エンドライフ③
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《36.旅立ち②》
それを見られたくなくて、すぐさま下を向くも時既に遅しでマルコの笑い声がこだまする。
「ハハッ、お前は案外泣き虫だよなァ」
「...泣いてへんっ」
「知ってるよい。おれとエース、だけにだろい」
「..........何で、知っとうんや」
「見てれば分かる。お前はただでさえ人に甘えんのが下手くそなんだ、こんな時ぐらい泣いとけよい」
「やから、泣いてへんっ」
「ハハハッ!そうかよい、そいつァ悪かったなァ」
そう言って頭をぐしゃぐしゃと撫でてくるマルコ。
その温かさにまた涙腺が弱くなってしまって、この人の前だといつも自分は弱くなってしまうと改めて感じた。
何とか涙を引っ込めて、何回かの深呼吸で落ち着けてから近くに置かれたタオルで目元を拭う。
「......エースの前では子供の時しか泣いた事ない...マルコだけや。やってうちが泣いたら、エースが泣かれへんくなるやろ」
「.......とんだ殺し文句だよい」
「何がやねん」
「こっちの話だ。でもな名無しさん、あいつも頼ってやれよい。いつもこっちを恨めしそうに見てきてんのは、気がついてただろい?」
「..........は。いつや」
「おっ前なァ......本当自分の事となるとどんだけ無頓着なんだよい。そりゃあいつもほっとけねェワケだ」
見てねェ間に掻っ攫われるんじゃねェかってな、と呆れたように笑うマルコを不思議に思うも、確かに自分はエースにとったら子供の時を知ってる数少ない家族のような人間だしなと思った。
その後は溜め込んでいたものを吐き出せたからか、やっと思いっきり笑えている気がして久々のマルコとの時間を楽しんだ。ふいに目に止まった時計を確認すれば予定よりも少し遅くなってしまっている事に気がついて、ゆっくりと席を立ちながら改めてマルコにお礼を告げる。
「ほなさ、マルコ。最後に一個だけお願いがあるんやけど、いいか?」
「?何でも言えよい」
「へへ、よっしゃ!んーほなちょっと....いや大分か。うちと同じ高さぐらいまで屈める?」
「....こんぐらいでいいのか?」
「うん、ちょうどいいや」
不思議そうな顔をして背を屈めてくれたマルコに見上げられるのは見上げる事しかなかった今までからすると変な感じだなと思いながら、マルコのふわふわとする可愛い頭に自分の手のひらを乗せた。
「マルコ、今まで本間にありがとうな。マルコがおったからうちは笑えたし、泣けたし、頑張れた。...マルコと出会えたうちは幸せもんや。本間に、ありがとう」
ずっと伝えたかった事を惜しみなく一言一言に思いを込めて言葉にのせる。触ってみたいと思っていた髪の毛は想像以上にフワフワで見た目と違って可愛いなと撫でるその感触を楽しんでいると、顔を俯かせたマルコが小さく「悪い、名無しさん」とだけ告げて突然強い力で引っ張られた。
「...........少しだけ、こうさせてくれよいっ...」
以前抱きしめられた時の倍以上の力でぎゅうぎゅうと力いっぱい抱きしめられて、最初は何が起きたのか分からなかった。それでも次第に身体に滲んでくる自分よりも幾分か高い体温が抱きしめられているのだという現実を突きつけてきて、その余りの強さにマルコの優しさが流れ込んでくるようだった。
数秒だったのか数分だったのかは分からないが、強く抱きしめられていた身体は静かに解放されてそっと見上げればいつもの優し気な表情をしたマルコがこちらを見つめていた。
「最後だと思ったら、感極まっちまってな。突然悪かったよい」
「...へへ、ちょっと恥ずかしさはあったけど大丈夫やで(笑)」
