エンドライフ④
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《13. 覚悟 》
今ではもう遠い記憶となった、彼女の姿。
ダダン達から直接事の次第を聞いた時には驚き悲しくなったものだとガープは昔に交わした約束を思い出していた。
「海賊とか海兵とか考えた事も無かったな...。ただ、守りたいものの為に生きていくと決めてはいるので、もしかしたら必要に応じてどこかに組みするとかはありそうかなと」
「驕りがあると言われるやろうけど、ちゃんとそれに見合うよう努力するので、ルフィ達のおじいちゃんであるガープさんに強くなると誓わせて下さい」
「.....そうか、これがお前さんの″正義″なんじゃな」
まだ幼かった少女が年には見合わない誓いを自分自身へと立てて頭を下げられた時には驚いたものだと遠い記憶のはずなのに、鮮明に思い出されるやりとり。
彼女の言う守りたいものが何なのかは、聞かずとも最早この戦場での戦いを見ていれば自ずと答えは出ていた。
「エース」
「っ、何だよジジイ」
「あの子は...名無しさんちゃんじゃないのか」
「!!」
「...そうか、やっぱりのぅ」
変わらない無邪気な笑顔で白ひげに笑って見せた姿。
敵だと言うのに傷をつける事も無く戦う姿に、あの子の優しさは変わらないのだなと何故か心が揺さぶられるガープ。
「生きておったんじゃな」
「......あァ。おれが17の時に偶然再会したんだ」
「偶然...偶然か」
「もしいつか...どうにもならない事が起きても、必ず、必ず私も守れる程強くなるので、もしそれが叶わなかった時はどうか私を殴り飛ばして下さい」
「本当に、そうなのかのう」
「...あ?何言ってんだ、ジジイ」
昔から大人びていた彼女の言動。そして含みのある発言と、今この場で内側へと潜入を成功しその上こちらの戦力を減らしていくその行動力と強さがガープにはとても偶然とは思えなかった。
まるでこの戦争が起きる事を知っていたかのような、結末を知っているかのような口ぶりにいい知れない焦燥感は滲み出るも、今はまだ動く時ではないと拳を握ったガープ。
そんなガープの心中を知ってか知らずか、既に戦いへと視線を戻していたエースの目に映るのは悔しくも戦い倒れて行く仲間達の姿だった。
「くっそぉっ.......!!」
見ているだけしか出来ない惨状に唇を震わせ後悔の念を吐き出すエースを見てガープもまた一人迷っていた。正義とは一体何なのか今の今ですら分からなくなってしまいそうだと。だからこそせめて最後のその時まで一番近くに居ようと決めエースの横に自ら腰を下ろしたのだ。
「ちょ〜っとあの子、調子に乗り過ぎちゃったねぇ」
「!黄猿...」
「ねえサカズキ、少ぉ〜しだけ様子見てくるねえ」
「....フン、好きにしろ」
「(まずいっ...いくらあの子が強くなったとは言えあやつは格が違うぞ、)」
焦るガープの気持ちはよそに名無しさんへと一瞬で辿り着きいつもの如く光の蹴りを入れた.....はずだった。
ーガシッ
「へへへ、出てくると思ったよ黄猿」
「へぇ〜え。やるねぇ」
当たるはずだった光の一撃は何故か軽く腕で止められていて覇気かと予測をつけた黄猿はならばそれを上回れば問題無いと音も無く名無しさんへと連撃を入れ始める。
「名無しさんっ!!」
遠くでそれを見ていたマルコが思わず叫び声を上げるも、不思議な事にいつもならある周りへの被害が全くと言って良いほどなく、ただの肉弾戦のようにも見えるそれ。
何かがおかしいと目を凝らせば、黄猿の光の攻撃を受ける際彼女が何やら手を触れてから攻撃をかわしているように見えた。
「何っ...だい、ありゃ」
「......あのアホンダラ、あんな事まで出来るなんざ聞いてねェぞおれは」
両者一歩も譲る事なく繰り広げられる目にも止まらない戦闘。時折飛び技を使う時にだけ名無しさんが姿を消したかと思えば黄猿へと接近して攻撃を仕掛けるものだから、すぐに黄猿にやられると思っていた海兵は開いた口が閉じられないままにそれを見守ってしまっていた。
「お前...その力...」
「よいしょーっと」
「ぐっ!...ほーんと、嫌んなるねぇえ。何だいそれは」
「ん?内緒ー」
どうやら何か悪魔の実の力を使っているのだと言う事はわかっても、姿が消せるそれと今目の前で起きているものが一致せず珍しく戸惑う黄猿。
何かがおかしいと拭えない違和感を感じながらも読めない動きに徐々に押されているのを感じながらも距離を取れば、すぐ様詰められる距離に一体このスピードは何なのだと久しぶりの焦りを覚えついには蹴り飛ばされてしまった。
「....ははっ、あいつ、すげェや...」
「エース...何なんじゃあの子の力は一体...」
「おれも知るかよ、名無しさんが何年もずっと隠してたもんだ」
「!(エースにも教えていない力じゃとっ...?)」
まさかの黄猿を退けて、塀へと降り立つ名無しさんには先程とは違って容易に近づこうとする者はおらずただただ遠巻きに囲まれる名無しさん。
その様子を見て、最早姿を隠す必要が無くなったのか目にも止まらない速さでその遠巻きにいた海兵すらも倒し切ったその姿は、皮肉にも美しく鮮やかだった。
「......あいつ...あそこまで強くなってたんだな」
それを、戦い守りながら遠くで見つめていたマルコは言葉には出来ない彼女の覚悟を感じとり、負けてはいられるかと自身も戦いへと身を投じた。
