エンドライフ④
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《51.互いの目的》
「もう行っちまうのかい」
「ふふっ何回目やそれ(笑)」
あれから無事ガープさんと会う約束に漕ぎ着けた旨をダダンさん達へと説明すれば、驚いてから少しだけ寂しさの滲む顔で豪快に笑ってくれたので昔からこの笑顔が好きだったなと、ふと思い出す。
勿論エースが存命しているとの事実はマキノさんや村の皆には内緒である事は約束して貰ったが、またうちが無茶するんじゃないかと心配してるのは皆の顔を見れば明白で...
「ダダンさん、皆...一週間ていう短い間やったけどまた会えて本間に嬉しかったです」
変わらずに受け入れてくれてありがとうございましたと頭を下げれば、帰ってきた時に見た泣き顔を隠しながらも手を振って見送ってくれ、その温かさにまた喉は痛んだがニッと笑ってさよならを告げた。
(...また、いつでも帰って来られるようまずは挨拶せなや)
グッと拳を握り締め、村の人に声をかけるでもなく静かに島を後にしたはずなのに振り返って丘を見上げれば、ダダンさん一家が泣きながら旗を振ってくれていて、笑って手を振りかえしながらも少しだけ目尻からは雫が流れ落ちていった。
「行くか」
パンっと両頬を叩いて向かうのは、ずっと.....ずっと会いたくて話をしたくてたまらなかった人の元。
...名無しさんが島を出ると同時刻、エースとマルコもまたタイミングを同じくしてシャボンディ諸島を後にしようとしていた。
「世話になったな、レイリー、シャッキー」
「またいつでも来たまえ」
「次はお仲間皆と来たっていいのよ」
「ハハハッそいつァーいい!今度はアイツらと来るさ」
ありがとなーと両手を振り歩き出すエースを見て、来た時の様子からは考えられない程の笑顔と懐きようにマルコは小さく口元に弧を描きながらも、近くにある船へと向かいながら話しかける。
「...で、この後はどうする」
「んあ?あー...そうだなァ」
所謂当初の目的は果たしたと言っても過言ではない。
名無しさんをよく知る人物と出会い彼女の情報が増えればエースにも何か変化が起きるのではと微かな希望にかけてはいたのだが、そんなに現実は甘くはなくて。
「そのよ、名無しさんが世話になったっつー医者?海賊?には会えねェーんだよな?」
「ははっ、どうだろうなァ。....もう一度かけてみるかい?」
「!おうっ、頼むよマルコ」
...実を言えば、モビーディックを出る際に一応ローにも連絡は入れていたのだが「会う理由がねぇ」「時間の無駄だ」と一蹴されてしまいこっぴどく振られていたのだ。
船へと積荷をしながら会話を続けていると、首を傾げて思案していたエースが何かを思いついたかのように話しかけてきた。
「なーマルコ、その電話おれがしてもいいか?」
「別に構わねェーが、どうしたんだよい」
「何となくかけてみてーなーってだけだけどよ、駄目だったか?」
「.....ははっ!んじゃあお願いするとするかねい」
こう言う時のエースの気まぐれは、今までの経験上プラスに転じてきた覚えが幾度となくあったからこそ、今回もそれに賭けてみるかと口の端をあげながらダイヤルを回すマルコ。
「じゃあおれは、先に船を出しとくからよい。話がついたらまたこっちきて教えてくれ」
「おうっサンキューな」
片手をひらひらと上げながら甲板へと降り立ち、操縦を始めれば心地よく響く船のエンジン音。水を掻き分ける音と唸るモーター音に自然と顔が綻んでしまう程マルコは何気ないこの瞬間が好きだったのだ。
無意識に鼻歌を歌いながら船を走らす事数刻。
突如聞こえた笑い声に身体をビクつかせるも、構わず操縦しているとニコニコ笑顔のエースがやってきた。
