エンドライフ④
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《36.楽な関係 》
あれから一週間、ようやくうちは声を取り戻し今日は今までのお礼にとハートの海賊団へ料理を振舞っている所だった。
「まだまだお代わりあるからいっぱい食べてなー」
「名無しさんちゃんサイッコーに美味いよ!!」
「俺このキャベツに肉が包まったやつ好きだー!」
「そうか、ありがとうな!(笑)」
あちこちで美味しいとの声をあげてくれながらもガツガツと食べてくれる様はやっぱり嬉しいものがある。これはもうダダンさんの家に居た時からの感覚だった為、こういうものが好きなのだなろうなとしみじみと感じた。
(何でこうもいっぱい食べとう姿って癒されるんやろうなぁ....)
可愛いなと思いながら、お皿によそったご飯を隅っこで食べていると皆に乗せられたのであろうおかずがこんもりとなったお皿を持ったローくんが隣へと腰掛けてきた。
「お、随分といっぱいやな」
「こんなに食えるか、お前も食え」
「はいはい仰せのままに(笑)」
フォークで突き刺して余白が出来ていたうちのお皿へと三分の一ぐらいは乗せてくるローくんに笑いながらも何も言わずに食べ進めてくれてはいるので不味くは無いのかなと安心していると、ふいに声をかけられた。
「本当に俺らと来るつもりはねぇのか」
「ははっせやなぁ...気持ちはめちゃくちゃ嬉しいのやけど、やっぱりうちは親父の海賊船以外乗るつもりは無いんよな」
「あいつらの船にも結局乗るつもりはねぇじゃねぇか」
「あー...まあそれはやってほら、エースの件もあるけど今更船に戻るのはな気が引けるよ」
そうなのだ。この島にハートの海賊団が停泊してくれている間、何度かチンピラに絡まれている団員の方達を偶然助けていたらまさかのローくんが行く所がねーなら俺の船に来いと誘ってくれたのだ。
全てを分かった上で言ってくれたのであろうその優しさに有り難いなと思いつつも、やっぱり自分の乗りたい海賊船は生涯を通してただ一つだけなので、何度か既にお断りをしていた。
「火拳屋が忘れちまってるなら無理矢理にでも会うなりなんなりして思い出させるぐらいしたらどうだ」
「メンタル強過ぎひんかローくん(笑)」
「ずっと忘れられちまってるよりはマシだろ」
「.....そっかー、そういう考えもあるんかねー」
...もし、自分があの戦争を止められていたのだとして。あの戦争を避ける選択をしていたのだとすればまた答えは変わっていたのかもしれないが、避けられた戦いを大切な家族を巻き込んでまで止められなかった上に結局エースの命は守れなかったのだ。
今更、どの面を下げてあの船に戻れというのか。
いくら自分があの船が大好きでも、この世界での居場所であったとしてもそれはもう望んではいけないと知っていた。
「エースにはな、幸せになって欲しいんよ」
「.................」
「勿論マルコ達や親父も含めてやけど、もっとずっとさ本間に大事にしてくれる家族が彼等にはおるからな」
「................」
「エースとも幼少期に出会って無ければもっと自由に生きていける未来が本来はあったはずやし」
「...その未来にお前は居らねぇと?」
「勿論や。今回の戦争が起きた後の事を何回も何回も考えた事はあるんやけど、やっぱりその先の笑い合う未来をうちは想像出来んかった」
そう言って笑えばローくんは顰めっ面をしたまま黙ってしまい静かに肉じゃがを頬張った。
「やから、海賊船に誘ってくれたんは本間に嬉しかったんよ!ありがとうなローくん」
「...俺は海賊だぜ?お前を無理矢理乗せていく事だって」
「そんな事出来ひんくせによー言うわ(笑)優しいローくん達には無理やでそんなん」
「はぁ...お前がとっととあの不死鳥屋に連絡をして掻っ攫われちまえばまだ良かったんだがな」
「ちょいちょい何奪う気でおるねん、そっちのが怖いわ」
「海賊は奪ってなんぼの世界なんだよ」
ニヒルに笑うローくんに笑って、本当外見と中身が一致しない人だなとほっこりとした。シャチさん達が言っていたが確かにローくんとは根本的なスタンスが似ているからかエース達とはまた違った居心地の良さがあって、気を遣う必要が無いからか純粋に楽だなと思う。
それはローくんも同じなのか気がついたら横に居てくれる事の方が多いように感じた。
「それで、ローくん達はこの後どこ目指すん」
