◆1日目

 
■旅のはじまり
「おはようございます」
誰ともわからない声で目を覚ましたのはいつのことだったろうか。
あなたは今日もまた、旅を続けている。

①旅先を決める:2d6>5[4,1]
【5 :防衛城塞 ペンタゴラム】
最後の城塞と呼ばれたこの場所は、軍事技術の結晶が詰め込まれていた。
高い壁の奥底には戦闘訓練を受けた人々だけが過ごしていると言われていたが、眠っている彼らを恐れる者はいない。
神話の時代からあると言われる巨大なレイピアが城塞の中央で旅人を出迎える。

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 気が付けば、己の足は懐かしい方へと吸い寄せられるように進んでいた。冷えきった沈黙の中に静かな呼吸の音だけが響き渡る。己が故郷を蘇らせんと死に物狂いで旅に出てようやく念願の“篝火”を手に入れたと言うのに、嗚呼なんと虚しい事か。これっぽっちの明かりではこの広い要塞を照らし切る事など到底不可能だと心底思い知らされる。
 それでもせめて“旅人”の役割だけは果たしていこう。多くはなくとも誰か一人くらいは目覚めさせられるはずだ。私が今こうして歩けているように。
 
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