エンドライフ④
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《44.君ともう一度③》
「.......ちょっと待ってくれ、名無しさんちゃんがオヤジの病気を奪ったのって...」
「...あぁ、オヤジとエースをあの戦争で死なせねェ為だ」
「!!っ...馬鹿かよあいつっ...」
「ハハそうだ。本当...馬鹿なんだよい名無しさんって人間は...」
「おれ達はそんな名無しさんちゃんの思いも覚悟も知らねぇーでずっと今まで居たっていうのか....」
「あぁ。...戦争の時名無しさんがオヤジを頼むっておれに言った時なァ...悪い予感がしたんだよい。ティーチの時と同様に」
「.................っ」
「ティーチん時はそんな訳がねェと目を逸らしたが、名無しさんが言葉に出来ねェ言葉を聞いた気がしてなァ...そしたら本当にスクアードの件が起きやがったから驚いたよい」
吐き出すように笑ったマルコにクルーは息を呑むも言葉を待った。
「そして最後はお前らも知っての通りティーチは名無しさんが殺した。今まで平和に生きて人を傷つけた事がねェあいつが...初めて人の命を奪ったんだ」
「っ......本当っ、情けねぇなあ俺らっ...」
「名無しさんちゃんに守られてばっかじゃねぇかっ...」
「...死をも凌駕する激痛に耐えてその身に火傷痕を残してまで守りたかった命。...それが、エースだ」
「っっっぅっ、名無しさんぢゃんっ、、、」
「会いでぇーよぉおおお」
最早収集のつかないレベルで涙の渦に飲まれてしまった食堂。例の隊員まで涙を流して悔やんでいる姿を見て、話して良かったのだと心底マルコ達は心に思う。
「だけどな今のあいつはおれらを戦争に利用しちまった、エースっていう助けられた命を一度は失わせちまったっていう後悔から、自分を責めた」
「そんなっ...名無しさんちゃんが居なかったらそもそも皆はっ!」
「そうだよい。それでもあいつはそんな事当然だって笑うのさ、そういう奴だ」
「じゃあっ...名無しさんちゃんと連絡取れなくなったっていうのは」
「......あいつがな、声が戻った後にかけてきてくれた電話をおれは会議で取れなかった」
「???それがどう関係が...?」
「自責の念に駆られた冷静じゃねェ名無しさんは思っただろうさ、いつもは必ずすぐに出てくれる電話におれが出ねェ。...つまり、おれ自身も名無しさんの事を拒んでるってな」
その後はもう、いくらかけようが電話は繋がらず恐らく電伝虫を壊したか野生に戻したかしておれらに迷惑がかからねーように、嫌な思いをさせねーようにと繋がりを自ら断つ選択しか出来なかったんだろうと、後悔の念を滲ませながらゆっくりとマルコは告げた。
だからこそその誤解を解いてこの船に帰ってきて欲しいのだと話をしたいのだと呟けば、そこにはもう反対する者など誰も居なかった。
ーカタン
心が一つになり、これでいつ名無しさんと出会う事があっても安心出来ると思ったのも束の間小さな物音を立てた先にはエースが目を見開いたまま突っ立っていて。
その余りの驚きようにまさかとマルコが声をあげるより早く震えるような声が響いた。
「おい.....今の話....本当、なのか」
見るからに動揺した様子のエースにしまったとマルコは思うも、聞かれてしまった以上もう隠す事は出来ないかとオヤジへと目線を送りゆっくりと頷く。
すると明らかに焦った様を滲ませながらゆっくりとマルコの元へと近づいて服の襟ぐりを静かに両手で掴んだ。
「名無しさんって....お前が前に電話をしてた奴だよなっ...」
「あぁ、そうだよい」
「何でおれはそいつの事を知らねェっ...!!そんな...命をかけて守られちまうぐらいの仲だったんじゃねーのか!」
「.................」
「おいマルコ!!どういう事なんだよこれはっ...!!」
説明しろと必死に叫ぶエースに周りは見守る事しか出来なくてマルコはじっと、エースの顔を見つめたままで動かない。
するとその様子を見兼ねたのか、横からそっとサッチが言葉を吐き出す。
「お前がどこから聞いちまってたのか分からねェが、名無しさんちゃんの能力にはちょっと厄介な代償があってさ」