「オッケーだってよ!」
「.......は」
「いやだから、今から会いに行ってもいいって返事貰ったんだって」
「おま.....一体どんな手ェ使ったんだよい...」
「ん?いや別に、普通にトラファルガーと話してたらよ突然ペンギンとシャチっつー奴らが割り込んできてさ、そいつらが面白ェーのなんのって!」
「お前の人誑しな性格に感謝する日がくるとはなァ(笑)」
「褒めてんのか貶されてんのか分かんねェーな、それ」
「はははっ褒めてんだよい!よくやったな、エース!」
「ちょっうわっやめろってのマルコ!」
自分でも思った以上に嬉しかったのかついつい目の前の黒い癖っ毛を撫でくり回していると、少し不貞腐れた顔をしながらもこちらを見上げてくる末っ子に、またもや声を上げて笑ってしまった。
そんな2人がいつもと変わらぬ仲の良さで航海をしている頃、名無しさんは名無しさんで目的の島へと到着していた。
「は〜やっとついたー。思ったよりも距離があったな」
普通の船よりは大分早いのだがこの照り返すような日差しの中での航海は、結構体力を持っていかれてしまう為、名無しさんは船を止めてから少し体を休めていたのだ。
「マンゴーが、こんなにも美味しい」
蕩けるような食感と甘みに舌鼓を打ちつつも、糖分を補給しソファーでゆったりと体を沈める名無しさんは、足をぷらぷらとさせながらも目を閉じてこれから会う人へと思いを馳せていた。
(........何年振りやろな、ちゃんと会うのは)
脳裏に浮かぶのは、数ヶ月前の頂上戦争で見た厳しい顔をしたガープさんの姿。あの日も言葉を交わす事もなかったのだから、自分がまだ13歳だった時以来の再会となるのでは....?変に緊張する身体を揺らして誤魔化す。
「......おし、行くか」
体を起こしいつもの装いを身に纏えば、強張っていた体から力は抜けて自然と笑顔になれる気がした。
船から降り向かうのは貸切をしておくとつい先日告げられたとあるお店。
「もう行っちまうのかい」
「ふふっ何回目やそれ(笑)」
あれから無事ガープさんと会う約束に漕ぎ着けた旨をダダンさん達へと説明すれば、驚いてから少しだけ寂しさの滲む顔で豪快に笑ってくれたので昔からこの笑顔が好きだったなと、ふと思い出す。
勿論エースが存命しているとの事実はマキノさんや村の皆には内緒である事は約束して貰ったが、またうちが無茶するんじゃないかと心配してるのは皆の顔を見れば明白で...
「ダダンさん、皆...一週間ていう短い間やったけどまた会えて本間に嬉しかったです」
変わらずに受け入れてくれてありがとうございましたと頭を下げれば、帰ってきた時に見た泣き顔を隠しながらも手を振って見送ってくれ、その温かさにまた喉は痛んだがニッと笑ってさよならを告げた。
(...また、いつでも帰って来られるようまずは挨拶せなや)
グッと拳を握り締め、村の人に声をかけるでもなく静かに島を後にしたはずなのに振り返って丘を見上げれば、ダダンさん一家が泣きながら旗を振ってくれていて、笑って手を振りかえしながらも少しだけ目尻からは雫が流れ落ちていった。
「行くか」
パンっと両頬を叩いて向かうのは、ずっと.....ずっと会いたくて話をしたくてたまらなかった人の元。
...名無しさんが島を出ると同時刻、エースとマルコもまたタイミングを同じくしてシャボンディ諸島を後にしようとしていた。
「世話になったな、レイリー、シャッキー」
「またいつでも来たまえ」
「次はお仲間皆と来たっていいのよ」
「ハハハッそいつァーいい!今度はアイツらと来るさ」
ありがとなーと両手を振り歩き出すエースを見て、来た時の様子からは考えられない程の笑顔と懐きようにマルコは小さく口元に弧を描きながらも、近くにある船へと向かいながら話しかける。
