エンドライフ③
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《12. 親離れ》
自分の気持ちを再確認してから数ヶ月、既にあれから3つ目の島に到着しようとしていた日の朝最近よく聞くようになったエースの声が今日も響いてくる。
「なァ名無しさんー、ほらっ今日はちゃんと風呂に入ったからいいだろ?なっ」
「いや、別にそう言う問題じゃなくてやな...」
「っじゃァ何が駄目なんだ?言ってみろよ」
「はーー、やからな?何度も言うようやけどエースの歳は?」
「18だ」
「んじゃ、うちの歳は?」
「えーっと、21だな」
「ほな分かるよな?」
「いや分かんねェーから聞いてんじゃねェかっ」
何度目になるのだろうかのこのやり取り。何回教えても言葉を変えて伝えても、分からないと言うのだからお手上げ状態。
「そもそもな、大人になってほいほいと人の頭は撫でへんの」
「おれが船に来たばっかりの頃はよく撫でてたじゃねェかよ」
「1年ぶりのエースやしなあ。本間におるんやなーって確かめたくなってたというか」
「...マルコだってよくお前の頭撫でてんじゃん」
「あれはまあ...戯れてんのと一緒やから別になぁ」
「んじゃァおれにも戯れつけよ」
「どんな誘い方や」
ほらよ、と頭をズイっと差し出しながら見上げてくるエース。
...そうなのだ、エースが引き下がる様子を見せないこの件はエースが船を降りる時の見送りや、食事中に寝落ちたエースを起こす時、本を読んでる時に構ってほしそうに視界の下で転がってくるものだから宥めるように頭を撫でていただけの.....いや結構撫でてんな自分。感情隠すの下手くそか。
まぁつまり、エースにとったら何故か当たり前となっていたものをあの日を境に突然うちがしなくなってしまったものだからエースなりに疑問と不満が募っているのだそうで。
....そんな事を言われても、あの時の感覚が勝手に蘇ってきて一瞬固まってしまうのだから仕方がない。
ごめんよと思いつつ、手に持っていた帽子を被らせて帽子越しにでもポンポンとする。
「はい、これでいいやろ?」
するとエースは一瞬ポカンと固まって、数秒置いてから違うと前のめりに言ってくるものだからどうしたものかと首を傾げる。そんなやり取りをしていると、まるで助け舟を出すかのようにマルコがエースを呼んでいて置いていくぞと言われてしまえば、焦ったように駆け出すエース。
飛び降りる時恨めしそうにこちらを見ていたのであの眼差しは諦めていないなと呆れながらもどうにか良い言い訳はないかと思案する。こういう時は、イゾウかビスタ...どっちにしよかなと考えながらようやく朝の朝食を摂りに食堂へと向かった。
「ーと、いう訳なんよ。イゾウとビスタやったらどうやって親離れさせる?」
「親....離れ...」
「......親、離れ...」
「うん、せやねん。お互いもういい歳やねんからさ、そろそろちゃんとせなあかんよなーってやっぱ思うんよな」
云々と悩みながら食堂へ向かえばタイミング良く一緒に食事をしている2人。ちょうど良かったと声をかけて同じように朝食を摂る。デザートを食べながらようやく本題を切り出せばオウムのように同じ言葉を紡いで驚くイゾウとビスタ。
何をそんなに驚く事があるのかと不思議そうに2人を見つめていれば、イゾウがおでこを抑えながら先に口を開いた。
「名無しさん....ちょっと待ってくれ。親、というのはお前の事か?」
「ん?うん、そうやで」
「それで親離れをさせたい人物というのがエース、という訳だな?」
「そう!それで合っとう」
「.....そうか。いや、そう...なのか。おい、ビスタ」
「....あ?俺ァ今混乱してんだ、話しかけんなイゾウ........ったく、どういう展開だよこらァ...」
「ビスタ?顔色悪いで、大丈夫か?」
自分的には何気なしな日常会話として聞いてみた話題だったが、そんなに頭を悩ませるものなのやろうかと考えてしまう。
そこで暫くして頭に思い返されたのがいつかの話題。そういえばこの船には、子供の頃から乗っていたりそもそもの親がいない何て事はザラだと笑っていたサッチの言葉。
それを思い出すや否やイゾウのらしくない表情やビスタの顔色の悪さにも納得がいき罪悪感が募って頭を下げる。
「ごめんな2人共うちが考え無しやった。今の忘れてくれていいからな!本間ごめんよ」
うちのデザートお代わり分食べていからなと2人に差し出して席を立つ。
悩んだ顔色をしていたイゾウとビスタの姿を思い出して悪い事をしたなと反省をしながら、どうするべきか考える。
こんな時には年の功のシャッキーさんか?とも考えてみるも、この世界に生きる人達は必ずしも自分の知る親の形には当て嵌まらないよなと思い当たり結局悩んでしまった。
(何ていうかこう...不安気なんよな。うちやけどうちじゃない何かを見とうかのような...)
