エンドライフ③
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《33. 広がる現実 》
ピッ、ピッ、と規則的な機械音がする。...消毒液の匂い、見知った気配がいくつかと...頭から伝わってくる暖かい温もり。
(......あれ、うちは.....なにをしとったんやっけか...)
覚醒しきらない頭でほわほわと考えながらも、身体を動かそうにも何故か指一本動かせない。起き上がりたいのに力が上手く入らなくて、どうにかしてやっとの思いで瞼を開いてみた。
「!!名無しさんっ....!」
「.........、ま、るこ...?」
「っ...そうだよい、お前っ...やっと.......!!」
何故か涙を流しながら話しかけてくるマルコにどうしたんやろうと思いつつ、ぼーっとした頭のままで問いかける。
「ここは...どこや....あれ、うち...」
「...この部屋は、ナース達が普段使ってる治療室だよい。こっちの方が設備が整ってるからなァっ」
うちの質問に答えながら涙を拭いつつ答えてくれるマルコ。すると、突然バンッと音がしてさっきまで意識の中で感じていた気配が近寄ってくる。
「名無しさんちゃんっ....!!うぁあっ...うっ...やっと、お前っ...」
「名無しさん!目を...覚ましたのか、良かった....!!」
泣きながら声をかけてきてくれたのはサッチとイゾウで、ハルタやビスタ達まで涙ぐみながらこちらを見つめている。一体何があったんやろと思いながら目の前で泣き続けるサッチをぼーっと眺めていると、段々と意識と記憶が戻ってくる。
「サッチ!!怪我はっ?!.....っっいった」
ティーチとのやり取りを全て思い出して、起き上がろうと声を掛けるも動いた瞬間全身に激痛が走って動けない。何とか力を入れようとするものの踏ん張ろうとする度に力が抜けていく気さえする。
「名無しさんっ動くな。やっと全身から毒が抜けたばっかりなんだよい。頼むから大人しくしといてくれ...」
「...へ、毒...?..........あぁ、あん時のか。それよりもサッチは?盛られてた薬大丈夫やったん?!」
「っっ...名無しさんちゃん、お前ェは本当.....っ」
この馬鹿野郎がっ!と言いながら抱きついてきたサッチの衝撃で痛みが走って顔が歪む。それでもこの温もりが彼が生きているのだという事を実感が出来て心の底から嬉しさが込み上げてきた。
するとマルコが怒りながら名無しさんの身体に障るよいと引っ剥がしたものだからサッチの顔が惜しげなく見えてしまって、そのあまりの号泣顔に本間生きてて良かったなぁと笑みが溢れてしまった。
「......名無しさんちゃんっ!!本当、悪かったっ...!!!俺が不甲斐ねェばっかりに、お前をっ...!!」
声が裏返りながら髪型も整えていないまま謝ってくるサッチに、手が動かせたのなら頭を上げてと撫でてあげたかった。
「サッチ...サッチ、顔上げてや。そんな謝る程のもんじゃないやろ。...お互い、命があって良かったなぁ」
「〜〜っ........あァっ...!!ほんとうっ...ほんとうによォっ...!!!」
ボロボロと泣き崩れそうなサッチをビスタが支えて、これ以上はまた後にしろとマルコが全員を部屋の外へと追い出した。すると、途端に静まり返る部屋。
席に戻ってくるまでの間マルコは無言で下を向きながら一歩一歩と歩いてくる。ゆったりとした動作で腰掛けたのを確認して、うちから静かに口を開いた。
「.....エースは、行ってもたんやな」
「!!っ..............あァ....すまねェっ...!!」
...何となくは気がついていた。
うちが起きた時点で真っ先に部屋に飛び込んでこん所、暫く経っても部屋に来る様子の無い所を見ると、もうこの船には居ないのだろうという事ぐらい検討がついていた。
不思議と焦りは無くて、そうか、来てしまったんやなとどこか遠くから眺めている気分だった。
「ごめんな、マルコ。そんな責任感じさせてまうお願いをしてもて。....ありがとうな」
「......っ....!!おれはっ...何一つっ...」
「それは違うで。...あの時さ、来てくれたのマルコやろ?後一歩遅かったら、うちもサッチも危なかったと思う」
「おれがもっと早く船に戻れていればっ!お前ェもサッチもあんな事にはっ...!」
「ティーチから聞いただけやから想像でしかないけど、大変やったやろ?船員含めて対応追いつかへんくてさ」
力及ばずごめんなと、顔を天井に向けたまま言葉を続ければ、マルコが息を飲む気配がして静寂が流れた。
ピッ、ピッ、と規則的な機械音がする。...消毒液の匂い、見知った気配がいくつかと...頭から伝わってくる暖かい温もり。
(......あれ、うちは.....なにをしとったんやっけか...)
