エンドライフ④
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《6. この世界はいつだって、貴方の為に② 》
敵意は無いようだが、顔も見えにくい監獄内ですぐに誰かを判断するのは難しくそっと思考を巡らせるエース。それでも確かにさっきの声は会いたくて仕方の無かった彼女だと心は叫んでいるものの、そんなはずは無いと警戒を強めた。
すると、またもや見知った気配を感じた気がして一瞬動揺するもそんな事あるはずがないと思い直す。
「.................誰だ」
少し震えた空気に、相手が息を飲む気配が伝わってくる。
「突然驚かすような真似してごめんな。...でも、そっか、良かった、生きてた...」
今にも泣きそうな絞り出した声。
それを聞いた瞬間エースの脳裏に一気に記憶が駆け巡る。
...そう、それは偶然果たした再開の時にも覚えのある感覚で...
「名無しさん......か?」
「エースっ...良かった、間に合った...!」
微かに動いた空気と共に闇から顔を覗かせた顔は余りにも嬉しそうで.......綺麗で。一瞬、息をするの忘れた。
「...、おまっ...どうやってここに入った!こんなっ危ねェ所に、なんで
「助けに来たよ、エース」
「.......は」
「遅くなってもてごめん、やっと助けに来られた」
相も変わらず笑顔で告げる彼女に理解が追いつかず、エースはただただ見つめる事しか出来ない。
「ごめん、説明は治療しながらさせてな。まずはエースの身体が最優先やからさ」
眉毛を下げながら辛そうに、それでも嬉しそうに笑った名無しさんに言葉を失う。静かにそっと差し出された水と目の前の名無しさんを見て、本当にどこまで見透かされているのかと笑みが漏れると同時に身体から力が抜けていき、あぁ、強張っていたのかとこの時初めて気がついた。
「...恩に着る、」
そう笑えば、名無しさんはまた少し泣きそうに笑いながら柔らかい光を纏った手を、俺にかざし始める。
「リバース、《身 》」
名無しさんと話す度にずっと感じていたどこか胸がくすぐったくなる温かさに触れられながらその光を浴びていれば、次第に呼吸が楽になり、痛みが引いていくのを感じる。
ードクン
「お、まえ、この力ー...、」
「........うん、もーちょいやから我慢しててな〜」
「ひっどいなーこんな綺麗な身体傷つけて...本間許さんわアイツ」などとぶちぶち呟きながら痛みを取り除いてくれる名無しさんに、先程までどん底にいた気持ちが幾分か掬い上げられた気がしてしまう程、彼女が側に居るという現実が嬉しいのだとエースは気がついて。
「おっしゃ、終わり」
そんな声が小さく響いて遠くに置いていた思考が戻ってくる。
「...すげぇ...本当に......助かった!ありがとうな名無しさん」
「へへへ、どういたしまして」
前に出会った笑顔のまま嬉しそうに返してくれた名無しさんに先程感じた胸の温もりがそっと宿る。
「さってとー。長居はしてられへんからな。...本間はこのままさ、このままエースを連れ出したいんやけど.....ごめんな、」
(...エースにも、親父達にも、ルフィにも...。みんなに酷な事を任せる結果になってもて、ほんまに、本間にごめん)
絞り出すように俯いたまま聞こえた声におれは思わず名無しさんを見上げる。何かを告げたくて閉じるその様は焦りと不安が垣間見えて、名無しさんの言葉を静かに待った。
幾分か経った頃、ようやく落ち着いた様子の名無しさんはゆっくりと、音もなく口を開いた。
「生きるで、エース」
「っ!」
静かに、それでいて強く告げられた言葉に
ドクンと心臓を掴まれた心地になる。
「絶対に、死なせへんからな。生きるで、エース」
繰り返された言葉に息が詰まって
ふっと、小さく息を吐き出しながら
溢れてしまいそうな何かを抑えこませる。
「.....お、れは、」
「エース、ウチは...エースに生きとってほしいっ。エースがまた笑って過ごせる世界が、みたい。非力やけど、ちゃんとその時は絶対に助けるから、今は黙って信じてほしいーっ...!!」
初めてみる名無しさんの苦しそうな顔に
胸は、とてつもなく苦しいはずなのに。
自然と笑えたこの時の感情を
一生忘れないだろうとエースは静かに思った。
敵意は無いようだが、顔も見えにくい監獄内ですぐに誰かを判断するのは難しくそっと思考を巡らせるエース。それでも確かにさっきの声は会いたくて仕方の無かった彼女だと心は叫んでいるものの、そんなはずは無いと警戒を強めた。
すると、またもや見知った気配を感じた気がして一瞬動揺するもそんな事あるはずがないと思い直す。
「.................誰だ」
少し震えた空気に、相手が息を飲む気配が伝わってくる。
「突然驚かすような真似してごめんな。...でも、そっか、良かった、生きてた...」
今にも泣きそうな絞り出した声。
それを聞いた瞬間エースの脳裏に一気に記憶が駆け巡る。
...そう、それは偶然果たした再開の時にも覚えのある感覚で...
