エンドライフ②
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《37.未来への約束 》
「お前は余計な心配をするな」
「〜った。何するんよいきなし」
いきなりの衝撃におでこを抑えればイタズラ顔をしたサボの顔があって、デコピンされたのだと言う事に気がつく。
「記憶はねェはずなのに、お前を見てると何だか心配になるんだよ」
「その割には攻撃されたようにしか思えんけどな」
「ハハっそれはご愛嬌だろ?」
「よく言うわ」
記憶喪失になっているというのに、サボとの距離は以前と何ら変わりがない事に嬉しくなった。記憶を失ってもサボはサボだなと感じていると、そうだったととある事を思い出し持っていたメモ用紙に書き記していく。
「サボ、これ」
「ん?...ポートガス・D・エース?....モンキー・D・ルフィ...?何だよ、これ」
「サボにとって大事な人たちの名前。急いで思い出して欲しいとは言わん。やけど何か思い出すきっかけになるとは思うから、これからこの2人の名前を気にかけといてくれへんやろか」
お願い、と小さく頭を下げて頼み込む。
するとすぐに分かったという言葉が返ってきて良かったと体から力が抜けていくと、予想もしなかった言葉が飛んできた。
「ここに、名無しさんの名前も書いておいてくれよ」
「...へ?うちの?」
「あぁ。お前だって俺の大事な人だったんだろ?」
「やー、大事かどうかは...」
「見てれば分かるよ。理由は分からねェが、俺はまた名無しさんに会いてェって思うしほっとけねェ」
そう言って紙を返されたので、少し迷ってから四隅に小さく自分の名前も書き記した。
「....綺麗な字だな、ありがとう名無しさん。大事に貰っておく」
「何か...何や、天然誑し度が上がっとって心臓に悪なったな、サボ」
「そうか?(笑)名無しさんにだけだよ」
「ほらっ!そういうっ〜〜、良くないと思ううちは!」
「ハハっ名無しさんは面白ェなあ」
「コアラっ」
「あ、うん言いたい事は分かるけどサボくんはこんなだから諦めて」
気恥ずかしくて思わず顔に熱が集まるのを感じれば、気に止める事もなく笑われて、助けを求めたコアラには諦めるように諭された。...この先が色んな意味で恐ろしいなとニコニコしてくるサボを見て思う。
それからしっかりデザートまで堪能して日が暮れる前に別れる事になったので、近くまで送ると言ってくれた言葉に甘えて港付近までやってきていた。
「ほな、お見送りありがとうサボ、コアラ。暫く会えんやろうけど、会えた時はまた一緒にご飯食べよな!」
「...ぅっ、名無しさんさん!絶対、絶対にだからね...?無茶だけはしないで、ちゃんとご飯食べて過ごすんだよ??」
「はははっお母さんか(笑)でも、ありがとうな」
「名無しさんさん〜〜〜!」
抱きついてきたコアラを受け止めて、コアラも無茶せず元気でなと伝えると嬉しそうに笑ってくれた。可愛いなあ。暫くすればコアラも落ち着いて、体を離してくれたのでサボにも元気でなと声を掛けてから歩き出せば、ぐいっと手首が逆方向に引き留められる。
「うえっ、サボ?どうしたん」
「............、俺も、いいか」
何が...と一瞬思ったものの、何処か泣きそうになっている顔にそういう事かと理解が追いついてゆっくりと両手を広げた。
「...ほら、おいで」
「...........っ名無しさん、」
抱きつくというよりは一方的に抱き締められるに近い形となったそれは、昔とは全然違って痛いぐらいにぎゅうっと締め付けられる。こんなに大きくなったんやなと目の前にある肩口と自分より遥かに超えた身長を感じて思った。
それからどのくらいの時間が経ったのだろうか、数秒で終わると思った抱擁は予想に反して終わりを見せない。
「....あの、サボ?そろそろ離して貰えると」
「いやだ」
「は?いやいやいや、ほら人目もあるし永遠の別れでもあるまいし」
