エンドライフ③
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《89. 力の使い方 》
「うぐっ....あぁああっ!」
「........耐えるんだ、正気を保ってゆっくりと呼吸をして」
「ハァッ...ハッ....いっ....」
「そうだ、そのまま手のひらに集中させて、焦らずに外へと押し出すイメージで」
本格的に始まったもう一つの修行。
それは以前親父の時に使ったリバース・転 の技の精度を上げる為のもの。
以前のように24時間後あんなに何ヶ月も身体が動かなくてはそれこそ命が危なくなってしまうと言う事と、何より今度のそれは以前の比ではないのは目に見えていたからだ。
「あぁああっ.....ハァっ.....くっそ......、っ」
「.....よく頑張った。今回は3日という所かな」
「ハァッ、ハァッ.....あっかん、血ィ流しすぎた〜」
「無理も無い。少しここで待っていなさい」
地面に転がったまま重たく下がってくる瞼と、冷えを感じる身体。それでもやっとの思いで先程時間を移した木を見てみればそこには無惨にも枯れてしまった大木が飛び込んでくる。
「ハァッ....ハッ......、ごめん、なぁ」
あの木にもこれからを生きる命があったのに、自分の貰い受けた傷を移す為に木の生命力を奪ってしまった。
この転での応用はレイリーさんが思いついたもので、そもそもが相手の事象を巻き戻し移せるのであれば、自身を介して貰ったものを更に別の器へと移しながら、移した器の巻き戻した時間を貰い受ける事が出来るのではと。
これは悪魔の実の覚醒があって成し得る応用なのだと教えてくれた。
「ごめんな....、ありがとう」
何とか木の麓まで這いつくばって辿り着き、今はもう枯れてしまった木の幹へと手をあてておでこを預けた。
修行の為とはいえ、無闇に自然の命を奪うのはやはりどうしても気が引けてしまうのだ。
「名無しさん、またやっているのかい」
「レイリー、さん。着替え、ごめんな...ありがとう」
「このぐらい気にするんじゃない。それよりも早く着替えてしまいなさい。その服はまた明日直すんだろう」
「うん、シャッキーさんからの贈り物やからね。大事にしたい」
「はははっ泣いて喜びそうな文言だな」
旅の始まりからずっとこの服を愛用していたからだろうか、決意を固める時も鍛える時も楽しい時も自分にはやっぱりこの和服の装いが一番気合いが入る。
「レイリーさん、お待たせ!今回もありがとうな、見守ってくれて」
「何、今に始まった事じゃないさ。君の無茶は昔から誰よりも分かっているはずだよ(笑)」
「はははっ確かに」
「さ、あれだけ血を流したんだ。身体も冷えてしまっただろう、今日は先に湯浴みをしてくるといい」
その言葉を切り目にレイリーさんと別れてふらつく身体を叱咤しながら天然の温泉が湧き出る場所へと向かう。以前の島でも思ったが、こういうささやかな気遣いが本当紳士だよなと思ってしまう。
それからは疲労回復と血液を作る食事をメインにガッツリと食べいつもよりは早めに休むというのがこの特訓での流れだった。
「レイリーさん」
「ん?何だね、今日は珍しく起きていられるのかい」
いつもうちが眠るまでは絶対起きていてくれるレイリーさんは、読みかけていたのだろう本を下げながらこちらを見てくる。
「明日やねんけどさ、実は何度かマルコ達から連絡が入ってて修行の前にちょっとだけ連絡してもいいかな」
「ここ最近鳴っていた電伝虫は彼らからなのか。私の方は気にする必要は無いから自由にしなさい」
「!ありがとうレイリーさん、ほなお休み」
「あぁ、ゆっくり休むといい」
言葉を告げれば穏やかに笑って返してくれるのでその姿に安心しながらもうちは身体の求めるまま数秒で眠りへと落ちていった。
「明日はもしかすると、久しぶりに彼らと話す事になるかもしれんなあ...はははっ楽しみだ」
