エンドライフ②
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《56.可愛い人 》
あれから2人でゴロンと芝生に転がれば海以上に真っ青な広くて大きな空が目に飛び込んできた。昨日はあんなに取り乱して泣いてしまったのが嘘のよう。何か鳥が飛んでいるなと思って眺めていれば覚えのある単語が耳に届いた。
「アホ面」
「アホちゃう」
そういえば昔も星を見ながら言われたな、何て思い出しついつい懐かしくて笑ってしまう。恐らくエースも覚えていたのだろうそれは、以前のようなぶっきらぼうさは無くて何処かからかっているかのようなものだった。
数年前と同じ事をしていても状況は全く違っているのにどこか懐かしいから笑ってしまうのだ。
(...本間、エースの隣は居心地がいいな)
ただ隣に居るだけなのに不思議と安心してしまうのだから推しのパワーは計り知れない。
身体から何か出てるんやろうかと思ったが確かにマルコもエースも親父すらも、居心地の良いオーラを放っている人は総じて見た目の刺激が強いから、服を着ない程何かが出てしまう説が濃厚だなと仮説が立って1人笑った。
「なぁーにニヤニヤしてんだよ」
「んー?何でもないでー」
「お前は変わんねェな、たまにそうやっておれ達の事見ては1人ニヤニヤ笑ってただろ」
「語弊しかない!」
「事実だろ?」
「まあそれは、うん。仕方がない...のやけども」
「ハハハッなんだそれ(笑)」
そう、仕方が無いのだ。
あの頃の皆は10歳2人と7歳1人、そして自分は精神年齢だけで言えば23歳。小さい子に言い聞かすかのようなやり取りをしていた覚えしかない。それに、何よりも天使だった、可愛いかったのだ、致し方が無い。
それを正直に言えたらどれ程いいかとは思うが、確実に引かれる未来があるとうちは知っているので今日も今日とて心に秘める大人でありたい。
そんな事を思っていれば、からかうように見ていたエースは空を見上げて静かに口を開けた。
「...名無しさんはよォ、結局言ってた目標は果たしたのか?」
突然問われたそれに顔だけエースの方を向くが真っ直ぐに上を向いた瞳からは特に何も感じとれない。
「そうやなぁ。まだ、途中やなぁ...」
「そうか」
恐らくめちゃくちゃ強くなって大事な人を守りたいと言っていた事なのだろうなと合点が行くが、自分が守りたいその人こそ目の前にいるエースなんだと心の中で思う。
「でもよ、実際かなり強くなっただろ?最初はおれもビックリしちまった」
「まじか!うあ〜っ、頑張って良かった」
「まだ、足りねェのか?」
「.....分からん(笑)やけど、協力したいって言ってくれた人が2人程現れてな。やから守りきってみせる」
「おれも手伝ってやろうか?」
「百人力やん。言質、とったからなー」
「おうっ、任せとけ」
眉を寄せながらニッと力強く笑う姿は、やっぱりうちの大好きなもので。エース自身が生きたいと強く願って、自分自身を大事にしてくれるのであればそれ程嬉しい決意はないと思った。
「なァ、名無しさん」
「ん、どうした」
「おれの船に来いよ」
「!何や...いきなり、どうしたん」
「いきなりでも何でもねェ。おれはずっと、お前を見つけたらそうするって決めてたんだ」
「ははっ本間、素直になったな」
「じゃねェーとお前は、いつまた居なくなっちまうか分かったもんじゃねェだろ」
それだけは嫌だと強く呟いたエース、嬉しいなぁと素直に思った。
「な、エース」
「....なんだよ」
「エースはさ、前に言ってた心臓のもやもやの正体は分かったか?」
「........まだ、分からねェ」
「そっか。...ほな、それがちゃんと分かる場所に今うちはおるからさそれが分かったら一緒の船で旅しようよ」
「.................今は、来れねェって事か?」
「...そう、やな。うん今はまだあかんねん」
「.....どうしてもか」
「ふふっ、どうしてもや」
静かに食い下がってくるエースに幸せだなと少し笑いながら答えれば、先程まではあんなに嬉しそうな笑顔だったのにいかにも不機嫌ですという顔をしていた。....可愛いな。
すると笑ったのが気に障ったのか不機嫌顔のまま話しかけてくる。
「何笑ってんだよ」
「笑ってへんよ」
「....いーや、笑ってた。おれは見たぞ」
まるでジトーっという効果音がつきそうな程の半目に、こんなぬいぐるみがあったら絶対に買うなと静かに思う。
「はははっ、かっわいいなぁ!」
「可愛いくねェ!」
「可愛いよ昔っから、エースはさ(笑)」
「男が可愛い何て言われて喜べるかよ....クソ、おれは格好いいって言われてェのに」
「?格好良いやん、エース」
「は.......はァアッ?!おまっ....さっき可愛いって」
「うん、可愛いで」
「だからよォ!」
不機嫌になったり不貞腐れたり赤くなったりと忙しいなぁとニコニコしていれば、それだけでまたジトっと見つめてくるのだから、根本は何も変わってないんやなと少し嬉しく思った。