覚醒しきらない頭でほわほわと考えながらも、身体を動かそうにも何故か指一本動かせない。起き上がりたいのに力が上手く入らなくて、どうにかしてやっとの思いで瞼を開いてみた。
「!!名無しさんっ....!」
「.........、ま、るこ...?」
「っ...そうだよい、お前っ...やっと.......!!」
何故か涙を流しながら話しかけてくるマルコにどうしたんやろうと思いつつ、ぼーっとした頭のままで問いかける。
「ここは...どこや....あれ、うち...」
「...この部屋は、ナース達が普段使ってる治療室だよい。こっちの方が設備が整ってるからなァっ」
うちの質問に答えながら涙を拭いつつ答えてくれるマルコ。すると、突然バンッと音がしてさっきまで意識の中で感じていた気配が近寄ってくる。
「名無しさんちゃんっ....!!うぁあっ...うっ...やっと、お前っ...」
「名無しさん!目を...覚ましたのか、良かった....!!」
泣きながら声をかけてきてくれたのはサッチとイゾウで、ハルタやビスタ達まで涙ぐみながらこちらを見つめている。一体何があったんやろと思いながら目の前で泣き続けるサッチをぼーっと眺めていると、段々と意識と記憶が戻ってくる。
「サッチ!!怪我はっ?!.....っっいった」
ティーチとのやり取りを全て思い出して、起き上がろうと声を掛けるも動いた瞬間全身に激痛が走って動けない。何とか力を入れようとするものの踏ん張ろうとする度に力が抜けていく気さえする。
「名無しさんっ動くな。やっと全身から毒が抜けたばっかりなんだよい。頼むから大人しくしといてくれ...」
「...へ、毒...?..........あぁ、あん時のか。それよりもサッチは?盛られてた薬大丈夫やったん?!」
「っっ...名無しさんちゃん、お前ェは本当.....っ」
この馬鹿野郎がっ!と言いながら抱きついてきたサッチの衝撃で痛みが走って顔が歪む。それでもこの温もりが彼が生きているのだという事を実感が出来て心の底から嬉しさが込み上げてきた。
するとマルコが怒りながら名無しさんの身体に障るよいと引っ剥がしたものだからサッチの顔が惜しげなく見えてしまって、そのあまりの号泣顔に本間生きてて良かったなぁと笑みが溢れてしまった。
「......名無しさんちゃんっ!!本当、悪かったっ...!!!俺が不甲斐ねェばっかりに、お前をっ...!!」
声が裏返りながら髪型も整えていないまま謝ってくるサッチに、手が動かせたのなら頭を上げてと撫でてあげたかった。
「サッチ...サッチ、顔上げてや。そんな謝る程のもんじゃないやろ。...お互い、命があって良かったなぁ」
「〜〜っ........あァっ...!!ほんとうっ...ほんとうによォっ...!!!」
ボロボロと泣き崩れそうなサッチをビスタが支えて、これ以上はまた後にしろとマルコが全員を部屋の外へと追い出した。すると、途端に静まり返る部屋。
席に戻ってくるまでの間マルコは無言で下を向きながら一歩一歩と歩いてくる。ゆったりとした動作で腰掛けたのを確認して、うちから静かに口を開いた。
「.....エースは、行ってもたんやな」
「!!っ..............あァ....すまねェっ...!!」
...何となくは気がついていた。
うちが起きた時点で真っ先に部屋に飛び込んでこん所、暫く経っても部屋に来る様子の無い所を見ると、もうこの船には居ないのだろうという事ぐらい検討がついていた。
不思議と焦りは無くて、そうか、来てしまったんやなとどこか遠くから眺めている気分だった。
「ごめんな、マルコ。そんな責任感じさせてまうお願いをしてもて。....ありがとうな」
「......っ....!!おれはっ...何一つっ...」
「それは違うで。...あの時さ、来てくれたのマルコやろ?後一歩遅かったら、うちもサッチも危なかったと思う」
「おれがもっと早く船に戻れていればっ!お前ェもサッチもあんな事にはっ...!」
「ティーチから聞いただけやから想像でしかないけど、大変やったやろ?船員含めて対応追いつかへんくてさ」
力及ばずごめんなと、顔を天井に向けたまま言葉を続ければ、マルコが息を飲む気配がして静寂が流れた。