エンドライフ④
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《52.ずっと、言えなかった言葉》
「........................あの、」
「すまなかった」
...待ち合わせ場所に到着してから早5分。
目の前の大きな人物に頭を下げられたまま動けずにいる。お店に入るや否や、勢い良く頭を下げられてしまったので呆気に取られてしまったと言うのもあった。
「ガープさん、頭を上げて下さい」
「本当にっ...すまなかった」
「...ガープさんお願いですから、頭をどうか上げて下さい」
「本当にっっ.....!!」
「.................」
何度声を掛けても変わらない姿勢を見て、どれ程の思いであの場に居たのかがより一層伝わってきてしまいグッと唇を噛み締める。
そして手に持っていた紙袋をテーブルに置いてから、床に頭をつけたままのガープさんの前に立ち同じように頭を床へと擦り付けた。
「私は、遠い昔貴方へと立てた誓いを私自身の力が及ばず...
破りました。本当にごめんなさいっ...」
「!!!」
思いもしなかった名無しさんからの謝罪と聞こえる声の近さに、目の前の彼女も同じように頭を下げているのだと気がつき目を見開くガープ。
「あの時、ガープさんの立場では助けるのは難しいと行く前からちゃんと分かってました。やからこそ、私がもっと...もっと、もっともっと...もっとっ...!!強くなって...堂々と守り切るはずでしたっ」
「っ.....」
「ルフィもっ.....................エースもっ...私が守りたかったものはあんなにも手の届く範囲にあったのに、本当にっ...」
ごめんなさいっ...!、と震えながらも必死に伝えてくる彼女の声を聞いて、今日ここに呼び出された本当の意味をガープは知り、頑なに下げていた頭をゆっくりと上げてから目の前で頭を下げ続ける名無しさんの肩にそっと手を置いた。
「...名無しさんちゃん、どうか頭を上げてくれないか」
ブンブンと無言で頭を下げ続ける名無しさんに、まるで立場が逆転してしまったなと眉毛を下げて笑ったガープは、よっこらせと声を上げながら、胡座をかいてそのまま座る。
「.....実を言うとな、今日は君にボコボコにされるのを覚悟でここに来たんじゃ」
「っ!そんな、うちがガープさんを何て」
「...いや、それ程の事をわしはしてしもうたんじゃ」
「......................、エースの、事ですか」
「いいや、君もさっき言うとったじゃろ........ルフィにも酷な事をしたわい」
再度頭を上げるように促され、やっと今日初めて目が合った変わらない優しげな眼差しに思わずギュッと拳を固めてしまう。
(.....殴り飛ばされてもおかしくなかったのに.,)
その覚悟で会いに来たはずで、どんな言葉も受け入れると考えていたのはどうやらお互い様であったようで。溶けたお互いの誤解にやっと笑いかける事が出来てから、ガープさんもまた眉に力を入れたような笑顔で返してくれた。
それから暫くお互いの話したかった事、伝えたかったことをこれでもかと言うぐらい沢山話した。途中マキノさんに渡された紙袋からキッシュを取り出し2人で食べながらも、これまで話せなかった色んな話に花を咲かせた。
「...ガープさん」
「なんじゃ、急にまた改まった顔をして」
「本間は...ですね、一番伝えたい事があるんです」
「.................」
「せやけど、それはまだ...その、」
「....はっはっは!ええわい、そんな顔した女性から無理に聞く程わしもおちとらんぞ」
「!....ごめんなさい。ありがとうございますっ」
お前さんは昔から謎の多い女の子じゃったからのう、と笑い飛ばしてくれる快活さに救われながらも変わらず笑ってくれる姿に笑みが溢れた。
日が傾き始めもうそんなに時間が経っていたのだなと気が付かされた名無しさんはそっと腰を上げる。
「今日は、お忙しい中時間を作って下さって本間にありがとうございました!ガープさん」
「なんじゃ、もう行くのか」
「まだまだ喋り足りひん事は多いですけど、そろそろ外の海軍さん達がチラチラ様子を見てきてますしね(笑)」
「ったくあいつらは...空気を読め空気を」
ぶちぶち言うガープさんに笑いながらも軽く身支度を整え再度ガープさんを振り返る。思ったよりも近くにいた事に驚いてしまい、後退りそうになった体を気がつけば大きな温もりが包み込んでくれていて....
