頂きの聲
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小学四年生の時、テストの採点がほんとうに怖かった。
隣の席の男子にテスト用紙を採点してもらうという、(自分も隣の席の子のテストを採点する)という行為は、比べられるという事がはっきり分かってしまうというもので、これからの生活に支障が出てしまいそうで怖かったのだ。テストの点数付けは“先生がやる”と思いこんでいたから。
自分の分からなかったところがその子のテストで採点されないままでいたら、なにか抗議をされそうで。
もともと勉強に対して引け目をとっていた三瓶は、
それがきっかけでその先を目指せなくなってしまった。
点数を稼ぐことが、純粋に怖くなってしまったのだ。
『自分って、変かなあ』
そんな悩み、誰が聞いてくれようか―――。そう、打ちひしがれたという言葉がぴったりであろう。
目先の勉強が怖くて一人涙したその日から、三瓶の中の何かが壊れ始めた。