エンドライフ③
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《61. 君の葛藤 》
ーガチャ バタン
「はいよーっと、お疲れさん」
「結局下ろされず仕舞いやったな...いやもう途中から慣れたからいいけどさ」
「ハハ!良いじゃねェーか別によォ」
「....まーなー(笑)とにかく運んでくれてありがとうな、歩く手間が省けたわ」
所変わりうちの部屋。サボとコアラを部屋に案内してから最後に連れられてきたのだが、静かにベッドに下ろされてそのままソファーに腰掛けたエースを見て完全にもう目が覚めたのだなと見ていると
「それにしても、驚いたな。本当にサボが生きてた何てよォ...まだ、夢みてェだ(笑)」
まるで噛み締めるかのように手のひらを見つめてきゅっと握りながら笑ったエースに、胸が温かくなって自然と笑みが溢れた。
「.....良かったなぁ。せっかくやし明日は皆でぶらーっとしよ」
「へへへっ、だな!...そういやァ、あのコアラっつー奴もサボの仕事仲間なんだろ?名無しさんとも何回か会った事あったのか?」
「2人に会うのは今日で4回目ぐらいやなー確か」
「まだ4回目であんなに懐かれてんのかっ?お前どんだけ人誑しだよ」
「エースにだけは言われたないわ(笑)」
そもそもがうちもエースも人見知りと言うものをしないからなのだろうが、大体は出会ってすぐに仲良くなれる上その日のうちに友達になる。
なので今の言葉はそっくりそのままブーメランなのをエースは分かっていないようだった。
「サボとコアラとは偶然居合わせた喫茶店で、何故か相席に誘われて出会ってすぐに打ち解けたんやけどさ」
「...ハハっ名無しさんらしいな」
「その後腕を怪我をしてもた時があってなあ〜、それがバレてからというもの心配かけるようになってもたんよな」
そう言って苦笑いするとエースはぴしりと固まってどうしたのかと首を傾げれば
「...名無しさん、それはいつ頃の話だよ」
「ん?ああそっか、もう結構前やで。...6年ぐらい前になるのか」
「心配されたって事は傷跡が残るレベルの怪我だったのか?」
「...何、そんなん今更やんか(笑)残っとったとしてもうちの勲章や」
エースの気にする事ちゃうよと笑いかければ、納得がいかないのか口をへの字にしたものだからその仕草だけで頬が緩んでしまう。
「......見せろよ」
「.................は?」
「傷跡、残ってねェか確認してやる。だからおれにも...見せろ」
「....いやいやいや意味が分からんっ何でやねん」
「何か...気になるんだよ」
さっきの穏やかな空気はなんのその。
一気にそれが吹き飛んで、いきなりの爆弾発言に頭がついていかない。
どうにか逃げられないかと思案を巡らせていると、ギシっという音と共にエースがソファーから立ち上がったのが視界に入り足で後退りながらベッドの端っこへと逃げる。
「名無しさん」
「.............いや、あのな」
ベッドの前に立ち、どこか不機嫌そうに見下ろしてくるエースと見つめ合う事数秒...か数分。はーっとため息をつきながらベッドの端に腰掛けて背を向けた様を見て、身体から力が抜けていくのが分かった。
「...そんなに嫌なのかよ、おれに見られるのは」
「...嫌...というよりは、いくら勲章やって言うても傷跡やし綺麗なもんじゃないからさ、見せにくいというか」
「おれは気にしねェよ」
「うちが気にすんの。何て言うんかなぁ...普通の傷跡と違って毒槍やったからさ、色とか跡とか見た目がな結構えぐいんよ(笑)」
確かに左腕のコレは今でも変わらず自分の誇りであるし、己の力が足りなかった事への戒めともなっている。だけど
見せる必要が無いのであれば極力エースには見られたくは無かったし見せる予定なんてこの先もこれっぽっちも無かったので、何でここまで傷跡を見たがるのか理解が出来なかった。
「エースはさ何でそんな気になるん?もう大分前の事やのに」
「さっきサボが言ってただろ、名無しさんの性格を知ってればお前が無茶した理由が分かるってよ」
「!起きとったのか」
「何か声がすると思ったらよ、たまたま...聞こえてきたんだ」
状況は理解したが、それと今の言動が結びつかなくて頭にハテナが浮かぶ。するとそれが分かったのか、エースはチラリとこちらを見てまた視線を前に戻した後に、ゆっくりとそれでもはっきりと声を発していく。
「おれはあん時...頭に血が昇っちまってよォ何で名無しさんが無茶したか何て考えた事が無かったんだなってさ、さっき気づいちまったんだよ」
「......それは」
「もっと早く名無しさんに会えていりゃあ、もっと早く異変に気がついてたらって、後悔しても遅ェ事は分かってんだけどよ何度も...考えちまうんだ」
「.........」
「昔っからお前はおれらの事ばっかりで自分の事なんざ一切省みねェ奴だったからな、名無しさんに会えたら今度はおれがって思ってたのに...」
