とっとこ学び舎大驀進

何とか凌げたけど……どうしよう。あたし、狐面の男達に監禁されるの?監禁されて何か成人向けの意味でそーゆー目に遭うの?絶対にヤダなんだけど!!?

「…………1つだけ、貴様に興味が沸いた」

「…………何?」

「………………貴様、」


大事な人に先立たれたんじゃないのか?

「ッ……」

『えっ?』

「俺はただの一教師だ。貴様に何があったかは詳しくは分からぬ……だがモフモフの神様はこう告げている。君の目の前の相手は、大事な人と悲しい別れをしたのだと」

「又の名を幻聴と呼ぶ」

「空気読め馬鹿ユタ!!」

「…………だったら、何?アンタには関係無いでしょ」

「関係無いことはない!悲しい過去があったからって、無闇に人を傷付ける理由にはならない。そんなことしても、詠導さんは喜ばない!俺には分かる!!」

「…………」

「今からでも遅くない。だから詠導さんに―」

「与太話は終わった?アタシはね、嫌いなタイプが2種類あるの。1つはプライドだけが高い奴、もう1つはね」


アンタみたいな知ったかぶりする馬鹿よ


「…………交渉決裂か。ならば恨みっこ無しじゃ!モフモフの力を見せてやる!!いぃぃやーーー!!」

『切り替え早過ぎて引くわ』

「ミツナリ君……」

「夢と希望とモフモフで描く、無限の未来へ驀進じゃーーー!!!はむすけの学友 デカクレヨンのはむやんにライドーーー!!!」
手札:3枚 ソウル:4枚
山札:26枚 ドロップ:10枚(トリガー3枚)

あたしのPSYクオリアのイメージに浮かんだのは……カードイラストからは想像できない程にクソデカハムスター。ゴ◯ラやガ◯ラサイズのクソデカハムスターがルキエ達の前に……対するルキエ達は無の顔でそれを見ている。無の境地ってホントにあるんだな……。

「イマジナリーギフト・アクセルⅡ!1枚ドロー!はむやんのスキル発動!CB2と手札を1枚捨て、山札から「はむすけ」を含む其々別名のカードを前列のRに好きなだけコールできる!来たれェ、モフモフの同志よ!」

大神田先生がコールしたのは、はむみ、はむな、鉛筆騎士、はむゆきの4枚……心なしか呼ばれたユニット達も一回りデカい気がするんだが?

「何でハムスターがそんなデカブツになってんのよ!!」

「夢と心はゴ◯ラ並みにデカいんじゃぁぁ!!!」

「ミツナリ君が単なるアホなだけでしょうか!!」

この後、大神田先生がはむやんからの鉛筆英雄へのスペライからの従士と騎士のスペコで勝負が決まるかと思いきや、突然の停電。2〜3分後に復旧したが、レルヒェの姿は無かった。レルヒェのいたファイトテーブルには「このファイトの続きは預けるわ。その時の対戦相手はアンタよ、詠導ミク」と書かれた銀の茨が施されたメッセージカードがあった。ええ、マジかよ。逃げるが勝ちってか。

「いったい何だったんだアイツ……」

「俺とはむすけ達の力に恐れ慄き尻尾巻いて逃げよったわ!がはははは!!!」

「調子に乗るんじゃないの!!」

「あ痛い!ぶったね!桜◯大隊長にもぶたれことないのに!!」

「桜◯大隊長って誰よ!いい加減にしなさい!!」

「ほ、ほむ!ほむほむーー!」
訳:コバちゃん落ち着いて!暴力ダメ!絶対! ヾ(・ω・`;))ノぁゎゎヾ((;´・ω・)ノぁゎゎ

「いいぞもっとやれ、鳩尾狙え鳩尾」

「ほむむ!?」
訳:ヨスガちゃん!? アタヽ(д`ヽ彡ノ´д)ノフタ

体育館がカオスになっていく……それを見ていた神谷先輩は「詠導達は先に帰れ」と帰宅を促す。あたしはお言葉に甘えて「また明日!」と元気よく帰宅した。




翌日。母ちゃんから「また来たわよ……」とため息交じりに見せられたのは高級そうな香水とリップ。要らねぇって言ってんのに、ヘルヘイムという狐面のバカヤロー共は毎日毎日飽きもせず性懲りも無く律儀にプレゼントを郵送している。アチラさんの住所に凸ってやろうか。

「ミク、コレ送り返してくれない?こんなに高級なモノばっかり送られても困るわ。ウチに強盗入ったらどうしてくれるのよ、まったく」

『(心配するとこ絶対違うぞおふくろ。)何時もみたいに売ればいいじゃん』

「リユースショップやフリマアプリを使うのだって限界があるのよ!それに毎日使っていたら、近所の人や利用者さん達の目もあるの!ミクから何とか言ってやってちょうだい!!」

住所はおろか連絡先も知らぬ存ぜぬなんですが……おふくろ結構テキトー?その時インターホンが鳴った。モニターを見てみると天音さんがいた。

「うぇーい、ミクちゃん見てるー?」

『(ノリが陽キャのソレなのなんで?)天音さん……何の用ですか?』

「ヘルヘイムの馬鹿共に凸ってやろうと思っているから、今日の荷物貰いに来たよん。玄関先に置いておいてちょーだい」

……ヘルヘイムに凸る??アジト知っているの?ならいっそのこと一思いに壊滅させればよくない?

「それが壊滅できないんだわ〜。私なんかそういう呪い掛けられているみたい」

『普通に一大事じゃないですか……宜しくお願いします。後、今後一切贈り物寄越すなとも伝えて下さい』

「任せろー!」

嵐みたいな人だな……。翌朝、家の郵便受けに「もう送りません」と簡潔に書かれた手紙があった。分かったなら宜しい。

……何であたしに執着するんだかなぁ。イミワカンネ。




何の変哲もない日常になる筈だったのに、枸幹のせいでこうなったとしか言えない。月下が何故か檻に入れられている。クリームパンがどうだのこうだの言っているので、あからさまな罠にまんまと引っ掛かったようだ。

「コイツを解放して欲しかったら、メルティクルーシブルへの出場を辞退しなさいよね!そして―」

「ほーむーーー!!」
訳:デストローーイ!! Σ(゚∀´(┗┐ヽ(・∀・ )ノホワチャアァァァアァ

どこからとも無く現れたのは我等が咲神高校の守護神ホムちゃん。そして何かいる全身が白い謎の生き物3匹(見た目が某ハジケたトリオ。)。枸幹アカネとその取り巻き達は見るも無残な有様になる。一暴れして満足したのか、ホムちゃんと愉快な仲間達は走り去って行った。

「ちくしょうが!でもコッチには人質がいるわよ!さっさと―」

「ユタくーーーん!怖かったーーー!!!」

「よしよし、怖かったなー。後でクリームパン位食わせてやるから」

「はぁぁ!!?何で!?」

「あの人が助けてくれたの!!」


月下が指差す方向にいたのは…………ゲッ!!


鳥兜の花飾りの付いた狐面を被ったアイツ。ヘルヘイムの1人。天音さんとドンパチやってた奴。


あたし……真面目に呪われているのかもしれない。

続く
4/4ページ
スキ!