エンドライフ③
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《8. 覚えのある痛み》
あの夜から数日、何処となくギクシャクとしていた名無しさんとエースだったが暫くすれば何事も無かったかのようにいつもの距離で談笑している姿が船のあちこちで目撃されていた。それを知る約1名は残念そうに、もう1名は嬉しそうに顔を綻ばせていた。
「恋愛のいろはを知るにはエースにゃまだまだ早かったって事だなァ!いや〜名無しさんちゃんが巣立ちしなくて何より」
「あいつもとっくに年頃の男だろい、どこまで鈍いんだか...」
「んー、つってもよォ?あいつまだ娼婦と遊んだ事も無けりゃァ女とそういう経験もねェーらしいのよ」
「は.....はァアっ?!あのなりでか?」
「なーっ、あんなん遊び放題だろうによ〜羨ましいぜったく」
勿体ねェーよなーと何故かサッチの方が残念そうに呟く様を見ながら、名無しさんが仕事をする横でそれはそれは嬉しそうに話しかけているエースを見るマルコ。以前名無しさんがいってた事は結局勘違いで終わったのかと検討が付き安堵するも、あそこまで自覚が無いのはどうなのだろうかと最早呆れるレベルだよいと首を振っていれば、何かを思いついたかのようにサッチが嬉しそうな声をあげた。
「なァマルコ、俺いい事思いついちまった」
「..........。お前、余計な事はすんなよい」
「大丈夫だって!ふふ〜ん、そうと決まればやる事がある。じゃあまた夜になー」
「あっ、おいサッチ!.....ったく、変な事にならなけりゃいいが」
鼻歌を歌いながら去っていくサッチを見送ってから、恐らく何かをしでかしたのだろう名無しさんに叱られ頭を下げているエースを見て一人笑うマルコ。あいつらがあのままでいいならそれでいいかとどこか心に思いながらその場を立ち去るが、そんな思いが今日の夜崩れさろうとはこの時のマルコは思いも寄らなかった。
その日の夕方前、予定通り島に到着したモビーディックは捜索隊を送り混んでからソワソワとする空気に包まれていた。
やれメシだやれ女だやれ探検だと、各々がきっと心を躍らせているのだろうなといういつもの光景に苦笑しながらも、自分の抱え仕事を終えて修繕した服達を隊員達へと配り終えた名無しさん。
彼女もまた、この島には蛍が生息している場所があるのだとナース達に聞いてソワソワとしていたのである。
(久々の島やし、エースに用事なかったら誘ってみよかなー。....へへ、楽しみや)
暗い所でこそ蛍は映えるのだが、街灯も何もない暗闇に一人きりというのは何年経っても慣れないので満月レベルの月明かりか怖くないレベルの街灯でもあれば一人でも見に行けるのになと心に思う。
そんな事を思いながら自分の船に一旦荷物を取りに行こうと飛び乗れば、後ろに気配を感じたものだから距離を取りながら振り向くとゴロンと寝転がるサッチが居て思わず静かに飛び上がってしまった。
「さ...サッチか、何や...めちゃくちゃびっくりした...」
「お。すまねェ名無しさんちゃんを驚かすつもりはなかったんだけどなァ、いやァ〜悪いっ!」
つい居心地が良くなっちまって帰ってくるまで寝転がっていたのだと眉を下げて謝るサッチに、何だそういう事かと飛び上がった心臓が落ち着きを取り戻していく。
修行だなんだと強くなれていたのだとはしても、元々は平和な世界に生まれた一般人。度胸はつこうがお化けや暗闇といった怖がりな部分は変えられないのだ。
「それで、どうしたん?うちの船に来るなんて初めてちゃうん」
「おっと、そうだったそうだった!いやな?ちょーっと名無しさんちゃんに頼みがあってよ」
「頼み...?うちに聞ける事なら大丈夫やけど」
そう言えばコソコソッと耳打ちをしてきた言葉に、今度は心臓が嫌な音を立てたので自分自身でも驚いた。
「ってな訳なんだよ。な?名無しさんちゃんも協力してくれるだろっ?」
「そう言う事なら、しゃーないな。楽しんどいでよ」
「おおお!さっすが名無しさんちゃん!話の分かる女だぜっ!ありがとなァアー!!」
答えを聞くや否やモビーディックへと戻っていくサッチを見て、先程まで浮き足立っていた気持ちはどこかへ消え去ってしまっていた。
「そっかー.....そら、そうなるよなぁー(笑)」
上から聞こえてくるエースの笑い声に少し安心して、締め付けられるような何だか苦しいようなミシミシとする感覚が胸を襲うが、以前にも感じた事があった為特に気にする事も無いかと笑う。
それから暫くして、案の定エースが一緒に島を降りないかと誘ってきたものだから今日はやる事があるのだと断って渋々引き下がるエースを苦笑しながら見送った。
(....とは言っても、明日からは天気が崩れるやろうしせっかくなら蛍だけでも見たいよなー。....行くか)
軽く身支度を整えてナース長の教えてくれた場所を地図と照らし合わせる。...うん、ここなら何とか街の明かりも届いてそうか?と検討を付け、念の為にと虫除けのハーブを体に振り撒いた。
