エンドライフ②
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《42.邂逅》
その日もいつもと変わらない一日だった。
朝に弱いうちを当番変わりにナースが声を掛けに来てくれ、食堂で居合わせた隊長達と一緒にサッチの美味しいご飯を食べる。あえて違う所を述べるのであれば、デザートが珍しく果物ではなくケーキだったと言う事だけだ。
「名無しさん、ちゃんと準備は出来たかよい」
「ばっちし。いつでも行けるよー」
「相変わらず上陸の1日目は和服のままなんだなァ」
「一番戦いやすいし何があるか分からんからな。でも休みの時は多少私服着るようなったやん」
「まあなァ。サッチがお前がスカート履くようになったって泣いて喜んでたよい」
「まあ、スースーするからロングだけやけどな(笑)てかサッチよ...島のお姉さんでいっぱい見とうやろうに」
「それとこれとは話が違うんだとよ」
この数年の間に、沢山の島を巡って少しずつこの世界の文化に慣れてきたうちは自分でも着られる、露出は少ないが女性ものの綺麗めな服装も着るようになっていた。ちゃんと探せばあるのだなと見つけた時はこちらが驚いたぐらいだ。
勿論普段はシャッキーさんから貰った和服オンリーで、どこから情報を仕入れたのか1年程経ったぐらいから定期的に似たデザインの和服がモビーディックに送られてくるものだから、その度に電伝虫を使ってお礼を含めた近況報告などをしていた。
「この島も一応安全な島らしいが、いつも通り油断はすんなよい」
マルコの声に返事をして散り散りに島へと去っていく面々。買い物や遊び探検など色々と楽しめるものがあるのだろうと皆の背中を見送りながら思う。
去り際にマルコに行き先を聞かれたので、今日は街の方角ではなくこの島の端にある洞窟付近のお店に行くと告げる。貴重な石を使った綺麗なアクセサリー屋さんがあるとナース長に聞いていたので、明日降りて来る他の皆の為の安全調査だ。
護衛がいるかと聞かれたのでやんわりと断って教えてもらった地図通りに道を進んで行く。どうやら見習いくんとの恋愛成就の為のお守りが売っているお店でもあるようなのだ。
(可愛いなあ、女の子は)
生まれてこの方現実世界で恋愛という恋愛をした経験が無かった為、誰かが好きで付き合いたいとか結婚したいというナース達の話を聞くのは自分には新鮮でとても可愛いかった。
上手く行くといいなと思いながら、暫く歩いていると思いの外すぐにお目当てのお店らしきものが見えてきて恐らくここかなと当たりをつけるが、まずはその前に周辺調査だと周囲の安全、立地の確認をしていく。
「う、わ.......凄い」
その間に見つけた、洞窟と岸辺の手前が所謂崖でそこから先に広がった景色に感嘆の声が漏れた。
果てしなく続く海の底にある珊瑚礁の違いからなのか三層の色合いに分かれていてそれはそれは美しい。手前に目に入った洞窟なんて透き通った淡いブルーで、ここからみても海底が透けて見える。
少し近くで見てみようかなと少しワクワクしながら足を進めれば崖上からは見えなかった位置に船のような影が見えてきて、緩み切っていた神経をゆっくりと静かに研ぎ澄ました。
(.....7人か。とりあえず様子だけ見てみなやな)
先程までは安全そのものといっても過言ではなかったこの周囲に、偶然にも見つけられた海賊船。見落とさなくて良かったなと思いつつ久しぶりに能力を使いながら近づいて行ってみると歩いてきた人物が誰かを捉えた瞬間に、心臓がドクンと音を立てる。
....まるで夢でも見ているのだろうかと錯覚する程、待ち焦がれた姿がそこにはあったのだ。
(っ......、エース...)
