エンドライフ③
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《29. 背中越しの体温》
名無しさんはベッド使っていいぞー、といいながらソファーに寝転がるエース。部屋の主はうちであるのに選択権とかあったのなと頬が緩んだ。
「エース、悪いんやけどさ。うちちょっとやらなあかん事あるから二度寝はまた今度にしてくれへん?」
「...今日はゆっくりするんじゃなかったのか?」
「エースの顔見たら思い出した事があってんよ」
「それはおれがここに居ちゃァ出来ねェ事なのかよ」
「まーなぁ。ほら、また後で時間取るか
「名無しさん」
いつものように返していたはずだったのに、起こそうと伸ばした手をエースに掴まれていつになく真剣な眼差しでこちらを見てきた。
「隠すなよ」
「.......へ?」
「お前がいつもみてェにすぐに元に戻んのなら、おれも深くは聞きやしねェ」
「...エース、」
「ただでさえそういうの下っ手クソなんだからよ、おれに嘘吐きたきゃァもっとマシな顔して笑えってんだ」
...まさか、エースにまでバレているとは思わなかった。
少し固まったままエースを見つめていると、さっきまでの真剣な顔をふっと和らげて優しく笑った。
そしてゆっくりと身体を起こしたかと思うとニッと笑って両手を広げてくるものだから思わず胸が詰まって溢れないようにと全身にグッと力を入れた。
「......えーす」
「...何だよ。さっさとしろ、結構恥ずかしいんだぞコレ」
「後ろを.....向いてほしい」
「...はァ?!おっまえこの状況でかよ!」
「........頼む」
「〜〜〜〜〜っ!ほらよっ、これでいいのか」
広げていた両手を下ろして不満そうに後ろを向いてくれたエース。隅に寄って胡座をかいてくれていたのもあってか、1人分程の余裕が十分にあったので静かに近づいて靴を脱ぎゆっくりと腰掛けた。
ギシッと鳴ったソファーの音にエースの身体が反応する様に少しだけ笑って、今まで触れた事のなかった信念を象徴するマークにそっと、そっと手を触れた。
「!」
「(......エースや、...えーす.....綺麗やな...)」
少しだけ指を動かして、親父を現すそのマークを静かに辿る。エースの背負った覚悟と信念、そして誇り。親父にかける恩義と思いその全てがこの背中に背負い込まれている気がしてとても神聖なものに思えた。
暫くそのまま撫でていると、次第にエースの身体がふるふると震えてくるものだからエース?と小さく問えば、「何か...変な気分になるからそれはやめろ」と言われてしまったので確かにくすぐったかったかもしれないと思い、手のひらの動きを止めてから、自分の額を静かに預けた。
「えーす」
「...........何だよ」
「えーすや...」
「...おれ以外の奴にやったらぶっ飛ばす」
「...ははっこれもあかんのか」
「駄目だな、今日から禁止だ」
「はいはい、約束ね。.......守るからな」
「...あ?」
「何でもないで」
小さく、本当に小さく囁くようにエースの背負う覚悟へと約束をした。エースがこの旗に誓ったように自分もこのマークへとこれからの覚悟と、必ずエースを親父をサッチを皆の幸せを守ってみせるのだと、誓った。
エースと正面からの抱擁何て恥ずかしくて照れ臭くて、嬉しくて。どうすればいいのか分からへんかったから、エースが大人しく後ろを向いて背中を預けてくれて良かったなとやっと心が落ち着けた。
「エース、ありがとうな本間に。本間にさ」
「...よく分かんねェけど、その声からすると落ち着いたのかよ」
「うん、もう大丈夫やで。....あ。こっち向いていいよ」
「!....お前な...本当、勝手だよ」
「はははっごめん、シラフでハグはちょっとな恥ずかしい(笑)」
「おれが一番恥ずかしかったっつーの」
「それもそうやなー」
「...名無しさんお前、今から抱き枕の刑だからな」
「はっ?何それ聞いてへんっ」
「知るかっ、おれの精一杯の頑張りをスルーしやがってェ...名無しさん何かこうだっ」
「おわっ!...ちょ、ちょちょ何しとんや!」
せっかく気持ちが落ち着けたと言うのに、今度は別の意味で心臓が鳴り止まない。ソファーに寝転がったエースに背中越しから抱え込まれて肩周りにお腹、足周りまでをガッチリ抱きつかれてしまったので、最早身動き一つ取れないのだ。
「エースっはなして!」
「やだよ」
「何でやねんっ、離してや」
「.......何だこれ、すげェー落ち着くな」
「話聞いとるか?!」
いくら抗議しても一切弱まる事のない抱きつきに心臓の音は痛いくらいに耳まで響いてくるし顔は熱いし身体中がドクドクといっている気さえする。
いくら割り切っているとはいえ、こういう触れ合いに免疫がないのだがら、少しは加減してほしいものだ。
(こんな命日は求めてへんよっ....!あー..,.もう、恥ずかしな...)
