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エンドライフ

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名無しさん
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《22.縮まる距離》


「お、来たな!おーい名無しさんー」



遠くから聞こえる声の方向を向けば、さっき別れたはずのサボがいて何やら大きいものを焼いていた。



「エース、あれ何」

「言ってみりゃわかる」

「こっからでも大分大きいな」



恐らく何かの生き物だっただろうそれはいい感じの串に刺されていて何とも食欲をそそる香りが伝わってくる。



「よっ、さっきぶりだな!」

「本間やね、どうしたん」

「それがよ、さっきおれがお前のメシを全部食っちまっただろ?それ話したらエースが名無しさんも呼んで来いって言うからさ」

「サボ!おれはそんな事言ってねえだろ」

「は?言ってたじゃん、だからこうやって名無しさんを探しに行ってたんだろ?」

「うるせえ!黙って食え」

「んだよもうー落ち着けって。なあ名無しさん

「ハハッそうやったんか、ありがとうエース、サボ」



ぎゃいぎゃいと言い合いをする姿は何とも微笑ましい。



「それよりよ、何で名無しさんはそんな濡れてんだ?」

「暑かったから水浴びしてたんだとよ」

「バカなのか?」

「いやいやいや、語弊がある。語弊しかない」

「語弊も何もさっき自分で言ってたじゃねえか」

「いやな?ほらー、その、動き回ってたら...暑くなってさ」

「「やっぱバカだろ」」



かなり年下であろう彼らに声を揃えて言われてしまえば確かに考え無しだったかなーとは思わなくはないが、何ていうか、すごく悔しい。



「ま、いいや。とりあえず食えよ!火の近くにいたら服もすぐに乾くだろ」

「バカには変わりないがな」

「何やとー!エース!」



今までこんな軽口すらも叩く隙も無かったので、サボの力って凄い!と感動しつつ何かのお肉を堪能した。

お腹も膨れてきた頃、ちょっとだけ寝ると言ったエースを置いてサボがコソコソっと耳打ちをしてくる。



「ほんとはさ、おれが名無しさんを迎えに行くはずだったのに、エースが探しにいくって聞かねえからおれは迎えに行けなかったんだよ」

「そうなん?」

「おうっ、だからさ本当はエースも名無しさんの事結構気に入ってるんだと思うぜ、素直じゃねえけどな」

「まじか」

「まじまじ、おれの目に狂いは無...いってぇえ!!何すんだ!エース!!」

「うるせえ!適当な事ばっか吹き込んでんじゃねえ!」

「適当ってなんだ適当って!本当の事だろ!」

「お前の目は節穴か」

「なんだとぉおお!」



寝たと思っていたエースにゲンコツをくらい若干涙目のサボ。そんな二人の言い合いが仲の良さを表していて今日一笑った日になった。
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