エンドライフ③
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《1.彼女の進む先》
「はー、本間良い景色〜.....やっぱ似てんなー」
小高い丘の上にぽつんと立つ女性が一人。腰に手を当てながら嬉しそうな笑顔を浮かべて海を眺めていた。彼女の名は名無しさん、かの有名な白ひげ海賊団の船員である。
そんな彼女は今、白ひげの船からはしばしの間離れてとある島の端に居を構えていた。彼女がそこに居着いてから早3ヶ月程になるだろうか、小さくとも住み心地の良さそうな小屋が一つだけある以外はのどかな山々が広がるのみですぐ近くの周りには住民も居る気配は無い。
豊かな川や自然の恵が実るその島は海賊などとは無縁な程平和でゆったりとした時が日々巡っていた。
「おーし、ほな、そろそろ行くか」
まるでコルボ山からの景色にも似た風景は、彼女の記憶を揺さぶるには持ってこいで偶然立ち寄って見つけた瞬間島の奥地を買い取ったぐらいには彼女のお気に入りの場所の一つである。
(ダダンさん達元気かな....白ひげの皆も...エースも)
荷造りをしながら考えるのは、いつも胸にある皆の事で。度々連絡をとっているレイリーさん達とはこの3ヶ月の間に一度だけ顔を合わせていた。2人共変わらず迎え入れてくれ歳を重ねる度に美しくなるシャッキーさんの人間離れした美貌は是非とも知りたいものであった。
サボとコアラに関しては、度々会える機会があったのであれから何回か食事を共に過ごしていたが変わらない2人の姿に安心してしまうのだから不思議だ。
「.................エース」
よしと、荷物を詰め込み最後に手に取るのはエースの事が載っている新聞記事。スペード海賊団の船長として名を上げ一躍名前が世に知れ渡っていたのだ。多分、そろそろ来るのだろうなと狙いをつけて帰り支度をしていた名無しさんの口元には、はっきりと笑みが刻まれていて今にもスキップをしそうな程に気配が浮き足立っている。
「はぁああ.........エースっ....」
ニコニコと新聞を抱きしめては抑えきれない程の喜びを噛み締める名無しさん。やっと、やっと一緒の船に乗れるのだと1年前に別れたあの日から今か今かと待っていた現実なのだ。
ウキウキとしながらも短い間使っていた部屋のドアを開ける。後数年は使わないだろうからと、隅の隅まで掃除をしていつでも使えるように整えておいた。
「...行ってきます」
誰が居る訳でもない部屋に別れを告げて何かを決意したかのようにしっかりとドアを閉めた名無しさん。次に帰ってくる時はとどこか遠くを見ているようで、儚くも強さの滲み出る眼差しで彼女は今日も歩みを進める。
この世界に来て、早8年。運命への道は細々とながらもハッキリと彼女の足元の下に作られていた。
「はー、本間良い景色〜.....やっぱ似てんなー」
小高い丘の上にぽつんと立つ女性が一人。腰に手を当てながら嬉しそうな笑顔を浮かべて海を眺めていた。彼女の名は名無しさん、かの有名な白ひげ海賊団の船員である。
そんな彼女は今、白ひげの船からはしばしの間離れてとある島の端に居を構えていた。彼女がそこに居着いてから早3ヶ月程になるだろうか、小さくとも住み心地の良さそうな小屋が一つだけある以外はのどかな山々が広がるのみですぐ近くの周りには住民も居る気配は無い。
豊かな川や自然の恵が実るその島は海賊などとは無縁な程平和でゆったりとした時が日々巡っていた。
「おーし、ほな、そろそろ行くか」
まるでコルボ山からの景色にも似た風景は、彼女の記憶を揺さぶるには持ってこいで偶然立ち寄って見つけた瞬間島の奥地を買い取ったぐらいには彼女のお気に入りの場所の一つである。
(ダダンさん達元気かな....白ひげの皆も...エースも)
荷造りをしながら考えるのは、いつも胸にある皆の事で。度々連絡をとっているレイリーさん達とはこの3ヶ月の間に一度だけ顔を合わせていた。2人共変わらず迎え入れてくれ歳を重ねる度に美しくなるシャッキーさんの人間離れした美貌は是非とも知りたいものであった。
サボとコアラに関しては、度々会える機会があったのであれから何回か食事を共に過ごしていたが変わらない2人の姿に安心してしまうのだから不思議だ。
「.................エース」
よしと、荷物を詰め込み最後に手に取るのはエースの事が載っている新聞記事。スペード海賊団の船長として名を上げ一躍名前が世に知れ渡っていたのだ。多分、そろそろ来るのだろうなと狙いをつけて帰り支度をしていた名無しさんの口元には、はっきりと笑みが刻まれていて今にもスキップをしそうな程に気配が浮き足立っている。
「はぁああ.........エースっ....」
ニコニコと新聞を抱きしめては抑えきれない程の喜びを噛み締める名無しさん。やっと、やっと一緒の船に乗れるのだと1年前に別れたあの日から今か今かと待っていた現実なのだ。
ウキウキとしながらも短い間使っていた部屋のドアを開ける。後数年は使わないだろうからと、隅の隅まで掃除をしていつでも使えるように整えておいた。
「...行ってきます」
誰が居る訳でもない部屋に別れを告げて何かを決意したかのようにしっかりとドアを閉めた名無しさん。次に帰ってくる時はとどこか遠くを見ているようで、儚くも強さの滲み出る眼差しで彼女は今日も歩みを進める。
この世界に来て、早8年。運命への道は細々とながらもハッキリと彼女の足元の下に作られていた。