エンドライフ④
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《25.命の年月。 》
走って、走って、転んで、それでも走って。
たどり着いたその先は、事前に隠してあった自分の船が止めてある岬。
(........、最後にもう一度だけエースの顔を見てこれば良かったかな)
自分がモビーディックで起きた時の衝撃と、親父の部屋に向かう前に確認していた通り目的の島へと到着していて。予想していた通りだともしもの場合の時にこの島へと自分の船を止めていたのだ。
勿論必要無ければ途中までこの島まで送って貰って、その後別れる予定だったのだが結局別れる事は変わらなかった。
「よいしょーっと....っとと、まだ完全じゃないか」
船へと飛び乗ればふらついた身体。
せっかくマルコに手当てをして貰った後だというのに身体のあちこちには沢山の擦り傷と開いた傷口からは血が滲んでいて笑ってしまう。
「さて、急ぐぞ。後8時間もない」
慣れた手つきでエンジンをふかし足早に島を出航させる。
手のひらに集めたちぎったような白い紙の数々は途中で海へと沈めてしまった。
「全く...マルコもビスタも勝手にうちのビブルカードを持っとってからに(笑)」
他にもレイリーさんやサボ達のは勿論ラクヨウやサッチ、イゾウに至ってまでもが自分のビブルカードを持っていたので一体皆いつの間にと思いながら笑いかけてくれた笑顔を思い出しては打ち消して脳裏の奥へとしまっていく。
(新聞越しでぐらいなら、皆の活躍を応援しとってもいいよな...)
最後に見た親父の顔を思い出して、ギュッと痛みが走った心臓に手を当てればドクンドクンと穏やかな音を刻んでいてそれが何故だか心地良かった。
日の傾く前に予定していた場所へと辿り着けて、軽くだけでも積んであった荷物も持って小屋へと歩を進める。
「間に合って良かったな〜、全部...全部予定通りや」
当初の予定とは結果は違うものへとなってしまったが、もしもの時の為に発動させていた能力が発動するまで後30分も無い。もう少し色々と感傷にでも浸りたかったなーなどと心で思いながら無事小屋へと辿り着けば、出迎えてくれたエースとルフィの手配書に性懲りも無く涙が頬を伝っていた。
「っ....ったくもう、うちの涙腺ガバガバかっ(笑)」
どうせ誰も居ないのだと軽く涙を拭い簡単に荷解きを終えてから部屋を見渡せば、ここの小屋で過ごした色んな思いが脳裏を巡って笑みが溢れてくる。
ベッドへと腰掛けて火拳と呼ばれるエースの手配書に手を重ね温度のない壁へとコツンと頭を預けていつかエースにしたあの日のように、静かに目を閉じてから自然と溢れた気持ちを呟いていた。
「.....大丈夫やからなエース。ずっと、ずっと大好きやで」
生まれてきてくれてありがとう。
今日まで生き抜いてくれてありがとう。
こんなうちに幸せをくれて、ありがとう。
そう心に思った瞬間だった。
覚えのある心臓の脈打ちと冷や汗、身が焼けるような苦しさに息もできずに吐き出した鮮血。
...あぁ、上手くいったのだと苦しくて仕方がないはずなのに良かったと気持ちが溢れてしまったのは大好きな人が生きる世界を守れたのだという喜びと、もう一度だけあの笑顔を見たかったなと言う願いが混ざってでた幸せだった。
「ガフッ......、、っ、ハ、.....」
息が、出来ない
身体が、思うように動かない
(あ......かん、っ、あかんっ.....このままじゃっ....)
生き抜くと、その為だけに今日まで来たのだろうと視界もおぼつかない足取りで外へと倒れ出れば暖かいまでのオレンジ色の夕日がこの丘を照らしていて、まるでエースみたいだなと何度も、何度でも思いを馳せた姿が見守ってくれているようで、震える腕を幹へとかざしながら、心の中で呟いた。
(っ......りばー、す、.....《転 》っ、)
みるみると枯れていく幹。それでもダメージが一本では足りなくてその隣またその隣へと手のひらをかざしながらも最後の力を振り絞っていく。
そしてちょうど5本目にさしかかった所でやっと体内にあったダメージが抜け切り、ようやく出来るようになった呼吸に安堵をするも時間を置かずに身を焦がすような痛みが全身を襲った。
「うぁっ....あぁあああああああーー!!!っ...んぐっ!!!」
「凄いじゃないか名無しさん。これでこの技も完成したに等しいよ」
「ぁあああっっ、ゔあっ!!!」
「...だがね、一つだけ注意をして欲しいのは命を奪う程のダメージはいくら君へと飛ばせても、そこで消えるはずだった命の代償は君の命と同等だと言う事」
「ゔぅゔっ、、、いだいっ....あぁああっ、、、!!!!」
「もしこの技を利用して上手くダメージを逃す事が出来君が生き永らえたのだとしても、その命の年月分は君に痛みを与えながら時間に換算されて奪われていく。悪魔の実だって、万能じゃあないその事だけは忘れてはいけないよ」
感じた事のない焼き切れるような身の痛み。
流しすぎてしまった血液が付着して身体に張り付くがそんなの気にも止められない程の激痛が名無しさんを襲う。
.....エースが生きた20年分。
その命の代償を名無しさんは今、身を持って削られているのである。
走って、走って、転んで、それでも走って。
たどり着いたその先は、事前に隠してあった自分の船が止めてある岬。
(........、最後にもう一度だけエースの顔を見てこれば良かったかな)
自分がモビーディックで起きた時の衝撃と、親父の部屋に向かう前に確認していた通り目的の島へと到着していて。予想していた通りだともしもの場合の時にこの島へと自分の船を止めていたのだ。
勿論必要無ければ途中までこの島まで送って貰って、その後別れる予定だったのだが結局別れる事は変わらなかった。
「よいしょーっと....っとと、まだ完全じゃないか」
船へと飛び乗ればふらついた身体。
せっかくマルコに手当てをして貰った後だというのに身体のあちこちには沢山の擦り傷と開いた傷口からは血が滲んでいて笑ってしまう。
「さて、急ぐぞ。後8時間もない」
慣れた手つきでエンジンをふかし足早に島を出航させる。
手のひらに集めたちぎったような白い紙の数々は途中で海へと沈めてしまった。
「全く...マルコもビスタも勝手にうちのビブルカードを持っとってからに(笑)」
他にもレイリーさんやサボ達のは勿論ラクヨウやサッチ、イゾウに至ってまでもが自分のビブルカードを持っていたので一体皆いつの間にと思いながら笑いかけてくれた笑顔を思い出しては打ち消して脳裏の奥へとしまっていく。
(新聞越しでぐらいなら、皆の活躍を応援しとってもいいよな...)
