エンドライフ②
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《44.分からない痛み 》
「お姉さんこっちで一杯どうですかー?」
「あ、連れがいるんで結構です」
夕暮れ前になってきて、ご飯所や酒場に活気が出てきたからかああいった声を掛けられる事が多い。時間帯を失敗したなと思ったものの、目の腫れがマシになったのが先程なので仕方がないかと思いながら煌びやかに彩られていく街を歩いていく。
このタイミングならご飯所か買い出しが終わって船への積荷だろうなと思ったので、心当たりのあった船から当たるかと路地を曲がって歩いていけば、突如目の前のお店のドアが開いた。
「も〜何言ってんスかァ、船長も一回ぐらい遊んでみるべきですって〜」
「だーから、おれァ別に興味ねェって言ってんだろ」
「まだ例の女に操立ててんすか?デュースさんも言ってましたよ?たまには息抜きしねぇーとって!それとこれとは別ッスよ!本当極上ですから、ねっ、ね?」
「....だからよ、」
「ねぇ、今夜くらい良いでしょう?私貴方みたいに強そうな人、好きよ」
鈴の音が鳴ったかのように響いた美しい声色と、エースの腕にしだれかかるように抱きつく女性。突然の出来事に立ち尽くしていると、
「あっ、すんませーん!ここ通るんスよね??すぐ退きますから!ほらっ船長早くっ」
「うわっおいコラ!」
「ほらぁ、行こうよっ」
「ちょっと待てよお前らっ....あのっ!道塞いですんませんでしたっ」
「あ、いえ...」
2人に引きずられながら謝ってきたエースに呆気に取られながらも、弾みで返事を返していた。
「行ってもた.....な」
上手く状況が飲み込めず、少しの間立ち尽くしていたがようやく何が起きたのか理解が出来てきて偶然とはいえ意図せず2回も出くわすなんて今日は凄いなと静かに思った。
(やっぱ、忘れられとうか)
数秒の間だったとはいえ、確実にエースと目が合っていたので動揺も何も感じとれなかった様子に少しばかりか悲しくはなったが、まぁ仕方がない事だよなと目的を失った足は自然と洞窟付近の崖へと向かっていく。
(....何やろう、心臓が変な感じするな...)
何故か締め付けられる感覚のする胸に、変な違和感を感じつつもエースもそういうお年頃になったのやなあと心の隅で思う。家族で映画を観ていてそういうシーンになった時少し気まずくなる気持ちに何だかちょっと似ていて。
「そっかあ〜....エースがなぁー...」
言葉に出せば、つい先程の出来事がより一層色を増したように思えるから不思議だ。
...記憶にあったエースはまだ幼くて小さくて、だけどずっと不器用に優しい少年だった。それが今はどうだ、今日久しぶりに見かけた姿は白ひげにいる時よりも幾分か幼いが身長や顔つきはしっかりと大人へと成長していて。
あの分だと今日はもう会えそうに無いなと思いながら、気がつけば月明かりが照らす崖の上まで到着していて街やお店が近いせいもあってか暗がりの少ない開けた場所に少なからず安心をした。
耳を澄まさずとも聞こえてくる聞き慣れた波の音に、ようやくうちは大きく息を吐き出せた気がした。
「お姉さんこっちで一杯どうですかー?」
「あ、連れがいるんで結構です」
夕暮れ前になってきて、ご飯所や酒場に活気が出てきたからかああいった声を掛けられる事が多い。時間帯を失敗したなと思ったものの、目の腫れがマシになったのが先程なので仕方がないかと思いながら煌びやかに彩られていく街を歩いていく。
このタイミングならご飯所か買い出しが終わって船への積荷だろうなと思ったので、心当たりのあった船から当たるかと路地を曲がって歩いていけば、突如目の前のお店のドアが開いた。
「も〜何言ってんスかァ、船長も一回ぐらい遊んでみるべきですって〜」
「だーから、おれァ別に興味ねェって言ってんだろ」
「まだ例の女に操立ててんすか?デュースさんも言ってましたよ?たまには息抜きしねぇーとって!それとこれとは別ッスよ!本当極上ですから、ねっ、ね?」
「....だからよ、」
「ねぇ、今夜くらい良いでしょう?私貴方みたいに強そうな人、好きよ」
鈴の音が鳴ったかのように響いた美しい声色と、エースの腕にしだれかかるように抱きつく女性。突然の出来事に立ち尽くしていると、
「あっ、すんませーん!ここ通るんスよね??すぐ退きますから!ほらっ船長早くっ」
「うわっおいコラ!」
「ほらぁ、行こうよっ」
「ちょっと待てよお前らっ....あのっ!道塞いですんませんでしたっ」
「あ、いえ...」
2人に引きずられながら謝ってきたエースに呆気に取られながらも、弾みで返事を返していた。
「行ってもた.....な」
上手く状況が飲み込めず、少しの間立ち尽くしていたがようやく何が起きたのか理解が出来てきて偶然とはいえ意図せず2回も出くわすなんて今日は凄いなと静かに思った。
(やっぱ、忘れられとうか)
数秒の間だったとはいえ、確実にエースと目が合っていたので動揺も何も感じとれなかった様子に少しばかりか悲しくはなったが、まぁ仕方がない事だよなと目的を失った足は自然と洞窟付近の崖へと向かっていく。
(....何やろう、心臓が変な感じするな...)
何故か締め付けられる感覚のする胸に、変な違和感を感じつつもエースもそういうお年頃になったのやなあと心の隅で思う。家族で映画を観ていてそういうシーンになった時少し気まずくなる気持ちに何だかちょっと似ていて。
「そっかあ〜....エースがなぁー...」
言葉に出せば、つい先程の出来事がより一層色を増したように思えるから不思議だ。
...記憶にあったエースはまだ幼くて小さくて、だけどずっと不器用に優しい少年だった。それが今はどうだ、今日久しぶりに見かけた姿は白ひげにいる時よりも幾分か幼いが身長や顔つきはしっかりと大人へと成長していて。
あの分だと今日はもう会えそうに無いなと思いながら、気がつけば月明かりが照らす崖の上まで到着していて街やお店が近いせいもあってか暗がりの少ない開けた場所に少なからず安心をした。
耳を澄まさずとも聞こえてくる聞き慣れた波の音に、ようやくうちは大きく息を吐き出せた気がした。