エンドライフ④
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《28. 各々の気持ち 》
驚いて固まったままのマルコを他所にそれを知ってか知らずかサボは言葉を続ける。
「本当あいつはガキの頃からいつもいつも人の事ばっかりでさ、俺達が怪我何てした日には誰よりも辛ェ顔しやがんのに自分が怪我をした時は気にもとめずに笑う奴でよ」
「ははっ、あいつのそれはガキの頃からなのかよい」
「ああ。昔っからだ」
「通りでいくら言っても直らねェ訳だ」
さっきの告白何て気にも留めないかのようにサボは笑いながら言葉を紡いだ。
「虫が怖ェだの真っ暗が怖ェだのと言う割に、度胸はあって。小っせェガキの頃からさ、守りたい奴が居るから強くなるんだって傷だらけになりながら修行をしていた」
「!.......、そうか、それもガキん頃からだったな」
「今思えばそれはエースの事だったんだなと分かるが、当時の俺はヤキモキしたもんだよ」
「おれがここに居んのによーってか」
「当たり前だろ、毎日あんなに一緒に居たのは俺達ぐれェだったのに俺の知らねェ奴を思ってそんな顔すんなよなとは思ってたかな」
「はははっ!本当お前はエースと違って正直な奴だよなァ」
まるで真逆だよいと笑ったマルコにさっきまでの涙はもうみえない。
「....それでもやっぱり名無しさんが、エースを見てたのは知ってたからさ。エースが振らねェ限りは言うつもりは無かったんだよ」
はっきりと、それでいて真っ直ぐに告げるサボ。
それはどこかいつか名無しさんと甲板で話をしていた様を彷彿とさせて、やっぱり皆よく似ているなとマルコは思った。
「今もそれは変わらねェのかよい」
「....そうだな。記憶が戻る前の俺だったら告白ぐれェはしてたかもしれねェーけど、名無しさんにはエースがいるからさ」
でもそれはお前も同じだろマルコ、と何でも無いように問いかけたサボの言葉に少なからず驚いてむせた後マルコはじっとまん丸の瞳を見つめた。
「お前、本当真っ直ぐな奴だな」
「ありがとよ。で、そうなんだろ?」
「.........ったく、ここでおれが頷きでもすればお前は満足するのかよい」
「当然だ。同じ奴を好きになった者同士仲良くしようぜ」
「〜〜〜〜ハァ、参った。降参だ」
諦める様子の無いサボに渋々といった様子で両手をあげて首を振ったマルコ。それを見たサボは続きを促すような眼差しでその顔を見つめる。
「おれの場合は何というかなァ....。名無しさんとどうこうなりてェって気持ちは皆無に等しい」
「??好き、なのにかよ」
「うーーん。好き、好きねェ....。確かに好きか嫌いかと言われたら好きには間違いねェがそういうもんじゃ足りねェというかなァ...そうだな」
「....何なんだよ、はっきりと言えよ」
「男女のそれで言う好き嫌いっつーよりは、あいつがエースに対して抱えてるただ笑って生きていてくれさえすればそれでいいっつー感覚と、似てるんだよなァ」
口ではそう言いながらも初めてみる何処までも優しい眼差しと口ぶりのマルコに、サボは驚きながらも言葉を待った。
「前にな、名無しさんが甲板でエースが他の女と添い遂げる未来でも笑っていられるのかっておれが質問した時によ...嬉しそうに笑ったんだなァ...あいつは」
「!」
「エースがそれで幸せだと言って笑うなら、自分はそれで幸せなんだって恥ずかし気もなく笑ったんだ」
マルコの放った言葉には、サボにも覚えのある感覚で。
前に同じ問いかけをした時にも名無しさんは同じ答えを言い放った後に嬉しそうに笑っていたと思い出した。
「俺も聞いたよ、似たような事。そしたらマルコが言うような返答がきて戸惑った記憶がある」
「ハハハ!初めはそうだろうよい、おれもそうだった」
