エンドライフ④
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《43. 君ともう一度② 》
オヤジの持病を代わりに自らの身に宿して5ヶ月近くも戦って命の危険を晒していたこと、ティーチを取り逃がした一件から後を追ったエースの死を予期していた事、力不足にもがき血反吐を吐きながら修行をして能力の覚醒に至った事。
...そして、今回の戦争でエースが蘇る程の怪我をまた代わりにその身に宿し黙って一人で戦っていた事。
その代償としてエースが生きた20年という年月の命が名無しさんの寿命からは既に削られ、1日近くにも及ぶ激痛にナイフで足を傷つけて耐え抜いた結果声を一時的に失ってしまった事など全て。
「............名無しさんを助けた奴や、修行をつけてやってた奴にも裏をとった確かな情報だ」
静かに語られた名無しさんの全てに、千を超えるはずのクルーは誰一人として声を発さない...いや発する事が出来ないのだ。
人は余りにも衝撃的な事を知った時驚きの余り言葉を無くすというが、今回の状況がまさしくそれだった。
「おれから話せる事は以上だよい。何か質問ある奴がいりゃそれに答えるが、誰かいるか」
シン...と静まり返る食堂。
どうしたものかとマルコは頭を掻きギッと椅子へと腰掛けた。すると暫く時間を置いてから、つい先日自分が殴りそうになってしまった二番隊の隊員がそろそろと手をあげた。
「ん、どうした。何でも言ってみろい」
「あ...あの、エースさんの怪我の身代わりになったって一体いつそんな隙が」
「ああ、聞いた話じゃインペルダウンに潜入したらしーぜ」
「!!!えぇ?!あの絶対出る事は出来ねーって有名なインペルダウンに?!何でまた...っ」
「決まってるだろい。エースを、死なせねェ為だ」
「!!!」
「だからこそあいつは自らの危険も省みず能力を駆使しながら一人で監獄へと潜入してその技を発動させる為だけにエースに会いに行った」
何があるのか、どんな罠が仕掛けられているのか、一体どこにいるのかすら分からねー監獄にたった一人乗り込んで誰にも知らせずそれを成功させたんだとマルコは語る。
「一歩間違えば侵入者としてあいつも監獄行きだ。だからオヤジには結果的に潜入が成功したからこそ、自分はその時にエースを連れ出せたって意味で戦争を起こさせない事も出来たっつったんだろうよ」
結果論だけどな、とマルコは付け足し悲しそうに笑う。
「...名無しさんがな、この船に来た頃に言ってたんだよ。エースが幸せだと笑う未来が見てーって」
「!!っ...」
「例え他の女と添い遂げようとエースが幸せだと笑うならそれでもいい、ただあいつの生きる世界を守りてェんだと笑ってたんだ」
「そんな...俺はっ...なんて事をっ....!!」
「エースはよあんなに強ェーし男前だし気概もあるだろ?なのにふとした時に自分なんかっつー言葉を使いやがる」
「....あぁ、言われてみればそうだ」
「確かにエース隊長って自己肯定感低いとこあるもんなぁ」
マルコの言葉に思い当たる事があったのか特に二番隊の一同が口々にそれに賛同した声をあげる。
「だからな、名無しさんは...あいつの笑って生きる幸せな未来をエース自身が生きてて良かったと必要とされてんだと思って生きて欲しくて、潜入の時連れ出せたかもしれねェエースをそのままにしたんだとおれは思ってる」
「..........本当、こっちがヤキモキするぐらい人の事ばっかしだからねェ名無しさんちゃんは」
「...あいつがその事で悩まなかった訳がねェんだよい。オヤジもおれ達もエースの命でさえも危険を冒す一種の賭けだ」
「でも...じゃあ何で名無しさんちゃんはそんな危ねー橋を渡ってまで戦争を止めなかったんだ?」
「止めなかったんじゃねェ。あれはもう既に誰にも止められなかったはずだ、敵は海軍本部だぜ?あいつ一人でどうにかなんのかよい」
「っ.................」
「それでもあいつは自分のせいだと思っちまってる。ティーチを逃し、エースを奪われたのは自分のせいだとな」
誰よりもこの船を思って動いていたからこその自責の念。それがマルコには痛いほどわかっていた。名無しさんという優し過ぎる人物を知っていればその理由何てすぐに想像がつくからだ。