レイリーさんがそんな独り言を言っていたなんてうちは気がつく事も無く、静かに夜は更けていく。
「うぐっ....あぁああっ!」
「........耐えるんだ、正気を保ってゆっくりと呼吸をして」
「ハァッ...ハッ....いっ....」
「そうだ、そのまま手のひらに集中させて、焦らずに外へと押し出すイメージで」
本格的に始まったもう一つの修行。
それは以前親父の時に使ったリバース・
以前のように24時間後あんなに何ヶ月も身体が動かなくてはそれこそ命が危なくなってしまうと言う事と、何より今度のそれは以前の比ではないのは目に見えていたからだ。
「あぁああっ.....ハァっ.....くっそ......、っ」
「.....よく頑張った。今回は3日という所かな」
「ハァッ、ハァッ.....あっかん、血ィ流しすぎた〜」
「無理も無い。少しここで待っていなさい」
地面に転がったまま重たく下がってくる瞼と、冷えを感じる身体。それでもやっとの思いで先程時間を移した木を見てみればそこには無惨にも枯れてしまった大木が飛び込んでくる。
「ハァッ....ハッ......、ごめん、なぁ」
あの木にもこれからを生きる命があったのに、自分の貰い受けた傷を移す為に木の生命力を奪ってしまった。
この転での応用はレイリーさんが思いついたもので、そもそもが相手の事象を巻き戻し移せるのであれば、自身を介して貰ったものを更に別の器へと移しながら、移した器の巻き戻した時間を貰い受ける事が出来るのではと。
これは悪魔の実の覚醒があって成し得る応用なのだと教えてくれた。
「ごめんな....、ありがとう」
何とか木の麓まで這いつくばって辿り着き、今はもう枯れてしまった木の幹へと手をあてておでこを預けた。
修行の為とはいえ、無闇に自然の命を奪うのはやはりどうしても気が引けてしまうのだ。
「名無しさん、またやっているのかい」
「レイリー、さん。着替え、ごめんな...ありがとう」
「このぐらい気にするんじゃない。それよりも早く着替えてしまいなさい。その服はまた明日直すんだろう」
「うん、シャッキーさんからの贈り物やからね。大事にしたい」
「はははっ泣いて喜びそうな文言だな」
旅の始まりからずっとこの服を愛用していたからだろうか、決意を固める時も鍛える時も楽しい時も自分にはやっぱりこの和服の装いが一番気合いが入る。
「レイリーさん、お待たせ!今回もありがとうな、見守ってくれて」
「何、今に始まった事じゃないさ。君の無茶は昔から誰よりも分かっているはずだよ(笑)」
「はははっ確かに」
「さ、あれだけ血を流したんだ。身体も冷えてしまっただろう、今日は先に湯浴みをしてくるといい」
その言葉を切り目にレイリーさんと別れてふらつく身体を叱咤しながら天然の温泉が湧き出る場所へと向かう。以前の島でも思ったが、こういうささやかな気遣いが本当紳士だよなと思ってしまう。
それからは疲労回復と血液を作る食事をメインにガッツリと食べいつもよりは早めに休むというのがこの特訓での流れだった。
「レイリーさん」
「ん?何だね、今日は珍しく起きていられるのかい」
いつもうちが眠るまでは絶対起きていてくれるレイリーさんは、読みかけていたのだろう本を下げながらこちらを見てくる。
「明日やねんけどさ、実は何度かマルコ達から連絡が入ってて修行の前にちょっとだけ連絡してもいいかな」
「ここ最近鳴っていた電伝虫は彼らからなのか。私の方は気にする必要は無いから自由にしなさい」
「!ありがとうレイリーさん、ほなお休み」
「あぁ、ゆっくり休むといい」
言葉を告げれば穏やかに笑って返してくれるのでその姿に安心しながらもうちは身体の求めるまま数秒で眠りへと落ちていった。
「明日はもしかすると、久しぶりに彼らと話す事になるかもしれんなあ...はははっ楽しみだ」
レイリーさんがそんな独り言を言っていたなんてうちは気がつく事も無く、静かに夜は更けていく。