「いやだ」
その後見かねたコアラがサボの身体を引っ張るも、想像より遥かに強い抱擁はびくともしていなくてコアラのうめき声だけが聞こえてくる。
どうしたものかと思ったがサボの声がどこか悲しそうに感じていたのが気になり何とかもがいて腕だけ出すと、そっと背中に手を回し静かに静かに音を立てた。
ートン トン
「...........」
ートン トン
「.............、名無しさん」
「ん?どうした」
「絶対に、必ず全部思い出すからっ....だから」
絞り出すように、そっと耳元で聞こえたそれはサボの心情を表しているかのようで不安やったんやろうなと改めて感じる。
「...分かった、待っとくな。やからサボは安心して思い出し」
「......っ、あぁ。ありがとうっ..,」
恐らくこれを伝えたかったんやろなと心のどこかで思いながら、静かにサボを宥めていく。すると何かに区切りがついたのかやっと体を解放してくれたサボはやっぱりどこか泣きそうで、こんなに大きくなったのに年相応なのだなと思ったら自然と笑みが込み上げてきた。
「...........笑うなよ」
「ふふっ笑ってへんよ」
「笑ってるじゃねェーか....くそっ」
恐らく見せるつもりは無かったのだろう本心に、不貞腐れたように視線を逸らすサボ。コアラも心配そうに見ていたので大丈夫やと思いを込めて笑えば、同じように返してくれた。
「ほな、今度こそちゃんとお別れやな」
「分かってるよ、もう何もしねェ」
「どうだか、サボくんだしね」
「何もしねェって!........多分」
「いや、そこは自信持ちよ」
そう言って笑い今度こそ笑顔で別れを告げた。最後の最後まで名残惜しかったのはあるけれど、同じ海の上またいつか会えるだろうなと心に思い何度振り返ってもそこにいる2人に向かって手を振った。
いよいよ船が近くなってきたなと少し足早に向かっていれば、何故だかいつものメンバーが勢揃いしていて不思議だったがやっぱり出迎えは嬉しくて勢いのままに飛び込んだ。
「お前は余計な心配をするな」
「〜った。何するんよいきなし」
いきなりの衝撃におでこを抑えればイタズラ顔をしたサボの顔があって、デコピンされたのだと言う事に気がつく。
「記憶はねェはずなのに、お前を見てると何だか心配になるんだよ」
「その割には攻撃されたようにしか思えんけどな」
「ハハっそれはご愛嬌だろ?」
「よく言うわ」
記憶喪失になっているというのに、サボとの距離は以前と何ら変わりがない事に嬉しくなった。記憶を失ってもサボはサボだなと感じていると、そうだったととある事を思い出し持っていたメモ用紙に書き記していく。
「サボ、これ」
「ん?...ポートガス・D・エース?....モンキー・D・ルフィ...?何だよ、これ」
「サボにとって大事な人たちの名前。急いで思い出して欲しいとは言わん。やけど何か思い出すきっかけになるとは思うから、これからこの2人の名前を気にかけといてくれへんやろか」
お願い、と小さく頭を下げて頼み込む。
するとすぐに分かったという言葉が返ってきて良かったと体から力が抜けていくと、予想もしなかった言葉が飛んできた。
「ここに、名無しさんの名前も書いておいてくれよ」
「...へ?うちの?」
「あぁ。お前だって俺の大事な人だったんだろ?」
「やー、大事かどうかは...」
「見てれば分かるよ。理由は分からねェが、俺はまた名無しさんに会いてェって思うしほっとけねェ」
そう言って紙を返されたので、少し迷ってから四隅に小さく自分の名前も書き記した。
「....綺麗な字だな、ありがとう名無しさん。大事に貰っておく」
「何か...何や、天然誑し度が上がっとって心臓に悪なったな、サボ」
「そうか?(笑)名無しさんにだけだよ」
「ほらっ!そういうっ〜〜、良くないと思ううちは!」
「ハハっ名無しさんは面白ェなあ」
「コアラっ」
