エンドライフ③
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《28. 独白》
ーバタン
自室の部屋に戻りソファーに横になる。ついに、ついにこの日が来てしまった。別に心構えをしてなかった訳じゃなかったけれど、あまりにも日々が平和で楽しかったから裏切り何て起きずに殺し何て起きずにこんな毎日を過ごしていたかった。
「......エース、サッチ」
耳を澄まさなくてもモビーディックからはいつものように笑い声が響いている。サッチが悪魔の実を見つけた事でいつも以上に盛り上がっているようにすら感じた。
事は恐らく、皆が出払う夕刻から早朝にかけての間。特に島に到着した1日目に至っては見張りの隊以外ほとんど居なくなってしまうので恐らく今日が狙い目なのだ。
「.....はは、上手くいかんもんやなぁ」
今日が来るまでに、沢山のシナリオを考えてきた。
黒ひげとして誕生する前に殺害するとか、サッチが悪魔の実を見つける前にトドメを刺すとか、味方になってくれた白ひげ隊員達に真実を話してティーチを皆で仕留めるとか色々...色々だ。
確かにその方が被害はほぼなく過ごしていけるし確実で白ひげもエースもサッチも、皆がすぐに笑って変わらない生活を送る事が出来る。
....やけどうちは、ティーチと一緒に過ごす皆を知ってしまった。
肩を組んで嬉しそうにお酒を飲み交わしていたり、子供みたいな賭け事をやってマルコに皆で叱られていたり、仲間が大怪我を負って命が危なくなった時には涙目になって励ます姿を知ってしまった。
「これが、人の情と言うもんなんやろうねぇ....」
間違いなくティーチは皆の仲間で、家族だったのだ。
それでも奴は今晩皆が居なくなったタイミングで必ず裏切ってくる、最悪の形で。
「はー..........覚悟を、決めろ」
相手の力が未知数な以上警戒し過ぎてて損はない。最悪実を奪われたのやとしてもサッチの命だけは絶対にとらせたりはせん。その為には最終手段として差し違えるぐらいの覚悟じゃないと意味がなかった。
「ははっ、怖いなぁ....」
人をこの手にかけた事何て無かった。それでも時がきたら必要な事なのだと覚悟はしていたが、いざ目の前にその現実がやってくると怖いものなのだなと震える手を見て思った。
...それでも、もし今日自分がとる行動が叶わなかったのだとしても、うちはもうこの先の行動を決めている。震えた手のひらをぎゅっと握りしめて深呼吸をした。
(........本間に、楽しかったなぁ...この船)
あんなに昔は白ひげ海賊団に会う事だけを夢見て生活してたのに、今はもう離れるのが惜しいとか贅沢な感覚や。
目を閉じて一つ一つの思い出を脳裏に宿していく。
マルコとの出会い親父との出会い皆との、出会い。
叱られたり笑い合ったり時には涙したりと毎日が本当に新鮮で楽しい出来事ばかりだった。
(皆の大事な家族を、心を偽らせてまで手にかけさせる事何てさせんよ。大丈夫や、なんとかなるし、なんとかする)
「その為に、得た力や」
自分一人のエゴの為今まで沢山の人に助けられて救われて。命を繋いで強くもなれて今日まできた。...大丈夫、守れる。
天井に伸ばした手を握って見つめれば、今朝負ったばかりの傷が残っていて、もしもの時に気がつかれないように包帯はそのままに残して両手をかざし能力を発動させた。
余りに丁寧に巻かれた包帯にマルコの優しさが滲みでているようで、心の中でそっと謝る。
「..............あーーーー...エース、会いたいな」
モビーディックに戻ればすぐに会えると言うのに、やっぱり自分は臆病で。今あの笑顔を見たら縋りついてしまいそうだと分かっているからこそ、会いたいけど会いに行けない。
そんなチグハグの思いに笑いつつもゆっくりと体を起こせば突如凄いスピードでこちらに向かってくる覚えのある気配。何で今...と思いつつ開くであろうドアを見つめていれば、数回のノックの後に予想していた人物が入ってきた。
「...あ?何だよ名無しさん起きてんじゃねェか。マルコから名無しさんは寝ちまったぞって聞いてたからよォ」
「...今日はせっかくの休みやしなー、ゆっくりしようと思って。エースは、どうしたん?」
「ん?あァ、名無しさんが二度寝すんならおれも一緒に二度寝すっかと思ってよォ」
