エンドライフ③
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《71.仁義なき 》
「待った、何やコレ...おかしいやろ」
....うちは今、よく分からない争奪戦の渦中に何故か巻き込まれている。
誰がうちの横で眠るかという全然有り難みも何もないはずの権利を何故かエース達全員が真剣に取り合っているのだ。ひっそりと壁側で眠ろうとしていた案は即刻却下され、うちは今ちょっとそこで寝てみてと言われるがままにベッドとソファーの間に寝転がっている。
「はっ...!こういうのはどうだ?おれが名無しさんの横だろ、んでコアラが反対...でもって最後にサボ!お前は名無しさんの足元だ!そしたら全員名無しさんと隣になれるんじゃねェか?」
「何の儀式や」
「おいエース!何で俺が隣じゃねェんだよ、お前が足にしろよ!」
「私はこれでも大丈夫だよー?」
「ふざけんなよお前までっ...正々堂々ジャンケンっつったろ」
....こんな風に誰かが案を出しては、その通りに寝かせられるものの今の所誰の案も通らないので、うちは最早真ん中でじっと転がっているしかないのだ。
「....あのさ、そんな喧嘩せんくてもうちそっちの端っこ行くで」
「「「却下」」」
「何でやねん」
「名無しさんさん遠慮しないで?自分の部屋何だから好きな所で眠りなよ」
「それならうちは壁側が」
「あ、それは却下で」
「手のひら返しが早すぎる」
かれこれこんな事をして数十分未だに眠る場所が決まらない。うちが1人横になって他は縦に並んで眠るだとか、うちが両手を広げたところへ隙間なく埋まりにくるだとか、本当にもうよく分からない方向にまで走り出している。
「こうなったらやっぱジャンケンしか無いんちゃう?」
「だよな?やっぱり名無しさんは話が分かる奴だよ」
「サボくんずるは無しだよ」
「サボ、ずるはすんなよ」
「何で俺がズルをする前提なんだよ!...しねェーよバレねェようにしか」
「それをすんなっつってんだよ」
「まあ良いじゃねェか、バレねェようにやるからよ」
「良くねェーよっ!正々堂々だっつってただろお前っ」
せっかくジャンケンに決まりそうだと言うのに何故こうも上手く行かないのか。これはもうお決まりのあの方法でいくしかないなと、うちはゆっくりと天井に拳を掲げた。
「...しゃーないか。はい、ほな皆目ェ瞑ってー。うちがジャンケンほいって言うからそん時うちに勝てた人から順番に好きな場所決めてくってのはどうや?」
「.....何だ今のほいって...可愛い過ぎねェか」
「サボくん、話進まない」
何気無く言った言葉だったのに目敏く反応したサボがバッと口を押さえて感動したようにこちらを見てくる。いやもうこの際はスルーしかないと思いエースの方を見れば同じように口を押さえていた。...いや、テンションよ。
明らかに深夜のそれに足を踏み入れている2人を見ていると何だか正気なこっちが恥ずかしくなってくるので、強制的にスタートをした。
「へへっ、へへへ」
「やったー!私名無しさんさんの隣ーっ」
「........納得行かねェ。足元の方がまだ近かった」
結果はコアラ、エース、サボの順番の勝利。
見聞色を使おうとしたサボはそれに気づいたコアラとエースに早々に離脱されられていたのだった。
「本間どこでも眠れば一緒やろうに」
「違うよ!エースくんはいつでも眠れるだろうけど、私達は離れてるんだもんっ特別だよ」
「いや別に一緒には眠った事ねェよ」
「いいよなぁーエースはさ...いつでも名無しさんと添い寝が出来て」
「だァから、まだした事ねェーんだって」
「「いいなー」」
「おいお前らっ人の話を聞けよっ!」
本当仲良くなったよなぁと笑いながらお布団に潜れば左右からも温もりがじんわりと伝わってきて、それがどこかくすぐったい。嬉しいなと口元を隠して笑っていると
「...なーに笑ってんだァ」
と、エース自身も笑いながら寝転がったまま肘をついてこちらを覗き込んでくる。
「嬉しいなーと思ってさ」
「嬉しいって何がだよ」
「皆で雑魚寝するの何て子供の時以来やからワクワクするというか楽しいなーって(笑)」
「...。ハハっまたいつでも出来るさ。名無しさんも怖ェ思いして疲れただろ?今日はもう寝ちまえよ」
「...勿体無いな、何か」
そうぽそりと呟けば、左隣に居たコアラがきゅっと腕に抱きついてきて右隣に居るエースは頭にポンポンと手のひらを乗せてくれた。
「.....へへ、贅沢やな」
ふわりと降ってきた左右の温もりに自然と頬が緩んで幸せだなと目を閉じると、ガバッとエースの奥側から身体を起こした音がして目を開く。
「...!おいお前ら...俺の事忘れてんじゃねェだろうな」
「サボ、お前ももう寝ちまえよ」
「くっそぉー...次の時は俺が絶対名無しさんの横だからな!」
「サボくんうるさい」
