エンドライフ④
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《41.真実と蔓延る動揺 》
ーコンコン
「.................」
「..........マルコ、入るぜ」
あれから暫くマルコは壁を殴り続けようやく少し落ち着いてきた頃に、控えめなノックが鳴り響いたかと思うと返事を聞かない間にいつもの飄々とした笑みを湛えたサッチが入ってきた。
「....何しにきた。おれは今気が立ってんだ、後にしろよい...」
「........だろうねェ、お前の殺気キッチンまでダダ漏れよ?」
「.................」
「ったく...酷ェ有り様だ」
マルコが傷をつけたのだろう扉付近の壁はいくつも穴が空いてしまっており、それを撫でながらサッチは変わらぬ笑顔で話を続ける。
「さっききた隊員の奴だけどな」
「......そいつの話は聞きたくねェ」
「もの凄いビビっちまってたからさ、話を聞いた上で俺からもお灸を据えといたぜ〜」
あれはあいつが悪ィと笑ったサッチ。
その様を見たマルコは毒気を抜かれほと走らせていた殺気を抑え込む。
いくら名無しさんが海賊では無かったとしても、あの隊員よりも遥かに長く6年も共に船で過ごした大事な家族である事には変わりなかった。だからこそ大事な家族を傷つける奴は許せなくて当然で。
「お前もよく手を出さずに耐えたな、マルコ」
「...半分手が出かけたよい」
「壁止まりで抑えたんだろ?十分偉いさ。俺は殴っちまった(笑)」
「なっ....お前なァ」
「仕方ねェーだろ?あの野郎も日が浅いとはいえ頂上戦争での名無しさんちゃんを見てたはずなのに...裏切り者扱いはねェよ」
笑顔を顰め真顔で言い切ったサッチに久しぶりにコイツがキレてるのを見たなとマルコは思い、後でフォローしてやらねェーとなと冷静さを欠いた自分を反省した。
「いっそのことさ、もう全部話しちまうってのはどうだ?」
「.....は。全部って...何をだよい」
「全部は全部さ。名無しさんちゃんのお陰で俺が生き延びてるって事も隊長以外詳しくは知らねェだろ?」
「名無しさんが嫌がったからなァ。詳しい詳細は伏せてたが....そうか、そうだなァ」
「なっ?必要だと思わねェ?またいつか、名無しさんちゃんが帰ってきた時に全員で出迎えてやりたいじゃん」
「...ハハっ、違いねェ!」
「次の島に着いた時、エースと事情知ってる隊長らを使えばあいつも名無しさんの話題には触れずに済むだろーし」
どうよ?と笑ったサッチに名無しさんと連絡が取れなくなってしまった今だからこそいつでも出迎えられる準備をしておくのは悪くないかもなと思った。
「一度オヤジに相談してみるよい」
「オヤジも良いって言うさ!名無しさんちゃんが船を降りてからすっげー寂しそうだもんな〜(笑)」
「...そりゃあんだけ無警戒の好意をずっと向けられちまってたらなァ...寂しくもなるだろうさ」
「マルコ、それはお前の経験談か?」
「うるせェよいっ...たく」
ありがとなと笑ってやっといつものマルコに戻った様を見たサッチはゆったりと口角を上げた。真っ直ぐで熱く、仲間内のこういったフォローもさりげなくしてしまうからこそサッチは男にモテるのだ。
...当の本人は全くの無意識なのでその事実に嘆いてはいるが。
そして、この二人の密談はエースには秘密裏に情報だけ船員に伝えられ次の島へと到着するちょうど5日後に決行する事となった。
「お前ら、今日は都合をつけてくれてありがとな」
マルコのよく通る声が響く食堂には溢れかえる程にぎゅうぎゅうと押し寄せたクルー達の姿。5日経った本日エースと事情を把握しているイゾウ、ラクヨウといった隊長格が先遣隊となり珍しくも部下を連れずに島の調査に出た後密やかに行われている。
「まず始めに今から話す事はおれらの家族以外他言無用だ。それと一切の真実しか話さねェから聞き逃さねーようにしっかりと聞いてくれ」
「はい!マルコ隊長!」
「やべ〜何の話すんのかなー」
会議があると言うだけで詳しくは聞かされていなかった皆は心無しかソワソワとしながらも大人しくマルコの言う事を聞いており、マルコの隣にはオヤジが朝からお酒を煽っている姿があった。
「...最近入った奴らはよく知らねェだろうが、少し前までこの船に乗っていたおれ達の大事な家族名無しさんの事について、全てを今から話す」
「!!おおっ、もしかして連絡ついたんすか!」
「マジかよ!やったな!で、でマルコ隊長っ名無しさんは今どこに居たんすか?!」
「落ち着けお前ら!まずは順を追って話をするよい」
「おおお待ってましたー!」
「おいっ静かにしろよ!声が聞こねーだろ!」
名無しさんの名前を出した途端一気に活気付く食堂に、ほら見ろよ名無しさんお前はこんなにも愛されてるぜとマルコは一人頬を緩める。
そして大きく息を吸った後に静かに、それでいてはっきりと言葉を告げた。
「結論から言うが.....名無しさんと連絡を取る手段はもう、無くなった」
「.................へっ?」
「え、あの......マルコ隊長...それは一体どういう...」
「...元より戦争の前名無しさんから届いた手紙の最後には今後は心配しないでも、元気にやるからおれらの航海を楽しんでくれと記されてたんだよい」
「名無しさんちゃんってエースさんが帰ってきたら一緒にまた航海するんじゃなかったのか?」
「いや、そうだと俺も思ってたけどよ。どういうこった?」
