一週間目
今日のひととせ:【戦闘】路地裏でゾンビに遭遇! 5のダメージ! 戦闘後、襲われていた女性からお礼に治療薬(ゾンビ化しつつある者を元に戻す。使い捨て)か食糧7のどちらかを貰える。
https://shindanmaker.com/235938
――――――――――
【1日目】
――時は20XX年、突如として現れたゾンビ達によって街はすっかり荒廃していた。切っ掛けが何だったのかなどもはや知る者はおらず、数少ない生存者達ですら物資の奪い合いで争いを始める始末、もはや人類の敵となるものに人間と化け物の区別などなくなっていた。
そんな世界でただ一人、どうにかゾンビパンデミックから逃げ続けていた自分だったが、その生活にもそろそろ限界が出始めていた。初めのうちはゾンビのいない場所や少ない場所を渡り歩いていたものの、感染は留まる事を知らずついに街中を埋めつくしてしまったのだ。
今の隠れ家もいずれゾンビ達に見つかるだろうし、外に出なければ食糧も尽きてしまう。このまま破滅を待つくらいならもういっそ、戦うしかない――!
僕はいよいよ腹を括るとありったけの食糧を鞄に詰め込んで隠れ家の外に飛び出した。
・ ・ ・
「誰か、助けて!」
隠れ家を出て少し進んだ先、薄暗い路地の中から女性の悲鳴が聞こえてきた。慌てて駆けつけると案の定ゾンビに襲われている。ゾンビの濁った両目が女性からこちらに視線を移したのを感じた。
情けない事に今の僕は丸腰だ、ずっとゾンビから逃げ続けていたせいで武器らしい武器など持っていない。仕方なく路地に落ちているゴミなどを手当り次第に投げながら殴る蹴るの応戦をしていると、ゾンビは腐りかけた肉体をべしゃりと地面に放り出した。
「勝てた……のか?」
「助けて下さってありがとうございます!! なんとお礼を言ったらいいか……!」
「あ、いえ。気にしないで下さい、多分お互い運が良かったんですよ」
僕はそのまま立ち上がろうとする女性に手を貸した。幸いにもお互いかすり傷程度で済んだようだ。感染の心配がないとは言えないが、まだしばらくゾンビから逃げ回れるだけの余裕はあるだろう。
女性はその後も何度もお礼を言いながら頭を下げていて、ぜひともお礼をさせて欲しいと申し出てきた。
「お礼と言っても、食糧の蓄えはまだ十分あるし……」
「でしたらこちらはいかがでしょう? “治療薬”と書いてあるようなんですが」
女性が取り出したのはあまり馴染みのない容器に入った薬品だった。ラベルにはよく分からない専門用語が羅列されているが、辛うじて“ゾンビ”、“治療薬”といった単語が読み取れる。
まさかと思うが、ゾンビ化を治療できる薬なのだろうか。仮にそうだったとしても完全にゾンビ化してしまったものを元に戻すことはできないだろうが……
「本物かどうかは分かりませんが、今の私に渡せるものはもうこれくらいしかないので……」
「わかった、ありがとう。受け取っておくよ」
このままお礼を受け取らなければ女性の方にも未練が残ってしまいそうな様子だったので、僕は素直に申し出を受けて『治療薬』を受け取った。
・ ・ ・
その後しばらく女性と共に道を歩いていたが、彼女は「行かなければならない場所があるので」と言って僕とは反対の方向へと進んで行った。
ゾンビひしめく街でわざわざ外を出歩く理由は人それぞれだ。僕はあえて追求せずに去りゆく女性の背中を見送った。
きっともう二度と出会う事はないだろう。それはこれから先の旅路全てに言える事だ。僕は改めて気を引き締めると、少し重くなった鞄を背負い直した。
――――――――――
【ステータスログ】
▼ゾンビとの戦闘!HP-5
▼治療薬を獲得した
【HP95/100│食糧100/100】
アイテム①治療薬(消耗品:ゾンビ化を治せる)
――――――――――
https://shindanmaker.com/235938
――――――――――
【1日目】
――時は20XX年、突如として現れたゾンビ達によって街はすっかり荒廃していた。切っ掛けが何だったのかなどもはや知る者はおらず、数少ない生存者達ですら物資の奪い合いで争いを始める始末、もはや人類の敵となるものに人間と化け物の区別などなくなっていた。
そんな世界でただ一人、どうにかゾンビパンデミックから逃げ続けていた自分だったが、その生活にもそろそろ限界が出始めていた。初めのうちはゾンビのいない場所や少ない場所を渡り歩いていたものの、感染は留まる事を知らずついに街中を埋めつくしてしまったのだ。
今の隠れ家もいずれゾンビ達に見つかるだろうし、外に出なければ食糧も尽きてしまう。このまま破滅を待つくらいならもういっそ、戦うしかない――!
僕はいよいよ腹を括るとありったけの食糧を鞄に詰め込んで隠れ家の外に飛び出した。
・ ・ ・
「誰か、助けて!」
隠れ家を出て少し進んだ先、薄暗い路地の中から女性の悲鳴が聞こえてきた。慌てて駆けつけると案の定ゾンビに襲われている。ゾンビの濁った両目が女性からこちらに視線を移したのを感じた。
情けない事に今の僕は丸腰だ、ずっとゾンビから逃げ続けていたせいで武器らしい武器など持っていない。仕方なく路地に落ちているゴミなどを手当り次第に投げながら殴る蹴るの応戦をしていると、ゾンビは腐りかけた肉体をべしゃりと地面に放り出した。
「勝てた……のか?」
「助けて下さってありがとうございます!! なんとお礼を言ったらいいか……!」
「あ、いえ。気にしないで下さい、多分お互い運が良かったんですよ」
僕はそのまま立ち上がろうとする女性に手を貸した。幸いにもお互いかすり傷程度で済んだようだ。感染の心配がないとは言えないが、まだしばらくゾンビから逃げ回れるだけの余裕はあるだろう。
女性はその後も何度もお礼を言いながら頭を下げていて、ぜひともお礼をさせて欲しいと申し出てきた。
「お礼と言っても、食糧の蓄えはまだ十分あるし……」
「でしたらこちらはいかがでしょう? “治療薬”と書いてあるようなんですが」
女性が取り出したのはあまり馴染みのない容器に入った薬品だった。ラベルにはよく分からない専門用語が羅列されているが、辛うじて“ゾンビ”、“治療薬”といった単語が読み取れる。
まさかと思うが、ゾンビ化を治療できる薬なのだろうか。仮にそうだったとしても完全にゾンビ化してしまったものを元に戻すことはできないだろうが……
「本物かどうかは分かりませんが、今の私に渡せるものはもうこれくらいしかないので……」
「わかった、ありがとう。受け取っておくよ」
このままお礼を受け取らなければ女性の方にも未練が残ってしまいそうな様子だったので、僕は素直に申し出を受けて『治療薬』を受け取った。
・ ・ ・
その後しばらく女性と共に道を歩いていたが、彼女は「行かなければならない場所があるので」と言って僕とは反対の方向へと進んで行った。
ゾンビひしめく街でわざわざ外を出歩く理由は人それぞれだ。僕はあえて追求せずに去りゆく女性の背中を見送った。
きっともう二度と出会う事はないだろう。それはこれから先の旅路全てに言える事だ。僕は改めて気を引き締めると、少し重くなった鞄を背負い直した。
――――――――――
【ステータスログ】
▼ゾンビとの戦闘!HP-5
▼治療薬を獲得した
【HP95/100│食糧100/100】
アイテム①治療薬(消耗品:ゾンビ化を治せる)
――――――――――