先輩の矜持、狐面の暗躍

ユタ視点

各務原と旭野のカードが捲られる。各務原は、旭野は星を射る弓 アルテミス。むらくもとジェネシスか……まあ、各務原なら大丈夫だろ。

「私の先攻よ!ドロー!満天のアストライアーにライド!星を射る弓のスキルで1枚ドロー!更にアストライアーのスキル、登場時1枚ドローし手札から1枚をソウルに置く。この時登場したのがVならSC2!ターンエンド!」
手札:6枚 ソウル:4枚
山札:39枚

「わ、私のターン……見習い妖怪 ササメユキにライド!キャットデビルのスキルで1枚ドロー、クイックシールドを得る!ササメユキのスキル、V登場時、山札の上から7枚見て、「シラユキ」を含むカードを1枚まで公開し、手札に加える……私が公開するのは夢幻の風花 シラユキ!ササメユキでアタック!」
手札:8枚 ソウル:1枚
パワー:8000
山札:41枚

「ノーガードよ!」

「ドライブチェック、ゲット!クリティカルトリガー!効果は全てVに!」
手札:9枚 ドライブチェック:忍竜 ザンバライダー(☆)
山札:40枚

「くっ、運のいい……!」
ダメージ:2 ダメージチェック:宿運の魔術師 ラモニス、愛顧のスアデラ
山札:37枚

「ターンエンド!」
手札:9枚 山札:40枚

「私のターン。舞踏のプロメテウスにライド!プロメテウスのスキル、山札の上から2枚見て、1枚をソウルに置き、1枚を山札の上に置く。コール!戦巫女 シタテルヒメ、宿運の魔術師 ラモニス、アストライアー!シタテルヒメのスキルでCB1、私が次に支払うSBは2つ減り、他のユニットのパワー+3000!ラモニスにパワー+3000!」
手札:3枚 ソウル:5枚
裏にしたカード:ラモニス
ラモニスのパワー:13000
山札:35枚

前列を埋めてきた……各務原の手札にはシラユキがいる。アイツ、それもちゃんと考慮しているのか?

「アストライアーのブースト、ラモニスでアタック!スキル発動!ブーストされてアタックした時CB1、ソウルのクリティカルかドロートリガーを1枚選び、そのトリガー効果を1回発動する!」
裏にしたカード:スアデラ

『はあっ!?ソウルにあるだけでトリガーが乗るだぁ!?』

「イソギンチャクも大概にしろー!!!」

「んなインゲンなスキル有りかよ!?」

サユと名倉、お前等インチキって言葉もマトモに言えねぇのか。コイツ等天音さんの本気のデッキを知ったら今以上に煩そうだな……。

「運命は私の手の中にあるの。私が選ぶのは挺身の女神 クシナダ、ドロートリガー!パワーはプロメテウス、1枚ドロー!その後、選んだトリガーユニットは山札の下に置く。さあ、このアタックはどうするのかしら!?」
手札:4枚 ソウル:4枚
ラモニスとプロメテウスのパワー:20000
山札:35枚

「隠密魔竜 クマドリドープでガード!このターン中、Vであるササメユキのパワー+10000!」
手札:8枚 シールド:33000
ササメユキのパワー:18000

「アストライアーのスキル、ブーストしたバトル終了時、SB2することでこのユニットを手札に戻すけど、シタテルヒメのスキルによってコストは不要!いきなさい、プロメテウス!」
手札:5枚 パワー:20000

「ザンバライダーでガード!」
手札:7枚 シールド:33000
ドロップ:1枚(トリガー1枚)

「くっ…ドライブチェック。ゲット、ドロートリガー。パワーはシタテルヒメに、1枚ドロー……。」
手札:7枚 ドライブチェック:白帝の魔女 プレゼモ(引トリガー)
山札:33枚

「ふう……」

「ま、まだ終わりじゃないわ!シタテルヒメでアタック!」
パワー:20000

「ノーガード!」
ダメージチェック:忍妖 ジャコツガール
山札:39枚

「ターンエンド。(ぐぅぅ、本来なら3ダメージ与えて、手札ももう少し潤沢な筈だったのに!)」
手札:7枚 山札:33枚

アイツ、自分の思うファイトが出来なくて苦い顔しているな。まあ…思い通りのファイトをさせないのが、各務原のファイトなんだけどな。


NO SIDE

一方その頃、濃藍色のワンレングスボブに菜の花色の瞳が特徴の咲神高校生徒会会長・可惜夜あたらよサヤカは、生徒会長としての業務を漸く終えたことに大きな安堵の溜め息を吐く。この後控えている咲神高校ヴァンガード部との対抗戦を前にこの多忙さである。しかしそれは全校生徒の上に立つ者として当然であり、自分が有能であることの証明。