あの夜から数日、何処となくギクシャクとしていた名無しさんとエースだったが暫くすれば何事も無かったかのようにいつもの距離で談笑している姿が船のあちこちで目撃されていた。それを知る約1名は残念そうに、もう1名は嬉しそうに顔を綻ばせていた。
「恋愛のいろはを知るにはエースにゃまだまだ早かったって事だなァ!いや〜名無しさんちゃんが巣立ちしなくて何より」
「あいつもとっくに年頃の男だろい、どこまで鈍いんだか...」
「んー、つってもよォ?あいつまだ娼婦と遊んだ事も無けりゃァ女とそういう経験もねェーらしいのよ」
「は.....はァアっ?!あのなりでか?」
「なーっ、あんなん遊び放題だろうによ〜羨ましいぜったく」
勿体ねェーよなーと何故かサッチの方が残念そうに呟く様を見ながら、名無しさんが仕事をする横でそれはそれは嬉しそうに話しかけているエースを見るマルコ。以前名無しさんがいってた事は結局勘違いで終わったのかと検討が付き安堵するも、あそこまで自覚が無いのはどうなのだろうかと最早呆れるレベルだよいと首を振っていれば、何かを思いついたかのようにサッチが嬉しそうな声をあげた。
「なァマルコ、俺いい事思いついちまった」
「..........。お前、余計な事はすんなよい」
「大丈夫だって!ふふ〜ん、そうと決まればやる事がある。じゃあまた夜になー」
「あっ、おいサッチ!.....ったく、変な事にならなけりゃいいが」
鼻歌を歌いながら去っていくサッチを見送ってから、恐らく何かをしでかしたのだろう名無しさんに叱られ頭を下げているエースを見て一人笑うマルコ。あいつらがあのままでいいならそれでいいかとどこか心に思いながらその場を立ち去るが、そんな思いが今日の夜崩れさろうとはこの時のマルコは思いも寄らなかった。
その日の夕方前、予定通り島に到着したモビーディックは捜索隊を送り混んでからソワソワとする空気に包まれていた。
やれメシだやれ女だやれ探検だと、各々がきっと心を躍らせているのだろうなといういつもの光景に苦笑しながらも、自分の抱え仕事を終えて修繕した服達を隊員達へと配り終えた名無しさん。
彼女もまた、この島には蛍が生息している場所があるのだとナース達に聞いてソワソワとしていたのである。
(久々の島やし、エースに用事なかったら誘ってみよかなー。....へへ、楽しみや)
暗い所でこそ蛍は映えるのだが、街灯も何もない暗闇に一人きりというのは何年経っても慣れないので満月レベルの月明かりか怖くないレベルの街灯でもあれば一人でも見に行けるのになと心に思う。
そんな事を思いながら自分の船に一旦荷物を取りに行こうと飛び乗れば、後ろに気配を感じたものだから距離を取りながら振り向くとゴロンと寝転がるサッチが居て思わず静かに飛び上がってしまった。
「さ...サッチか、何や...めちゃくちゃびっくりした...」
「お。すまねェ名無しさんちゃんを驚かすつもりはなかったんだけどなァ、いやァ〜悪いっ!」
つい居心地が良くなっちまって帰ってくるまで寝転がっていたのだと眉を下げて謝るサッチに、何だそういう事かと飛び上がった心臓が落ち着きを取り戻していく。
修行だなんだと強くなれていたのだとはしても、元々は平和な世界に生まれた一般人。度胸はつこうがお化けや暗闇といった怖がりな部分は変えられないのだ。
「それで、どうしたん?うちの船に来るなんて初めてちゃうん」
「おっと、そうだったそうだった!いやな?ちょーっと名無しさんちゃんに頼みがあってよ」
「頼み...?うちに聞ける事なら大丈夫やけど」
そう言えばコソコソッと耳打ちをしてきた言葉に、今度は心臓が嫌な音を立てたので自分自身でも驚いた。
「ってな訳なんだよ。な?名無しさんちゃんも協力してくれるだろっ?」
「そう言う事なら、しゃーないな。楽しんどいでよ」
「おおお!さっすが名無しさんちゃん!話の分かる女だぜっ!ありがとなァアー!!」
答えを聞くや否やモビーディックへと戻っていくサッチを見て、先程まで浮き足立っていた気持ちはどこかへ消え去ってしまっていた。
「そっかー.....そら、そうなるよなぁー(笑)」
上から聞こえてくるエースの笑い声に少し安心して、締め付けられるような何だか苦しいようなミシミシとする感覚が胸を襲うが、以前にも感じた事があった為特に気にする事も無いかと笑う。
それから暫くして、案の定エースが一緒に島を降りないかと誘ってきたものだから今日はやる事があるのだと断って渋々引き下がるエースを苦笑しながら見送った。
(....とは言っても、明日からは天気が崩れるやろうしせっかくなら蛍だけでも見たいよなー。....行くか)
軽く身支度を整えてナース長の教えてくれた場所を地図と照らし合わせる。...うん、ここなら何とか街の明かりも届いてそうか?と検討を付け、念の為にと虫除けのハーブを体に振り撒いた。