「あ?...そうだな、少しばかり事情が変わっちまったから暫くはこのグランドラインでのんびりするつもりだ」
「ローくん達がのんびり、ねぇ」
「お前の老後みてーなのんびりとはこっちは訳が違う」
「どう言う意味やねん」
「好きに捉えろ」
軽口をたたける気楽さに笑えばローくんも珍しく頬を緩めていて、普段からそんな顔をしていればまだ誤解もされないだろうになと思った。
「本当お前といると女と居る気がしねえ」
「あ、それうちも思った。何ていうか、悪友?同性?」
「同性はやめろ。でもまあ悪友っつーのはあながち間違っちゃいないかもな」
「へへっ、やろー?」
「お前な...女として見られてねぇ事に危機感は無ぇのか」
「?何でや。そもそもうちもローくん男として見てへんからおあいこじゃない?」
「.......だったら、男として見られるようにしてやろうか」
そう言っていつもとは違う艶っぽい笑い方をしたローくんはうちの顔へと手をかけてくる。...が、余りにもよそ行き顔をしたそれに何故だかどんどん笑いが込み上げてしまって。
「ははははっ!ろ、ローくんっ普段そうやって女性おとしてんのかっ、嘘っぽ〜!(笑)」
「.....はぁ、お前な。今ので赤面すらしない奴初めてだぞ」
「え、まじか」
「これでも一応それなりに経験はあるからな」
「ほ〜...いやまあその性格やったらそうなんやろうけど凄いなローくん」
やっぱりどこの世界でもお医者さんはモテるのかと思っていると、くくっと声を顰めて笑いながらもお前は楽でいいと言われたがそれはこちらも同じだったので笑って返しておいた。
「お前、ちゃんと電伝虫はかけてやれよ」
「分かっとうよ。皆と別れた後にちゃんとかける」
まるで釘を刺すかのように言われた言葉に一瞬ドキリとするもこれ以上待たせるのは良く無いのは自分でも分かっていたので静かに頷いておいた。
暗くなる前にたつといったハートの海賊団のお見送りにこれば、涙ながらにそれぞれが別れを告げてくれ本当優しい人たちだなと胸がいっぱいになる。
「またなーー!本間に、ありがとーーーー!」
「名無しさんちゃーーーーんっ....!!無茶はもうするなよー!」
最後の最後まで心配してくれる優しい人達の姿が見えなくなるまで手を降れば、途端に港が静かになって少しだけその静けさに寂しさを覚えた。
あれから一週間、ようやくうちは声を取り戻し今日は今までのお礼にとハートの海賊団へ料理を振舞っている所だった。
「まだまだお代わりあるからいっぱい食べてなー」
「名無しさんちゃんサイッコーに美味いよ!!」
「俺このキャベツに肉が包まったやつ好きだー!」
「そうか、ありがとうな!(笑)」
あちこちで美味しいとの声をあげてくれながらもガツガツと食べてくれる様はやっぱり嬉しいものがある。これはもうダダンさんの家に居た時からの感覚だった為、こういうものが好きなのだなろうなとしみじみと感じた。
(何でこうもいっぱい食べとう姿って癒されるんやろうなぁ....)
可愛いなと思いながら、お皿によそったご飯を隅っこで食べていると皆に乗せられたのであろうおかずがこんもりとなったお皿を持ったローくんが隣へと腰掛けてきた。
「お、随分といっぱいやな」
「こんなに食えるか、お前も食え」
「はいはい仰せのままに(笑)」
フォークで突き刺して余白が出来ていたうちのお皿へと三分の一ぐらいは乗せてくるローくんに笑いながらも何も言わずに食べ進めてくれてはいるので不味くは無いのかなと安心していると、ふいに声をかけられた。
「本当に俺らと来るつもりはねぇのか」
「ははっせやなぁ...気持ちはめちゃくちゃ嬉しいのやけど、やっぱりうちは親父の海賊船以外乗るつもりは無いんよな」
「あいつらの船にも結局乗るつもりはねぇじゃねぇか」
「あー...まあそれはやってほら、エースの件もあるけど今更船に戻るのはな気が引けるよ」
そうなのだ。この島にハートの海賊団が停泊してくれている間、何度かチンピラに絡まれている団員の方達を偶然助けていたらまさかのローくんが行く所がねーなら俺の船に来いと誘ってくれたのだ。
全てを分かった上で言ってくれたのであろうその優しさに有り難いなと思いつつも、やっぱり自分の乗りたい海賊船は生涯を通してただ一つだけなので、何度か既にお断りをしていた。
「火拳屋が忘れちまってるなら無理矢理にでも会うなりなんなりして思い出させるぐらいしたらどうだ」
「メンタル強過ぎひんかローくん(笑)」
「ずっと忘れられちまってるよりはマシだろ」