それだけ言葉を交わして部屋を出れば、待ち構えていたかのように白ひげの皆が外へと大集合していてそんな姿を見たマルコは隊長の顔つきになり部屋の荷物をさっさと運べよいと指示を出していた。
皆にそれぞれ別れを告げてから、いつも仲良くしてくれていたイゾウやハルタ、ビスタにラクヨウまで挨拶をして次はサッチだなと上を見上げれば、見た事もないぐらい優しい顔をしたサッチが「いつでも来いよ」と頭を撫でてくれより一層笑顔になる。
甲板を降りる前、親父の方を見上げれば今朝みた温かい笑顔がそこにはあって負けないようにと笑って返した。
「本間、長い間お世話になりました!皆と会えて、一緒に過ごせて本間に...本間にめちゃくちゃ楽しい数年でした。時間はかかってもエースはちゃんとこの居場所に返すから、安心して待っててな!」
ありがとう!と大きく手を振って、自分の船へと飛び乗った。固く結ばれたロープに手をかければ船の上からは啜り泣く声が聞こえてきて、引っ張られそうになった感情を押し込める。
最後にもう一度、また会おうとだけ精一杯の笑顔で手を振って手のひらに馴染んだ舵を握り締めた。
「......いいのかよ、マルコ」
「何がだよい」
「名無しさんちゃんさ。好きだったんだろ?」
「ハハっそんなんじゃねェよい。...さァお前らっいつまでも男がメソメソしてんなよい!今日中に次の島へと到着するぞっ!」
「「「っ、はいっ!!マルコ隊長!!」」」
名無しさんが船を出した後、それを見つめる背中にサッチが静かに問いかけた。それを聞いたマルコは小さく笑って歩き出し隊長としての指示を出す。
その背中を暫く見つめてその場を後にしたサッチを横目に、1人になったマルコは空を見上げて静かに告げる。
「そんなもんじゃ足りねェよい.......なァ、名無しさん」
誰にも拾われる事のないそれは、いつかの彼女が告げていた思いそのもので。名無しさんの幸せをただただ願う一人の男が静かに笑った。
今日も、空は快晴である。
それを見られたくなくて、すぐさま下を向くも時既に遅しでマルコの笑い声がこだまする。
「ハハッ、お前は案外泣き虫だよなァ」
「...泣いてへんっ」
「知ってるよい。おれとエース、だけにだろい」
「..........何で、知っとうんや」
「見てれば分かる。お前はただでさえ人に甘えんのが下手くそなんだ、こんな時ぐらい泣いとけよい」
「やから、泣いてへんっ」
「ハハハッ!そうかよい、そいつァ悪かったなァ」
そう言って頭をぐしゃぐしゃと撫でてくるマルコ。
その温かさにまた涙腺が弱くなってしまって、この人の前だといつも自分は弱くなってしまうと改めて感じた。
何とか涙を引っ込めて、何回かの深呼吸で落ち着けてから近くに置かれたタオルで目元を拭う。
「......エースの前では子供の時しか泣いた事ない...マルコだけや。やってうちが泣いたら、エースが泣かれへんくなるやろ」
「.......とんだ殺し文句だよい」
「何がやねん」
「こっちの話だ。でもな名無しさん、あいつも頼ってやれよい。いつもこっちを恨めしそうに見てきてんのは、気がついてただろい?」
「..........は。いつや」
「おっ前なァ......本当自分の事となるとどんだけ無頓着なんだよい。そりゃあいつもほっとけねェワケだ」
見てねェ間に掻っ攫われるんじゃねェかってな、と呆れたように笑うマルコを不思議に思うも、確かに自分はエースにとったら子供の時を知ってる数少ない家族のような人間だしなと思った。
その後は溜め込んでいたものを吐き出せたからか、やっと思いっきり笑えている気がして久々のマルコとの時間を楽しんだ。ふいに目に止まった時計を確認すれば予定よりも少し遅くなってしまっている事に気がついて、ゆっくりと席を立ちながら改めてマルコにお礼を告げる。