ニッと楽しそうに笑ってソファーに腰掛けてくるエース。何の悪気も無いその様子が今は少し苦しかった。
ーバタン
自室の部屋に戻りソファーに横になる。ついに、ついにこの日が来てしまった。別に心構えをしてなかった訳じゃなかったけれど、あまりにも日々が平和で楽しかったから裏切り何て起きずに殺し何て起きずにこんな毎日を過ごしていたかった。
「......エース、サッチ」
耳を澄まさなくてもモビーディックからはいつものように笑い声が響いている。サッチが悪魔の実を見つけた事でいつも以上に盛り上がっているようにすら感じた。
事は恐らく、皆が出払う夕刻から早朝にかけての間。特に島に到着した1日目に至っては見張りの隊以外ほとんど居なくなってしまうので恐らく今日が狙い目なのだ。
「.....はは、上手くいかんもんやなぁ」
今日が来るまでに、沢山のシナリオを考えてきた。
黒ひげとして誕生する前に殺害するとか、サッチが悪魔の実を見つける前にトドメを刺すとか、味方になってくれた白ひげ隊員達に真実を話してティーチを皆で仕留めるとか色々...色々だ。
確かにその方が被害はほぼなく過ごしていけるし確実で白ひげもエースもサッチも、皆がすぐに笑って変わらない生活を送る事が出来る。
....やけどうちは、ティーチと一緒に過ごす皆を知ってしまった。
肩を組んで嬉しそうにお酒を飲み交わしていたり、子供みたいな賭け事をやってマルコに皆で叱られていたり、仲間が大怪我を負って命が危なくなった時には涙目になって励ます姿を知ってしまった。
「これが、人の情と言うもんなんやろうねぇ....」
間違いなくティーチは皆の仲間で、家族だったのだ。
それでも奴は今晩皆が居なくなったタイミングで必ず裏切ってくる、最悪の形で。
「はー..........覚悟を、決めろ」
相手の力が未知数な以上警戒し過ぎてて損はない。最悪実を奪われたのやとしてもサッチの命だけは絶対にとらせたりはせん。その為には最終手段として差し違えるぐらいの覚悟じゃないと意味がなかった。
「ははっ、怖いなぁ....」
人をこの手にかけた事何て無かった。それでも時がきたら必要な事なのだと覚悟はしていたが、いざ目の前にその現実がやってくると怖いものなのだなと震える手を見て思った。
...それでも、もし今日自分がとる行動が叶わなかったのだとしても、うちはもうこの先の行動を決めている。震えた手のひらをぎゅっと握りしめて深呼吸をした。
(........本間に、楽しかったなぁ...この船)
あんなに昔は白ひげ海賊団に会う事だけを夢見て生活してたのに、今はもう離れるのが惜しいとか贅沢な感覚や。
目を閉じて一つ一つの思い出を脳裏に宿していく。
マルコとの出会い親父との出会い皆との、出会い。
叱られたり笑い合ったり時には涙したりと毎日が本当に新鮮で楽しい出来事ばかりだった。
(皆の大事な家族を、心を偽らせてまで手にかけさせる事何てさせんよ。大丈夫や、なんとかなるし、なんとかする)
「その為に、得た力や」
自分一人のエゴの為今まで沢山の人に助けられて救われて。命を繋いで強くもなれて今日まできた。...大丈夫、守れる。
天井に伸ばした手を握って見つめれば、今朝負ったばかりの傷が残っていて、もしもの時に気がつかれないように包帯はそのままに残して両手をかざし能力を発動させた。
余りに丁寧に巻かれた包帯にマルコの優しさが滲みでているようで、心の中でそっと謝る。
「..............あーーーー...エース、会いたいな」
モビーディックに戻ればすぐに会えると言うのに、やっぱり自分は臆病で。今あの笑顔を見たら縋りついてしまいそうだと分かっているからこそ、会いたいけど会いに行けない。
そんなチグハグの思いに笑いつつもゆっくりと体を起こせば突如凄いスピードでこちらに向かってくる覚えのある気配。何で今...と思いつつ開くであろうドアを見つめていれば、数回のノックの後に予想していた人物が入ってきた。
「...あ?何だよ名無しさん起きてんじゃねェか。マルコから名無しさんは寝ちまったぞって聞いてたからよォ」
「...今日はせっかくの休みやしなー、ゆっくりしようと思って。エースは、どうしたん?」
「ん?あァ、名無しさんが二度寝すんならおれも一緒に二度寝すっかと思ってよォ」
ニッと楽しそうに笑ってソファーに腰掛けてくるエース。何の悪気も無いその様子が今は少し苦しかった。