エンドライフ③
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《6. 視線》
「.......なぁ、最近どうしたん。言いたい事あるならはっきり言いや?」
「...別に、何でもねェ」
もう何回目になるのだろうやり取りをここ最近ずっとしている。あの日の宴から数週間、暇さえあればエースが何かを観察するかのようにじいっとこちらを見てくるので最初は用事があるのかと近くまで寄って行ったが、どうやらそうでも無いらしく突然の変な行動に少し戸惑ってしまっていた。
(何でもないって言う割に、何かあるって顔しかせんのよな〜...何かしたっけか......?)
その度に何かをしてしまったのか考えるものの思い当たるものは何もない。かと言って尋ねてもエースの態度が変わる訳でもないのでほとほと困り果てていた。
流石にそんな様子を見兼ねてかマルコやビスタも声を掛けてくれたのだが、まるで心当たりが無いのだから仕方がなく。彼らも何か分かったら教えてくれると言ってはくれたが、当然のように本人に心当たりが見つからないのだからそう簡単には答えは分からなかった。
「あ。そういやエース、明日島に着くらしいんやけど何か要るもんあったらマルコに言うときよ」
「おうっ分かった!つっても食いもん以外特に欲しいもんもねェんだよなーおれ」
こう言うやり取りは至って普通に会話が出来るのに、ふとした時やぼーっとしている時など特に観察されている気になってしまう。...多分エースも無意識なんやろうが。
「ほな、うちはそろそろ洗濯取り込みに行くけどエースはどうする?」
「んー....っじゃァおれも名無しさんの手伝いに
「ふざけんな、お前はこっちで鍛錬の続きだよい」
「やっべ、マルコ!!もう見つかったのか....!」
「名無しさんも名無しさんだよい。何こいつ匿ってやがんだ」
「いや、知らん知らん。めっちゃいい笑顔でこっちきたから休憩なんかと」
「そうだぜマルコっ!昼からずっと動きっぱなしじゃねェーか、根を詰めすぎんのは良くねェよっ」
「ほぉ〜〜?...お前まだ元気そうじゃねェかよい」
「おいっ、ちょっ....マルコっ......?!」
ぎゃぁああとの叫び声を背に洗濯物を取り込みに行く。
どうやらエースはマルコに大層気に入られてしまったようで、鍛えがいがあるのだと嬉しそうに話していたのをつい先日聞いたばかりだったのだ。
...頑張れエース、と思いながら振り返れば覇気を纏った拳と蹴りを繰り出すマルコがいてそれはもう楽しそうだった。
「〜いってェ....マルコの野郎...」
「ん、エースか。お疲れさん(笑)」
「おぉっ名無しさんじゃねェか!もう今日は仕事終わりなのか?」
「ちょうど今終わったとこやで。ちょっと休憩しよかなーってあそこの甲板の上向かっとうとこ」
「へェ〜、お前がたまに見つかんねェのそのせいか」
あれから日が傾き、そろそろ空に暗がりが広がって来た頃ちょうど仕事に片がついたので廊下を歩いていれば頭を抑えるエースとばったり出くわした。恐らくマルコだろうなと苦笑いしつつ話していれば、エースが目に見えてそわそわとし始めたので気がつけば口が勝手に言葉を紡いでいた。
「...エースもくるか?」
「いいのかっ?!実を言うとおれも一緒に行っていいもんかどうか迷ったからよォ。名無しさん、ありがとな」
「どういたしまして(笑)何する訳でもないんやけど、エースはそれでもいいん?」
「やる事ならあるさ、おれはお前と話が出来りゃそれでいい」
「....ははっ、エースが今日も素直やー」
「うるせーっ」
軽口を叩き合いながらいつもの場所を目指せば、辿り着くのはあっという間で今ではもう慣れたそこへとジャンプして飛び乗る。その様に口笛を吹いて同じように...それ以上に軽々と飛び乗ったものたがら、マルコにしろエースにしろその身体能力は羨ましいなと思う。
ゴロンと寝転がり空を見上げてみれば、すっかり空は深い蒼に覆われていて散りばめられるようにばら撒かれた星達が一つ、また一つと増えていく。こういう何気ない瞬間が、今自分はここにちゃんと居る気がして結構好きやったりするのだ。
「.....何つーか、落ち着くなァ....」
「.....やろー...?....好きなんよなー。こうやってぼーっとすんの」
「そういや昔ダダン達の屋根に登って流星群っての、一緒に見たよなァ。...星なんざそれまでちゃんと見た事ァなかったけどよ、あの日の夜だけは...覚えてる」
「...いいもんやろ、こういう時間も」
「悪くはねェ。ただ何つーかおれ一人だとよ、気がついたら寝ちまってんだよな」
「あー......、想像がつく」
他愛もない会話に笑いながら空に視線を戻せば、さっきまではまばらだった空に所狭しと星が並んでいる。今日も凄いなーと思いながら見上げていれば、以前と同じように口が開いていると笑われてしまうものの最早これは無意識なのだから直しようがない。
どうしたものかなと思いながらグーっと全身で伸びをしていれば、静かにエースが問いかけてきた。
「なァ...名無しさん。お前が言ってた守りたい奴ってのは、この船にいるんだろ?」
どこか確信じみた声色で、少しばかり真剣に問いかけてくるエース。これはどっちの確信なのかと考えながら自分もゆっくりと口を開いた。
「.......なぁ、最近どうしたん。言いたい事あるならはっきり言いや?」
「...別に、何でもねェ」
もう何回目になるのだろうやり取りをここ最近ずっとしている。あの日の宴から数週間、暇さえあればエースが何かを観察するかのようにじいっとこちらを見てくるので最初は用事があるのかと近くまで寄って行ったが、どうやらそうでも無いらしく突然の変な行動に少し戸惑ってしまっていた。
(何でもないって言う割に、何かあるって顔しかせんのよな〜...何かしたっけか......?)
