エンドライフ③
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《34. 馳せる思い 》
あれから少しだけマルコと話をしたうちは無意識にもまた長い時間眠ってしまっていたらしく、次に起きた時には丸3日が経過していた。
マルコの話によると、隊員はただの睡眠薬ではあったが遅延性の毒を食らっていたサッチは当時命に別状は無かったものの、ずっと何の処置もしなければ眠るように死んでしまう代物だったらしい。
かく言ううちの方に打ち込まれた毒は同じく遅延性のものと即効性のものの二種類。温度に溶けると血液にまで入り込んでしまう為後一歩遅ければ本当に命が危うかったのだと言う。
(....本間に、色んな奇跡を毎回与えてくれるんやな...この世界は..)
そこからはすぐに解毒には成功したものの毒を撃たれた後に暴れたせいで全身に微量ながら散ってしまった毒を完全に取り除けるまでに5日かかり、山を越えるまでは不安定だった上落ち着いてから3週間近くも目を覚まさないものだからめちゃくちゃ心配したのだと言う。
「...良かった〜身体動いてきた!」
「とは言ってもまだまだ安静だよい。1人で4人と殺り合ったんだ、無理もねェ」
「くっそ〜〜...毒さえ無けりゃなぁあ....悔しい」
「何言ってんだよい、あれはどう見ても名無しさんの方が優勢だっただろ。図体デケェ奴なんざ意識が飛んじまってたぜ」
「...それでもさ、サッチあんなに喜んどったから悪魔の実食べさしてあげたかったな」
「はー.......お前は、本当によォ。....命あっての物種だ、とにかくおれは暫くここで仕事をするからな。間違っても筋トレしようとか思うなよい」
「.......まじか」
「名無しさん、返事が聞こえねェぞ?」
痛みも全く無いし、これ以上は身体が鈍るので船を出す前にこっそりと体を鍛え直さなければと思っていた為行動が見抜かれ過ぎていて驚く。てっきりこの後マルコは部屋に戻ると思っていたから余計にだ。
くそ〜と思いながら、ベッドに転がっているとふと顔に影が差した。
「...おれの患者になった以上、言う事は聞いて貰う。後5日は大人しくしてるんだな」
「.......どうしてもあかん?」
「....。どうしても駄目だよい」
一瞬怯んだように見えたマルコだが、その後けたたましい音を立てながら部屋に入ってきたサッチによっていつもの表情へとすぐに戻った。
「名無しさんちゃーん!起きたんだって?ほらよっ、今日は俺特製ほろほろ肉のオムライスと、デザートにはビタミンたっぷりのいちごとフルーツの盛り合わせだぜ!」
「うわーっ今日もめちゃくちゃ美味しそうやな!ありがとうなサッチ」
「へへへっ良いってもんよ。名無しさんちゃん甘ェもん好きだからよ、野郎共と違って作り甲斐があるしなァ!」
あれからサッチとは、二回目に起きた後少し話をした。最初はしきりに頭を下げるサッチだったが、同じ立場だったらうちと同じ事をしたであろうという事を指摘し、結局悪魔の実が入った箱は奪われてしまった事を謝罪した。
唇をグッと噛んでそんな物よりとうちの身を案じてくれたが、これに至ってもサッチはきっと同じ事を感じただろうから、結局はお互い様なのだ。
その後はもうこの事は言いっこ無しと言う事で話は落ち着き、今に至るという訳である。
「マルコ〜、名無しさんちゃんは後どのくらい安静にしてりゃァ大丈夫なんだ?」
「んー、後5日は固ェな。まァそれも名無しさんが大人しくしていたらの話だが」
「......名無しさんちゃん」
「やっ、うちはそんな....ちょーっとその〜....な?」
「はァ...ほらな?だからサッチ、おれがここを離れる時はお前に見張りも頼むぜ」
「任せとけってんだ!...お医者様の言う事は聞かねェとなァ名無しさんちゃん」
「....お前が言うと何かやらしいよい」
「何っでだよォ!!」
変わらない2人を見て、本当にこの関係を守れて良かったとしみじみと思った。美味しいご飯を食べきり窓の外を眺めれば日はまだ高く、いつも甲板の縁に腰掛けていたあの姿は今はもう見えない。
ぎゅっとお布団の中で拳を握れば手のひらにエースの温もりが宿った気がして、少しばかりか心が和らいだ。
(......絶対に、見つけ出すからな...エース)
その為にはまず身体を全快にしておかなければならない事は自分でも分かってはいたので、マルコに言われた通りあと5日はじっとしているかと考える。
...この船を降りる時、一緒に貰って行くものはもう何年も前から決めてあるのだ。
あれから少しだけマルコと話をしたうちは無意識にもまた長い時間眠ってしまっていたらしく、次に起きた時には丸3日が経過していた。
マルコの話によると、隊員はただの睡眠薬ではあったが遅延性の毒を食らっていたサッチは当時命に別状は無かったものの、ずっと何の処置もしなければ眠るように死んでしまう代物だったらしい。
かく言ううちの方に打ち込まれた毒は同じく遅延性のものと即効性のものの二種類。温度に溶けると血液にまで入り込んでしまう為後一歩遅ければ本当に命が危うかったのだと言う。
(....本間に、色んな奇跡を毎回与えてくれるんやな...この世界は..)
