エンドライフ②
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《57. ただ、それだけでいい》
あれから可愛い可愛いくない談義をしばらく続けていたがエース自身があまりに可愛いを嫌がるので、じゃあ言うのはたまにだけにするわと伝えれば心底嫌そうな顔をしてきたので、それが最早可愛いのになぁと笑ってしまった。
(体はおっきくなったのに、本間可愛いなぁ。...このまま一緒の船に乗れたらいいのに)
...楽しい時が経つのは早いもので、ずっと続けばいいのにと願っていた時間は刻一刻と終わりへと近づいている。
それに気づいてかいないのかあんなにも続いていた会話は自然と少なくなっていく。
「........もうすぐやなぁ」
「........そうだな」
「あっという間過ぎて話し足りんわ」
「...じゃあおれの船に来ればいいじゃんか」
「ははっ堂々巡りやん」
拗ねたように吐き捨てるエースとどちらも引かないやり取りを続けていれば、青さを見せていた大きな空は淡くオレンジ色に染まってきていてそろそろかなと手のひらをつく。すると突然、手首をぎゅっと握られた。
何事かなと思い横を見てみれば、帽子で上手く表情は見えないが笑っていない事だけはすぐに分かったので、どうしようかなと一旦考えて思うがままに口を開く。
「エース、こっち向けるか」
手首を掴んでいた指をそっと外して、横を向いていた身体を向かい合うように座らせる。そしてその後何度かゆっくりと深呼吸をし、勇気を振り絞りながら先程まで掴んできていたエースの手のひらをそっと両手で包み込む。
手のひら越しにビクッと驚いた様子が感じとれて、振り払われなくて良かったなと少し思った。
「あのなエース。今回また別れる前にさ、一つだけどうしても伝えておきたかった事があったから今それ伝えてもいいかな?」
「.......なんだよ、」
今だに顔は見えないが状況が状況なだけに今はその方が有り難かったのでそのまま続ける。
「今日まで、生きててくれてありがとう」
「.......!」
その一言に思いを込めて、静かにゆっくりと吐き出した。弾かれるように顔を上げたエースと目があって、揺れるように見開いた目は自分の知る昔のエースのままだった。
「本間はもっと先になるかと思っとったからさ、思いがけずに今日会えてほんまにな、嬉しかったわ。覚えとってくれて、ありがとうな」
「.........っ、」
一度言葉に吐き出してしまえば、最初の緊張は何処かに言って目の前でまるで怯えた子供のように答えを求める二つの目は昔と変わらずそこにいて。
やっぱり姿を見るまでは、もしかしたらと不安になった事だって数えきれない程あったのでエースが今日も生きているという事実だけで心の底から嬉しかった。
エースが生きてる、生きて目の前に居る。
そんな現実がこんなにも嬉しい。
あれから可愛い可愛いくない談義をしばらく続けていたがエース自身があまりに可愛いを嫌がるので、じゃあ言うのはたまにだけにするわと伝えれば心底嫌そうな顔をしてきたので、それが最早可愛いのになぁと笑ってしまった。
(体はおっきくなったのに、本間可愛いなぁ。...このまま一緒の船に乗れたらいいのに)
...楽しい時が経つのは早いもので、ずっと続けばいいのにと願っていた時間は刻一刻と終わりへと近づいている。
それに気づいてかいないのかあんなにも続いていた会話は自然と少なくなっていく。
「........もうすぐやなぁ」
「........そうだな」
「あっという間過ぎて話し足りんわ」
「...じゃあおれの船に来ればいいじゃんか」
「ははっ堂々巡りやん」
拗ねたように吐き捨てるエースとどちらも引かないやり取りを続けていれば、青さを見せていた大きな空は淡くオレンジ色に染まってきていてそろそろかなと手のひらをつく。すると突然、手首をぎゅっと握られた。
何事かなと思い横を見てみれば、帽子で上手く表情は見えないが笑っていない事だけはすぐに分かったので、どうしようかなと一旦考えて思うがままに口を開く。
「エース、こっち向けるか」
手首を掴んでいた指をそっと外して、横を向いていた身体を向かい合うように座らせる。そしてその後何度かゆっくりと深呼吸をし、勇気を振り絞りながら先程まで掴んできていたエースの手のひらをそっと両手で包み込む。
手のひら越しにビクッと驚いた様子が感じとれて、振り払われなくて良かったなと少し思った。
「あのなエース。今回また別れる前にさ、一つだけどうしても伝えておきたかった事があったから今それ伝えてもいいかな?」
「.......なんだよ、」
今だに顔は見えないが状況が状況なだけに今はその方が有り難かったのでそのまま続ける。
「今日まで、生きててくれてありがとう」
「.......!」
その一言に思いを込めて、静かにゆっくりと吐き出した。弾かれるように顔を上げたエースと目があって、揺れるように見開いた目は自分の知る昔のエースのままだった。
「本間はもっと先になるかと思っとったからさ、思いがけずに今日会えてほんまにな、嬉しかったわ。覚えとってくれて、ありがとうな」
「.........っ、」
一度言葉に吐き出してしまえば、最初の緊張は何処かに言って目の前でまるで怯えた子供のように答えを求める二つの目は昔と変わらずそこにいて。
やっぱり姿を見るまでは、もしかしたらと不安になった事だって数えきれない程あったのでエースが今日も生きているという事実だけで心の底から嬉しかった。
エースが生きてる、生きて目の前に居る。
そんな現実がこんなにも嬉しい。