...その時初めて、抱きしめられているのだと気がついた。
「...お前さんが生きていてくれて、本当によかった」
「!!」
「ルフィを...エースを、愛してくれてありがとうな」
「!!っ......」
その言葉の意味する所を知って、思わずギュッと目の前の白い服を握りしめる。溢れ落ちそうになった雫は飲み込んで、ただただその温もりに応えながらも言葉はもう音にはならなかった。
最後の最後で、泣いてしまう所だと思いながら暫くして離れた温もりに再度頭を下げてお店を出る。
その後はもう振り返る事なく船へと一直線だった。
「........................あの、」
「すまなかった」
...待ち合わせ場所に到着してから早5分。
目の前の大きな人物に頭を下げられたまま動けずにいる。お店に入るや否や、勢い良く頭を下げられてしまったので呆気に取られてしまったと言うのもあった。
「ガープさん、頭を上げて下さい」
「本当にっ...すまなかった」
「...ガープさんお願いですから、頭をどうか上げて下さい」
「本当にっっ.....!!」
「.................」
何度声を掛けても変わらない姿勢を見て、どれ程の思いであの場に居たのかがより一層伝わってきてしまいグッと唇を噛み締める。
そして手に持っていた紙袋をテーブルに置いてから、床に頭をつけたままのガープさんの前に立ち同じように頭を床へと擦り付けた。
「私は、遠い昔貴方へと立てた誓いを私自身の力が及ばず...
破りました。本当にごめんなさいっ...」
「!!!」
思いもしなかった名無しさんからの謝罪と聞こえる声の近さに、目の前の彼女も同じように頭を下げているのだと気がつき目を見開くガープ。
「あの時、ガープさんの立場では助けるのは難しいと行く前からちゃんと分かってました。やからこそ、私がもっと...もっと、もっともっと...もっとっ...!!強くなって...堂々と守り切るはずでしたっ」
「っ.....」
「ルフィもっ.....................エースもっ...私が守りたかったものはあんなにも手の届く範囲にあったのに、本当にっ...」
ごめんなさいっ...!、と震えながらも必死に伝えてくる彼女の声を聞いて、今日ここに呼び出された本当の意味をガープは知り、頑なに下げていた頭をゆっくりと上げてから目の前で頭を下げ続ける名無しさんの肩にそっと手を置いた。
「...名無しさんちゃん、どうか頭を上げてくれないか」
ブンブンと無言で頭を下げ続ける名無しさんに、まるで立場が逆転してしまったなと眉毛を下げて笑ったガープは、よっこらせと声を上げながら、胡座をかいてそのまま座る。
「.....実を言うとな、今日は君にボコボコにされるのを覚悟でここに来たんじゃ」
「っ!そんな、うちがガープさんを何て」
「...いや、それ程の事をわしはしてしもうたんじゃ」
「......................、エースの、事ですか」
「いいや、君もさっき言うとったじゃろ........ルフィにも酷な事をしたわい」
再度頭を上げるように促され、やっと今日初めて目が合った変わらない優しげな眼差しに思わずギュッと拳を固めてしまう。
(.....殴り飛ばされてもおかしくなかったのに.,)
その覚悟で会いに来たはずで、どんな言葉も受け入れると考えていたのはどうやらお互い様であったようで。溶けたお互いの誤解にやっと笑いかける事が出来てから、ガープさんもまた眉に力を入れたような笑顔で返してくれた。
それから暫くお互いの話したかった事、伝えたかったことをこれでもかと言うぐらい沢山話した。途中マキノさんに渡された紙袋からキッシュを取り出し2人で食べながらも、これまで話せなかった色んな話に花を咲かせた。
「...ガープさん」
「なんじゃ、急にまた改まった顔をして」
「本間は...ですね、一番伝えたい事があるんです」
「.................」
「せやけど、それはまだ...その、」
「....はっはっは!ええわい、そんな顔した女性から無理に聞く程わしもおちとらんぞ」
「!....ごめんなさい。ありがとうございますっ」
お前さんは昔から謎の多い女の子じゃったからのう、と笑い飛ばしてくれる快活さに救われながらも変わらず笑ってくれる姿に笑みが溢れた。
日が傾き始めもうそんなに時間が経っていたのだなと気が付かされた名無しさんはそっと腰を上げる。
「今日は、お忙しい中時間を作って下さって本間にありがとうございました!ガープさん」
「なんじゃ、もう行くのか」
「まだまだ喋り足りひん事は多いですけど、そろそろ外の海軍さん達がチラチラ様子を見てきてますしね(笑)」
「ったくあいつらは...空気を読め空気を」
ぶちぶち言うガープさんに笑いながらも軽く身支度を整え再度ガープさんを振り返る。思ったよりも近くにいた事に驚いてしまい、後退りそうになった体を気がつけば大きな温もりが包み込んでくれていて....
...その時初めて、抱きしめられているのだと気がついた。
「...お前さんが生きていてくれて、本当によかった」
「!!」
「ルフィを...エースを、愛してくれてありがとうな」
「!!っ......」
その言葉の意味する所を知って、思わずギュッと目の前の白い服を握りしめる。溢れ落ちそうになった雫は飲み込んで、ただただその温もりに応えながらも言葉はもう音にはならなかった。
最後の最後で、泣いてしまう所だと思いながら暫くして離れた温もりに再度頭を下げてお店を出る。
その後はもう振り返る事なく船へと一直線だった。