最後の最後まで可哀想な役回りだが、ズルをしようとしたので仕方がないかと隠れて笑った。
「待った、何やコレ...おかしいやろ」
....うちは今、よく分からない争奪戦の渦中に何故か巻き込まれている。
誰がうちの横で眠るかという全然有り難みも何もないはずの権利を何故かエース達全員が真剣に取り合っているのだ。ひっそりと壁側で眠ろうとしていた案は即刻却下され、うちは今ちょっとそこで寝てみてと言われるがままにベッドとソファーの間に寝転がっている。
「はっ...!こういうのはどうだ?おれが名無しさんの横だろ、んでコアラが反対...でもって最後にサボ!お前は名無しさんの足元だ!そしたら全員名無しさんと隣になれるんじゃねェか?」
「何の儀式や」
「おいエース!何で俺が隣じゃねェんだよ、お前が足にしろよ!」
「私はこれでも大丈夫だよー?」
「ふざけんなよお前までっ...正々堂々ジャンケンっつったろ」
....こんな風に誰かが案を出しては、その通りに寝かせられるものの今の所誰の案も通らないので、うちは最早真ん中でじっと転がっているしかないのだ。
「....あのさ、そんな喧嘩せんくてもうちそっちの端っこ行くで」
「「「却下」」」
「何でやねん」
「名無しさんさん遠慮しないで?自分の部屋何だから好きな所で眠りなよ」
「それならうちは壁側が」
「あ、それは却下で」
「手のひら返しが早すぎる」
かれこれこんな事をして数十分未だに眠る場所が決まらない。うちが1人横になって他は縦に並んで眠るだとか、うちが両手を広げたところへ隙間なく埋まりにくるだとか、本当にもうよく分からない方向にまで走り出している。
「こうなったらやっぱジャンケンしか無いんちゃう?」
「だよな?やっぱり名無しさんは話が分かる奴だよ」
「サボくんずるは無しだよ」
「サボ、ずるはすんなよ」
「何で俺がズルをする前提なんだよ!...しねェーよバレねェようにしか」
「それをすんなっつってんだよ」
「まあ良いじゃねェか、バレねェようにやるからよ」
「良くねェーよっ!正々堂々だっつってただろお前っ」
せっかくジャンケンに決まりそうだと言うのに何故こうも上手く行かないのか。これはもうお決まりのあの方法でいくしかないなと、うちはゆっくりと天井に拳を掲げた。
「...しゃーないか。はい、ほな皆目ェ瞑ってー。うちがジャンケンほいって言うからそん時うちに勝てた人から順番に好きな場所決めてくってのはどうや?」
「.....何だ今のほいって...可愛い過ぎねェか」
「サボくん、話進まない」
何気無く言った言葉だったのに目敏く反応したサボがバッと口を押さえて感動したようにこちらを見てくる。いやもうこの際はスルーしかないと思いエースの方を見れば同じように口を押さえていた。...いや、テンションよ。
明らかに深夜のそれに足を踏み入れている2人を見ていると何だか正気なこっちが恥ずかしくなってくるので、強制的にスタートをした。
「へへっ、へへへ」
「やったー!私名無しさんさんの隣ーっ」
「........納得行かねェ。足元の方がまだ近かった」
結果はコアラ、エース、サボの順番の勝利。
見聞色を使おうとしたサボはそれに気づいたコアラとエースに早々に離脱されられていたのだった。
「本間どこでも眠れば一緒やろうに」
「違うよ!エースくんはいつでも眠れるだろうけど、私達は離れてるんだもんっ特別だよ」
「いや別に一緒には眠った事ねェよ」
「いいよなぁーエースはさ...いつでも名無しさんと添い寝が出来て」
「だァから、まだした事ねェーんだって」
「「いいなー」」
「おいお前らっ人の話を聞けよっ!」
本当仲良くなったよなぁと笑いながらお布団に潜れば左右からも温もりがじんわりと伝わってきて、それがどこかくすぐったい。嬉しいなと口元を隠して笑っていると
「...なーに笑ってんだァ」
と、エース自身も笑いながら寝転がったまま肘をついてこちらを覗き込んでくる。
「嬉しいなーと思ってさ」
「嬉しいって何がだよ」
「皆で雑魚寝するの何て子供の時以来やからワクワクするというか楽しいなーって(笑)」
「...。ハハっまたいつでも出来るさ。名無しさんも怖ェ思いして疲れただろ?今日はもう寝ちまえよ」
「...勿体無いな、何か」
そうぽそりと呟けば、左隣に居たコアラがきゅっと腕に抱きついてきて右隣に居るエースは頭にポンポンと手のひらを乗せてくれた。
「.....へへ、贅沢やな」
ふわりと降ってきた左右の温もりに自然と頬が緩んで幸せだなと目を閉じると、ガバッとエースの奥側から身体を起こした音がして目を開く。
「...!おいお前ら...俺の事忘れてんじゃねェだろうな」
「サボ、お前ももう寝ちまえよ」
「くっそぉー...次の時は俺が絶対名無しさんの横だからな!」
「サボくんうるさい」
最後の最後まで可哀想な役回りだが、ズルをしようとしたので仕方がないかと隠れて笑った。