最後に見た親父の顔を思い出して、ギュッと痛みが走った心臓に手を当てればドクンドクンと穏やかな音を刻んでいてそれが何故だか心地良かった。
日の傾く前に予定していた場所へと辿り着けて、軽くだけでも積んであった荷物も持って小屋へと歩を進める。
「間に合って良かったな〜、全部...全部予定通りや」
当初の予定とは結果は違うものへとなってしまったが、もしもの時の為に発動させていた能力が発動するまで後30分も無い。もう少し色々と感傷にでも浸りたかったなーなどと心で思いながら無事小屋へと辿り着けば、出迎えてくれたエースとルフィの手配書に性懲りも無く涙が頬を伝っていた。
「っ....ったくもう、うちの涙腺ガバガバかっ(笑)」
どうせ誰も居ないのだと軽く涙を拭い簡単に荷解きを終えてから部屋を見渡せば、ここの小屋で過ごした色んな思いが脳裏を巡って笑みが溢れてくる。
ベッドへと腰掛けて火拳と呼ばれるエースの手配書に手を重ね温度のない壁へとコツンと頭を預けていつかエースにしたあの日のように、静かに目を閉じてから自然と溢れた気持ちを呟いていた。
「.....大丈夫やからなエース。ずっと、ずっと大好きやで」
生まれてきてくれてありがとう。
今日まで生き抜いてくれてありがとう。
こんなうちに幸せをくれて、ありがとう。
そう心に思った瞬間だった。
覚えのある心臓の脈打ちと冷や汗、身が焼けるような苦しさに息もできずに吐き出した鮮血。
...あぁ、上手くいったのだと苦しくて仕方がないはずなのに良かったと気持ちが溢れてしまったのは大好きな人が生きる世界を守れたのだという喜びと、もう一度だけあの笑顔を見たかったなと言う願いが混ざってでた幸せだった。
「ガフッ......、、っ、ハ、.....」
息が、出来ない
身体が、思うように動かない
(あ......かん、っ、あかんっ.....このままじゃっ....)
生き抜くと、その為だけに今日まで来たのだろうと視界もおぼつかない足取りで外へと倒れ出れば暖かいまでのオレンジ色の夕日がこの丘を照らしていて、まるでエースみたいだなと何度も、何度でも思いを馳せた姿が見守ってくれているようで、震える腕を幹へとかざしながら、心の中で呟いた。
(っ......りばー、す、.....《
みるみると枯れていく幹。それでもダメージが一本では足りなくてその隣またその隣へと手のひらをかざしながらも最後の力を振り絞っていく。
そしてちょうど5本目にさしかかった所でやっと体内にあったダメージが抜け切り、ようやく出来るようになった呼吸に安堵をするも時間を置かずに身を焦がすような痛みが全身を襲った。
「うぁっ....あぁあああああああーー!!!っ...んぐっ!!!」
「凄いじゃないか名無しさん。これでこの技も完成したに等しいよ」
「ぁあああっっ、ゔあっ!!!」
「...だがね、一つだけ注意をして欲しいのは命を奪う程のダメージはいくら君へと飛ばせても、そこで消えるはずだった命の代償は君の命と同等だと言う事」
「ゔぅゔっ、、、いだいっ....あぁああっ、、、!!!!」
「もしこの技を利用して上手くダメージを逃す事が出来君が生き永らえたのだとしても、その命の年月分は君に痛みを与えながら時間に換算されて奪われていく。悪魔の実だって、万能じゃあないその事だけは忘れてはいけないよ」
感じた事のない焼き切れるような身の痛み。
流しすぎてしまった血液が付着して身体に張り付くがそんなの気にも止められない程の激痛が名無しさんを襲う。
.....エースが生きた20年分。
その命の代償を名無しさんは今、身を持って削られているのである。