あれから2人でゴロンと芝生に転がれば海以上に真っ青な広くて大きな空が目に飛び込んできた。昨日はあんなに取り乱して泣いてしまったのが嘘のよう。何か鳥が飛んでいるなと思って眺めていれば覚えのある単語が耳に届いた。
「アホ面」
「アホちゃう」
そういえば昔も星を見ながら言われたな、何て思い出しついつい懐かしくて笑ってしまう。恐らくエースも覚えていたのだろうそれは、以前のようなぶっきらぼうさは無くて何処かからかっているかのようなものだった。
数年前と同じ事をしていても状況は全く違っているのにどこか懐かしいから笑ってしまうのだ。
(...本間、エースの隣は居心地がいいな)
ただ隣に居るだけなのに不思議と安心してしまうのだから推しのパワーは計り知れない。
身体から何か出てるんやろうかと思ったが確かにマルコもエースも親父すらも、居心地の良いオーラを放っている人は総じて見た目の刺激が強いから、服を着ない程何かが出てしまう説が濃厚だなと仮説が立って1人笑った。
「なぁーにニヤニヤしてんだよ」
「んー?何でもないでー」
「お前は変わんねェな、たまにそうやっておれ達の事見ては1人ニヤニヤ笑ってただろ」
「語弊しかない!」
「事実だろ?」
「まあそれは、うん。仕方がない...のやけども」
「ハハハッなんだそれ(笑)」
そう、仕方が無いのだ。
あの頃の皆は10歳2人と7歳1人、そして自分は精神年齢だけで言えば23歳。小さい子に言い聞かすかのようなやり取りをしていた覚えしかない。それに、何よりも天使だった、可愛いかったのだ、致し方が無い。
それを正直に言えたらどれ程いいかとは思うが、確実に引かれる未来があるとうちは知っているので今日も今日とて心に秘める大人でありたい。
そんな事を思っていれば、からかうように見ていたエースは空を見上げて静かに口を開けた。
「...名無しさんはよォ、結局言ってた目標は果たしたのか?」
突然問われたそれに顔だけエースの方を向くが真っ直ぐに上を向いた瞳からは特に何も感じとれない。
「そうやなぁ。まだ、途中やなぁ...」
「そうか」
恐らくめちゃくちゃ強くなって大事な人を守りたいと言っていた事なのだろうなと合点が行くが、自分が守りたいその人こそ目の前にいるエースなんだと心の中で思う。
「でもよ、実際かなり強くなっただろ?最初はおれもビックリしちまった」
「まじか!うあ〜っ、頑張って良かった」
「まだ、足りねェのか?」
「.....分からん(笑)やけど、協力したいって言ってくれた人が2人程現れてな。やから守りきってみせる」
「おれも手伝ってやろうか?」
「百人力やん。言質、とったからなー」
「おうっ、任せとけ」
眉を寄せながらニッと力強く笑う姿は、やっぱりうちの大好きなもので。エース自身が生きたいと強く願って、自分自身を大事にしてくれるのであればそれ程嬉しい決意はないと思った。
「なァ、名無しさん」
「ん、どうした」
「おれの船に来いよ」
「!何や...いきなり、どうしたん」
「いきなりでも何でもねェ。おれはずっと、お前を見つけたらそうするって決めてたんだ」
「ははっ本間、素直になったな」
「じゃねェーとお前は、いつまた居なくなっちまうか分かったもんじゃねェだろ」
それだけは嫌だと強く呟いたエース、嬉しいなぁと素直に思った。
「な、エース」
「....なんだよ」
「エースはさ、前に言ってた心臓のもやもやの正体は分かったか?」
「........まだ、分からねェ」
「そっか。...ほな、それがちゃんと分かる場所に今うちはおるからさそれが分かったら一緒の船で旅しようよ」
「.................今は、来れねェって事か?」
「...そう、やな。うん今はまだあかんねん」
「.....どうしてもか」
「ふふっ、どうしてもや」
静かに食い下がってくるエースに幸せだなと少し笑いながら答えれば、先程まではあんなに嬉しそうな笑顔だったのにいかにも不機嫌ですという顔をしていた。....可愛いな。
すると笑ったのが気に障ったのか不機嫌顔のまま話しかけてくる。
「何笑ってんだよ」
「笑ってへんよ」
「....いーや、笑ってた。おれは見たぞ」
まるでジトーっという効果音がつきそうな程の半目に、こんなぬいぐるみがあったら絶対に買うなと静かに思う。
「はははっ、かっわいいなぁ!」
「可愛いくねェ!」
「可愛いよ昔っから、エースはさ(笑)」
「男が可愛い何て言われて喜べるかよ....クソ、おれは格好いいって言われてェのに」
「?格好良いやん、エース」
「は.......はァアッ?!おまっ....さっき可愛いって」
「うん、可愛いで」
「だからよォ!」
不機嫌になったり不貞腐れたり赤くなったりと忙しいなぁとニコニコしていれば、それだけでまたジトっと見つめてくるのだから、根本は何も変わってないんやなと少し嬉しく思った。