エンドライフ②
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《45.それはトラウマにも似た》
暫くぼーっと海を眺めていれば変に軋んでいた胸の痛みも無くなっていて、やっぱり1日で色々あり過ぎて疲れていたのかなとグッと腕を伸ばせば、覚えのある身体の透け具合に忘れていた焦燥感が全身を駆け巡った。
「嫌やっ、なんでっ、....エースっ、...マルコっ...!」
もう2度とあんな思いはしたくないと震える指で幾度となくダイヤルを回すも上手く押せなくて焦りだけが募る。やっとの思いで回しきれば数秒経ってから聞きたかった声が聞こえてきた。
「はいよー、名無しさんかどうかしたのかよい?」
「マルコっ!!!」
「っ!おい...どうした!何かあったのか!」
「マルコっ、、!」
「どうしたんだよい名無しさん!お前今どこにいる!」
「ぁ....っ、まるこ、マルコや...」
「...あぁ、おれだよい。...どうした。何か、あったのかい」
優しくそれでいてこちらを心配するような、どこまでも落ち着いてしまうその声に、心の底から安堵が広がって全身から噴き出た汗が流れ落ちていくのを感じる。
いつの間にか座り込んでしまっていた事に気がつき、ドキドキと激しく鳴っていた心臓の音が耳に響いてきた。
「...名無しさん、お前今外に居るのか?波の音が聞こえるよい」
「あ....うん、外...におる」
「そうか、教えてくれてありがとな。すぐに行くからそこで待ってろい」
「.....っ、うん、わかっ、た..、........ごめん」
その後すぐに切られた電伝虫を目線だけで見て、恐る恐る自分の身体を見てみれば先程消えかけていた様子が嘘のように戻っていて、震えたままの身体を抱き締めた。
よかった、よかったと繰り返すように呟きながら縮こまっていれば見知った気配が近づいてきて、まだこの目で確かめた訳でもいないのに言いようのない安心感がこの身を包む。
「名無しさん」
「ま、るこ」
羽ばたいていた翼はしまって静かに側へと降り立ってくれたマルコ。ゆっくりと、その姿を見上げれば随分と会えていなかったかのような感覚に襲われて何も言えずに見つめてしまう。
すると何を思ったのか、ちょっと失礼するよいとだけ喋った後に横抱きされて空へと連れ出された。その間話をしたのはどこに宿があるのかと、その一言だけでそれ以外は何も聞いてもこなかった。
暫くしてそんなに場所も離れていなかったので宿の近くに降ろされれば静かに腕を引いてくれたマルコは、そのまま中へと連れていってくれる。フロントで何やら色々話をしていると思ったら、どうやらマルコもこの宿に泊まる事にしたようで、ちょうど空いていた隣の部屋のキーを受け取っていた。
「...まずは部屋に戻って風呂に入れ。話はその後聞いてもいいか」
「...うん、大丈夫。ごめんなマルコ」
「大事な家族の一大事だ、こんな事ぐらいで気にすんなよい」
いつもの笑顔で笑ってくれた姿に安心をして、いつの間にか身体の震えが治まっていた事に気がついた。ようやく色々と感覚が戻ってきて、随分と身体が冷えてしまっていた事にも今更ながらにも気がついて、言葉を言わぬいつものマルコの優しさに、抑えていた何かが溢れてしまいそうになる。
とにかく今は駄目だと持てる限りの笑顔を作って自分の部屋へと入る事にした。
暫くぼーっと海を眺めていれば変に軋んでいた胸の痛みも無くなっていて、やっぱり1日で色々あり過ぎて疲れていたのかなとグッと腕を伸ばせば、覚えのある身体の透け具合に忘れていた焦燥感が全身を駆け巡った。
「嫌やっ、なんでっ、....エースっ、...マルコっ...!」
もう2度とあんな思いはしたくないと震える指で幾度となくダイヤルを回すも上手く押せなくて焦りだけが募る。やっとの思いで回しきれば数秒経ってから聞きたかった声が聞こえてきた。
「はいよー、名無しさんかどうかしたのかよい?」
「マルコっ!!!」
「っ!おい...どうした!何かあったのか!」
「マルコっ、、!」
「どうしたんだよい名無しさん!お前今どこにいる!」
「ぁ....っ、まるこ、マルコや...」
「...あぁ、おれだよい。...どうした。何か、あったのかい」
優しくそれでいてこちらを心配するような、どこまでも落ち着いてしまうその声に、心の底から安堵が広がって全身から噴き出た汗が流れ落ちていくのを感じる。
いつの間にか座り込んでしまっていた事に気がつき、ドキドキと激しく鳴っていた心臓の音が耳に響いてきた。
「...名無しさん、お前今外に居るのか?波の音が聞こえるよい」
「あ....うん、外...におる」
「そうか、教えてくれてありがとな。すぐに行くからそこで待ってろい」
「.....っ、うん、わかっ、た..、........ごめん」
その後すぐに切られた電伝虫を目線だけで見て、恐る恐る自分の身体を見てみれば先程消えかけていた様子が嘘のように戻っていて、震えたままの身体を抱き締めた。
よかった、よかったと繰り返すように呟きながら縮こまっていれば見知った気配が近づいてきて、まだこの目で確かめた訳でもいないのに言いようのない安心感がこの身を包む。
「名無しさん」
「ま、るこ」
羽ばたいていた翼はしまって静かに側へと降り立ってくれたマルコ。ゆっくりと、その姿を見上げれば随分と会えていなかったかのような感覚に襲われて何も言えずに見つめてしまう。
すると何を思ったのか、ちょっと失礼するよいとだけ喋った後に横抱きされて空へと連れ出された。その間話をしたのはどこに宿があるのかと、その一言だけでそれ以外は何も聞いてもこなかった。
暫くしてそんなに場所も離れていなかったので宿の近くに降ろされれば静かに腕を引いてくれたマルコは、そのまま中へと連れていってくれる。フロントで何やら色々話をしていると思ったら、どうやらマルコもこの宿に泊まる事にしたようで、ちょうど空いていた隣の部屋のキーを受け取っていた。
「...まずは部屋に戻って風呂に入れ。話はその後聞いてもいいか」
「...うん、大丈夫。ごめんなマルコ」
「大事な家族の一大事だ、こんな事ぐらいで気にすんなよい」
いつもの笑顔で笑ってくれた姿に安心をして、いつの間にか身体の震えが治まっていた事に気がついた。ようやく色々と感覚が戻ってきて、随分と身体が冷えてしまっていた事にも今更ながらにも気がついて、言葉を言わぬいつものマルコの優しさに、抑えていた何かが溢れてしまいそうになる。
とにかく今は駄目だと持てる限りの笑顔を作って自分の部屋へと入る事にした。