その度に何かをしてしまったのか考えるものの思い当たるものは何もない。かと言って尋ねてもエースの態度が変わる訳でもないのでほとほと困り果てていた。
流石にそんな様子を見兼ねてかマルコやビスタも声を掛けてくれたのだが、まるで心当たりが無いのだから仕方がなく。彼らも何か分かったら教えてくれると言ってはくれたが、当然のように本人に心当たりが見つからないのだからそう簡単には答えは分からなかった。
「あ。そういやエース、明日島に着くらしいんやけど何か要るもんあったらマルコに言うときよ」
「おうっ分かった!つっても食いもん以外特に欲しいもんもねェんだよなーおれ」
こう言うやり取りは至って普通に会話が出来るのに、ふとした時やぼーっとしている時など特に観察されている気になってしまう。...多分エースも無意識なんやろうが。
「ほな、うちはそろそろ洗濯取り込みに行くけどエースはどうする?」
「んー....っじゃァおれも名無しさんの手伝いに
「ふざけんな、お前はこっちで鍛錬の続きだよい」
「やっべ、マルコ!!もう見つかったのか....!」
「名無しさんも名無しさんだよい。何こいつ匿ってやがんだ」
「いや、知らん知らん。めっちゃいい笑顔でこっちきたから休憩なんかと」
「そうだぜマルコっ!昼からずっと動きっぱなしじゃねェーか、根を詰めすぎんのは良くねェよっ」
「ほぉ〜〜?...お前まだ元気そうじゃねェかよい」
「おいっ、ちょっ....マルコっ......?!」
ぎゃぁああとの叫び声を背に洗濯物を取り込みに行く。
どうやらエースはマルコに大層気に入られてしまったようで、鍛えがいがあるのだと嬉しそうに話していたのをつい先日聞いたばかりだったのだ。
...頑張れエース、と思いながら振り返れば覇気を纏った拳と蹴りを繰り出すマルコがいてそれはもう楽しそうだった。
「〜いってェ....マルコの野郎...」
「ん、エースか。お疲れさん(笑)」
「おぉっ名無しさんじゃねェか!もう今日は仕事終わりなのか?」
「ちょうど今終わったとこやで。ちょっと休憩しよかなーってあそこの甲板の上向かっとうとこ」
「へェ〜、お前がたまに見つかんねェのそのせいか」
あれから日が傾き、そろそろ空に暗がりが広がって来た頃ちょうど仕事に片がついたので廊下を歩いていれば頭を抑えるエースとばったり出くわした。恐らくマルコだろうなと苦笑いしつつ話していれば、エースが目に見えてそわそわとし始めたので気がつけば口が勝手に言葉を紡いでいた。
「...エースもくるか?」
「いいのかっ?!実を言うとおれも一緒に行っていいもんかどうか迷ったからよォ。名無しさん、ありがとな」
「どういたしまして(笑)何する訳でもないんやけど、エースはそれでもいいん?」
「やる事ならあるさ、おれはお前と話が出来りゃそれでいい」
「....ははっ、エースが今日も素直やー」
「うるせーっ」
軽口を叩き合いながらいつもの場所を目指せば、辿り着くのはあっという間で今ではもう慣れたそこへとジャンプして飛び乗る。その様に口笛を吹いて同じように...それ以上に軽々と飛び乗ったものたがら、マルコにしろエースにしろその身体能力は羨ましいなと思う。
ゴロンと寝転がり空を見上げてみれば、すっかり空は深い蒼に覆われていて散りばめられるようにばら撒かれた星達が一つ、また一つと増えていく。こういう何気ない瞬間が、今自分はここにちゃんと居る気がして結構好きやったりするのだ。
「.....何つーか、落ち着くなァ....」
「.....やろー...?....好きなんよなー。こうやってぼーっとすんの」
「そういや昔ダダン達の屋根に登って流星群っての、一緒に見たよなァ。...星なんざそれまでちゃんと見た事ァなかったけどよ、あの日の夜だけは...覚えてる」
「...いいもんやろ、こういう時間も」
「悪くはねェ。ただ何つーかおれ一人だとよ、気がついたら寝ちまってんだよな」
「あー......、想像がつく」
他愛もない会話に笑いながら空に視線を戻せば、さっきまではまばらだった空に所狭しと星が並んでいる。今日も凄いなーと思いながら見上げていれば、以前と同じように口が開いていると笑われてしまうものの最早これは無意識なのだから直しようがない。
どうしたものかなと思いながらグーっと全身で伸びをしていれば、静かにエースが問いかけてきた。
「なァ...名無しさん。お前が言ってた守りたい奴ってのは、この船にいるんだろ?」
どこか確信じみた声色で、少しばかり真剣に問いかけてくるエース。これはどっちの確信なのかと考えながら自分もゆっくりと口を開いた。