「ほなさ、マルコ。最後に一個だけお願いがあるんやけど、いいか?」
「?何でも言えよい」
「へへ、よっしゃ!んーほなちょっと....いや大分か。うちと同じ高さぐらいまで屈める?」
「....こんぐらいでいいのか?」
「うん、ちょうどいいや」
不思議そうな顔をして背を屈めてくれたマルコに見上げられるのは見上げる事しかなかった今までからすると変な感じだなと思いながら、マルコのふわふわとする可愛い頭に自分の手のひらを乗せた。
「マルコ、今まで本間にありがとうな。マルコがおったからうちは笑えたし、泣けたし、頑張れた。...マルコと出会えたうちは幸せもんや。本間に、ありがとう」
ずっと伝えたかった事を惜しみなく一言一言に思いを込めて言葉にのせる。触ってみたいと思っていた髪の毛は想像以上にフワフワで見た目と違って可愛いなと撫でるその感触を楽しんでいると、顔を俯かせたマルコが小さく「悪い、名無しさん」とだけ告げて突然強い力で引っ張られた。
「...........少しだけ、こうさせてくれよいっ...」
以前抱きしめられた時の倍以上の力でぎゅうぎゅうと力いっぱい抱きしめられて、最初は何が起きたのか分からなかった。それでも次第に身体に滲んでくる自分よりも幾分か高い体温が抱きしめられているのだという現実を突きつけてきて、その余りの強さにマルコの優しさが流れ込んでくるようだった。
数秒だったのか数分だったのかは分からないが、強く抱きしめられていた身体は静かに解放されてそっと見上げればいつもの優し気な表情をしたマルコがこちらを見つめていた。
「最後だと思ったら、感極まっちまってな。突然悪かったよい」
「...へへ、ちょっと恥ずかしさはあったけど大丈夫やで(笑)」
それだけ言葉を交わして部屋を出れば、待ち構えていたかのように白ひげの皆が外へと大集合していてそんな姿を見たマルコは隊長の顔つきになり部屋の荷物をさっさと運べよいと指示を出していた。
皆にそれぞれ別れを告げてから、いつも仲良くしてくれていたイゾウやハルタ、ビスタにラクヨウまで挨拶をして次はサッチだなと上を見上げれば、見た事もないぐらい優しい顔をしたサッチが「いつでも来いよ」と頭を撫でてくれより一層笑顔になる。
甲板を降りる前、親父の方を見上げれば今朝みた温かい笑顔がそこにはあって負けないようにと笑って返した。
「本間、長い間お世話になりました!皆と会えて、一緒に過ごせて本間に...本間にめちゃくちゃ楽しい数年でした。時間はかかってもエースはちゃんとこの居場所に返すから、安心して待っててな!」
ありがとう!と大きく手を振って、自分の船へと飛び乗った。固く結ばれたロープに手をかければ船の上からは啜り泣く声が聞こえてきて、引っ張られそうになった感情を押し込める。
最後にもう一度、また会おうとだけ精一杯の笑顔で手を振って手のひらに馴染んだ舵を握り締めた。
「......いいのかよ、マルコ」
「何がだよい」
「名無しさんちゃんさ。好きだったんだろ?」
「ハハっそんなんじゃねェよい。...さァお前らっいつまでも男がメソメソしてんなよい!今日中に次の島へと到着するぞっ!」
「「「っ、はいっ!!マルコ隊長!!」」」
名無しさんが船を出した後、それを見つめる背中にサッチが静かに問いかけた。それを聞いたマルコは小さく笑って歩き出し隊長としての指示を出す。
その背中を暫く見つめてその場を後にしたサッチを横目に、1人になったマルコは空を見上げて静かに告げる。
「そんなもんじゃ足りねェよい.......なァ、名無しさん」
誰にも拾われる事のないそれは、いつかの彼女が告げていた思いそのもので。名無しさんの幸せをただただ願う一人の男が静かに笑った。
今日も、空は快晴である。