エンドライフ④
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《5. この世界はいつだって、貴方の為に 》
静寂な闇が、名無しさんを包んだ。
月の光も届かない鉄壁の監獄、インペルダウン。
いつもと何ら変わり映えのしないと思われた空間は
今日起こる出来事で、全てひっくり返る事になろう事を
名無しさん以外知る者はいない。
(はー.......、落ち着け)
風もないのにあちこちから聞こえる呻き声と荒い息遣いが聞こえてくる異常な空間。息を殺して音も立てずに名無しさんは1人突き進んでいた。
「...エース」
吐息混じりに小さく小さく吐き出した、名前。
改めて耳にするとこれから出会うであろう人物への思いがこぼれ落ちそうになるのを浅めの深呼吸で整える。
...焦るな、大丈夫、じっくり行け。
この日の為に、修行してきた。
この時の為に、この世界に、居る。
大丈夫、落ち着け名無しさんー…。
そう自分に言い聞かせながらも分かっていた未来のはずなのに、小さくなったビブルカードを直で見て気持ちが、どうしようもなく焦った。
まだ彼が生きているのを知っているのに、
この目で確かめたくて、仕方無くなった。
今すぐこの建物全部壊して、
彼の世界を取り戻す力となりたかった。
能力を使って入り口からの見張りを無事掻い潜れたとはいえ目的を果たしていない今、油断は出来ない。
そう頭では理解しながらも早る気持ちは完全には抑えられそうにはなくて。
(........落ち着け、焦るな、大丈夫や)
そもそも名無しさんの能力自体、戦闘向きではない。
サポートや隠密専門のような能力はこの世界で1人生き抜くには、余りにも非力で。
でも、だからこそこの世界で生きる目的であるエースと、白ひげの救済を果たす為やれる手は全て打って守りきると今日この日の為に血反吐を吐きながら厳しい修行にも耐えてきたのだ。
″必ず助ける″それだけが今の彼女を突き動かしている。
そんな名無しさんとは裏腹にその頃のエースは1人いつもと同じ思考を巡らしていた。
「ハァ、、、ハァ、、ーっ...」
(ここにきて、どのくらい経っちまったのか。へへ、俺も情けねえったらねェな....早く、早くしねえと、俺を、俺が...)
動き出したい気持ちとは裏腹に海桜石に繋がれた身体は思うように動かない。流石に血も流し過ぎたのか両腕はピクリとも動いてはくれなかった。
呼吸をする度にとうに忘れていた痛みの感覚が全身を巡っていく。
(.....こんな感覚、久しぶりだな)
エースの頭に浮かぶのはオヤジとの出会い。
(.......あの時よりは、強くなったと思ってたんだがー....っ)
「................情けねェッ...!」
思ったより響いた自分の声により一層やるせなさが募った。
おれがここに居る以上この先にくる未来がどうなるかなんて嫌というほど分かる。アイツらが...オヤジが、家族を見捨てられねェ事ぐらい、痛い程に分かっている。
もしこれが大きな争いになるのだとしたら死人が出てしまう事ぐらいエースは痛い程、分かっていた。
...だからこそ。
自分の失敗には、自らの命で償わないと間に合わないことぐらい予想がついていたのだ。
(.......ジンベエが眠っちまってて良かった。こんな情けねェおれを見せなくて済む)
飛びそうになる意識の中、そう、いつものようにループする後悔とどうにか止める手立てを考えては消し消しては考えてを繰り返していたその時だった。
忘れたくても忘れられない、耳触りの良い声がエースを捉えた。
「やっと、、、やっと、見つけた........!!」
少し震えたように聞こえたそれは、静かに響いたかと思うと姿は見えないはずなのにいきなり近くへと気配が移ったのでエースは無意識に息を顰めた。
静寂な闇が、名無しさんを包んだ。
月の光も届かない鉄壁の監獄、インペルダウン。
いつもと何ら変わり映えのしないと思われた空間は
今日起こる出来事で、全てひっくり返る事になろう事を
名無しさん以外知る者はいない。
(はー.......、落ち着け)
風もないのにあちこちから聞こえる呻き声と荒い息遣いが聞こえてくる異常な空間。息を殺して音も立てずに名無しさんは1人突き進んでいた。
「...エース」
吐息混じりに小さく小さく吐き出した、名前。
改めて耳にするとこれから出会うであろう人物への思いがこぼれ落ちそうになるのを浅めの深呼吸で整える。
...焦るな、大丈夫、じっくり行け。
この日の為に、修行してきた。
この時の為に、この世界に、居る。
大丈夫、落ち着け名無しさんー…。
そう自分に言い聞かせながらも分かっていた未来のはずなのに、小さくなったビブルカードを直で見て気持ちが、どうしようもなく焦った。
まだ彼が生きているのを知っているのに、
この目で確かめたくて、仕方無くなった。
今すぐこの建物全部壊して、
彼の世界を取り戻す力となりたかった。
能力を使って入り口からの見張りを無事掻い潜れたとはいえ目的を果たしていない今、油断は出来ない。
そう頭では理解しながらも早る気持ちは完全には抑えられそうにはなくて。
(........落ち着け、焦るな、大丈夫や)
そもそも名無しさんの能力自体、戦闘向きではない。
サポートや隠密専門のような能力はこの世界で1人生き抜くには、余りにも非力で。
でも、だからこそこの世界で生きる目的であるエースと、白ひげの救済を果たす為やれる手は全て打って守りきると今日この日の為に血反吐を吐きながら厳しい修行にも耐えてきたのだ。
″必ず助ける″それだけが今の彼女を突き動かしている。
そんな名無しさんとは裏腹にその頃のエースは1人いつもと同じ思考を巡らしていた。
「ハァ、、、ハァ、、ーっ...」
(ここにきて、どのくらい経っちまったのか。へへ、俺も情けねえったらねェな....早く、早くしねえと、俺を、俺が...)
動き出したい気持ちとは裏腹に海桜石に繋がれた身体は思うように動かない。流石に血も流し過ぎたのか両腕はピクリとも動いてはくれなかった。
呼吸をする度にとうに忘れていた痛みの感覚が全身を巡っていく。
(.....こんな感覚、久しぶりだな)
エースの頭に浮かぶのはオヤジとの出会い。
(.......あの時よりは、強くなったと思ってたんだがー....っ)
「................情けねェッ...!」
思ったより響いた自分の声により一層やるせなさが募った。
おれがここに居る以上この先にくる未来がどうなるかなんて嫌というほど分かる。アイツらが...オヤジが、家族を見捨てられねェ事ぐらい、痛い程に分かっている。
もしこれが大きな争いになるのだとしたら死人が出てしまう事ぐらいエースは痛い程、分かっていた。
...だからこそ。
自分の失敗には、自らの命で償わないと間に合わないことぐらい予想がついていたのだ。
(.......ジンベエが眠っちまってて良かった。こんな情けねェおれを見せなくて済む)
飛びそうになる意識の中、そう、いつものようにループする後悔とどうにか止める手立てを考えては消し消しては考えてを繰り返していたその時だった。
忘れたくても忘れられない、耳触りの良い声がエースを捉えた。
「やっと、、、やっと、見つけた........!!」
少し震えたように聞こえたそれは、静かに響いたかと思うと姿は見えないはずなのにいきなり近くへと気配が移ったのでエースは無意識に息を顰めた。