てっきり今回も治療の一環で一時離れているだけで、今度こそ戻ってきてくれると信じていたクルーばかりだったからかマルコの言葉に動揺が広がる。
ーコンコン
「.................」
「..........マルコ、入るぜ」
あれから暫くマルコは壁を殴り続けようやく少し落ち着いてきた頃に、控えめなノックが鳴り響いたかと思うと返事を聞かない間にいつもの飄々とした笑みを湛えたサッチが入ってきた。
「....何しにきた。おれは今気が立ってんだ、後にしろよい...」
「........だろうねェ、お前の殺気キッチンまでダダ漏れよ?」
「.................」
「ったく...酷ェ有り様だ」
マルコが傷をつけたのだろう扉付近の壁はいくつも穴が空いてしまっており、それを撫でながらサッチは変わらぬ笑顔で話を続ける。
「さっききた隊員の奴だけどな」
「......そいつの話は聞きたくねェ」
「もの凄いビビっちまってたからさ、話を聞いた上で俺からもお灸を据えといたぜ〜」
あれはあいつが悪ィと笑ったサッチ。
その様を見たマルコは毒気を抜かれほと走らせていた殺気を抑え込む。
いくら名無しさんが海賊では無かったとしても、あの隊員よりも遥かに長く6年も共に船で過ごした大事な家族である事には変わりなかった。だからこそ大事な家族を傷つける奴は許せなくて当然で。
「お前もよく手を出さずに耐えたな、マルコ」
「...半分手が出かけたよい」
「壁止まりで抑えたんだろ?十分偉いさ。俺は殴っちまった(笑)」
「なっ....お前なァ」
「仕方ねェーだろ?あの野郎も日が浅いとはいえ頂上戦争での名無しさんちゃんを見てたはずなのに...裏切り者扱いはねェよ」
笑顔を顰め真顔で言い切ったサッチに久しぶりにコイツがキレてるのを見たなとマルコは思い、後でフォローしてやらねェーとなと冷静さを欠いた自分を反省した。
「いっそのことさ、もう全部話しちまうってのはどうだ?」
「.....は。全部って...何をだよい」
「全部は全部さ。名無しさんちゃんのお陰で俺が生き延びてるって事も隊長以外詳しくは知らねェだろ?」
「名無しさんが嫌がったからなァ。詳しい詳細は伏せてたが....そうか、そうだなァ」
「なっ?必要だと思わねェ?またいつか、名無しさんちゃんが帰ってきた時に全員で出迎えてやりたいじゃん」
「...ハハっ、違いねェ!」
「次の島に着いた時、エースと事情知ってる隊長らを使えばあいつも名無しさんの話題には触れずに済むだろーし」
どうよ?と笑ったサッチに名無しさんと連絡が取れなくなってしまった今だからこそいつでも出迎えられる準備をしておくのは悪くないかもなと思った。
「一度オヤジに相談してみるよい」
「オヤジも良いって言うさ!名無しさんちゃんが船を降りてからすっげー寂しそうだもんな〜(笑)」
「...そりゃあんだけ無警戒の好意をずっと向けられちまってたらなァ...寂しくもなるだろうさ」
「マルコ、それはお前の経験談か?」
「うるせェよいっ...たく」
ありがとなと笑ってやっといつものマルコに戻った様を見たサッチはゆったりと口角を上げた。真っ直ぐで熱く、仲間内のこういったフォローもさりげなくしてしまうからこそサッチは男にモテるのだ。
...当の本人は全くの無意識なのでその事実に嘆いてはいるが。
そして、この二人の密談はエースには秘密裏に情報だけ船員に伝えられ次の島へと到着するちょうど5日後に決行する事となった。
「お前ら、今日は都合をつけてくれてありがとな」
マルコのよく通る声が響く食堂には溢れかえる程にぎゅうぎゅうと押し寄せたクルー達の姿。5日経った本日エースと事情を把握しているイゾウ、ラクヨウといった隊長格が先遣隊となり珍しくも部下を連れずに島の調査に出た後密やかに行われている。
「まず始めに今から話す事はおれらの家族以外他言無用だ。それと一切の真実しか話さねェから聞き逃さねーようにしっかりと聞いてくれ」
「はい!マルコ隊長!」
「やべ〜何の話すんのかなー」
会議があると言うだけで詳しくは聞かされていなかった皆は心無しかソワソワとしながらも大人しくマルコの言う事を聞いており、マルコの隣にはオヤジが朝からお酒を煽っている姿があった。
「...最近入った奴らはよく知らねェだろうが、少し前までこの船に乗っていたおれ達の大事な家族名無しさんの事について、全てを今から話す」
「!!おおっ、もしかして連絡ついたんすか!」
「マジかよ!やったな!で、でマルコ隊長っ名無しさんは今どこに居たんすか?!」
「落ち着けお前ら!まずは順を追って話をするよい」
「おおお待ってましたー!」
「おいっ静かにしろよ!声が聞こねーだろ!」
名無しさんの名前を出した途端一気に活気付く食堂に、ほら見ろよ名無しさんお前はこんなにも愛されてるぜとマルコは一人頬を緩める。
そして大きく息を吸った後に静かに、それでいてはっきりと言葉を告げた。
「結論から言うが.....名無しさんと連絡を取る手段はもう、無くなった」
「.................へっ?」
「え、あの......マルコ隊長...それは一体どういう...」
「...元より戦争の前名無しさんから届いた手紙の最後には今後は心配しないでも、元気にやるからおれらの航海を楽しんでくれと記されてたんだよい」
「名無しさんちゃんってエースさんが帰ってきたら一緒にまた航海するんじゃなかったのか?」
「いや、そうだと俺も思ってたけどよ。どういうこった?」
てっきり今回も治療の一環で一時離れているだけで、今度こそ戻ってきてくれると信じていたクルーばかりだったからかマルコの言葉に動揺が広がる。