...情けねェ、と吐き捨てるように言ったエースにそんな事を思わせてしまっていたのかと初めて知ってぐっと唇を噛み締めた。
ーガチャ バタン
「はいよーっと、お疲れさん」
「結局下ろされず仕舞いやったな...いやもう途中から慣れたからいいけどさ」
「ハハ!良いじゃねェーか別によォ」
「....まーなー(笑)とにかく運んでくれてありがとうな、歩く手間が省けたわ」
所変わりうちの部屋。サボとコアラを部屋に案内してから最後に連れられてきたのだが、静かにベッドに下ろされてそのままソファーに腰掛けたエースを見て完全にもう目が覚めたのだなと見ていると
「それにしても、驚いたな。本当にサボが生きてた何てよォ...まだ、夢みてェだ(笑)」
まるで噛み締めるかのように手のひらを見つめてきゅっと握りながら笑ったエースに、胸が温かくなって自然と笑みが溢れた。
「.....良かったなぁ。せっかくやし明日は皆でぶらーっとしよ」
「へへへっ、だな!...そういやァ、あのコアラっつー奴もサボの仕事仲間なんだろ?名無しさんとも何回か会った事あったのか?」
「2人に会うのは今日で4回目ぐらいやなー確か」
「まだ4回目であんなに懐かれてんのかっ?お前どんだけ人誑しだよ」
「エースにだけは言われたないわ(笑)」
そもそもがうちもエースも人見知りと言うものをしないからなのだろうが、大体は出会ってすぐに仲良くなれる上その日のうちに友達になる。
なので今の言葉はそっくりそのままブーメランなのをエースは分かっていないようだった。
「サボとコアラとは偶然居合わせた喫茶店で、何故か相席に誘われて出会ってすぐに打ち解けたんやけどさ」
「...ハハっ名無しさんらしいな」
「その後腕を怪我をしてもた時があってなあ〜、それがバレてからというもの心配かけるようになってもたんよな」
そう言って苦笑いするとエースはぴしりと固まってどうしたのかと首を傾げれば
「...名無しさん、それはいつ頃の話だよ」
「ん?ああそっか、もう結構前やで。...6年ぐらい前になるのか」
「心配されたって事は傷跡が残るレベルの怪我だったのか?」
「...何、そんなん今更やんか(笑)残っとったとしてもうちの勲章や」
エースの気にする事ちゃうよと笑いかければ、納得がいかないのか口をへの字にしたものだからその仕草だけで頬が緩んでしまう。
「......見せろよ」
「.................は?」
「傷跡、残ってねェか確認してやる。だからおれにも...見せろ」
「....いやいやいや意味が分からんっ何でやねん」
「何か...気になるんだよ」
さっきの穏やかな空気はなんのその。
一気にそれが吹き飛んで、いきなりの爆弾発言に頭がついていかない。
どうにか逃げられないかと思案を巡らせていると、ギシっという音と共にエースがソファーから立ち上がったのが視界に入り足で後退りながらベッドの端っこへと逃げる。
「名無しさん」
「.............いや、あのな」
ベッドの前に立ち、どこか不機嫌そうに見下ろしてくるエースと見つめ合う事数秒...か数分。はーっとため息をつきながらベッドの端に腰掛けて背を向けた様を見て、身体から力が抜けていくのが分かった。
「...そんなに嫌なのかよ、おれに見られるのは」
「...嫌...というよりは、いくら勲章やって言うても傷跡やし綺麗なもんじゃないからさ、見せにくいというか」
「おれは気にしねェよ」
「うちが気にすんの。何て言うんかなぁ...普通の傷跡と違って毒槍やったからさ、色とか跡とか見た目がな結構えぐいんよ(笑)」
確かに左腕のコレは今でも変わらず自分の誇りであるし、己の力が足りなかった事への戒めともなっている。だけど
見せる必要が無いのであれば極力エースには見られたくは無かったし見せる予定なんてこの先もこれっぽっちも無かったので、何でここまで傷跡を見たがるのか理解が出来なかった。
「エースはさ何でそんな気になるん?もう大分前の事やのに」
「さっきサボが言ってただろ、名無しさんの性格を知ってればお前が無茶した理由が分かるってよ」
「!起きとったのか」
「何か声がすると思ったらよ、たまたま...聞こえてきたんだ」
状況は理解したが、それと今の言動が結びつかなくて頭にハテナが浮かぶ。するとそれが分かったのか、エースはチラリとこちらを見てまた視線を前に戻した後に、ゆっくりとそれでもはっきりと声を発していく。
「おれはあん時...頭に血が昇っちまってよォ何で名無しさんが無茶したか何て考えた事が無かったんだなってさ、さっき気づいちまったんだよ」
「......それは」
「もっと早く名無しさんに会えていりゃあ、もっと早く異変に気がついてたらって、後悔しても遅ェ事は分かってんだけどよ何度も...考えちまうんだ」
「.........」
「昔っからお前はおれらの事ばっかりで自分の事なんざ一切省みねェ奴だったからな、名無しさんに会えたら今度はおれがって思ってたのに...」
...情けねェ、と吐き捨てるように言ったエースにそんな事を思わせてしまっていたのかと初めて知ってぐっと唇を噛み締めた。