エンドライフ④
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《君が、あなたが、与えてくれたもの②》
「これからさ、戦争が起きる」
「あァ、そうだなァ」
「命の掛け合いや。沢山の血も流れる」
「そうだなァ」
「やからさマルコ」
「何だよい」
「マルコの...親父の...白ひげ海賊団みんなの、力を貸して下さいっ...!」
相手には見えていないと分かっては居たが頭を下げられずにはいられなかった。この未来を避ける事は出来たのに最終的な決断として自分はその道を選ぶ事はしなかったのだ。
その事実がどうしようもなく苦しくて申し訳なくてそれでももう謝るのは違うと感じていたからこそ、お願いをしたかった。
返ってくる言葉が怖いとマルコに対して2度目の感覚だったがそんなうちの思いなんて吹き飛ばすかのように、何一つ変わらない真っ直ぐな声が狭い室内に響く。
「頭を上げろ名無しさん」
「なんっ...で、分かったんや」
「お前の言動ぐらい読めなくて兄貴が務まるかよい」
「...そっか」
笑い声混じりに響いた声に少なからず安心すれば一拍置いてまたマルコが言葉を発した。
「名無しさん、おれ達はお前に会えて幸せもんだよい」
「.....へ....?」
「世の中の嫌われ者、無法者どもの集まりで今回の件に関しても世間の目はまた一気に厳しいものへと変わった」
「.....マルコ、」
「お前が船を降りてから、立ち寄る島々でそれは改めて痛感した事だ」
「.................」
「海賊でもねェのにおれ達を信頼して笑いかけてくれるあったけェ奴がずっと側に居たからな...忘れちまってたんだろうなァ(笑)」
責めるでもなく憐れむでもなく、咎める事もしない優しい声。
幾度となく自分が救われてきた温かい響きを持つその音が、静かにそれでも柔らかくうちの身体を包んでいく。
「名無しさん、お前がモビーディックに来てからのこの数年おれ達は本当にお前に救われてきたんだよい」
「そ、んな、うちの方がそれはっ」
「おれ達に礼を言う為だけに女のお前はたった一人おれ達の前に現れて、頭を下げたかと思えばようやく会えたと嬉しそうになァ笑ったんだ」
「.................」
「そん時感じた高揚感と言うか...照れ臭さっつーのか。そういう嬉しい感情はな名無しさん、お前から貰ったもんなんだよい」
「っ.......、」
もう泣かないとあれ程船で誓ったのに、優しく響くマルコの声が、恨まれても仕方がない現状を選んでしまった後悔が同時に押し寄せてきて喉が痛いほどにつまる。
それでも唇を噛み締めて泣く訳にはいかないとグッと痛む喉に力を入れれば溢れそうになっていた雫は体内へと戻っていく。
「だからな名無しさん。お前がおれ達に力を貸して欲しいじゃねェ」
「.....?どういう、事」
「おれ達が、お前の力になりてェんだよい。ずっと、ずっと前からな」
「!!」
無茶ばっかりしやがるお転婆な妹だからなぁと笑い声を上げたマルコ。震えそうになった吐息が、音の無い部屋にこぼれ落ちる。
「悪いな名無しさん、怪我をさせるだろうがおれ達と一緒に戦ってくれるか」
「っ...当たり前やろ、止められたって戦う!」
「ハハハ心強ェよい」
「うちの台詞やわっ....本間に、」
どこまでも優しく自分を受け入れてくれるマルコ。
改めてその存在の大きさに心を打たれながらも、泣きそうになっていた心はまた一つ強くなれた気がした。
「必ずやり遂げよなマルコ」
「あァ、おれ達の大事な家族を奪い返すぞ名無しさん」
マルコの言葉に強く頷きながらそろそろ時間まで休む事を伝えて笑い合ってから受話器を置く。
