先輩の矜持、狐面の暗躍

ミク視点

なーんかミステリアスな雰囲気の青藤色のロングヘア(某カップラーメンの妖精みたいな髪型)にモーブの瞳を持った生徒会の誰かがあたし達にドヤ顔で言い放つ。

生徒会直々の依頼?この学校の生徒会って、理事長や校長バリに権力あるのか?

「……何の用だよ、旭野あさの

「あら、クラスメートに対してそんな顔は良くないわよ綴木君」

『クラスメート?』

「旭野ルリカ。咲神高校生徒会の副会長だよ」

「ええそうよ。そして……咲神高校ヴァンガード部の皆様には、此度開催されるメルティクルーシブルに参加していただきます。生徒会直々の依頼として―」

『断る。あたし達は咲神高校ヴァンガード部として出場するつもりなのでそこんトコロの線引きはしますからお帰り下さい。後、偉そうな態度をとる人間は、全人類に嫌われ確定要素なのでお止めになることをオススメします』

「詠導さん!?」

「なっ……あ、あなた一体!」

『あたしお宅みたいに権力振り翳す奴大嫌いですので。生徒会に所属しているからって、支配してやろうとしている下心丸見えですから』

「な、何て言い草なの!私は貴方にとって先輩なのよ!先輩に対して何て態度をとるのかしら!?」

『人として間違っていることを指摘することに先輩後輩は全く関係無いですよ?生徒会にいるのに馬鹿なんですか?』

思いの丈をぶちまけるあたしを指差しながら真っ赤な顔でふじこる旭野先輩。綴木先輩は腹抱えて笑っています。ホントに嫌いなんだなこの人のこと……。

「何なのよあなた!生徒会に対して不敬よ不敬!不敬罪に値するわ!」

『不敬罪は過去の遺物ですが何か?』

「キィィィィ!!!」

「お、おい詠導、あんまり強く言わない方が……」

『対して実力や権力無いのに、自分が偉くなったと勘違ってる奴に払う敬意など要らぬ。漫画とアニメはそう教えてくれた……らしい』

「何で最後疑問形なんだよ」

「あーそうですか。あなた達の意見は、十ニ分に分かりました!こんなに虚仮にされて、すごすごと立ち去るわけにはいかないのよ!いいでしょう!この際だから、力の差と身の程というものを分からせてあげるわ!私達生徒会の3人と咲神高校ヴァンガード部の3人で団体戦を行います!そして私達が勝った場合、メルティクルーシブルには『生徒会直々の依頼で出場した』と公言してもらいます!」

「……なら俺達が勝った場合は、ヴァンガード部の廃部の撤回と、金輪際俺達ヴァンガード部に横槍を入れないと約束してもらう」

「勿論よ!尤も私達が勝つのは確定事項なんだから、そんな約束無駄よ無駄!精々吠え面かかせてあげますから!首を洗って待ってなさい!!」

火を見るより明らかな態度で部室を去っていった旭野先輩。もしかして前世よりもある意味厄介な生徒会か?わぁ……余計なことしちゃったかな?なろう系あるあるやっちまった……。

「………………詠導」

『か、神谷先輩!あの、あたし―』

「よく言った。俺が言いたいことを全部言ってくれたお前にはホントに感謝しかないぞ」

『へっ?』

「いやースカッとしたわ詠導!ホントにお前スッゲーな!旭野っつーか、生徒会の人間に対してド正論ぶちかますなんて中々出来ねぇぞ!!」

『あ、あの……怒ってないん、ですか?』

「まあ、ちょっと失礼じゃないかっては思ったな。でも彼奴等…否、旭野の普段の行いを見れば仕方ねぇって結論に行き着くがな」

「そうそう、アイツ俺が嫌いなタイプなんだよなー。マァジで人間性疑いたくなるレベル」

どんだけ嫌われ行為したんだあのヒト……神谷先輩や綴木先輩曰く「生徒会の権力を振り翳して無茶な要望を通したりしている」らしい。やっぱりあの人には分からせて殺らねばならぬ。漢字は間違っていない。


「よし、そうと決まればデッキの見直しだな!お前等デッキは持っているか!?」

『勿論です!』

「やる気がみなぎってきたよー!!」

「やってやりましょう!正々堂々ってヤツです!!」

「今年は頼もしい後輩ばっかりだな……悪くねぇ」

「私も精一杯頑張るね!じゃあ早速―」



「あのね皆、やる気になってくれたのは先生とっても嬉しいんだけど今から校舎の点検作業が始まるから、今直ぐ下校してね?」

嘘だろJK……一致団結って時にコレかい!タイミング悪ッ!
だがしかし、コレくらいでへこたれたりしないからな!なんたって天音さんから貰ったアタッシュケース1台分の強化パーツはある!

