エンドライフ③
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《77. 不安と願い 》
あれから船に戻った自分達はまだ明るい時間帯だというのにお酒を飲み交わしながらこれから向かう場所についての話をしていた。
「あ〜っ美味ェー」
「好きなお酒あって良かったなー」
「名無しさんももっと飲めよ。美味ェぞここのやつ」
「....!本間や、めっちゃ美味しい」
「だろー?当たりだったなァ!」
隠すまでもない話の内容に、エースはもう何回目にも渡る相談だからなのか気を張る事無く隣に居てくれる。何せ、エースと再会してからというもの幾度と無く説得を試みていたからだ。
サッチは生きているのだし、うちも大丈夫だったのだから仇討ちに行く必要は無いのだと何度も。
それでもエースは、親父の顔に泥を塗った、一歩間違えれば命が危なかったのだと全く聞き入れて貰えずに現在まで至っている。
「...なあ、エース。どうしても引き返してはくれへんのか」
「当たり前だ。黒ひげが確実に居るって分かってて今更逃げ出す何て出来やしねェ」
「ほなうちも戦いたい」
「名無しさん、それは駄目だ。これは2番隊の隊長であるおれの責任だからな」
行くのを辞めて貰えないのなら、せめて自分も戦いたいと何度乞うてはみても駄目だの一点張りでこちらも聞き入れては貰えない。頑固者と思いながら自分よりも高いエースを見上げれば、お前にゃ負けるよと笑われた。
「名無しさん、お前はこのおれが負けるとでも思ってんのか」
「そうではない。やけど、相手の力は未知数やねんからエース1人で戦う理由が無いやんか」
譲りたくないのだと、辞めて欲しいのだと思いを込めて見つめても分かっているのかいないのか口元には笑みを残したままでエースはお酒を煽る。
「安心しろよ名無しさん、おれは負けねェ」
はっきりとそれでいて納得してくれと言うかのような眼差しで返してくるエースに、そのまま頷いてしまいたくなったがどうしても不安は拭えなかった。
「もしもの時はうちは手を出すからな」
「名無しさん」
「いやや。これだけは譲られへん」
「名無しさん、」
「いやや」
いくらエースが強かろうと誰にも負けない実力を持っていようと能力には相性と言うものがある。それに黒ひげのあの能力は本当に厄介なのだ。それを伝えられたらどんなに良いだろうかと思ったが、そんなものエースは望んでいない事は嫌という程わかってもいた。
「なァ、名無しさん。顔上げろ」
「......なんや」
「お前が何をそんなに恐れてんのかは知らねェが、心配ねェよ。大丈夫だ」
頭の上に手を乗せて言い聞かせるように話しかけてくるエース。いつもは嬉しいこの触れ合いも今はどこか不安になってしまう。無理矢理にでも気絶させて親父達の船へ送り届ける事は何度も何千回も一緒に過ごす間に考えた。
...でもそれは、エース自身の信念を思いを省みないそれこそうちのエゴで。
そんな事をしても何にもならないというのは痛い程分かっていたのだ。縛り付けようと無理矢理連れ戻そうと、今度こそエースは1人で蹴りをつけにいってしまう。
「ほなエース、一つだけ約束してほしい」
「...言ってみろよ」
「無茶やと思ったら、絶対に引いて欲しい。黒ひげを止められへんかったのはうちの責任でもあるんや」
「これも何度も言うがそれはねェ。お前はサッチを守ってくれたテメェの命も守ってくれた、それで十分じゃねェか」
「約束して欲しいんよ、頼む」
「................はァ...ったく、本当強情だな」
「エースには負けるわ」
長い間を置いた後、渋々といった様子ではあったがエースは苦笑しながら頷いてくれほんの少しではあるが気持ちは落ち着いてやっと少し笑えた気がした。
(何があっても絶対に、絶対にエースだけは...)