耳元近くで聞こえてくる寝息と体温がリアルで、別の意味で泣きそうになりながらも静かに時は流れていった。
名無しさんはベッド使っていいぞー、といいながらソファーに寝転がるエース。部屋の主はうちであるのに選択権とかあったのなと頬が緩んだ。
「エース、悪いんやけどさ。うちちょっとやらなあかん事あるから二度寝はまた今度にしてくれへん?」
「...今日はゆっくりするんじゃなかったのか?」
「エースの顔見たら思い出した事があってんよ」
「それはおれがここに居ちゃァ出来ねェ事なのかよ」
「まーなぁ。ほら、また後で時間取るか
「名無しさん」
いつものように返していたはずだったのに、起こそうと伸ばした手をエースに掴まれていつになく真剣な眼差しでこちらを見てきた。
「隠すなよ」
「.......へ?」
「お前がいつもみてェにすぐに元に戻んのなら、おれも深くは聞きやしねェ」
「...エース、」
「ただでさえそういうの下っ手クソなんだからよ、おれに嘘吐きたきゃァもっとマシな顔して笑えってんだ」
...まさか、エースにまでバレているとは思わなかった。
少し固まったままエースを見つめていると、さっきまでの真剣な顔をふっと和らげて優しく笑った。
そしてゆっくりと身体を起こしたかと思うとニッと笑って両手を広げてくるものだから思わず胸が詰まって溢れないようにと全身にグッと力を入れた。
「......えーす」
「...何だよ。さっさとしろ、結構恥ずかしいんだぞコレ」
「後ろを.....向いてほしい」
「...はァ?!おっまえこの状況でかよ!」
「........頼む」
「〜〜〜〜〜っ!ほらよっ、これでいいのか」
広げていた両手を下ろして不満そうに後ろを向いてくれたエース。隅に寄って胡座をかいてくれていたのもあってか、1人分程の余裕が十分にあったので静かに近づいて靴を脱ぎゆっくりと腰掛けた。
ギシッと鳴ったソファーの音にエースの身体が反応する様に少しだけ笑って、今まで触れた事のなかった信念を象徴するマークにそっと、そっと手を触れた。
「!」
「(......エースや、...えーす.....綺麗やな...)」
少しだけ指を動かして、親父を現すそのマークを静かに辿る。エースの背負った覚悟と信念、そして誇り。親父にかける恩義と思いその全てがこの背中に背負い込まれている気がしてとても神聖なものに思えた。
暫くそのまま撫でていると、次第にエースの身体がふるふると震えてくるものだからエース?と小さく問えば、「何か...変な気分になるからそれはやめろ」と言われてしまったので確かにくすぐったかったかもしれないと思い、手のひらの動きを止めてから、自分の額を静かに預けた。
「えーす」
「...........何だよ」
「えーすや...」
「...おれ以外の奴にやったらぶっ飛ばす」
「...ははっこれもあかんのか」
「駄目だな、今日から禁止だ」
「はいはい、約束ね。.......守るからな」
「...あ?」
「何でもないで」
小さく、本当に小さく囁くようにエースの背負う覚悟へと約束をした。エースがこの旗に誓ったように自分もこのマークへとこれからの覚悟と、必ずエースを親父をサッチを皆の幸せを守ってみせるのだと、誓った。
エースと正面からの抱擁何て恥ずかしくて照れ臭くて、嬉しくて。どうすればいいのか分からへんかったから、エースが大人しく後ろを向いて背中を預けてくれて良かったなとやっと心が落ち着けた。
「エース、ありがとうな本間に。本間にさ」
「...よく分かんねェけど、その声からすると落ち着いたのかよ」
「うん、もう大丈夫やで。....あ。こっち向いていいよ」
「!....お前な...本当、勝手だよ」
「はははっごめん、シラフでハグはちょっとな恥ずかしい(笑)」
「おれが一番恥ずかしかったっつーの」
「それもそうやなー」
「...名無しさんお前、今から抱き枕の刑だからな」
「はっ?何それ聞いてへんっ」
「知るかっ、おれの精一杯の頑張りをスルーしやがってェ...名無しさん何かこうだっ」
「おわっ!...ちょ、ちょちょ何しとんや!」
せっかく気持ちが落ち着けたと言うのに、今度は別の意味で心臓が鳴り止まない。ソファーに寝転がったエースに背中越しから抱え込まれて肩周りにお腹、足周りまでをガッチリ抱きつかれてしまったので、最早身動き一つ取れないのだ。
「エースっはなして!」
「やだよ」
「何でやねんっ、離してや」
「.......何だこれ、すげェー落ち着くな」
「話聞いとるか?!」
いくら抗議しても一切弱まる事のない抱きつきに心臓の音は痛いくらいに耳まで響いてくるし顔は熱いし身体中がドクドクといっている気さえする。
いくら割り切っているとはいえ、こういう触れ合いに免疫がないのだがら、少しは加減してほしいものだ。
(こんな命日は求めてへんよっ....!あー..,.もう、恥ずかしな...)
耳元近くで聞こえてくる寝息と体温がリアルで、別の意味で泣きそうになりながらも静かに時は流れていった。