すると遅れて数十分後、気の抜けるような声が響き渡ろうとはこの時は誰も予想はしていなかった。
今ではもう遠い記憶となった、彼女の姿。
ダダン達から直接事の次第を聞いた時には驚き悲しくなったものだとガープは昔に交わした約束を思い出していた。
「海賊とか海兵とか考えた事も無かったな...。ただ、守りたいものの為に生きていくと決めてはいるので、もしかしたら必要に応じてどこかに組みするとかはありそうかなと」
「驕りがあると言われるやろうけど、ちゃんとそれに見合うよう努力するので、ルフィ達のおじいちゃんであるガープさんに強くなると誓わせて下さい」
「.....そうか、これがお前さんの″正義″なんじゃな」
まだ幼かった少女が年には見合わない誓いを自分自身へと立てて頭を下げられた時には驚いたものだと遠い記憶のはずなのに、鮮明に思い出されるやりとり。
彼女の言う守りたいものが何なのかは、聞かずとも最早この戦場での戦いを見ていれば自ずと答えは出ていた。
「エース」
「っ、何だよジジイ」
「あの子は...名無しさんちゃんじゃないのか」
「!!」
「...そうか、やっぱりのぅ」
変わらない無邪気な笑顔で白ひげに笑って見せた姿。
敵だと言うのに傷をつける事も無く戦う姿に、あの子の優しさは変わらないのだなと何故か心が揺さぶられるガープ。
「生きておったんじゃな」
「......あァ。おれが17の時に偶然再会したんだ」
「偶然...偶然か」
「もしいつか...どうにもならない事が起きても、必ず、必ず私も守れる程強くなるので、もしそれが叶わなかった時はどうか私を殴り飛ばして下さい」
「本当に、そうなのかのう」
「...あ?何言ってんだ、ジジイ」
昔から大人びていた彼女の言動。そして含みのある発言と、今この場で内側へと潜入を成功しその上こちらの戦力を減らしていくその行動力と強さがガープにはとても偶然とは思えなかった。
まるでこの戦争が起きる事を知っていたかのような、結末を知っているかのような口ぶりにいい知れない焦燥感は滲み出るも、今はまだ動く時ではないと拳を握ったガープ。
そんなガープの心中を知ってか知らずか、既に戦いへと視線を戻していたエースの目に映るのは悔しくも戦い倒れて行く仲間達の姿だった。
「くっそぉっ.......!!」
見ているだけしか出来ない惨状に唇を震わせ後悔の念を吐き出すエースを見てガープもまた一人迷っていた。正義とは一体何なのか今の今ですら分からなくなってしまいそうだと。だからこそせめて最後のその時まで一番近くに居ようと決めエースの横に自ら腰を下ろしたのだ。
「ちょ〜っとあの子、調子に乗り過ぎちゃったねぇ」
「!黄猿...」
「ねえサカズキ、少ぉ〜しだけ様子見てくるねえ」
「....フン、好きにしろ」
「(まずいっ...いくらあの子が強くなったとは言えあやつは格が違うぞ、)」
焦るガープの気持ちはよそに名無しさんへと一瞬で辿り着きいつもの如く光の蹴りを入れた.....はずだった。
ーガシッ
「へへへ、出てくると思ったよ黄猿」
「へぇ〜え。やるねぇ」
当たるはずだった光の一撃は何故か軽く腕で止められていて覇気かと予測をつけた黄猿はならばそれを上回れば問題無いと音も無く名無しさんへと連撃を入れ始める。
「名無しさんっ!!」
遠くでそれを見ていたマルコが思わず叫び声を上げるも、不思議な事にいつもならある周りへの被害が全くと言って良いほどなく、ただの肉弾戦のようにも見えるそれ。
何かがおかしいと目を凝らせば、黄猿の光の攻撃を受ける際彼女が何やら手を触れてから攻撃をかわしているように見えた。
「何っ...だい、ありゃ」
「......あのアホンダラ、あんな事まで出来るなんざ聞いてねェぞおれは」
両者一歩も譲る事なく繰り広げられる目にも止まらない戦闘。時折飛び技を使う時にだけ名無しさんが姿を消したかと思えば黄猿へと接近して攻撃を仕掛けるものだから、すぐに黄猿にやられると思っていた海兵は開いた口が閉じられないままにそれを見守ってしまっていた。
「お前...その力...」
「よいしょーっと」
「ぐっ!...ほーんと、嫌んなるねぇえ。何だいそれは」
「ん?内緒ー」
どうやら何か悪魔の実の力を使っているのだと言う事はわかっても、姿が消せるそれと今目の前で起きているものが一致せず珍しく戸惑う黄猿。
何かがおかしいと拭えない違和感を感じながらも読めない動きに徐々に押されているのを感じながらも距離を取れば、すぐ様詰められる距離に一体このスピードは何なのだと久しぶりの焦りを覚えついには蹴り飛ばされてしまった。
「....ははっ、あいつ、すげェや...」
「エース...何なんじゃあの子の力は一体...」
「おれも知るかよ、名無しさんが何年もずっと隠してたもんだ」
「!(エースにも教えていない力じゃとっ...?)」
まさかの黄猿を退けて、塀へと降り立つ名無しさんには先程とは違って容易に近づこうとする者はおらずただただ遠巻きに囲まれる名無しさん。
その様子を見て、最早姿を隠す必要が無くなったのか目にも止まらない速さでその遠巻きにいた海兵すらも倒し切ったその姿は、皮肉にも美しく鮮やかだった。
「......あいつ...あそこまで強くなってたんだな」
それを、戦い守りながら遠くで見つめていたマルコは言葉には出来ない彼女の覚悟を感じとり、負けてはいられるかと自身も戦いへと身を投じた。
すると遅れて数十分後、気の抜けるような声が響き渡ろうとはこの時は誰も予想はしていなかった。