心の底では譲れない思いは隠しながらも刻一刻とその時は迫る。
「.......なァ名無しさん、今日なんだけどよ」
「ん?」
「お前の部屋に泊まってもいいか?」
「........は、」
突然の爆弾発言に固まっていると、少しだけ焦ったようにエースが続きを話そうと口を開く。
「別に何もしやしねェよっ!ただ、その」
「...あ。何かやりたい事があったんちゃうんか」
「やりた......違ェっ!.....そうじゃなくてよォ、お前が不安だっつー顔するからたまには...一緒に寝んのもいいのかと思ってさ」
こないだサボ達と皆で寝た時喜んでただろ、と頭をかきながら口を尖らせて話すエースに気がつけば頬が緩んでいて、無意識のうちに承諾していた。
あれから船に戻った自分達はまだ明るい時間帯だというのにお酒を飲み交わしながらこれから向かう場所についての話をしていた。
「あ〜っ美味ェー」
「好きなお酒あって良かったなー」
「名無しさんももっと飲めよ。美味ェぞここのやつ」
「....!本間や、めっちゃ美味しい」
「だろー?当たりだったなァ!」
隠すまでもない話の内容に、エースはもう何回目にも渡る相談だからなのか気を張る事無く隣に居てくれる。何せ、エースと再会してからというもの幾度と無く説得を試みていたからだ。
サッチは生きているのだし、うちも大丈夫だったのだから仇討ちに行く必要は無いのだと何度も。
それでもエースは、親父の顔に泥を塗った、一歩間違えれば命が危なかったのだと全く聞き入れて貰えずに現在まで至っている。
「...なあ、エース。どうしても引き返してはくれへんのか」
「当たり前だ。黒ひげが確実に居るって分かってて今更逃げ出す何て出来やしねェ」
「ほなうちも戦いたい」
「名無しさん、それは駄目だ。これは2番隊の隊長であるおれの責任だからな」
行くのを辞めて貰えないのなら、せめて自分も戦いたいと何度乞うてはみても駄目だの一点張りでこちらも聞き入れては貰えない。頑固者と思いながら自分よりも高いエースを見上げれば、お前にゃ負けるよと笑われた。
「名無しさん、お前はこのおれが負けるとでも思ってんのか」
「そうではない。やけど、相手の力は未知数やねんからエース1人で戦う理由が無いやんか」
譲りたくないのだと、辞めて欲しいのだと思いを込めて見つめても分かっているのかいないのか口元には笑みを残したままでエースはお酒を煽る。
「安心しろよ名無しさん、おれは負けねェ」
はっきりとそれでいて納得してくれと言うかのような眼差しで返してくるエースに、そのまま頷いてしまいたくなったがどうしても不安は拭えなかった。
「もしもの時はうちは手を出すからな」
「名無しさん」
「いやや。これだけは譲られへん」
「名無しさん、」
「いやや」
いくらエースが強かろうと誰にも負けない実力を持っていようと能力には相性と言うものがある。それに黒ひげのあの能力は本当に厄介なのだ。それを伝えられたらどんなに良いだろうかと思ったが、そんなものエースは望んでいない事は嫌という程わかってもいた。
「なァ、名無しさん。顔上げろ」
「......なんや」
「お前が何をそんなに恐れてんのかは知らねェが、心配ねェよ。大丈夫だ」
頭の上に手を乗せて言い聞かせるように話しかけてくるエース。いつもは嬉しいこの触れ合いも今はどこか不安になってしまう。無理矢理にでも気絶させて親父達の船へ送り届ける事は何度も何千回も一緒に過ごす間に考えた。
...でもそれは、エース自身の信念を思いを省みないそれこそうちのエゴで。
そんな事をしても何にもならないというのは痛い程分かっていたのだ。縛り付けようと無理矢理連れ戻そうと、今度こそエースは1人で蹴りをつけにいってしまう。
「ほなエース、一つだけ約束してほしい」
「...言ってみろよ」
「無茶やと思ったら、絶対に引いて欲しい。黒ひげを止められへんかったのはうちの責任でもあるんや」
「これも何度も言うがそれはねェ。お前はサッチを守ってくれたテメェの命も守ってくれた、それで十分じゃねェか」
「約束して欲しいんよ、頼む」
「................はァ...ったく、本当強情だな」
「エースには負けるわ」
長い間を置いた後、渋々といった様子ではあったがエースは苦笑しながら頷いてくれほんの少しではあるが気持ちは落ち着いてやっと少し笑えた気がした。
(何があっても絶対に、絶対にエースだけは...)
心の底では譲れない思いは隠しながらも刻一刻とその時は迫る。
「.......なァ名無しさん、今日なんだけどよ」
「ん?」
「お前の部屋に泊まってもいいか?」
「........は、」
突然の爆弾発言に固まっていると、少しだけ焦ったようにエースが続きを話そうと口を開く。
「別に何もしやしねェよっ!ただ、その」
「...あ。何かやりたい事があったんちゃうんか」
「やりた......違ェっ!.....そうじゃなくてよォ、お前が不安だっつー顔するからたまには...一緒に寝んのもいいのかと思ってさ」
こないだサボ達と皆で寝た時喜んでただろ、と頭をかきながら口を尖らせて話すエースに気がつけば頬が緩んでいて、無意識のうちに承諾していた。