少なからずも自分達の知っている恋愛の好きとは、相手にも自分を好きになって欲しいとか、自分だけを見て欲しいとか、男女のあれそれとか...そういうものがついて回る感情だと思っていたから余計に。
男と女の違いなのかと思い二人共周りの人間へと聞いた事があったのだが、誰に聞いても返ってくる言葉は相手からも同じ気持ちを返して欲しいとの言葉の数々で。
あの考え方は名無しさん特有のものなのだなとその時改めて感じていたのだった。
「でもそれでいうとさマルコ、お前は名無しさんが好きか嫌いかっていうよりは」
「あァ、愛情の方が強ェんだろうな」
「!気がついてたのかよ」
「ハハこれでもおれも結構な長さを生きてるからねい」
「.....くっそ〜、何となく悔しい」
「何でだよい。おれとお前は違う人間なんだから感情も違って当然だろ」
「それでも、だよ。マルコの話をする時のあいつは...エースとはまた違って特別なんだ」
「ハハっかっわいいよなァ名無しさんは」
「〜だからっ、それが俺は悔しいんだって」
俺の方が先に出会っていたのにと、ぶつぶつ呟くサボを見て笑うマルコだったがそれでも視界にずっと見据えられている大きすぎる存在には敵わないのだともわかっていた。
「名無しさんの世界は、エースを元に構成されてる」
「...何となく分かるよ」
「だからこそお前も親友っつー立場を変えねェしおれも兄から外れるつもりはねェ」
「そうだな」
「全部一人で抱え込んじまうからよ、あいつがおれ達を思ってくれる分以上にあいつを支えてやりてェーんだけどな」
「本当あの馬鹿は何処で何をしてんだか」
エースにドヤされるのは俺達なんだぞと呟きながらお酒を追加するサボ。その様子に口元を緩めて視界の先にずっとある棺桶へとお酒をかかげてからグイっとまたお酒をあおった。
静かに、しめやかに続けられていた弔い。
今夜は月見酒でもするかねいと頭に浮かべていたマルコは、突然騒がしくなった甲板に飛ばしていた意識を呼び戻した。
驚いて固まったままのマルコを他所にそれを知ってか知らずかサボは言葉を続ける。
「本当あいつはガキの頃からいつもいつも人の事ばっかりでさ、俺達が怪我何てした日には誰よりも辛ェ顔しやがんのに自分が怪我をした時は気にもとめずに笑う奴でよ」
「ははっ、あいつのそれはガキの頃からなのかよい」
「ああ。昔っからだ」
「通りでいくら言っても直らねェ訳だ」
さっきの告白何て気にも留めないかのようにサボは笑いながら言葉を紡いだ。
「虫が怖ェだの真っ暗が怖ェだのと言う割に、度胸はあって。小っせェガキの頃からさ、守りたい奴が居るから強くなるんだって傷だらけになりながら修行をしていた」
「!.......、そうか、それもガキん頃からだったな」
「今思えばそれはエースの事だったんだなと分かるが、当時の俺はヤキモキしたもんだよ」
「おれがここに居んのによーってか」
「当たり前だろ、毎日あんなに一緒に居たのは俺達ぐれェだったのに俺の知らねェ奴を思ってそんな顔すんなよなとは思ってたかな」
「はははっ!本当お前はエースと違って正直な奴だよなァ」
まるで真逆だよいと笑ったマルコにさっきまでの涙はもうみえない。
「....それでもやっぱり名無しさんが、エースを見てたのは知ってたからさ。エースが振らねェ限りは言うつもりは無かったんだよ」
はっきりと、それでいて真っ直ぐに告げるサボ。
それはどこかいつか名無しさんと甲板で話をしていた様を彷彿とさせて、やっぱり皆よく似ているなとマルコは思った。
「今もそれは変わらねェのかよい」
「....そうだな。記憶が戻る前の俺だったら告白ぐれェはしてたかもしれねェーけど、名無しさんにはエースがいるからさ」
でもそれはお前も同じだろマルコ、と何でも無いように問いかけたサボの言葉に少なからず驚いてむせた後マルコはじっとまん丸の瞳を見つめた。