するとずっと黙っていた四番隊の一人が声を上げる。
オヤジの持病を代わりに自らの身に宿して5ヶ月近くも戦って命の危険を晒していたこと、ティーチを取り逃がした一件から後を追ったエースの死を予期していた事、力不足にもがき血反吐を吐きながら修行をして能力の覚醒に至った事。
...そして、今回の戦争でエースが蘇る程の怪我をまた代わりにその身に宿し黙って一人で戦っていた事。
その代償としてエースが生きた20年という年月の命が名無しさんの寿命からは既に削られ、1日近くにも及ぶ激痛にナイフで足を傷つけて耐え抜いた結果声を一時的に失ってしまった事など全て。
「............名無しさんを助けた奴や、修行をつけてやってた奴にも裏をとった確かな情報だ」
静かに語られた名無しさんの全てに、千を超えるはずのクルーは誰一人として声を発さない...いや発する事が出来ないのだ。
人は余りにも衝撃的な事を知った時驚きの余り言葉を無くすというが、今回の状況がまさしくそれだった。
「おれから話せる事は以上だよい。何か質問ある奴がいりゃそれに答えるが、誰かいるか」
シン...と静まり返る食堂。
どうしたものかとマルコは頭を掻きギッと椅子へと腰掛けた。すると暫く時間を置いてから、つい先日自分が殴りそうになってしまった二番隊の隊員がそろそろと手をあげた。
「ん、どうした。何でも言ってみろい」
「あ...あの、エースさんの怪我の身代わりになったって一体いつそんな隙が」
「ああ、聞いた話じゃインペルダウンに潜入したらしーぜ」
「!!!えぇ?!あの絶対出る事は出来ねーって有名なインペルダウンに?!何でまた...っ」
「決まってるだろい。エースを、死なせねェ為だ」
「!!!」
「だからこそあいつは自らの危険も省みず能力を駆使しながら一人で監獄へと潜入してその技を発動させる為だけにエースに会いに行った」
何があるのか、どんな罠が仕掛けられているのか、一体どこにいるのかすら分からねー監獄にたった一人乗り込んで誰にも知らせずそれを成功させたんだとマルコは語る。
「一歩間違えば侵入者としてあいつも監獄行きだ。だからオヤジには結果的に潜入が成功したからこそ、自分はその時にエースを連れ出せたって意味で戦争を起こさせない事も出来たっつったんだろうよ」
結果論だけどな、とマルコは付け足し悲しそうに笑う。
「...名無しさんがな、この船に来た頃に言ってたんだよ。エースが幸せだと笑う未来が見てーって」
「!!っ...」
「例え他の女と添い遂げようとエースが幸せだと笑うならそれでもいい、ただあいつの生きる世界を守りてェんだと笑ってたんだ」
「そんな...俺はっ...なんて事をっ....!!」
「エースはよあんなに強ェーし男前だし気概もあるだろ?なのにふとした時に自分なんかっつー言葉を使いやがる」
「....あぁ、言われてみればそうだ」
「確かにエース隊長って自己肯定感低いとこあるもんなぁ」
マルコの言葉に思い当たる事があったのか特に二番隊の一同が口々にそれに賛同した声をあげる。
「だからな、名無しさんは...あいつの笑って生きる幸せな未来をエース自身が生きてて良かったと必要とされてんだと思って生きて欲しくて、潜入の時連れ出せたかもしれねェエースをそのままにしたんだとおれは思ってる」
「..........本当、こっちがヤキモキするぐらい人の事ばっかしだからねェ名無しさんちゃんは」
「...あいつがその事で悩まなかった訳がねェんだよい。オヤジもおれ達もエースの命でさえも危険を冒す一種の賭けだ」
「でも...じゃあ何で名無しさんちゃんはそんな危ねー橋を渡ってまで戦争を止めなかったんだ?」
「止めなかったんじゃねェ。あれはもう既に誰にも止められなかったはずだ、敵は海軍本部だぜ?あいつ一人でどうにかなんのかよい」
「っ.................」
「それでもあいつは自分のせいだと思っちまってる。ティーチを逃し、エースを奪われたのは自分のせいだとな」
誰よりもこの船を思って動いていたからこその自責の念。それがマルコには痛いほどわかっていた。名無しさんという優し過ぎる人物を知っていればその理由何てすぐに想像がつくからだ。
するとずっと黙っていた四番隊の一人が声を上げる。