「!サッチ、何だよそれは!とっとと話しやがれっ」
「サッチ、それは言わねェ約束だよい」
「っ構うもんか!言ってくれよサッチ、教えてくれっ...何なんだおれのこの喪失感はよっ...関係があるんだろ?!」
初めて自分の心情を話すエースにマルコは一瞬目を見開くもこれでこいつに変化が起きるのならと一種の賭けへと踏み出した。
「お前にかけられた能力は発動と同時に時間が巻き戻される代物だ。それは対人の場合、細胞の動きが常にあるから対象の奪いてェもんだけに普通は絞られる」
「.............それで」
「だがお前は......一度命を落とし生命の活動を止めた身体だった。...つまりイレギュラーが起きちまったんだ」
「イレギュラーって.....えーと、つまりどう言う事だよ?」
「お前な...。だからよ、お前を生き返らす代わりに思わぬ代償として待ってかれちまったのが能力をかけた人物の.....記憶なんだよい」
「なっ....じゃあ何か...本当はおれ、あいつの事を...」
「......................あぁ、ガキの頃から知ってる」
「!!」
問い詰めて襟ぐりを掴んでいたエースは、そっとそこから両手を離しだらんと腕を下へと降ろし帽子を下げた。
「何で...それをおれに教えなかった」
「名無しさんが望んだからだ」
「望んだって...そいつはおれの記憶が無くてもいいのかよっ...!」
「...逆だよいエース」
「....あ?」
「....お前には自由に幸せになって欲しいから、記憶は戻らなくても生きてるだけで十分だと笑ってたっておれは聞いたよい」
「.................っ、」
「オヤジが、おれらが...エースが。笑って生きる世界を守れたのならそれ以上の幸せはねェと...嬉しそうに笑ってたんだとよっ....」
本当、お人好し過ぎる馬鹿なんだよい...とだけ少し震えた声でマルコが付け足せば分かりやすいくらいに瞳を揺らしたエース。それほどまでに自分を思ってくれる人物が居たのだという事実と今の今に至っても思い出せる気配がない自分への言葉にならない感情だった。
「.......ちょっと待ってくれ、名無しさんちゃんがオヤジの病気を奪ったのって...」
「...あぁ、オヤジとエースをあの戦争で死なせねェ為だ」
「!!っ...馬鹿かよあいつっ...」
「ハハそうだ。本当...馬鹿なんだよい名無しさんって人間は...」
「おれ達はそんな名無しさんちゃんの思いも覚悟も知らねぇーでずっと今まで居たっていうのか....」
「あぁ。...戦争の時名無しさんがオヤジを頼むっておれに言った時なァ...悪い予感がしたんだよい。ティーチの時と同様に」
「.................っ」
「ティーチん時はそんな訳がねェと目を逸らしたが、名無しさんが言葉に出来ねェ言葉を聞いた気がしてなァ...そしたら本当にスクアードの件が起きやがったから驚いたよい」
吐き出すように笑ったマルコにクルーは息を呑むも言葉を待った。
「そして最後はお前らも知っての通りティーチは名無しさんが殺した。今まで平和に生きて人を傷つけた事がねェあいつが...初めて人の命を奪ったんだ」
「っ......本当っ、情けねぇなあ俺らっ...」
「名無しさんちゃんに守られてばっかじゃねぇかっ...」
「...死をも凌駕する激痛に耐えてその身に火傷痕を残してまで守りたかった命。...それが、エースだ」
「っっっぅっ、名無しさんぢゃんっ、、、」
「会いでぇーよぉおおお」
最早収集のつかないレベルで涙の渦に飲まれてしまった食堂。例の隊員まで涙を流して悔やんでいる姿を見て、話して良かったのだと心底マルコ達は心に思う。
「だけどな今のあいつはおれらを戦争に利用しちまった、エースっていう助けられた命を一度は失わせちまったっていう後悔から、自分を責めた」
「そんなっ...名無しさんちゃんが居なかったらそもそも皆はっ!」
「そうだよい。それでもあいつはそんな事当然だって笑うのさ、そういう奴だ」
「じゃあっ...名無しさんちゃんと連絡取れなくなったっていうのは」