「.....そっかー、そういう考えもあるんかねー」
...もし、自分があの戦争を止められていたのだとして。あの戦争を避ける選択をしていたのだとすればまた答えは変わっていたのかもしれないが、避けられた戦いを大切な家族を巻き込んでまで止められなかった上に結局エースの命は守れなかったのだ。
今更、どの面を下げてあの船に戻れというのか。
いくら自分があの船が大好きでも、この世界での居場所であったとしてもそれはもう望んではいけないと知っていた。
「エースにはな、幸せになって欲しいんよ」
「.................」
「勿論マルコ達や親父も含めてやけど、もっとずっとさ本間に大事にしてくれる家族が彼等にはおるからな」
「................」
「エースとも幼少期に出会って無ければもっと自由に生きていける未来が本来はあったはずやし」
「...その未来にお前は居らねぇと?」
「勿論や。今回の戦争が起きた後の事を何回も何回も考えた事はあるんやけど、やっぱりその先の笑い合う未来をうちは想像出来んかった」
そう言って笑えばローくんは顰めっ面をしたまま黙ってしまい静かに肉じゃがを頬張った。
「やから、海賊船に誘ってくれたんは本間に嬉しかったんよ!ありがとうなローくん」
「...俺は海賊だぜ?お前を無理矢理乗せていく事だって」
「そんな事出来ひんくせによー言うわ(笑)優しいローくん達には無理やでそんなん」
「はぁ...お前がとっととあの不死鳥屋に連絡をして掻っ攫われちまえばまだ良かったんだがな」
「ちょいちょい何奪う気でおるねん、そっちのが怖いわ」
「海賊は奪ってなんぼの世界なんだよ」
ニヒルに笑うローくんに笑って、本当外見と中身が一致しない人だなとほっこりとした。シャチさん達が言っていたが確かにローくんとは根本的なスタンスが似ているからかエース達とはまた違った居心地の良さがあって、気を遣う必要が無いからか純粋に楽だなと思う。
それはローくんも同じなのか気がついたら横に居てくれる事の方が多いように感じた。
「それで、ローくん達はこの後どこ目指すん」
「あ?...そうだな、少しばかり事情が変わっちまったから暫くはこのグランドラインでのんびりするつもりだ」
「ローくん達がのんびり、ねぇ」
「お前の老後みてーなのんびりとはこっちは訳が違う」
「どう言う意味やねん」
「好きに捉えろ」
軽口をたたける気楽さに笑えばローくんも珍しく頬を緩めていて、普段からそんな顔をしていればまだ誤解もされないだろうになと思った。
「本当お前といると女と居る気がしねえ」
「あ、それうちも思った。何ていうか、悪友?同性?」
「同性はやめろ。でもまあ悪友っつーのはあながち間違っちゃいないかもな」
「へへっ、やろー?」
「お前な...女として見られてねぇ事に危機感は無ぇのか」
「?何でや。そもそもうちもローくん男として見てへんからおあいこじゃない?」
「.......だったら、男として見られるようにしてやろうか」
そう言っていつもとは違う艶っぽい笑い方をしたローくんはうちの顔へと手をかけてくる。...が、余りにもよそ行き顔をしたそれに何故だかどんどん笑いが込み上げてしまって。
「ははははっ!ろ、ローくんっ普段そうやって女性おとしてんのかっ、嘘っぽ〜!(笑)」
「.....はぁ、お前な。今ので赤面すらしない奴初めてだぞ」
「え、まじか」
「これでも一応それなりに経験はあるからな」
「ほ〜...いやまあその性格やったらそうなんやろうけど凄いなローくん」
やっぱりどこの世界でもお医者さんはモテるのかと思っていると、くくっと声を顰めて笑いながらもお前は楽でいいと言われたがそれはこちらも同じだったので笑って返しておいた。
「お前、ちゃんと電伝虫はかけてやれよ」
「分かっとうよ。皆と別れた後にちゃんとかける」
まるで釘を刺すかのように言われた言葉に一瞬ドキリとするもこれ以上待たせるのは良く無いのは自分でも分かっていたので静かに頷いておいた。
暗くなる前にたつといったハートの海賊団のお見送りにこれば、涙ながらにそれぞれが別れを告げてくれ本当優しい人たちだなと胸がいっぱいになる。
「またなーー!本間に、ありがとーーーー!」
「名無しさんちゃーーーーんっ....!!無茶はもうするなよー!」
最後の最後まで心配してくれる優しい人達の姿が見えなくなるまで手を降れば、途端に港が静かになって少しだけその静けさに寂しさを覚えた。