「...で、この後はどうする」
「んあ?あー...そうだなァ」
所謂当初の目的は果たしたと言っても過言ではない。
名無しさんをよく知る人物と出会い彼女の情報が増えればエースにも何か変化が起きるのではと微かな希望にかけてはいたのだが、そんなに現実は甘くはなくて。
「そのよ、名無しさんが世話になったっつー医者?海賊?には会えねェーんだよな?」
「ははっ、どうだろうなァ。....もう一度かけてみるかい?」
「!おうっ、頼むよマルコ」
...実を言えば、モビーディックを出る際に一応ローにも連絡は入れていたのだが「会う理由がねぇ」「時間の無駄だ」と一蹴されてしまいこっぴどく振られていたのだ。
船へと積荷をしながら会話を続けていると、首を傾げて思案していたエースが何かを思いついたかのように話しかけてきた。
「なーマルコ、その電話おれがしてもいいか?」
「別に構わねェーが、どうしたんだよい」
「何となくかけてみてーなーってだけだけどよ、駄目だったか?」
「.....ははっ!んじゃあお願いするとするかねい」
こう言う時のエースの気まぐれは、今までの経験上プラスに転じてきた覚えが幾度となくあったからこそ、今回もそれに賭けてみるかと口の端をあげながらダイヤルを回すマルコ。
「じゃあおれは、先に船を出しとくからよい。話がついたらまたこっちきて教えてくれ」
「おうっサンキューな」
片手をひらひらと上げながら甲板へと降り立ち、操縦を始めれば心地よく響く船のエンジン音。水を掻き分ける音と唸るモーター音に自然と顔が綻んでしまう程マルコは何気ないこの瞬間が好きだったのだ。
無意識に鼻歌を歌いながら船を走らす事数刻。
突如聞こえた笑い声に身体をビクつかせるも、構わず操縦しているとニコニコ笑顔のエースがやってきた。
「オッケーだってよ!」
「.......は」
「いやだから、今から会いに行ってもいいって返事貰ったんだって」
「おま.....一体どんな手ェ使ったんだよい...」
「ん?いや別に、普通にトラファルガーと話してたらよ突然ペンギンとシャチっつー奴らが割り込んできてさ、そいつらが面白ェーのなんのって!」
「お前の人誑しな性格に感謝する日がくるとはなァ(笑)」
「褒めてんのか貶されてんのか分かんねェーな、それ」
「はははっ褒めてんだよい!よくやったな、エース!」
「ちょっうわっやめろってのマルコ!」
自分でも思った以上に嬉しかったのかついつい目の前の黒い癖っ毛を撫でくり回していると、少し不貞腐れた顔をしながらもこちらを見上げてくる末っ子に、またもや声を上げて笑ってしまった。
そんな2人がいつもと変わらぬ仲の良さで航海をしている頃、名無しさんは名無しさんで目的の島へと到着していた。
「は〜やっとついたー。思ったよりも距離があったな」
普通の船よりは大分早いのだがこの照り返すような日差しの中での航海は、結構体力を持っていかれてしまう為、名無しさんは船を止めてから少し体を休めていたのだ。
「マンゴーが、こんなにも美味しい」
蕩けるような食感と甘みに舌鼓を打ちつつも、糖分を補給しソファーでゆったりと体を沈める名無しさんは、足をぷらぷらとさせながらも目を閉じてこれから会う人へと思いを馳せていた。
(........何年振りやろな、ちゃんと会うのは)
脳裏に浮かぶのは、数ヶ月前の頂上戦争で見た厳しい顔をしたガープさんの姿。あの日も言葉を交わす事もなかったのだから、自分がまだ13歳だった時以来の再会となるのでは....?変に緊張する身体を揺らして誤魔化す。
「......おし、行くか」
体を起こしいつもの装いを身に纏えば、強張っていた体から力は抜けて自然と笑顔になれる気がした。
船から降り向かうのは貸切をしておくとつい先日告げられたとあるお店。