程記憶にある名無しさんの喋り方そのままに記されたそれらは、今ここに当人が居たらさぞかし顔を真っ赤に染めながら恥ずかしがるのだろうなと、名無しさんのしそうな反応を想像してマルコは笑った。
「どうしたマルコ、何か面白ェーもんでも見つけたか?」
「...あァ、とんでもねェーぐらい面白くてあったけェもんを見つけちまったよい」
「?」
大事そうに抱えたそれに、エースはハテナを浮かべるも久しぶりに見るマルコの嬉しそうな笑顔に何だか嬉しくなって笑顔を返す。
そして何かに気がついたかのように声を上げた言葉に、とんでいた意識を戻ってこさせたマルコは瞬時にそれを理解して思わずファイルを落とす所だった。