覚悟しろよ生徒会!ぎったぎたに治してやるッ!!



団体戦当日。体育館では旭野先輩がこれ見よがしにドヤ顔でスタンバっていました。その隣には如何にもハーフな端正な顔付きの金髪碧眼の生徒。名前は昼坂クリスティーナ、通称はクリス。担当は庶務。あたしと同じ1年だそう。
隣にいる瓶底眼鏡に黒髪五分刈りの男子生徒は外山とやまソウタ。担当は会計。その隣にいる青みがかった黒髪ミディアムウルフカットと紫色のジト目に黄緑色のヘビパーカーを着たダウナー系男子は内野うちのフウヤ。担当は広報兼生徒会役員の補助。今回は審判を担っているようだ。

「よく来たわね!恐れをなして逃げ帰るかと思ったわ!!」

『如何にも三下が言いそうな台詞及び敗北フラグ、どうもありがとうございます』

「やっぱり貴方生意気よ!覚悟なさい!いの一番にぎったぎたにしてあげる!任せたわよ外山君!」

「お任せ下さい副会長!この外山、全身全霊で勝利を掴み取る所存であります!!」

おーおー、やる気満々じゃん。そーりゃどうも。やる気に満ちているのはいいことだ。喧嘩売られたのでそのまま買うぞー。そういえば、小早川先生何処行ったんだ?何か用事が出来たって言っていたけど……。


「『スタンドアップ・ヴァンガード!!』」



で、結果はどうだって?そんなの……あたしの勝ちしかないよなー。


『殺れぃ、神託の守護天使プロフェシー・セレスティアル レミエル!スキルでダメージゾーンの表のカードと同名カードを全てスタンド!R全てのパワー+10000、2枚ドロー!!』

「そ、そんな!うわぁぁぁぁ!!」


いぃや楽勝楽勝ー。肩慣らしにもならなかったわ。これであたし達の一勝、次勝てばなんてことない!


「い、今のは肩慣らしよ!貴方達の実力を測る為の小手調べ!本番はこれから!先鋒戦は私がやるわ!!」

「流石です副会長!石橋を叩いて渡るその慎重さは流石です!」

うーわ、遣り口が汚え。よし、コイツはこのまま本気で潰していいかな?いいかな?いいよねぇ?


「さあ、私の相手は誰!?」

『今日は滅茶苦茶頗る調子が良いのでこのままあたしが―』

「私です!私が相手になります!!」

『各務原先輩!?』

「詠導さんがあの時助けてくれたこと、すごく感謝しているの。それに…詠導さんは記憶を喪っても前に進もうと頑張っているんだもの。私も先輩として頑張らなきゃ、示しがつかないもんね!」

各務原先輩はやる気満々だ。あたしのことを凄い人みたいに言っているけど、あたし自身はそうでもないと考えています。
綴木先輩以外のサッカー部の部員達に濡れ衣を着せられて詰られても、ヴァンガード部のマネージャーとして頑張れるのは普通に凄いです。な・の・で、サッカー部の連中が今度付き纏って来たら、黒翼のソードブレイカーの如くソイツ等の魂ごと圧し折ってやりますからご安心を。

「貴方が相手?たかがマネージャーの貴方が、副会長である私に挑む勇気と度胸は評価します。ですが、勝つのは私です!何故なら―」

「進行妨害で減点すんぞ馬鹿副会長」


内野先輩は誰彼構わず忖度しない性格のご様子。良いお茶が飲めそうだ。意味は分からん。頑張れー、各務原先輩!!

「「スタンドアップ、ヴァンガード!!」」
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