何処ぞの奇天烈少女ホムちゃん不良教師大神田ミツナリの止まらぬ奇行にはかなりうんざりしているが、それを表面に出さないように中庭のベンチで一休みしている。

「ふう……枸幹君の素行の悪さは相変わらずだし、その取り巻き達は彼女をただ持ち上げる始末。サッカー部は綴木君や各務原君を執拗に付け回している。園芸部からは花壇荒らしを理由に来月の部費の増額、ファッション研究部からは家庭科室のミシンの買い替え、スイーツ同好会は調理器具の増加を所望、最近の旭野君は、生徒会の権力を傘に暴走していると聞く…………はぁ。こんなに沢山、私1人じゃ何にも出来そうにない……だけど皆が私を信頼してくれるんだもの。コレくらいでへこたれてはいけないわね!よし、一旦生徒会室に戻って、要望を紙に纏めましょう。そしたら―」



その必要はありませんことよ?

「っ!誰ッ!?」

サヤカの前に現れたのは、黒と青が基調のクラシカルワンピースを身に纏う、パロットグリーンのメッシュが入った白髪ウルフカットにメッシュと同色の瞳の少女。少女は仰々しくスカートを指先で摘み上げ、御機嫌ようと話しながらこうべを垂れる。

傍から見れば不審者であるが、中庭には2人以外誰も居ない。中庭の様子は校舎側から見えるが、通りすがる誰もがサヤカと少女に気付かない……否、抑「認識していない」ようにもみえる。

「あ、あなた一体……」

「粉骨砕身の意を決したところ申し訳有りませんけど……お疲れ気味の貴方様には、今からお休みをとって戴きますの」

「あ、あなたは一体何なのですか!保護者や学校関係者ではないのに、どうしてココにいるんです!?皆さん、気付いて下さい!ここに不審者が―」




眠りなさい……。深く、そう、もっと深く……


謎の声が聞こえた瞬間、急に目蓋が重くなる。それに比例するように強い眠気が襲い、サヤカは深い眠りに落ちた。
眠ったことを確認した少女は、ベンチからサヤカを横抱きにし何処かへ運んでいく。
その後ろ姿を、月下美人の花飾りが付いた狐面の男は身動ぎ一つせずに静観していた。


「(こんなにも早くあの子の居場所が特定出来たなんて……随分警備が手緩くなったものね。スパーコナのリーダーも、アタシ達に対抗するとか宣っているけど、ルインに頼り切っているんだからお笑い草よ。ルインもルインね。あんな世間知らずな子供に指揮を託すなんて……あの時全てを擲って掴み取った奇跡の代償が今のあの子。邪魔をするなら……アタシはアンタの喉笛を掻っ捌く)」

若さ故のトーコの甘さと、「奇跡の代償」によるルインの変貌に男は思考を巡らせる。その直後、連絡専用の端末に着信が届く。画面に記されたのはヘルヘイムの参謀の名前。彼がこうして連絡してくるのは、作戦の進捗状況の確認か、自分の相方のやらかしに対する苦情である。

「レルヒェ、首尾はどう?」

「コッチは予定通りよシュネー……進捗状況の確認で助かったわ」

「ヴォルフは今ロキとメーディアって子供達にちょっかい出して妨害してくれている。序でに2人のお世話役の……ビビリのユキムラだっけ?その相手はテュールに任せているから」

「ビビリは余計でしょ……まあ、コッチはコッチでやり遂げるわ。心配無用よ」

「分かった。俺もやるべきことはやるから……しくじらないでよね」



所変わり体育館。ルリカのターンが終わり、ツツジのターンとなる。彼女は氷牙姫 ツララヒメにライドし、V登場時スキルで手札から夢幻の風花 シラユキをコール。シラユキの登場時スキルでSB2、ルリカの前列のユニット3枚のパワー−5000となる。
因みにこれはR登場時の数値であり、VかGに登場したなら、その数値は10000となる。

「(今回も宜しくね、シラユキ!)」
手札:6枚 ソウル:0枚
SBしたカード:キャットデビル、ササメユキ
山札:38枚 ドロップ:4枚(トリガー2枚)

「ぐっ……!」
前列ユニットすべてのパワー:5000

「早速来たな!各務原の搦め手戦法!」

「ああ。自分のユニット達のパワーを上げるのが普通のデッキだが……各務原の場合は、相手のパワーを下げることで自分が有利になるように戦う。戦力を削ることで、相手を次第に追い込む」

『成る程!メガコロニーよりは良心的な戦法ですね!!』

「詠導、各務原を褒めてくれるのは嬉しいが、滅茶苦茶良い笑顔で言うことじゃないからなー」

「各務原先輩スゲェッス!かっ◯橋戦法パねぇッ!」

「調理器具買おうとすんな名倉……サユはクリームパン食おうとすんな、デブるぞ」

「ユタ君酷い!!」
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