そこからはすぐに解毒には成功したものの毒を撃たれた後に暴れたせいで全身に微量ながら散ってしまった毒を完全に取り除けるまでに5日かかり、山を越えるまでは不安定だった上落ち着いてから3週間近くも目を覚まさないものだからめちゃくちゃ心配したのだと言う。
「...良かった〜身体動いてきた!」
「とは言ってもまだまだ安静だよい。1人で4人と殺り合ったんだ、無理もねェ」
「くっそ〜〜...毒さえ無けりゃなぁあ....悔しい」
「何言ってんだよい、あれはどう見ても名無しさんの方が優勢だっただろ。図体デケェ奴なんざ意識が飛んじまってたぜ」
「...それでもさ、サッチあんなに喜んどったから悪魔の実食べさしてあげたかったな」
「はー.......お前は、本当によォ。....命あっての物種だ、とにかくおれは暫くここで仕事をするからな。間違っても筋トレしようとか思うなよい」
「.......まじか」
「名無しさん、返事が聞こえねェぞ?」
痛みも全く無いし、これ以上は身体が鈍るので船を出す前にこっそりと体を鍛え直さなければと思っていた為行動が見抜かれ過ぎていて驚く。てっきりこの後マルコは部屋に戻ると思っていたから余計にだ。
くそ〜と思いながら、ベッドに転がっているとふと顔に影が差した。
「...おれの患者になった以上、言う事は聞いて貰う。後5日は大人しくしてるんだな」
「.......どうしてもあかん?」
「....。どうしても駄目だよい」
一瞬怯んだように見えたマルコだが、その後けたたましい音を立てながら部屋に入ってきたサッチによっていつもの表情へとすぐに戻った。
「名無しさんちゃーん!起きたんだって?ほらよっ、今日は俺特製ほろほろ肉のオムライスと、デザートにはビタミンたっぷりのいちごとフルーツの盛り合わせだぜ!」
「うわーっ今日もめちゃくちゃ美味しそうやな!ありがとうなサッチ」
「へへへっ良いってもんよ。名無しさんちゃん甘ェもん好きだからよ、野郎共と違って作り甲斐があるしなァ!」
あれからサッチとは、二回目に起きた後少し話をした。最初はしきりに頭を下げるサッチだったが、同じ立場だったらうちと同じ事をしたであろうという事を指摘し、結局悪魔の実が入った箱は奪われてしまった事を謝罪した。
唇をグッと噛んでそんな物よりとうちの身を案じてくれたが、これに至ってもサッチはきっと同じ事を感じただろうから、結局はお互い様なのだ。
その後はもうこの事は言いっこ無しと言う事で話は落ち着き、今に至るという訳である。
「マルコ〜、名無しさんちゃんは後どのくらい安静にしてりゃァ大丈夫なんだ?」
「んー、後5日は固ェな。まァそれも名無しさんが大人しくしていたらの話だが」
「......名無しさんちゃん」
「やっ、うちはそんな....ちょーっとその〜....な?」
「はァ...ほらな?だからサッチ、おれがここを離れる時はお前に見張りも頼むぜ」
「任せとけってんだ!...お医者様の言う事は聞かねェとなァ名無しさんちゃん」
「....お前が言うと何かやらしいよい」
「何っでだよォ!!」
変わらない2人を見て、本当にこの関係を守れて良かったとしみじみと思った。美味しいご飯を食べきり窓の外を眺めれば日はまだ高く、いつも甲板の縁に腰掛けていたあの姿は今はもう見えない。
ぎゅっとお布団の中で拳を握れば手のひらにエースの温もりが宿った気がして、少しばかりか心が和らいだ。
(......絶対に、見つけ出すからな...エース)
その為にはまず身体を全快にしておかなければならない事は自分でも分かってはいたので、マルコに言われた通りあと5日はじっとしているかと考える。
...この船を降りる時、一緒に貰って行くものはもう何年も前から決めてあるのだ。