「お前、本当真っ直ぐな奴だな」
「ありがとよ。で、そうなんだろ?」
「.........ったく、ここでおれが頷きでもすればお前は満足するのかよい」
「当然だ。同じ奴を好きになった者同士仲良くしようぜ」
「〜〜〜〜ハァ、参った。降参だ」
諦める様子の無いサボに渋々といった様子で両手をあげて首を振ったマルコ。それを見たサボは続きを促すような眼差しでその顔を見つめる。
「おれの場合は何というかなァ....。名無しさんとどうこうなりてェって気持ちは皆無に等しい」
「??好き、なのにかよ」
「うーーん。好き、好きねェ....。確かに好きか嫌いかと言われたら好きには間違いねェがそういうもんじゃ足りねェというかなァ...そうだな」
「....何なんだよ、はっきりと言えよ」
「男女のそれで言う好き嫌いっつーよりは、あいつがエースに対して抱えてるただ笑って生きていてくれさえすればそれでいいっつー感覚と、似てるんだよなァ」
口ではそう言いながらも初めてみる何処までも優しい眼差しと口ぶりのマルコに、サボは驚きながらも言葉を待った。
「前にな、名無しさんが甲板でエースが他の女と添い遂げる未来でも笑っていられるのかっておれが質問した時によ...嬉しそうに笑ったんだなァ...あいつは」
「!」
「エースがそれで幸せだと言って笑うなら、自分はそれで幸せなんだって恥ずかし気もなく笑ったんだ」
マルコの放った言葉には、サボにも覚えのある感覚で。
前に同じ問いかけをした時にも名無しさんは同じ答えを言い放った後に嬉しそうに笑っていたと思い出した。
「俺も聞いたよ、似たような事。そしたらマルコが言うような返答がきて戸惑った記憶がある」
「ハハハ!初めはそうだろうよい、おれもそうだった」
少なからずも自分達の知っている恋愛の好きとは、相手にも自分を好きになって欲しいとか、自分だけを見て欲しいとか、男女のあれそれとか...そういうものがついて回る感情だと思っていたから余計に。
男と女の違いなのかと思い二人共周りの人間へと聞いた事があったのだが、誰に聞いても返ってくる言葉は相手からも同じ気持ちを返して欲しいとの言葉の数々で。
あの考え方は名無しさん特有のものなのだなとその時改めて感じていたのだった。
「でもそれでいうとさマルコ、お前は名無しさんが好きか嫌いかっていうよりは」
「あァ、愛情の方が強ェんだろうな」
「!気がついてたのかよ」
「ハハこれでもおれも結構な長さを生きてるからねい」
「.....くっそ〜、何となく悔しい」
「何でだよい。おれとお前は違う人間なんだから感情も違って当然だろ」
「それでも、だよ。マルコの話をする時のあいつは...エースとはまた違って特別なんだ」
「ハハっかっわいいよなァ名無しさんは」
「〜だからっ、それが俺は悔しいんだって」
俺の方が先に出会っていたのにと、ぶつぶつ呟くサボを見て笑うマルコだったがそれでも視界にずっと見据えられている大きすぎる存在には敵わないのだともわかっていた。
「名無しさんの世界は、エースを元に構成されてる」
「...何となく分かるよ」
「だからこそお前も親友っつー立場を変えねェしおれも兄から外れるつもりはねェ」
「そうだな」
「全部一人で抱え込んじまうからよ、あいつがおれ達を思ってくれる分以上にあいつを支えてやりてェーんだけどな」
「本当あの馬鹿は何処で何をしてんだか」
エースにドヤされるのは俺達なんだぞと呟きながらお酒を追加するサボ。その様子に口元を緩めて視界の先にずっとある棺桶へとお酒をかかげてからグイっとまたお酒をあおった。
静かに、しめやかに続けられていた弔い。
今夜は月見酒でもするかねいと頭に浮かべていたマルコは、突然騒がしくなった甲板に飛ばしていた意識を呼び戻した。