一週間目

今日のひととせ:【休息】放棄された民家で就寝。だが、朝もやの中聞こえる遠くからの湿った足音・・・ゾンビたちが近付いている。また別の寝床を探さねば。HP:+5 食糧:-2
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【2日目】
 街の中を歩き続けて暫く、閑散とした住宅街に辿り着いた。都市部に比べてこの辺りは今ゾンビの数が少ないようだ。僕は開け放たれた民家の扉をくぐりながらいくつかの屋内を探索してみた。
 中には食べかけの夕食がテーブルの上に放置されている家、慌てて荷造りして逃げた形跡のある家、凄惨な血痕だけがリビングに残されている家など……いずれにしても何らかの理由があって家を去った事が明らかな場所ばかりだった。

 元々ここに住んでいた人達は今どこで何をしているのだろう。ほんの数週間前まで皆同じように日常を過ごしていたはずなのに、どうしてこんな事になってしまったのだろうか。民家に残された生活の痕跡を見るたびに考えても仕方のないことばかりが頭に浮かぶ。
 かくいう僕の両親や友人達もゾンビパンデミックが始まってから全く連絡が取れていない。早いうちにどこかへ逃げてくれていたらいいが、今の街の状況を見るにほとんど希望は持てないだろう……。
 しかしそれは僕自身にも当てはまる話だ。この状況を上手く打開できない限り、僕もいずれゾンビのエサかゾンビそのものになってしまう未来は避けられない。今は過去よりも現在と未来を見据えて動かなければ。少しでも役に立つ物資を見つけ、少しでも安全な寝床を確保するのが先決だ。

 そうして歩き回っているうちになんとか一晩過ごせそうな部屋を発見した。窓には板が打ち付けられており、建物の出入口には家具を立てかけた簡易バリケードが設けてある。残念な事にバリケードの一箇所が破られた形跡があるが……僕は建物の中に入るといくつかの家具を動かしてバリケードの応急処置を施した。これであと一晩くらいはもつだろう。
 僕は荷物を下ろすとベッドの上に腰かけて深く息を吐いた。それなりにバイトもして体力もある方だと思っていたが、ゾンビの襲撃に注意しながら一日中あてもなく歩き回るというのは想像以上に体力と気力を消耗するようだ。今日はここでゆっくり休めるだけでも十分な収穫と言えるだろう。

 僕は食料品を開けて軽く腹を満たしてからベッドに横になった。他人のベッドに横になるなんて以前では考えられなかったが、コンクリや板張りの上に直に寝る事の増えた今となってはこれでも贅沢なものだ。
 明日からはどこを調べに行こう……できればゾンビと戦えるような武器があったら嬉しいが、そう都合の良い展開にもならないだろう。またゾンビと戦う事になるならば今のうちにしっかり身体を休めておかなければ……

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 翌朝、僕は不快な呻き声の気配で目を覚ました。どうやらゾンビの群れが住宅街の方へ移動してきているようだ。簡易バリケードはあくまで徘徊するゾンビの侵入を防ぐ程度のものなので、群れに攻撃されたらあっという間に破壊されてしまうだろう。
 僕は身支度を整えるとゾンビがやってくる前に素早くその場を移動した。

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【ステータスログ】
▼民家で休憩した HP+5/食糧-2

【HP100/100│食糧98/100】
アイテム①治療薬(消耗品:ゾンビ化を治せる)
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