「あ、うん言いたい事は分かるけどサボくんはこんなだから諦めて」
気恥ずかしくて思わず顔に熱が集まるのを感じれば、気に止める事もなく笑われて、助けを求めたコアラには諦めるように諭された。...この先が色んな意味で恐ろしいなとニコニコしてくるサボを見て思う。
それからしっかりデザートまで堪能して日が暮れる前に別れる事になったので、近くまで送ると言ってくれた言葉に甘えて港付近までやってきていた。
「ほな、お見送りありがとうサボ、コアラ。暫く会えんやろうけど、会えた時はまた一緒にご飯食べよな!」
「...ぅっ、名無しさんさん!絶対、絶対にだからね...?無茶だけはしないで、ちゃんとご飯食べて過ごすんだよ??」
「はははっお母さんか(笑)でも、ありがとうな」
「名無しさんさん〜〜〜!」
抱きついてきたコアラを受け止めて、コアラも無茶せず元気でなと伝えると嬉しそうに笑ってくれた。可愛いなあ。暫くすればコアラも落ち着いて、体を離してくれたのでサボにも元気でなと声を掛けてから歩き出せば、ぐいっと手首が逆方向に引き留められる。
「うえっ、サボ?どうしたん」
「............、俺も、いいか」
何が...と一瞬思ったものの、何処か泣きそうになっている顔にそういう事かと理解が追いついてゆっくりと両手を広げた。
「...ほら、おいで」
「...........っ名無しさん、」
抱きつくというよりは一方的に抱き締められるに近い形となったそれは、昔とは全然違って痛いぐらいにぎゅうっと締め付けられる。こんなに大きくなったんやなと目の前にある肩口と自分より遥かに超えた身長を感じて思った。
それからどのくらいの時間が経ったのだろうか、数秒で終わると思った抱擁は予想に反して終わりを見せない。
「....あの、サボ?そろそろ離して貰えると」
「いやだ」
「は?いやいやいや、ほら人目もあるし永遠の別れでもあるまいし」
「いやだ」
その後見かねたコアラがサボの身体を引っ張るも、想像より遥かに強い抱擁はびくともしていなくてコアラのうめき声だけが聞こえてくる。
どうしたものかと思ったがサボの声がどこか悲しそうに感じていたのが気になり何とかもがいて腕だけ出すと、そっと背中に手を回し静かに静かに音を立てた。
ートン トン
「...........」
ートン トン
「.............、名無しさん」
「ん?どうした」
「絶対に、必ず全部思い出すからっ....だから」
絞り出すように、そっと耳元で聞こえたそれはサボの心情を表しているかのようで不安やったんやろうなと改めて感じる。
「...分かった、待っとくな。やからサボは安心して思い出し」
「......っ、あぁ。ありがとうっ..,」
恐らくこれを伝えたかったんやろなと心のどこかで思いながら、静かにサボを宥めていく。すると何かに区切りがついたのかやっと体を解放してくれたサボはやっぱりどこか泣きそうで、こんなに大きくなったのに年相応なのだなと思ったら自然と笑みが込み上げてきた。
「...........笑うなよ」
「ふふっ笑ってへんよ」
「笑ってるじゃねェーか....くそっ」
恐らく見せるつもりは無かったのだろう本心に、不貞腐れたように視線を逸らすサボ。コアラも心配そうに見ていたので大丈夫やと思いを込めて笑えば、同じように返してくれた。
「ほな、今度こそちゃんとお別れやな」
「分かってるよ、もう何もしねェ」
「どうだか、サボくんだしね」
「何もしねェって!........多分」
「いや、そこは自信持ちよ」
そう言って笑い今度こそ笑顔で別れを告げた。最後の最後まで名残惜しかったのはあるけれど、同じ海の上またいつか会えるだろうなと心に思い何度振り返ってもそこにいる2人に向かって手を振った。
いよいよ船が近くなってきたなと少し足早に向かっていれば、何故だかいつものメンバーが勢揃いしていて不思議だったがやっぱり出迎えは嬉しくて勢いのままに飛び込んだ。