エンドライフ④
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《22.全てを賭して 》
「あんただけはっ......あんた、だけは絶対に!!!」
落ちる雫に構う事無く赤犬へと駆け出した足。
火傷しようが、攻撃を食らおうが今はもうどうでも良かったのだ。
「っ....威勢ばっかり良くてもお前らは所詮負け犬じゃ」
「黙れ....」
「守ると決めたもん一つすら守れもせんで、よく家族じゃとのたまわれたもんじゃけぇ」
「黙れっ!!」
理性を失っては拳が鈍るのはわかってはいた、自分程度の力では赤犬に勝機がない事は分かってはいたのだ。それでもうちも血の通った人間で機械では無い。
大切なものを何度も傷つけられれば怒りもするし理性も吹き飛ぶ。何度も、何度も何度も何度も敵わない拳を突き立てながらも届かない拳を震わせて思うのは、消しても消せる訳がない最後に笑ったエースの笑顔とルフィ達の倒れた姿。
硬化しようがパワーで押され壁へと叩きつけられる身体は一瞬呼吸が止まるも、すぐに空気を取り込んで姿勢を立て直す。どうすれば一矢報いる事が出来るのだと体を屈めたその時だった。
「そこまでだァア〜〜〜〜〜!!!!」
「....!コビー...」
泣き声にも似た悲痛な叫び声を聞いて、ハッと意識が戻っていく。......あぁ、正気を失っていたのだと理性を欠いていたのだとその声を聞いて気がつかされた。
握り締めていた刀が、カランと音を立てて地面に落ちれば急激に襲ってきた倦怠感に身体がそのまま倒れていくのを感じる。
「.....っと、危ねェ。間に合ったか」
「.................サボ?」
「.....あァ、俺だよ」
「.................そうか、サボか」
「.................」
何故かすぐには身体を動かす事が出来なくて、必死に立ちあがろうともがくも、震えてしまって力が上手く入らない。
「っおい馬鹿!もう動くなっ、お前の身体はとっくに限界を迎えてんだよっ」
「.....せやけどまだ、アイツが...生きとる」
「..........マルコ達が何とかする。だからお前は」
「それじゃ、あかんねん....................リバース、《体 》」
「?!あ...?おい名無しさんっ!」
震える身体に鞭打って、もう一度だけお願いだと自分の身体へと祈るように地面を踏み締めて整えた呼吸の後に能力を自らへと発動させる。姿を消して向かうのは全ての元凶であるあの男の所。
「チッ...どんだけ頑丈なんだよいティーチの身体は」
「切っても切っても立ち上がってきやがる、コイツが欲しがった能力ってのも納得だぜ」
マルコ達の横をすり抜けて、余裕の笑みを浮かべた傷だらけのティーチを見据える。
(........長かったな)
思えば、エースと再会する前に乗船したあの日からずっと。ずっとこの日を待ち侘びていたのだと何故だか口元には笑顔が宿る。
やっと終われるのだと、腕をありったけの力で硬化してそれでも決して気配だけは漏れないように狙いを定め迷う事無く突き刺した。
「ガフッ..........!!!!ぁ.....?.....は、...ガハッ...!!!」
「「!!!ティーチっ...?!」」
マルコとサッチの目の前で突然血を吐き胸を抉られたようにも見える傷跡に、まさかと気がついたマルコが視界を走らせ名無しさんの姿を必死に探すが見当たらない。
すると目の前で血を吐くティーチの前に見間違えるはずのない白い着物が真っ赤にまで染まりきった背中が視界にとびこんでくる。
「名無しさんっ!!」
「.........マルコ、ごめんな」
「ぉ....まえっ........」
「ごめんな、マルコ.....でもやっぱりさ、うちはもう...」
最早体力が残っていなかったのか、能力が解けふらつく身体で全身に血を浴びながらも悲しそうに笑った名無しさん。
彼女が言葉を言い切るその前にマルコは名無しさんを抱き締めていて痛い程の抱擁にも関わらず名無しさんはどこか夢見心地で。そしてそのまま眠るかのように意識を手放したのだった。
「.....名無しさんちゃん....?おい名無しさんちゃん!」
「大丈夫だ、サッチ。気を失ってるだけだよい」
「そ、そうか!良かった....。....それにしても、よ」
「っあァ......そうだな、」
言葉にしなくても伝わる会話。
2人の視線の先には既にもう息の耐えた裏切り者のティーチの姿があって、最後まで名無しさんに背負わせてしまったとマルコはまた眠りにつく名無しさんの身体をギュッと抱きしめていた。
....その後に起きた事と言えば、程なくしてシャンクスが訪れた事によりこの戦争が終わりを告げただとか、ルフィとジンベエがロー達によってこの場を無事離れられたとか、そういう起こるべくして起こった事象だけを見ると、原作の通りに進んでいたようだった。
でも実際はエースの死により白ひげ海賊団は敗北の烙印を押されるも、白ひげは存命で解散する事も無く生き残っていたし、この後世界を震撼させるはずだった黒ひげ海賊団は船長を失った事により敗北の旗を掲げたというのが史実上の物語である。