そんな事を考えながら気がつけば自然と親父の部屋の前まで来てしまっていて、いやいやこれは....あかんやろ、とは思いつつ部屋の前に立ち尽くしていれば中からさっさと入りやがれと声が聞こえたので、いつもよりゆっくりと恐る恐ると足を踏み入れた。
自分の気持ちを再確認してから数ヶ月、既にあれから3つ目の島に到着しようとしていた日の朝最近よく聞くようになったエースの声が今日も響いてくる。
「なァ名無しさんー、ほらっ今日はちゃんと風呂に入ったからいいだろ?なっ」
「いや、別にそう言う問題じゃなくてやな...」
「っじゃァ何が駄目なんだ?言ってみろよ」
「はーー、やからな?何度も言うようやけどエースの歳は?」
「18だ」
「んじゃ、うちの歳は?」
「えーっと、21だな」
「ほな分かるよな?」
「いや分かんねェーから聞いてんじゃねェかっ」
何度目になるのだろうかのこのやり取り。何回教えても言葉を変えて伝えても、分からないと言うのだからお手上げ状態。
「そもそもな、大人になってほいほいと人の頭は撫でへんの」
「おれが船に来たばっかりの頃はよく撫でてたじゃねェかよ」
「1年ぶりのエースやしなあ。本間におるんやなーって確かめたくなってたというか」
「...マルコだってよくお前の頭撫でてんじゃん」
「あれはまあ...戯れてんのと一緒やから別になぁ」
「んじゃァおれにも戯れつけよ」
「どんな誘い方や」
ほらよ、と頭をズイっと差し出しながら見上げてくるエース。
...そうなのだ、エースが引き下がる様子を見せないこの件はエースが船を降りる時の見送りや、食事中に寝落ちたエースを起こす時、本を読んでる時に構ってほしそうに視界の下で転がってくるものだから宥めるように頭を撫でていただけの.....いや結構撫でてんな自分。感情隠すの下手くそか。
まぁつまり、エースにとったら何故か当たり前となっていたものをあの日を境に突然うちがしなくなってしまったものだからエースなりに疑問と不満が募っているのだそうで。
....そんな事を言われても、あの時の感覚が勝手に蘇ってきて一瞬固まってしまうのだから仕方がない。
ごめんよと思いつつ、手に持っていた帽子を被らせて帽子越しにでもポンポンとする。
「はい、これでいいやろ?」
するとエースは一瞬ポカンと固まって、数秒置いてから違うと前のめりに言ってくるものだからどうしたものかと首を傾げる。そんなやり取りをしていると、まるで助け舟を出すかのようにマルコがエースを呼んでいて置いていくぞと言われてしまえば、焦ったように駆け出すエース。
飛び降りる時恨めしそうにこちらを見ていたのであの眼差しは諦めていないなと呆れながらもどうにか良い言い訳はないかと思案する。こういう時は、イゾウかビスタ...どっちにしよかなと考えながらようやく朝の朝食を摂りに食堂へと向かった。
「ーと、いう訳なんよ。イゾウとビスタやったらどうやって親離れさせる?」
「親....離れ...」
「......親、離れ...」
「うん、せやねん。お互いもういい歳やねんからさ、そろそろちゃんとせなあかんよなーってやっぱ思うんよな」
云々と悩みながら食堂へ向かえばタイミング良く一緒に食事をしている2人。ちょうど良かったと声をかけて同じように朝食を摂る。デザートを食べながらようやく本題を切り出せばオウムのように同じ言葉を紡いで驚くイゾウとビスタ。
何をそんなに驚く事があるのかと不思議そうに2人を見つめていれば、イゾウがおでこを抑えながら先に口を開いた。
「名無しさん....ちょっと待ってくれ。親、というのはお前の事か?」
「ん?うん、そうやで」
「それで親離れをさせたい人物というのがエース、という訳だな?」
「そう!それで合っとう」
「.....そうか。いや、そう...なのか。おい、ビスタ」
「....あ?俺ァ今混乱してんだ、話しかけんなイゾウ........ったく、どういう展開だよこらァ...」
「ビスタ?顔色悪いで、大丈夫か?」
自分的には何気なしな日常会話として聞いてみた話題だったが、そんなに頭を悩ませるものなのやろうかと考えてしまう。
そこで暫くして頭に思い返されたのがいつかの話題。そういえばこの船には、子供の頃から乗っていたりそもそもの親がいない何て事はザラだと笑っていたサッチの言葉。
それを思い出すや否やイゾウのらしくない表情やビスタの顔色の悪さにも納得がいき罪悪感が募って頭を下げる。
「ごめんな2人共うちが考え無しやった。今の忘れてくれていいからな!本間ごめんよ」
うちのデザートお代わり分食べていからなと2人に差し出して席を立つ。
悩んだ顔色をしていたイゾウとビスタの姿を思い出して悪い事をしたなと反省をしながら、どうするべきか考える。
こんな時には年の功のシャッキーさんか?とも考えてみるも、この世界に生きる人達は必ずしも自分の知る親の形には当て嵌まらないよなと思い当たり結局悩んでしまった。
(何ていうかこう...不安気なんよな。うちやけどうちじゃない何かを見とうかのような...)
そんな事を考えながら気がつけば自然と親父の部屋の前まで来てしまっていて、いやいやこれは....あかんやろ、とは思いつつ部屋の前に立ち尽くしていれば中からさっさと入りやがれと声が聞こえたので、いつもよりゆっくりと恐る恐ると足を踏み入れた。