「......あいつがな、声が戻った後にかけてきてくれた電話をおれは会議で取れなかった」
「???それがどう関係が...?」
「自責の念に駆られた冷静じゃねェ名無しさんは思っただろうさ、いつもは必ずすぐに出てくれる電話におれが出ねェ。...つまり、おれ自身も名無しさんの事を拒んでるってな」
その後はもう、いくらかけようが電話は繋がらず恐らく電伝虫を壊したか野生に戻したかしておれらに迷惑がかからねーように、嫌な思いをさせねーようにと繋がりを自ら断つ選択しか出来なかったんだろうと、後悔の念を滲ませながらゆっくりとマルコは告げた。
だからこそその誤解を解いてこの船に帰ってきて欲しいのだと話をしたいのだと呟けば、そこにはもう反対する者など誰も居なかった。
ーカタン
心が一つになり、これでいつ名無しさんと出会う事があっても安心出来ると思ったのも束の間小さな物音を立てた先にはエースが目を見開いたまま突っ立っていて。
その余りの驚きようにまさかとマルコが声をあげるより早く震えるような声が響いた。
「おい.....今の話....本当、なのか」
見るからに動揺した様子のエースにしまったとマルコは思うも、聞かれてしまった以上もう隠す事は出来ないかとオヤジへと目線を送りゆっくりと頷く。
すると明らかに焦った様を滲ませながらゆっくりとマルコの元へと近づいて服の襟ぐりを静かに両手で掴んだ。
「名無しさんって....お前が前に電話をしてた奴だよなっ...」
「あぁ、そうだよい」
「何でおれはそいつの事を知らねェっ...!!そんな...命をかけて守られちまうぐらいの仲だったんじゃねーのか!」
「.................」
「おいマルコ!!どういう事なんだよこれはっ...!!」
説明しろと必死に叫ぶエースに周りは見守る事しか出来なくてマルコはじっと、エースの顔を見つめたままで動かない。
するとその様子を見兼ねたのか、横からそっとサッチが言葉を吐き出す。
「お前がどこから聞いちまってたのか分からねェが、名無しさんちゃんの能力にはちょっと厄介な代償があってさ」
「!サッチ、何だよそれは!とっとと話しやがれっ」
「サッチ、それは言わねェ約束だよい」
「っ構うもんか!言ってくれよサッチ、教えてくれっ...何なんだおれのこの喪失感はよっ...関係があるんだろ?!」
初めて自分の心情を話すエースにマルコは一瞬目を見開くもこれでこいつに変化が起きるのならと一種の賭けへと踏み出した。
「お前にかけられた能力は発動と同時に時間が巻き戻される代物だ。それは対人の場合、細胞の動きが常にあるから対象の奪いてェもんだけに普通は絞られる」
「.............それで」
「だがお前は......一度命を落とし生命の活動を止めた身体だった。...つまりイレギュラーが起きちまったんだ」
「イレギュラーって.....えーと、つまりどう言う事だよ?」
「お前な...。だからよ、お前を生き返らす代わりに思わぬ代償として待ってかれちまったのが能力をかけた人物の.....記憶なんだよい」
「なっ....じゃあ何か...本当はおれ、あいつの事を...」
「......................あぁ、ガキの頃から知ってる」
「!!」
問い詰めて襟ぐりを掴んでいたエースは、そっとそこから両手を離しだらんと腕を下へと降ろし帽子を下げた。
「何で...それをおれに教えなかった」
「名無しさんが望んだからだ」
「望んだって...そいつはおれの記憶が無くてもいいのかよっ...!」
「...逆だよいエース」
「....あ?」
「....お前には自由に幸せになって欲しいから、記憶は戻らなくても生きてるだけで十分だと笑ってたっておれは聞いたよい」
「.................っ、」
「オヤジが、おれらが...エースが。笑って生きる世界を守れたのならそれ以上の幸せはねェと...嬉しそうに笑ってたんだとよっ....」
本当、お人好し過ぎる馬鹿なんだよい...とだけ少し震えた声でマルコが付け足せば分かりやすいくらいに瞳を揺らしたエース。それほどまでに自分を思ってくれる人物が居たのだという事実と今の今に至っても思い出せる気配がない自分への言葉にならない感情だった。