「あんただけはっ......あんた、だけは絶対に!!!」
落ちる雫に構う事無く赤犬へと駆け出した足。
火傷しようが、攻撃を食らおうが今はもうどうでも良かったのだ。
「っ....威勢ばっかり良くてもお前らは所詮負け犬じゃ」
「黙れ....」
「守ると決めたもん一つすら守れもせんで、よく家族じゃとのたまわれたもんじゃけぇ」
「黙れっ!!」
理性を失っては拳が鈍るのはわかってはいた、自分程度の力では赤犬に勝機がない事は分かってはいたのだ。それでもうちも血の通った人間で機械では無い。
大切なものを何度も傷つけられれば怒りもするし理性も吹き飛ぶ。何度も、何度も何度も何度も敵わない拳を突き立てながらも届かない拳を震わせて思うのは、消しても消せる訳がない最後に笑ったエースの笑顔とルフィ達の倒れた姿。
硬化しようがパワーで押され壁へと叩きつけられる身体は一瞬呼吸が止まるも、すぐに空気を取り込んで姿勢を立て直す。どうすれば一矢報いる事が出来るのだと体を屈めたその時だった。
「そこまでだァア〜〜〜〜〜!!!!」
「....!コビー...」
泣き声にも似た悲痛な叫び声を聞いて、ハッと意識が戻っていく。......あぁ、正気を失っていたのだと理性を欠いていたのだとその声を聞いて気がつかされた。
握り締めていた刀が、カランと音を立てて地面に落ちれば急激に襲ってきた倦怠感に身体がそのまま倒れていくのを感じる。
「.....っと、危ねェ。間に合ったか」
「.................サボ?」
「.....あァ、俺だよ」
「.................そうか、サボか」
「.................」
何故かすぐには身体を動かす事が出来なくて、必死に立ちあがろうともがくも、震えてしまって力が上手く入らない。
「っおい馬鹿!もう動くなっ、お前の身体はとっくに限界を迎えてんだよっ」
「.....せやけどまだ、アイツが...生きとる」
「..........マルコ達が何とかする。だからお前は」
「それじゃ、あかんねん....................リバース、《
「?!あ...?おい名無しさんっ!」
震える身体に鞭打って、もう一度だけお願いだと自分の身体へと祈るように地面を踏み締めて整えた呼吸の後に能力を自らへと発動させる。姿を消して向かうのは全ての元凶であるあの男の所。
「チッ...どんだけ頑丈なんだよいティーチの身体は」
「切っても切っても立ち上がってきやがる、コイツが欲しがった能力ってのも納得だぜ」
マルコ達の横をすり抜けて、余裕の笑みを浮かべた傷だらけのティーチを見据える。
(........長かったな)
思えば、エースと再会する前に乗船したあの日からずっと。ずっとこの日を待ち侘びていたのだと何故だか口元には笑顔が宿る。
やっと終われるのだと、腕をありったけの力で硬化してそれでも決して気配だけは漏れないように狙いを定め迷う事無く突き刺した。
「ガフッ..........!!!!ぁ.....?.....は、...ガハッ...!!!」
「「!!!ティーチっ...?!」」
マルコとサッチの目の前で突然血を吐き胸を抉られたようにも見える傷跡に、まさかと気がついたマルコが視界を走らせ名無しさんの姿を必死に探すが見当たらない。
すると目の前で血を吐くティーチの前に見間違えるはずのない白い着物が真っ赤にまで染まりきった背中が視界にとびこんでくる。
「名無しさんっ!!」
「.........マルコ、ごめんな」
「ぉ....まえっ........」
「ごめんな、マルコ.....でもやっぱりさ、うちはもう...」
最早体力が残っていなかったのか、能力が解けふらつく身体で全身に血を浴びながらも悲しそうに笑った名無しさん。
彼女が言葉を言い切るその前にマルコは名無しさんを抱き締めていて痛い程の抱擁にも関わらず名無しさんはどこか夢見心地で。そしてそのまま眠るかのように意識を手放したのだった。
「.....名無しさんちゃん....?おい名無しさんちゃん!」
「大丈夫だ、サッチ。気を失ってるだけだよい」
「そ、そうか!良かった....。....それにしても、よ」
「っあァ......そうだな、」
言葉にしなくても伝わる会話。
2人の視線の先には既にもう息の耐えた裏切り者のティーチの姿があって、最後まで名無しさんに背負わせてしまったとマルコはまた眠りにつく名無しさんの身体をギュッと抱きしめていた。
....その後に起きた事と言えば、程なくしてシャンクスが訪れた事によりこの戦争が終わりを告げただとか、ルフィとジンベエがロー達によってこの場を無事離れられたとか、そういう起こるべくして起こった事象だけを見ると、原作の通りに進んでいたようだった。
でも実際はエースの死により白ひげ海賊団は敗北の烙印を押されるも、白ひげは存命で解散する事も無く生き残っていたし、この後世界を震撼させるはずだった黒ひげ海賊団は船長を失った事により敗北の旗を掲げたというのが史実上の物語である。