驚き過ぎて、声が、出ない。世界が止まってしまったかのように感じて上手く息が、出来ない。待ち焦がれ過ぎたその姿は記憶にあるよりは少し幼くて、覚えのある姿よりはかなり成長を遂げていた。
恐らく仲間なのだろう人達と笑いながら横を通り過ぎて行く気配を間近に感じながら、情けなくもその場を一歩も動けずに立ち尽くす。
「おい、エース?どうかしたか?」
「....ん?あァいや、何でもねェ」
何か感じるものがあったのか後ろを振り返り誰もいない景色を眺めて首を傾げるエース。どうやら気のせいだったかと踵を返して街への道を進んで行く姿をどこまでも、どこまでも見つめた名無しさんの瞳には静かに涙が溢れていた。
その日もいつもと変わらない一日だった。
朝に弱いうちを当番変わりにナースが声を掛けに来てくれ、食堂で居合わせた隊長達と一緒にサッチの美味しいご飯を食べる。あえて違う所を述べるのであれば、デザートが珍しく果物ではなくケーキだったと言う事だけだ。
「名無しさん、ちゃんと準備は出来たかよい」
「ばっちし。いつでも行けるよー」
「相変わらず上陸の1日目は和服のままなんだなァ」
「一番戦いやすいし何があるか分からんからな。でも休みの時は多少私服着るようなったやん」
「まあなァ。サッチがお前がスカート履くようになったって泣いて喜んでたよい」
「まあ、スースーするからロングだけやけどな(笑)てかサッチよ...島のお姉さんでいっぱい見とうやろうに」
「それとこれとは話が違うんだとよ」
この数年の間に、沢山の島を巡って少しずつこの世界の文化に慣れてきたうちは自分でも着られる、露出は少ないが女性ものの綺麗めな服装も着るようになっていた。ちゃんと探せばあるのだなと見つけた時はこちらが驚いたぐらいだ。
勿論普段はシャッキーさんから貰った和服オンリーで、どこから情報を仕入れたのか1年程経ったぐらいから定期的に似たデザインの和服がモビーディックに送られてくるものだから、その度に電伝虫を使ってお礼を含めた近況報告などをしていた。
「この島も一応安全な島らしいが、いつも通り油断はすんなよい」
マルコの声に返事をして散り散りに島へと去っていく面々。買い物や遊び探検など色々と楽しめるものがあるのだろうと皆の背中を見送りながら思う。
去り際にマルコに行き先を聞かれたので、今日は街の方角ではなくこの島の端にある洞窟付近のお店に行くと告げる。貴重な石を使った綺麗なアクセサリー屋さんがあるとナース長に聞いていたので、明日降りて来る他の皆の為の安全調査だ。
護衛がいるかと聞かれたのでやんわりと断って教えてもらった地図通りに道を進んで行く。どうやら見習いくんとの恋愛成就の為のお守りが売っているお店でもあるようなのだ。
(可愛いなあ、女の子は)
生まれてこの方現実世界で恋愛という恋愛をした経験が無かった為、誰かが好きで付き合いたいとか結婚したいというナース達の話を聞くのは自分には新鮮でとても可愛いかった。
上手く行くといいなと思いながら、暫く歩いていると思いの外すぐにお目当てのお店らしきものが見えてきて恐らくここかなと当たりをつけるが、まずはその前に周辺調査だと周囲の安全、立地の確認をしていく。
「う、わ.......凄い」
その間に見つけた、洞窟と岸辺の手前が所謂崖でそこから先に広がった景色に感嘆の声が漏れた。
果てしなく続く海の底にある珊瑚礁の違いからなのか三層の色合いに分かれていてそれはそれは美しい。手前に目に入った洞窟なんて透き通った淡いブルーで、ここからみても海底が透けて見える。
少し近くで見てみようかなと少しワクワクしながら足を進めれば崖上からは見えなかった位置に船のような影が見えてきて、緩み切っていた神経をゆっくりと静かに研ぎ澄ました。
(.....7人か。とりあえず様子だけ見てみなやな)
先程までは安全そのものといっても過言ではなかったこの周囲に、偶然にも見つけられた海賊船。見落とさなくて良かったなと思いつつ久しぶりに能力を使いながら近づいて行ってみると歩いてきた人物が誰かを捉えた瞬間に、心臓がドクンと音を立てる。
....まるで夢でも見ているのだろうかと錯覚する程、待ち焦がれた姿がそこにはあったのだ。
(っ......、エース...)
驚き過ぎて、声が、出ない。世界が止まってしまったかのように感じて上手く息が、出来ない。待ち焦がれ過ぎたその姿は記憶にあるよりは少し幼くて、覚えのある姿よりはかなり成長を遂げていた。
恐らく仲間なのだろう人達と笑いながら横を通り過ぎて行く気配を間近に感じながら、情けなくもその場を一歩も動けずに立ち尽くす。
「おい、エース?どうかしたか?」
「....ん?あァいや、何でもねェ」
何か感じるものがあったのか後ろを振り返り誰もいない景色を眺めて首を傾げるエース。どうやら気のせいだったかと踵を返して街への道を進んで行く姿をどこまでも、どこまでも見つめた名無しさんの瞳には静かに涙が溢れていた。