「名無しさん......か?」
「エースっ...良かった、間に合った...!」
微かに動いた空気と共に闇から顔を覗かせた顔は余りにも嬉しそうで.......綺麗で。一瞬、息をするの忘れた。
「...、おまっ...どうやってここに入った!こんなっ危ねェ所に、なんで
「助けに来たよ、エース」
「.......は」
「遅くなってもてごめん、やっと助けに来られた」
相も変わらず笑顔で告げる彼女に理解が追いつかず、エースはただただ見つめる事しか出来ない。
「ごめん、説明は治療しながらさせてな。まずはエースの身体が最優先やからさ」
眉毛を下げながら辛そうに、それでも嬉しそうに笑った名無しさんに言葉を失う。静かにそっと差し出された水と目の前の名無しさんを見て、本当にどこまで見透かされているのかと笑みが漏れると同時に身体から力が抜けていき、あぁ、強張っていたのかとこの時初めて気がついた。
「...恩に着る、」
そう笑えば、名無しさんはまた少し泣きそうに笑いながら柔らかい光を纏った手を、俺にかざし始める。
「リバース、《
名無しさんと話す度にずっと感じていたどこか胸がくすぐったくなる温かさに触れられながらその光を浴びていれば、次第に呼吸が楽になり、痛みが引いていくのを感じる。
ードクン
「お、まえ、この力ー...、」
「........うん、もーちょいやから我慢しててな〜」
「ひっどいなーこんな綺麗な身体傷つけて...本間許さんわアイツ」などとぶちぶち呟きながら痛みを取り除いてくれる名無しさんに、先程までどん底にいた気持ちが幾分か掬い上げられた気がしてしまう程、彼女が側に居るという現実が嬉しいのだとエースは気がついて。
「おっしゃ、終わり」
そんな声が小さく響いて遠くに置いていた思考が戻ってくる。
「...すげぇ...本当に......助かった!ありがとうな名無しさん」
「へへへ、どういたしまして」
前に出会った笑顔のまま嬉しそうに返してくれた名無しさんに先程感じた胸の温もりがそっと宿る。
「さってとー。長居はしてられへんからな。...本間はこのままさ、このままエースを連れ出したいんやけど.....ごめんな、」
(...エースにも、親父達にも、ルフィにも...。みんなに酷な事を任せる結果になってもて、ほんまに、本間にごめん)
絞り出すように俯いたまま聞こえた声におれは思わず名無しさんを見上げる。何かを告げたくて閉じるその様は焦りと不安が垣間見えて、名無しさんの言葉を静かに待った。
幾分か経った頃、ようやく落ち着いた様子の名無しさんはゆっくりと、音もなく口を開いた。
「生きるで、エース」
「っ!」
静かに、それでいて強く告げられた言葉に
ドクンと心臓を掴まれた心地になる。
「絶対に、死なせへんからな。生きるで、エース」
繰り返された言葉に息が詰まって
ふっと、小さく息を吐き出しながら
溢れてしまいそうな何かを抑えこませる。
「.....お、れは、」
「エース、ウチは...エースに生きとってほしいっ。エースがまた笑って過ごせる世界が、みたい。非力やけど、ちゃんとその時は絶対に助けるから、今は黙って信じてほしいーっ...!!」
初めてみる名無しさんの苦しそうな顔に
胸は、とてつもなく苦しいはずなのに。
自然と笑えたこの時の感情を
一生忘れないだろうとエースは静かに思った。