次に目覚めるのは記憶から消せるはずもないあの戦いの前なのだと気を引き締めてから瞳を閉じればものの数秒で眠りへと落ちた。
「これからさ、戦争が起きる」
「あァ、そうだなァ」
「命の掛け合いや。沢山の血も流れる」
「そうだなァ」
「やからさマルコ」
「何だよい」
「マルコの...親父の...白ひげ海賊団みんなの、力を貸して下さいっ...!」
相手には見えていないと分かっては居たが頭を下げられずにはいられなかった。この未来を避ける事は出来たのに最終的な決断として自分はその道を選ぶ事はしなかったのだ。
その事実がどうしようもなく苦しくて申し訳なくてそれでももう謝るのは違うと感じていたからこそ、お願いをしたかった。
返ってくる言葉が怖いとマルコに対して2度目の感覚だったがそんなうちの思いなんて吹き飛ばすかのように、何一つ変わらない真っ直ぐな声が狭い室内に響く。
「頭を上げろ名無しさん」
「なんっ...で、分かったんや」
「お前の言動ぐらい読めなくて兄貴が務まるかよい」
「...そっか」
笑い声混じりに響いた声に少なからず安心すれば一拍置いてまたマルコが言葉を発した。
「名無しさん、おれ達はお前に会えて幸せもんだよい」
「.....へ....?」
「世の中の嫌われ者、無法者どもの集まりで今回の件に関しても世間の目はまた一気に厳しいものへと変わった」
「.....マルコ、」
「お前が船を降りてから、立ち寄る島々でそれは改めて痛感した事だ」
「.................」
「海賊でもねェのにおれ達を信頼して笑いかけてくれるあったけェ奴がずっと側に居たからな...忘れちまってたんだろうなァ(笑)」
責めるでもなく憐れむでもなく、咎める事もしない優しい声。
幾度となく自分が救われてきた温かい響きを持つその音が、静かにそれでも柔らかくうちの身体を包んでいく。
「名無しさん、お前がモビーディックに来てからのこの数年おれ達は本当にお前に救われてきたんだよい」
「そ、んな、うちの方がそれはっ」
「おれ達に礼を言う為だけに女のお前はたった一人おれ達の前に現れて、頭を下げたかと思えばようやく会えたと嬉しそうになァ笑ったんだ」
「.................」
「そん時感じた高揚感と言うか...照れ臭さっつーのか。そういう嬉しい感情はな名無しさん、お前から貰ったもんなんだよい」
「っ.......、」
もう泣かないとあれ程船で誓ったのに、優しく響くマルコの声が、恨まれても仕方がない現状を選んでしまった後悔が同時に押し寄せてきて喉が痛いほどにつまる。
それでも唇を噛み締めて泣く訳にはいかないとグッと痛む喉に力を入れれば溢れそうになっていた雫は体内へと戻っていく。
「だからな名無しさん。お前がおれ達に力を貸して欲しいじゃねェ」
「.....?どういう、事」
「おれ達が、お前の力になりてェんだよい。ずっと、ずっと前からな」
「!!」
無茶ばっかりしやがるお転婆な妹だからなぁと笑い声を上げたマルコ。震えそうになった吐息が、音の無い部屋にこぼれ落ちる。
「悪いな名無しさん、怪我をさせるだろうがおれ達と一緒に戦ってくれるか」
「っ...当たり前やろ、止められたって戦う!」
「ハハハ心強ェよい」
「うちの台詞やわっ....本間に、」
どこまでも優しく自分を受け入れてくれるマルコ。
改めてその存在の大きさに心を打たれながらも、泣きそうになっていた心はまた一つ強くなれた気がした。
「必ずやり遂げよなマルコ」
「あァ、おれ達の大事な家族を奪い返すぞ名無しさん」
マルコの言葉に強く頷きながらそろそろ時間まで休む事を伝えて笑い合ってから受話器を置く。
次に目覚めるのは記憶から消せるはずもないあの戦いの前なのだと気を引き締めてから瞳を閉じればものの数秒で眠りへと落ちた。