エンドライフ③
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《80. 譲れない戦い》
船から降りて暫く、街中に近づくに連れて変な胸騒ぎがする感覚を覚えながらもエースには気が付かれないようにそっと拳を握る。
...今、これから起きる出来事の結果次第でこの先に待つ未来が大きく変わるのだ。
「エース」
「どうした?」
「一緒に、親父の船に帰ろな」
「当たり前だ。始末をつけりゃお前も一緒に連れ帰ってやるから安心しろよ」
「ははっ期待しとく」
「おう」
お互いの顔は見ずに交わされるやり取り。
今はそれが奥底にある思いを悟られなくてどことなく落ち着いた。自分達には...エースには、帰る居場所がある。
何度も何度も奮い立たせるように噛み締めた大丈夫を胸に刻んでグッと足に力を入れ次の屋根へと飛び移れば、感じた事のある気配を察知して無意識にエースの肩を叩いていた。
「もうすぐ、ここを通る」
「...みてェだな。ティーチの馬鹿の気配がしやがる」
「....エース」
「名無しさん、手は出すなよ」
「.......」
「頼むよ名無しさん」
いつもの眉を寄せた豪気な笑顔とは違い、眉を少し下げたまま諭すように頭に手を置いてくるエース。その姿はいつかのあの日のようで。いつもならこの顔をするぐらいならと引き下がる所だが、今回ばかりはそうもいかない。
「あかんと思ったら、うちも戦う」
「約束は守るさ、安心しろ」
そんなやり取りをしていた時だった。
ふいに下から嫌な気配を感じて視線を移せば敢えて気が付かないふりをしながら近づいてきているのが分かる程、あの男は不自然にもこちらへと歩みを進めてくる。
そんな態とらしい挑発をエースが見過ごす訳も無く、ついに出くわしてしまった運命の相手に心の底から嫌悪が湧き出た。
「ゼハハハ!んだよ、名無しさんお前ェーやっぱりオレ達の仲間になりに来たのかァ?大歓迎だぜおい!」
「仲間になるぐらいなら死んだ方がマシや」
「ウィーハッハー!相変わらず生意気な野郎だぜェ!船長、今度こそ殺っちまっていいよな」
「やれるもんならやってみ?返り討ちにしたる」
あの時のサッチへの攻撃や態度が頭をよぎって無意識に拳を握りしめていると、ふいに掌に温もりが宿って、その体温の方へと視線を動かせば黒ひげを見据えたままいつもと変わらない様子のエース。
何よりも悔しいのはエースだったと、一瞬でも熱くなってしまった自分を恥じながら深呼吸をした。数秒おいてから笑顔を浮かべそっと背中にポンっと手を添える。
「ありがとうエース、後は頼んだ」
「任せときな」
帽子をくいっと下げて大好きなあの笑みを浮かべながら地面へと降り立つエースを見て、どこまでも格好良い人だと改めて思えた。
そこからはもう忘れられない戦いだった為一挙手一投足すら見逃さないようにと、屋根の上から2人の戦いを見守るしかない、歯痒い程の戦い。
船から降りて暫く、街中に近づくに連れて変な胸騒ぎがする感覚を覚えながらもエースには気が付かれないようにそっと拳を握る。
...今、これから起きる出来事の結果次第でこの先に待つ未来が大きく変わるのだ。
「エース」
「どうした?」
「一緒に、親父の船に帰ろな」
「当たり前だ。始末をつけりゃお前も一緒に連れ帰ってやるから安心しろよ」
「ははっ期待しとく」
「おう」
お互いの顔は見ずに交わされるやり取り。
今はそれが奥底にある思いを悟られなくてどことなく落ち着いた。自分達には...エースには、帰る居場所がある。
何度も何度も奮い立たせるように噛み締めた大丈夫を胸に刻んでグッと足に力を入れ次の屋根へと飛び移れば、感じた事のある気配を察知して無意識にエースの肩を叩いていた。
「もうすぐ、ここを通る」
「...みてェだな。ティーチの馬鹿の気配がしやがる」
「....エース」
「名無しさん、手は出すなよ」
「.......」
「頼むよ名無しさん」
いつもの眉を寄せた豪気な笑顔とは違い、眉を少し下げたまま諭すように頭に手を置いてくるエース。その姿はいつかのあの日のようで。いつもならこの顔をするぐらいならと引き下がる所だが、今回ばかりはそうもいかない。
「あかんと思ったら、うちも戦う」
「約束は守るさ、安心しろ」
そんなやり取りをしていた時だった。
ふいに下から嫌な気配を感じて視線を移せば敢えて気が付かないふりをしながら近づいてきているのが分かる程、あの男は不自然にもこちらへと歩みを進めてくる。
そんな態とらしい挑発をエースが見過ごす訳も無く、ついに出くわしてしまった運命の相手に心の底から嫌悪が湧き出た。
「ゼハハハ!んだよ、名無しさんお前ェーやっぱりオレ達の仲間になりに来たのかァ?大歓迎だぜおい!」
「仲間になるぐらいなら死んだ方がマシや」
「ウィーハッハー!相変わらず生意気な野郎だぜェ!船長、今度こそ殺っちまっていいよな」
「やれるもんならやってみ?返り討ちにしたる」
あの時のサッチへの攻撃や態度が頭をよぎって無意識に拳を握りしめていると、ふいに掌に温もりが宿って、その体温の方へと視線を動かせば黒ひげを見据えたままいつもと変わらない様子のエース。
何よりも悔しいのはエースだったと、一瞬でも熱くなってしまった自分を恥じながら深呼吸をした。数秒おいてから笑顔を浮かべそっと背中にポンっと手を添える。
「ありがとうエース、後は頼んだ」
「任せときな」
帽子をくいっと下げて大好きなあの笑みを浮かべながら地面へと降り立つエースを見て、どこまでも格好良い人だと改めて思えた。
そこからはもう忘れられない戦いだった為一挙手一投足すら見逃さないようにと、屋根の上から2人の戦いを見守るしかない、歯痒い程の戦い。